安倍晴明邸お屋敷、主(あるじ)の癒し

 

 

 

「泰明さん、京の冬は寒いのでしょうか?」

 

「…寒い、と思う」

 

 

 

わたしはこの京に召喚され

 

泰明さんと恋に落ち

 

ずっと泰明さんの側にいることを決めた

 

 

 

今は泰明さんのお師匠である安倍晴明様のお屋敷にいる

 

 

外の景色を見ながら

二人で渡殿でお話をするのが日課になっていた

 

 

 

「わたしは昨年のそのころの感覚がないので

正確に答えられない

…すまない、神子」

 

「あやまらないでください

泰明さんのせいじゃありません」

 

 

「そうじゃ、泰明」

 

「お師匠」

「晴明様!」

 

奥の回廊から晴明様がやってきた

 

「…そして心配するでない龍神の神子よ」

 

「…え?どういうことですか?」

 

 

「この屋敷は春夏秋冬

人間に一番最適な気温に保たれておる」

 

「そうなんですね…

通りですごく過ごしやすいと思っていました」

 

 

「ほほ

そういわれると嬉しいの」

 

晴明様はそういって泰明さんとわたしの頭をなでた

 

 

「泰明…」

「はい」

 

「…寒いときは神子に言うと良いぞ

神子は暖かそうじゃからな、抱きしめてもらうと良い」

 

 

一瞬、二人ともぽかんとした

 

 

「…晴明様!」

「お師匠、からかわないでください!」

 

「…からかってなぞいない

わたしは早くそなたたちの可愛い赤子をみたいのだ」

 

 

今度は二人とも顔が赤くなる

 

 

「ふふ

二人とも素直で可愛いぞ」

 

 

そう言って晴明様は渡殿の奥へ静かに消えていった

 

 

 

 

どうやら晴明にとっては二人とも子供のような存在で

 

二人の可愛い顔を見るのが何よりの癒しなのだろう

 

 

2011年新春創作