知のプロファイリング
英米文学研究室の特色は、イギリス・アメリカ文学を機軸として文献実証的に分析批評を展開している点にあります。 文学は人生記録でもなく、荒唐無稽な読み物でもありません。 文学における言語空間には政治もあれば美学もあり、そして心理学もあり哲学もあり、行動学も歴史もかかわっています。 つまり我々は複合的な文化背景のなかで作家や作品を理解しようとしているのです。 ようするに、英米文学を切り口として、人間をとりまく総合的な文化・社会環境のもとで、人間理解を試みている点が最大の特色です。
個別的なことをいえば、英語という言語環境だけでなく、文学的テキストを成立させているもろもろの要因を抽出し、 それらの関係的な総体を検討し、そのテキストの歴史や文化や地域などのコンテキストにおける意義を明らかにするのが我々の目的です。 言い換えれば、西欧の「知」の領域をプロファイルすることが我々の研究室の目指すところです。
我々はテキスト分析の過程で知識をより国際的なレベルで相対化して理解する努力をしています。 開講されている授業科目は16世紀から20世紀にいたるまでさまざまです。 どのクラスも第一次資料をつうじて西欧の知の構造に接近しようとしています。
我々は英米文学研究を情的なレベルではなく、知のレベルでとらえ、その地平をさらに高邁な世界へ飛躍させることを目標としているのです。 知識とはどのようなものでしょうか。ヘレン・ケラー女史が初めて知った文字は"W-A-T-E-R"すなわち「水」でした。 女史にとって、物には名前があるという発見は、言語のもつ豊穣なる抽象の世界の啓示でもありました。 知識とはいつも啓示的に出現するのかもしれません。しかもそれはパワフルな畏怖を伴う喜びの体験ではないでしょうか。 あなたもみえざるものの前に立ちはだかる扉を開けてみませんか。
つけ加えれば、英米文学研究室はたんに英語を勉強することではなく、英語をツールとして使用し、書かれたものの意味範囲をつねに考えて、 人間の精神的足跡にせまろうとしています。就職はこれまでのところ順調です。 大学院に進学するのもよし、外交官になるもよし。 同時通訳者、中学高校教職、教科書制作会社、銀行、報道、出版、コンピュータ関係と進路は多岐にわたっています。