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Oblivion プレビュー その2 インタビュー篇 05年 E3でのOblivionのデモンストレーションはとても注目を集めたようで、かなり多くのサイトにプレビューが載りました。その為、開発者には各メディアからインタビューが試みられています。ここでは、ちょっと面白そう、と感じたインタビューを紹介したいと思います。 CBS News、Xbox Evolved、Xbox.com、Game Chronicles Magazine、GameSpot、GameSpy、Washington Post、Beyond3D の記事からインタビューを紹介します。 CBSは米国三大ネットワークのひとつです。社会派の「60 Minutes」などが有名で、お堅いイメージのある局ですが、俗っぽいジャンルもあって、もちろんゲーム担当のライターさんなんかもいたりするワケです。Oblivionの記事だって掲載されておりました。なにやら質疑応答らしき部分も見受けられます。ゲームに深い関わりをもったサイトならともかく、CBSのライターが一体どんな事に関心をもって記事をまとめているのか、ちょっと興味が湧きませんか? では、CBS Newsのプレビューから (CBS) Elder Scrolls IV: Oblivionは、我々がE3で見学した中でも秀逸なゲームのひとつであり、なおかつ、見て呉れにもかなり気を遣ったゲームのひとつである。 高品位テレビとマイクロソフトの次世代機Xbox 360専用にデザインした事で、Bethesda社は真に迫った見栄えのする世界を創造している。かつてないヴィジュアルを作る為、オブジェクト(全部で9,000個もある)とサーフェイスには複数のマッピングが階層的に施されているのだ。金属、ガラス、炎、それに木に至るまで、本物そっくりに見える。 情景がとても緻密なので、森の中を彷徨っているだけで見とれてしまう。本当に森らしく見えるのだ。 この森林地帯は自ら生成されていく。天気の移り変わりや風にも反応する。枝の先に目を転じれば、デジタル世界のそよ風に揺れる様子が見て取れる。 Bethesda社によれば、Oblivionは何百時間プレイしても飽きさせないという。200以上の手作りダンジョン、1,000人のノンプレイヤーキャラクター、パトリック・スチュワートをはじめ有名俳優による60,000にも及ぶ音声セリフが収められている。 製品はクリスマスシーズンにお目見えする。 以下、Bethesda社との受け答え: (CBS) 「Oblivion」とはどういう意味? Elder Scrollsシリーズの本土であるTamrielでは、地獄と同じ意味です。 (CBS) あらすじは? Oblivionからデーモンどもが放たれ、世界が征服されそうになります。行うべき役割やクエストといったものはプレイヤー自身が判断し、Tamrielをデーモン達から解放できるかどうかが命題となります。 (CBS) ゲームのプラットフォームは? PCと次世代ゲーム機です。 (CBS) Oblivionで描かれる舞台は? インペリアルの州でTamrielの中心都市であるCyrodiilが舞台です。Oblivion自体もそこに位置します。秘教的で魔の森を備えたCyrodiilでは「典型的なファンタジー」の雰囲気が強く感じられるでしょう。 (CBS) 物語はMorrowindのお終いを引き継いでいるの? Elder Scrollシリーズの章は、それぞれで完結するまったく独立した物語です。他のあらすじと密接に繋がるような事はありません。Elder Scrollに新しい伝承や歴史が増えるだけですから、何が起こっているかを知るために前作をプレイする必要は全くありません。 (CBS) プレイしているときの画面は、一人称? それとも三人称? 両方です。主として一人称視点でプレイします。ボタンあるいはキーを押せば、視点を切り替える事が可能です。どちらの視点を使っても、ゲームを隅まで遊べます。 (CBS) マルチプレイは搭載されている? 今のところ、シングルプレイ専用です。二通りの遊び方に対応するべく開発力を分散させるより、一方に絞って、最上のシングルプレイを提供する事に注力したいと思っています。 (CBS) 必要なPCの構成は? ゲームが発売される時点で、最新のハードが望ましいです。開発にあたり、先進性を重視して、なるたけ新しいテクノロジーを採用していますから。従って、最新のハードウェアならば、Oblivionの全てが発揮できます。 (CBS) Construction Setは今回も付属するのですね? もちろん。PC版に付属します。ゲーム専用機版には付きません。 (CBS) スクリーンショットは本物? それともわざわざ出力させたもの? 静止画はすべて、ゲームをプレイしている間に撮った100%本物です。 (CBS) Morrowindのキャラクターをインポートできる? いいえ、できません。Elder Scrollsのシリーズはどれも単体で完結しています。今度の章をプレイする為に前作を遊ぶ必要はありませんし、セーブファイル、キャラクターとも、全く互換性がありません。 (CBS) プレイできる種族は? 従来のElder Scrollsの種族はみんなプレイできます。ただし、キャラクター作成法は前作とは異なっています。Morrowindの手順(プレイした結果でキャラクター作成をする)を踏襲してはいますが、さらに昇華されています。 (CBS) レベルを成長させる方法は? 殺戮によって経験点を獲得するのではなく、スキル偏重で報償が与えられます。つまり、剣術で何かを殺したのならば、剣術が上手くなり、盗みを働いたのならば、ステルスの技術が上昇するといった具合です。魔法の何らかの手段を用いたなら、それに対応したスキルが上昇します。スキルをどんどん上達させると、レベルも成長できます。 ・・・拍子抜けするくらい、普通でした。Morrowindを遊んだ人なら聞きたくなるような当たり前の質問ばかりです。あらかじめ下調べを済ませておき、せっかくの機会では、もっと有意義な質問をするはず・・・。当たり障り無い受け答えですから、要するに質問票に属す内容だったのでしょうね。今回はどちらかというと、プレビュー記事だったので、インタビューらしさは皆無と言った方が正しかったみたいです。 次は、ざっくばらんな質問攻勢をかけているインタビューです。相手が偉い人だと突っ込んだ事を聞くには勇気がいるものですが、それが出来ないとインタビューにはなりません。このライターさんは、限られた時間内で健闘していると思います。この海外サイトはXboxを扱っているので、質問内容は自ずとそちらに傾倒したものになっています。 次は、John Olin氏のXbox Evolvedのインタビューから The Elder Scrolls IV: OblivionのプロデューサーGavin Carter氏にお話を伺い、Xbox 360で誰もが待ちわびているこのタイトルへの質問にお答えいただいた。 XE: 開発における役割を教えてください。どのくらい深く携わっておられるのですか? Gavin: プロデューサーを務めています。いわば、列車を定刻通りに走らせる、そんな役どころです。さもなければ、遅れはどのくらいか、それとも早すぎるのか、関知します。たくさんの会議に出席して、開発者の大勢と話し、スケジュールを守るようにさせます。ゲーム内の様々な要素全部に責任を持ちますが、仕事は主にプログラマーとキャラクター・アーティストと共同して片づけています。 XE: ゲームに登場する種族について教えてください。種類はどの程度で、新しいものは居ますか? Gavin: Morrowindに出てきた全10種族が再び登場します。NordやImperialといったヒューマンのバリエーション、Wood ElfやDark ElfといったElfのバリエーション、それにOrc、二種類の「獣人」(猫族Khajiitとトカゲ族Argonian)をプレイできます。新しい種族を加える予定はありません。 XE: 我々が初めて体験するものはありますか、それは何でしょうか? Gavin: 操作に関しては、一人称視点(もしくは三人称視点)のゲームと同じに遊べます。ですから、ごく普通に周囲を移動したり、世界への働きかけが行えます。古典的なファンタジーの設定も馴染みやすいでしょう。全く初めてのものがあるとは思いません。少なくともOblivionの領域に入るまでは問題無いでしょう。そこから後は判りません。 XE: マイクロソフトによれば、Xbox 360のタイトルにはごく標準的にXbox Liveが実装されるそうですね。OblivionにもXbox Liveで出来ることがありそうですか? Gavin: プレイヤーに新しいコンテンツを届ける事ができるXbox Liveには、我々も凄く期待しています。もちろん、OblivionもLive Awareになります。発売後には、ダウンロード用のコンテンツを充実させるつもりです。他にもいくつかアイデアがありますので、今後の発表に期待してください。 XE: パトリック・スチュワート氏が参加する事になったきっかけは何ですか? 他の声優についてヒントだけでも頂けませんか? Gavin: いたって簡単な経緯です。皇帝の役はスチュワート氏にしたいと白羽の矢を立てて、彼が了承してくれたのです。スチュワート氏のおかげでゲームとキャラクターに大きな存在感が生まれました。他の声優については言えません。我慢してください。 XE: あなたの判断では、現時点で何パーセントまで完成していますか? Gavin: 「05年末の販売」を目指しているので、それはもうすごく奮闘しています。世界は大部分ができあがっていて、クエスト等も組み込み済です。後は残りを片づけて、テストして修正して、完成まで調整を続けるだけです。パーセントで示すこともできるでしょうが、あまり意味は無いと思います。 XE: 平均的なプレイヤーがOblivionをクリアするには何時間かかるでしょう? Gavin: メインクエストに関して言えば、20から30時間くらいでしょう。ゲーム全体だったら、とても判りませんねぇ、何百時間かな。全部クリアするにはもっと時間がかかるでしょうから、99.9%の人がクリアまで至らないかも。 XE: Bethesda社がXbox 360用のゲームを開発しようと思った理由は何ですか? 流通上の問題ですか? Gavin: 開発を始めた三年余り前から次世代ハード用のゲームを作りたいと思っていたのです。その年の後半にはPCとXbox 360に的を絞りました。他のプラットフォームに関しては現時点では言えません。 XE: 開発に当たって苦労したのはどんなところでしょうか? Gavin: ゲーム開発というものは、一言で表せるほど生易しいものじゃありません。全く新しいシステムを思いつく事から始まって、それを実現し、バグをしらみつぶしにして、高品位な内容を広大な領域に渡って作り上げる・・・そういう課題といつも格闘です。しかし、Bethesda社には課題を喜んで克服してしまう人材がいるので、本当に救われています。 XE: 来年には何か新しい発表があるのでしょうか? Gavin: Oblivionを仕上げるという大仕事がありますから、来年の事を考える余裕はありません。今の仕事に全力を傾けています。 インタビューにお付き合いいただき、ありがとうございました。 回答者はこれも一種の顧客サービスすなわちプロモーションですから、すすんで協力してくれる反面、答えにくい部分は必ずと言っていいほど受け流されてしまいます。いろんなインタビューを読んでいると、中にはインタビュアーが可哀相になってくるほど酷い(質問が直球過ぎるか、逆にハズしている)状況もあったりします。インタビュアーの面目を潰さないように上手に回答してくれる人もいますが、時にはそうでない人も・・・。そんなときでも、そのマズいままで記事が成立してしまうのは、包み隠す事を善しとしないアメリカだねって感じです。 次は、Xbox.comの開発者インタビューから Morrowindを越えて Elder ScrollsサーガがXbox 360にやってくる。Bethesda Softworksのイグゼクティブ・プロデューサーTodd Howard氏はその準備に追われている最中だ。我々はThe Elder Scrolls: Oblivionについて、物語、登場人物、そして技術的な内部にまで突っ込んで話を伺ってみた。 Xbox.com: Oblivionですが、制作スタッフはもうどのくらいかかりきりなの? 貴方の見立てでは完成まであとどのくらい? Howard: もうかれこれ三年になろうとしてるよ。それも今年中で終わるけど。最初のまる一年は新しいテクノロジーの件だった。新しいレンダリング方法、手続き型の地形、生成される表情、リップシンクとか、そんな事。続く二年間はコンテンツとデザインのプロダクションに費やしてる。 Xbox.com: The Elder Scrollsシリーズには、開始時から今まで、何人のスタッフがかかわったの? The Elder Scrolls III: Morrowindの時とは、開発の仕方が違ってる? Howard: シリーズ通しで? うーん、ダブリなしで100人は携わってるんじゃないかな。幸運なことにMorrowindのスタッフのほとんどがOblivionに関わっているし、新しい人員もたくさん追加してる。 Oblivionは基本的に作り直しているから、いろんな部分で、Morrowindと同じような開発を経ているね。ただし、今回は最初からゲーム専用機を視野に入れているんだ。Morrowindの場合、開発の半分が済んでからXboxへの対応が始まったんだけど、Oblivionでは一日目からXbox 360を念頭においていた。様々な面で次世代ゲーム機に見合うような設計を心がけたわけなんだ。 Xbox.com: スタッフは余所のゲームをプレイした? あるいはOblivionに影響を与えたゲームはある? Howard: Morrowindだね。培われてきた部分や、これまでの問題点や、ArenaからDaggerfall, Morrowindへと、シリーズを通じて改良されてきた部分からの影響が大きいよ。Thiefシリーズに携わった経験を持つスタッフも何人かいるから、ステルス・システムはその影響を受けているし。他には・・・Bungie, Blizzard, Biowareの作品かな。頭文字がBの会社のだよ。 Xbox.com: Oblivionは全く新しい筋書きで、Morrowindでの出来事とは特に関係ないそうだね。新しい事件の設定は? 主人公はどうして巻き込まれるの? Howard: ゲームは自己完結するのがいいんだ。だから、「続編」なんて相応しくない。今度の事件は帝国の州都Cyrodiilで起きる。プレイヤーの任務は、Tamrielでの地獄、すなわちOblivionからの侵略を防ぐことだ。その為に、玉座の正当な後継者を見つけるべく、そこへ行かないといけない。 Xbox.com: Oblivionをシングルプレイ専用にした理由は? Howard: それが一番楽しいと思うから。この世界と物語を結びつけるには、孤高の英雄、つまりシングルプレイヤーでなくては。 Xbox.com: プレイヤーにとって、Oblivionの舞台Cyrodiilは初めての場所だよね。本物の世界で言い表すと、そこはどのくらいの広さ? Howard: 40平方マイルだから、かなり広いよ。 Xbox.com: Cyrodiilにはどのくらいの種類のギルドや派閥があるの? 路地裏や綺麗な木々のそばで待ち受けているのはどんな敵? Howard: プレイヤーが参加できる主な派閥は、メイジギルド、ファイターギルド、シーフギルド、アリーナ、ダークブラザーフッドの5つだ。主な敵は、Oblivionから現れたDaedraと、それを支援している人間の組織、Mythic Dawn。 Xbox.com: Morrowind以降にリリースされたRPGには、核となる物語に、善と悪にまたがる選択肢を備えたものが増えたけど、Oblivionにはこうした善悪の決断はある? Howard: クエストの多くは、善の立場か、さもなければ悪の立場で解決する事になっている。シーフギルドやダークブラザーフッドなどが「悪の」ギルドだ。ダークブラザーフッドは本当に邪悪な暗殺者集団。 Xbox.com: 公開されたスクリーンショットは凄かった。リアルさ、デザイン、究極の美しさは、どうやって実現できたの? Howard: 過去の作品で学んだ全てをかけて、僕らが時間を費やしているテクノロジーの成果さ。ピクセル・シェイダーのおかげだね。 Morrowindでは水の効果が上手くいったので、今度はサーフェイスに凝ることにした。ひと目でそれが、金属だとか、木とか、石とか、血とか、肌であるとか判る。HavokやGamebryoのようなミドルウェアもいくつか利用している。細部表現が凄いよ。 具体的には、照明にはノーマルマップ、色彩にはディフューズマップ、煌めきにはスペキュラーマップ、ジオメトリィのディテールにはパララックスマップを使ったりしている。肌、髪の毛などには特別なシェイダーも使っている。パララックス・マッピングは目新しくて凄いテクニックでね。ディスプレイスメント・マッピングに似ているけれど、GPUにはずっと好都合なんだよ。 Xbox.com: Radiant A.I.ですが、他のAIキャラクターや世界とも深く関わっていけるのはどうして? Howard: どのNPCも24時間7日分のスケジュールが組み込まれ、各(おのおの)自分で判断もしている。だから、彼らに「午後2:00にこの街で食事をしろ」みたいな一般的な目標を与えると、それを実現する手段を考え出すんだ。食料を探してから、座れる場所を見つけて食べる、そんな具合さ。食料は買ったり、盗んだり、猟をして手に入れる。ただし、細かい判断はNPC自身が下していて、我々はただ目標を与えるだけだ。 Xbox.com: 普通のNPCは選択や個性にどのくらいの複雑さを持っているの? クエストでもなく、戦闘でもない状況で、主人公はNPCと関係を持てる? Howard: NPCには、プレイヤーキャラクターと同じ無数の特性[stat]が与えられているので、彼らはそれを使って、プレイヤーと同じくらいたくさんの判断ができる。プレイヤーは説得に関するスキルを使えば、NPCに格好良く影響を与えられる。虐めたり、誉めたり、自慢したり、冗談だって言えちゃうよ。 Xbox.com: Radiant A.I.で、予想外な振る舞いとか、びっくりさせられた、とか、笑ってしまった、とか、失望させられたとか、そうした事はあった? Howard: 衛兵が食べ物を得ようとして、シカを狩りに行ったんだ。衛兵は何かを攻撃している者を逮捕するようになっている。それで、シカ狩りの衛兵は、逮捕しようとする衛兵に攻撃を受けたんだよ。他の衛兵達もそれを見て加勢しようとした。衛兵地獄になったね。他には、街中のNPCが窃盗とショッピングを企てて、商品がきれいさっぱり無くなった事もあった。 こんな風に、NPCは自分達の事だけを考えるように、ごく基本的なシステムが作られているんだ。ただし、その対象は小さくしてある。店に何も置いてなかったりしたら、プレイヤーが楽しくないからね。 Xbox.com: Morrowindと比べて、今度の移動やテレポートで大きな違いはある? Howard: 大きな変更点は、既に訪れた場所ならば、インスタントのファスト・トラベルが使えるという事だ。更に、主要都市は全て、まだ行ったことが無くてもファスト・トラベルが使える。世界のどこにでも、より早く行けるようになって、ゲームがずっと楽しくなる。 素早く移動できるようになっても、辺りを探検して回ったプレイヤーには特典がつく。新しいファスト・トラベル・スポットが発見できるから。それはキャンプとか森林地帯の宿屋とか、新しいダンジョンとかになる。 Xbox.com: 武器の有る時と無い時で、戦闘はどう変わる? Morrowindより改善かつ拡張されている? Howard: 今回は、我々もゲームの中の戦闘がどんな風に行われているのかを再現したいと思った。だから、それを主眼に置いてみた。新しい戦闘システムを3つも用意して、結局、今のものに落ち着いたんだ。 実は、互いが剣で叩き合うときの躍動感あるエネルギーを取り込めたらと思っていてね。まだ誰も試していないみたいだから、やってみた。だからプレイも良くなったし、見た目も良くなった。プレイヤーは以前よりもっと戦闘をコントロールできる。 特殊移動が実行できるし、ブロックも可能だ。それらを行うタイミングで戦闘の優劣が変わる。それに加え、出血の描写もある。もちろん、過剰の流血が好ましいとは思わない。けれど、誰かを剣で叩けば、血が出るのが普通だ。従って、プレイヤーは適度な血しぶきを目にする。 Xbox.com: PCと次世代Xboxの両方で等しく機能させる為に、戦闘や魔法のシステム構築で直面した難問はある? Howard: いや、特になかった。前作より更にアクション性が強い割りには、プラットフォーム間での移植はそんなに困らなかった。 Xbox.com: キャラクターはどうやって自分達のスキルや能力を向上させるの? The Elder Scrollsシリーズの核となるルールには、重大な変更は加えられた? 今回も、トレイナーにお金を払えば、プレイヤーキャラクターはスキルを身につけられるの? Howard: プレイヤーは今回もスキルを使うことでそれを向上させる。変更はあったけれど、この分野ではそんなに多くない。スキルベースの成長システムはとても上手く機能していると思う。楽しいし、実際のロールプレイに基づいた成果が下されるから。 別のスキルを加えたりとか、修正は行ったから、バランスは良くなったね。でも、「利用した歩合」制だ。トレイナーも前回と同じ。スキルのポイントを買うことができる。ただし、毎レベル数ポイントに制限したから、お金だけではレベル成長が出来ない。補助的な役目というワケだ。 Xbox.com: 魔法システムで新しい部分や改良点はある? 変更されていない部分は何? Howard: 魔法は全面的に新しくなった。より使いやすくて、ゲームの攻略には、かなり力強い味方となる。魔法は戦闘と統合されたから、対詠唱、対攻撃、対ブロックでボタンが別々だ。能率的だし、3つのボタンの中から即座に切り替えが出来る。ミックスの効果という、魔法の基本的な概念は前作から継承されている。 Xbox.com: ファンタジーRPGのキャラクターは、大抵、ウィザード、ウォーリアー、シーフ、ヒーラーといった分類に収まるものだけれど、Oblivionで、戦闘に長けていない主人公を作ったとしたら、そのキャラクターはゲームの中で生き残れそう? Howard: 唯一扱いにくいのはヒーラーだろうね。ゲームの中ではプレイヤーはたいそう攻撃を受けるし、たくさん殺さないといけないから。その内のいくつかは避けられないよ。格闘も出来るようにはしてあって、格闘では、敵のヘルスとファティグーにダメージを与えるから、それもつまらなくはないよ。倒し方にも別の方法が出来たわけだ。 Xbox.com: Morrowindでは提案される指針がクラスそのものだったけど、今回は提案されるクラスやカスタマイズ可能なクラスはある? Howard: うん。 Xbox.com: Oblivionではどんな種族が利用可能? 種族毎に何種類のキャラクターモデルが用意されているの? プレイヤーは自分独自の主人公をカスタマイズできる? Howard: ヒューマン、エルフ、獣人の範囲で、Elder Scrollsお馴染みの10種類の種族が選べる。キャラクターモデルに関しての制約は無い。顔は手続き型[procedural]のシステムだから、好きなだけ顔の種類を作ることができる。粘土をこねるみたいなものだよ。顔に年を取らせる事も出来る。髪型や、髪の長さ、それに色も選択できる。だから、キャラクターの面相はすごく多岐に及ぶ。NPCも、一人ずつ個性的な顔立ちをしているよ。 Xbox.com: このゲームはシングルプレイ専用だけど、Xbox Liveの機能を何らかの形で生かす予定は? コンテンツのダウンロードとか、Xbox Live Awareとか、そういったものはある? Howard: ええ、もちろん。Xbox Live Awareで、ダウンロードは活用していくよ。XboxのMorrowindの時は、plug-insに利用しようと思ったけど、達成できなかった。Xbox 360では是非利用できれば、と思う。 Xbox.com: Bethesda社がOblivionで成し遂げたい目標をひとつ上げるとしたら、それは何? Howard: 次世代に相応しい代表格のRPGを作ること。 長いだけあって、なかなか身のあるインタビューでした。Xbox公式サイトならではですね。NPCの挙動はおもしろ可笑しい事がまたもや判明しました。衛兵地獄、可能なら見てみたいですねぇ(笑) 魔法システムの刷新はアクション性が高そうですが、その代わりバンバン使えるようになっていそう。プロシージャルな顔の作成は、もはや最近の風潮ですね。無限のバリエーションが作れそうに思える反面、実際には顔の幅が一定だとか、眉間の幅が一定だとか、(以上はThe Sims 2の場合ですが)システムによっては、どうしても弄れない部分があったりするものです。この辺りは本物を見てみないとなんとも言えませんが。 次は6月9日に公開されたインタビューを紹介します。 Game Chronicles Magazineのインタビューから Oblivionは、Tamrielの州都Cyrodiilを舞台にした、シングルプレイヤー専用ゲーム。誰の手の者とも知れぬ暗殺者によって皇帝が殺されてしまった。プレイヤーは玉座に着くべき、隠れた後継者を探し出す任務を負う。正統なる皇帝が不在のまま、Oblivion(Tamrielでの地獄の意味)への門が開き、デーモン達によってCyrodiilは侵略を受け始め、人々と街はその襲撃にさらされてしまう。行方知れずの皇位継承者を見つけ、Tamriel全土を破壊するかもしれない不吉な陰謀を暴く、その行く末は、プレイヤーにゆだねられている。 Elder Scrollsのしきたりに習い、メインクエストはプレイヤー自身のペースで体験することが出来る。そこには、広大な世界を探検し、自らの運命を切り開いていける機会が豊富に用意されている。シーフギルドやメイジギルドなど、様々な派閥に所属が可能。派閥のそれぞれには、独立したストーリーが含まれており、集団を牛耳るボスに昇進する機会も与えられている他、いろいろな報酬を手にする事が出来る。 Oblivionの目玉は、新しい試みであるAIシステム、Raiant AIである。これにより、ノンプレイヤーキャラクター(NPC)には、周囲の環境に基づいて、彼ら独自の判断をする能力が与えられている。NPCは食事を取る場所を選んだり、話す相手を選んだり、何を喋るべきかを判断できるのだ。個性に基づいて、眠ったり、教会に出かけたり、盗みを働く事まで可能なのである。表情の動きがアニメーションされ、セリフの全音声にリップシンクする様は、これまで無かった程、NPCに命を吹き込んでいる。 Mat HoughtonによるGame Chronicles独占インタビューで、この最新RPGの裏側に迫る。 GCM: 時間を割いていただき恐縮です。よろしければ、まずご自身の紹介とOblivion開発スタッフについて一言お願いします。 Todd Howard: 責任者のTodd Howardです。Oblivionを手がけているスタッフは、Morrowindで一緒だったメンツと、新規登用の才能豊かな人材の混成部隊なんです。 GCM: Oblivionの物語はプレイヤーたる主人公が中心で展開するとは思いますが、その粗筋を教えてください。それと、一番お好きなシーンも。 Todd Howard: 監獄の房内でゲームは始まります。暗殺者を退ける為に、皇帝とその護衛のBladeが利用する秘密の抜け穴がそこにあるからです。プレイヤーたる主人公も脱出を成しますが、死ぬことになる皇帝から、真の皇帝の証、Amulet of Kingsを受け取ります。そして、正統なる皇位継承者を探し出して、Oblivionの門を閉ざすよう、依頼されるのです。好きなシーンですか? そうだな・・・主人公が皇位継承者を見つけて、僕が贔屓にしているBlade達と皇位継承者とを再会させる場面ですね。 GCM: OblivionのE3デモでは、先進的な物理エンジンの事が、強く印象に残りました。これはHalf-Life 2で利用されたものなんでしょうか? それとも、自社開発のエンジンなんですか? Todd Howard: 物理を司っているのは、Havokです。素晴らしいエンジンですよ。 GCM: ゲームの中の森林が構築されていく仕組みを教えてください。また、ゲーム内ではどのように活用されているのでしょう? Todd Howard: 探検する度にリアルタイム生成される森林は、ずっとやってみたいと思っていた事の一つなんです。そのノウハウには、多くの時間を費やしました。素敵な景観のエリアを形作る為に、手続き型の地形生成(土壌の種類と浸食の年月に基づくもの)と樹木(種類とランダムに成育する集団に基づくもの)と草(その土地の傾向に基づくもの)とを組み合わせたのです。更に、樹木による影が加わると、本当に別の場所に来たように感じられる事でしょう。 ゲームプレイという観点では、リアルな森林は、探索に最適の肥沃な場所となります。ダイナミック・コンパスのおかげで何かを見つけるのも楽です。というのも、僕達が森林で真っ先に体験したのが、「迷っちゃった」だったので。森で遭難するなんて、英雄的な体験とは言えそうもありませんからね。 GCM: NPCが利用するradiant AIの事をもっと教えてください。手間と容量を節約するという目的の他に、キャラクター達をスクリプト処理するよりも勝っている点とは何でしょう? Todd Howard: Radiant AIシステムを使うことで、より大規模なサイズで物事を扱えるようになるのです。他のゲームなら、各NPCに別個のスクリプトが必要となるべき箇所でも、僕達のNPCには目標を与えるだけで済みます。Radiant AIシステムにより、NPCには、自分で考え、目的を果たす力が授かるからです。同様に、秀逸な振る舞いをさせる事ができるようになります。しかも、極めて大規模に。 その他の利点としては、スクリプト処理よりも、ゲーム自体が生き生きしたものになるという効果があります。まったく同じ時の同じ出来事でも、NPCはそこに立っているとは限りません。ゲームの中で、あるプレイヤーが体験した事実や、プレイヤーを取り巻く世界で起きている事件は、他のプレイヤーのそれと比べたときに、必ずしも同一とは限らないのです。プレイヤーが耳にする会話や、その結果として派生するクエストには、バリエーションがあります。したがって、ゲームの世界は、より現実味が増し、生きているように感じられるはずです。 GCM: Oblivionは、Xbox 360とハイエンドのPC向けにリリースされる予定となっています。Xbox 360のローンチ・タイトルになりそうですか? PCでOblivionを走らせる場合、どのくらいの構成が必要でしょう? Todd Howard: クリスマスシーズンを目標にしていますが、まだ正確な日付はわかりません。PCのスペックに関しては・・・お分かりですよね。最高のグラフィックを味わうつもりならば、ゲームが発売された時点で最上級のものを揃えておくべきでしょう。可能な限り多くのシステムで動作するように配慮していますが、どのくらいまでスペックを落とせるかを述べるには時期尚早です。目標としては、Morrowindの場合よりも多くの色々なシステムで動作できるように、と考えています。 GCM: 開発するにあたり、PCとXbox 360とでは、どんな違いがありますか? Todd Howard: 内容としてはまったく同一ですが、インターフェースも違えば、レンダリング用のパイプラインも異なります。アート部分は同一のソースを使っていますが、ゲーム内での描画方法に違いがあるのです。 GCM: 世界中のどこでも誰とでも繋げられると、マイクロソフトはXbox 360で強調しています。Oblivionでは、このオンラインの利点を活用できるでしょうか? Todd Howard: Xbox Liveで、クールな事をやろうと計画しています。それには当然、ダウンロード可能なコンテンツやmodsも含まれるでしょう。ただし、具体的にはまだ未定です。 GCM: ここで、ゲームプレイについて質問させてください。キャラクター作成はどの程度までこだわれるのでしょうか? (KhajiitとArgonianを含む)種族は全部プレイできます? 例えば、Akavirの種族など、なにか新しい種族はいます? Oblivionでは、Khajiitはどのフォームがメインなのでしょう? Todd Howard: Elder Scrollsでお馴染みの種族は全部プレイできます。もちろん獣人[beast races]も全部登場します。プレイヤーキャラクターは、外見を以前のタイトルにも増してカスタマイズ可能です。 キャラクター作成はだいぶ変わったものになりました。Morrowind流を取り入れていて、更に発展 --- すなわち、作成シーンをプレイする --- させてます。ある一定の部分をプレイする事で、どのような経緯でそのクラスを選択する事になったのかが理解できるようになっているのです。プレイ・スタイルに見合ったクラスが提案されるようになっていますが、最終的にはプレイヤーはなりたいものを選べます。 GCM: Daggerfallには存在したのに、Morrowindで抜け落ちてしまったフューチャー、例えば、銀行、騎乗生物、馬車、登坂能力、船舶や邸宅の購入/所有、など、は含まれる予定なのでしょうか? Todd Howard: 今言われたようなものを含む、新しいフューチャーをたくさん取り入れました。知っている場所ならば即座に行けるファスト・トラベル・マップを復活させましたし、「足で」の旅程を短くできる騎乗生物を購入したり利用したりできます。装備品を保管できる家は、各主要都市に存在し、購入可能です。他にも、ゲーム内で人々が体験したり行うであろう「フューチャー」--- 会話、殺陣、NPC AI、など --- にかなりの時間と労力を割きました。全ての面でより楽しんでもらえる事を目指して、そうした分野に何か新しい内容が欲しかったからです。したがって、プレイは充実したものとなり、「退屈な部分」は無くなりました。 GCM: キャラクターはその場の状況に適した衣装を身につけた方が良かったりするのでしょうか?(例えば、フォーマルな場ではフォーマルな衣服を着た方がNPCからの心証が良くなる、など) Todd Howard: プレイヤーの身につける衣服は、特定のNPCには影響を与えますが、その範囲は大きくなく、僅かなものです。 GCM: TESシリーズの古くからのファンは、Morrowindにおける衣装のカスタマイズが、Daggerfallのそれには及ばなかった事にがっかりしています。Oblivionでは、改善されるでしょうか? Todd Howard: Oblivionでは、良くなっていると思います。もっと見栄えのする衣装が増え、コーディネートもしやすいでしょう。とはいえ、Daggerfallのような2Dのシステムで出来たような膨大なバリエーションは不可能です。 GCM: Cyrodiil以外のTamrielをどのくらい探検できるのでしょうか? Todd Howard: CyrodiilとOblivionがまるまるゲームの舞台になっています。でも、巨大ですよ。 GCM: プレイヤーが所属できるギルドや派閥にはどのようなものがありますか? Todd Howard: メイジ、ファイター、シーフ、それにダーク・ブラザーフッド(アサシン)という主だった4つのギルドがあります。この4つには、専用のメインクエストが存在し、望むなら、プレイヤーは4つ全てに所属する事もできます。更に、アリーナというギルドによく似たものが存在し、所属すると、闘技場巡りでの戦闘と昇進に明け暮れる事になります。ギルドはいずれも、以前よりずっと価値が増し、より磨きがかかっていると思います。仮に、ギルドだけしかプレイしなかったとしても、十分に楽しめる事でしょう。 GCM: TES Construction Setを使えば、ゲーム中のオブジェクトのテクスチャ張り替えが容易にできるようになるのでしょうか? Todd Howard: この部分は以前とほとんど同じです。TES Construction Setは、既存オブジェクトを修正できるようには作られていません。それ専用のプログラムが必要です。TES Construction Setは、ゲーム世界そのものの創造・編集や、ゲーム世界におけるオブジェクトの創出、編集が目的なのです。この事に限って言えば、ゲーム作成を容易にしてくれる、数多くの機能強化や改良点を楽しんで貰えるでしょう。mod作成も、より簡単にしてくれます。クエスト作成のシステムは、Morrowindよりもずっとずっと良くなりました。 GCM: Oblivionという題名は、なんだか最終章を連想させますね。この先もあるんですよね? Todd Howard: これでお終い、というつもりはなくて、タイトルはあくまで語の響きで決めただけです。Oblivionの後ですか? それはもう、いろんなアイデアがありますから。 GCM: 最後までインタビューにつきあって頂けて光栄です。結びの一言として、何か述べておきたいコメントやジョーク、逸話などがありましたら、是非お願いします。 Todd Howard: 伺った質問には、新しいものを古いものの視点で見比べるなど、自然で理にかなったテーマがありました。Arena、Daggerfall、Morrowindがそうであったように、Oblivionも個性的なゲームであるように求められています。いずれも前作から打って変わって、新しい方向性で進化して来ました。これがシリーズの秘訣だと言えます。うまく機能する部分をゲームに取り込みつつ、毎回、新しい事を欠かさず試みてきました。目論みのいくつかは成功し、いくつかは失敗もします。それでも、試行錯誤を止める事はないでしょう。ご静聴感謝します。どうかゲームを楽しんで下さいね。 テクスチャ張り替えに関しての言及がありました。TES CSは、機能が強化されても、扱う範囲はMorrowindと同じという事のようです。また、騎乗生物と家が持てるようですね。皇帝からAmulet of Kingsを預けられるというのは初めて聞きました。 次は、E3後の情報として、思わず期待してしまうインタビュー(7月8日公開)を紹介します。 GameSpotのインタビューから 5月のElectronic Entertainment Expoでの反響をみるにつけ、The Elder Scrolls IV: Oblivionは、Xbox 360のローンチ・ラインナップの目玉であるばかりか、次世代ロールプレイングゲームの原典とすら言えそうだ。PC版、並びにXbox 360版で今年後半発売予定のOblivionには、探検用の濃密でしっかりした世界と、驚嘆すべきグラフィックとが共存しているのである。しかも、Oblivionは、息の長いElder Scrollsシリーズの四番目のゲームなのだ。当然、歴史的に深いものが含まれる。我々は、このゲームに関する最新情報を、イグゼクティブ・プロデューサーTodd Howard氏に伺ってみた。 GameSpot: E3が終わって一段落がつきましたね。展覧会の評判について伺います。Oblivionには、多くの賞賛が集まりましたが、Maryland大学に教えてあげたいような有益な意見はありましたか?内覧会での様子を具体的に、読者にも解るように簡潔に説明して頂けますか? Todd Howard: とても上首尾に終わりました。25分間のデモを実演しましたが、皆さん、とても楽しんでくれたようです。プラスな意見がたくさん寄せられました。これらをふるいにかければ、ゲームのどんな部分に更に磨きをかけて補強したらよいか、解ってきます。誰もが認めてくれたのはグラフィックですが、ファスト・トラベルやコンパスなどのゲームシステムの細かい部分でも、関心を多く引いたようです。これは、ゲームがより簡単で、遊びやすく、方向音痴で困らないようにする為に取り入れた部分でしたからね。 GS: Bethesda社としては、Oblivionを、真の意味で次世代ゲームと位置づけているのだと思います。確かにグラフィックには驚かされるものがありますが、それ以外の面で、次世代ゲームと言える部分は何でしょう? 見栄えが良くなったバージョンのMorrowindでない理由とは? 既作とはどんな風に異なるのでしょう? TH: 何から話したらよいか解らないくらい、いろんな面が違っています。僕達は、どのゲームも新鮮である事を心がけていて、開発の度に毎回それを繰り返しているのです。Elder Scrollsのタイトルはどれも自己完結しており、前作からの続編ではありません。Oblivionも同じです。 GS: ゲーム世界はおよそ16平方マイルの大きさであることは解りました。おおざっぱに言うと、Morrowindの世界と比べて、どのくらい大きいのでしょう? Morrowindで目にしたような、砂漠や山脈や森林といった類の、地形や景観からなるバリエーションはありますか? Oblivionの世界はどのようにできあがっていったのでしょうか? 新しい地形生成システムがゲームに加えてくれたものは何ですか? TH: 平方マイルという単位で計ると、屋外の世界は、Morrowindのそれよりも、わずかに広い程度です。ファスト・トラベルを使うと、広く感じないはずです。縮尺はタイトルによって異なっています。というのも、ゲームを進行させる形態に基づいて広さを変えているので、比較はあまり意味が無いのです。例えば、プレイヤーがどこか歩かねばならないとしたら、それはごくごく狭い範囲で済むようにしています。地形という観点では、いくつかの種類があります。例えば、海岸、山脈、平地、森林、降雪地帯、などなど。 GS: Oblivionにおけるノンプレイヤー・キャラクターはMorrowindのそれより個性的ですが、それに関してお聞かせ下さい。MorrowindのNPCは、大抵、同じセリフを繰り返すばかりでした。個性という面からは、誰もが皆同じに見えてしまいます。表情のアニメーションや、パトリック・スチュワートといった有名俳優の出演が功を奏していますが、Radiant AIシステムは、味わい深いキャラクターを作り出す事にどのように貢献しているのですか? キャラクターに他人とは違う個性を与えているものが、AI以外にも何かあるのでしょうか? TH: いい質問ですね。各NPCに独特の外見を持たせる為に、手続き型の顔を使い、且つ、一人ずつ、少しばかりあつらえたセリフを持たせてあるのです。感情を表す為には、表情のアニメーションを用い、セリフはどれも音声付きになっています。これらの併用で、人工生命という幻が完成します。 賢いスケルトン GS: ゲームでは物理法則が働いています。その役割の重要性についてお聞かせ下さい。E3のデモでは、カボチャを投げて罠を発動させるといった、物理が働く実演をいくつか目にしました。Elder Scrollsのこれまでのタイトルでは出来なかったような何かを、この物理により行う事ができるようになりましたか? 物体の物理法則を使う事に、特典の付いたキャラクターの職業はありますか? あるいは、周囲の物理法則を利用することで、倒しやすくなったり、倒しにくくなったりするモンスターはいますか? TH: この部分は、非常によい勉強になりました。僕達が最初にゲームの中で遊んで試したのもこの部分です。特典が付くのはステルス系のクラスですね。品物を盗む場合か、忍び足を行ったり、人間やモンスターに対して罠を仕掛ける場合に有効です。現実味のある世界を示す手段としても利用しています。 GS: ゲーム世界の奥深い歴史を紐解いて楽しむ者にとって、Morrowindに出てくる書籍類には、読む事のできるテキストという価値があります。Oblivionにも、書籍類はありますか? Tamrielの情報は、ゲーム世界に点在している書棚の本を読む以外に、別の方法でも知ることが出来るようになっていますか? TH: 僕達は、Oblivionに400冊以上の本を用意しました。この冊数は、個々のゲームを通して充実してきたわけなので、前作に登場した書籍を再度利用する事で、うまく活用しています。毎回、何らかの図書館が建っており、且つ、ゲーム毎に新書が増えていくわけです。情報を拾い集める一番有効な方法は、巡り歩いて、住人が交わす会話を聞きかじる事です。音声セリフの大部分は、町人同士の世間話で埋まっているのですから。 GS: MorrowindはXboxとPCでリリースされていますが、OblivionもXbox 360とPCでリリースされる予定です。MorrowindのXbox版を開発する際に培われ、Oblivionで生かされた教訓とはどんなものでしょう? あるいは、より巨視的に、ゲーム専用機向けの開発で主に培われた事、あるいは異なるプラットフォームにおける開発で主に培われた事は何ですか? プラットフォーム毎に最適化されたインターフェースを除いて、OblivionのPC版とXbox 360版とでは、何かはっきりと目に見えて解る違いはありますか? TH: 過去に培われたノウハウは多く、Oblivionの開発でもそうした教訓が生きてます。ゲーム専用機向けの場合には、メモリー割り当てに気を付けなければならず、コード全体の合理化に心血を注がねばなりません。バージョン間の相違もそうですが、プラットフォームに依存せず、ゲーム自体が同一であることを心がけています。とはいえ、インターフェースにおける相違点はあります。 GS: 開発はどの段階に差し掛かっており、残されているのはどんな事ですか? PC版を遊びたい人は、どの程度のハードウェアをそろえるべきでしょうか? どちらの版も、同時にリリースされると考えてかまいませんか? それとも、Morrowindのように、発売日がずれるのでしょうか? TH: 現在、アルファ版です。ゲーム世界は完成しているので、それを磨き上げつつ、バランス調整をして、グラフィックの新しい処理と速度に関して最適化をしているところです。要求システムについては、まだ申し上げる段階ではありませんが、オプションをいずれもオンにしたい場合には、ゲームが発売された時点で最上級のPCを購入すべきでしょう。もちろん、Xbox 360ならば、性能上、申し分ありませんので、PCの性能が不足している場合にはXbox 360が良いでしょう。発売日ですが、同時にしたいと思っています。 GS: 広大なゲーム世界で、時には大勢の、時には一握りのキャラクターでテストを行っているものと思います。これまで、何か貴方をびっくりさせるような出来事が、ゲームの中で起こりましたか? TH: もう、ごまんとありますよ。つい昨日も、スケルトン達は、わざわざ強そうな武器を拾ってから、僕を殺そうとしてきました。「何をするつもりなんだ? あぁ、しまった。」という事がよく起きます。 GS: 最後に、The Elder Scrolls IV: Oblivionに関して、何か付け加えておきたい事がありましたら、どうぞ。 TH: ご支援とご声援に感謝します。このゲームが、皆さんに気に入って貰えれば幸いです。 GS: どうもありがとう、Todd。 質問はよく練られている印象を受けます。が、Todd氏の回答が今ひとつのような気も。いくつか並べられた質問群のうち、最後のひとつしか答えていないようなところも・・・。お忙しい中でのインタビューでしょうから、全てに満遍なく答えるのは難しかったのかもしれませんが。手応えのある情報というよりも、開発者の考え方が解る、という雰囲気のインタビューでした。 次は、MODに言及したインタビュー(7月12日公開)を紹介します。 Allen 'Delsyn' Rausch氏のGameSpyのインタビューから 自分独自の世界を、The Elder Scrolls: Oblivion (PC) Bethesda社のPete Hines氏に、The Elder Scrolls: OblivionのMOD作成に関してお話を伺った。 RPGのジャンルでは、「コンシューマー風」と「PC風」といった、妙な線引きがまかり通っている。コンシューマー風のRPGとは、日本の開発元によって作られたもので、ビジュアル面の力が強く、とげとげした髪型のアニメチックな若者が、あり得ない巨大なソードを振るうといったものだ。反して、PC風のRPGとは、西欧のデザイナーが作ったダンジョンズ&ドラゴンズを原典にしたような、架空の中世ヨーロッパ世界を色濃く再現しようと試みているもののことである。こうした差別化の結果、片方のRPGはもう片方のプラットフォームでは通用しないという常識が生まれた。PC版のファイナル・ファンタジー? ちょっとねぇ。しかしながら、「既成概念」が往々にしてそうであるように、実態とは隔たりがつきものだ。時には、それを骨を折って証明してくれる開発元もある。 「XboxでのMorrowindの成功には本当に驚かされた」と、最新作のElder ScrollsシリーズOblivionのデモを前にして、Pete Hines氏は当時を振り返った。「Xbox版とPC版合わせて、Morrowindは400万部以上も売れた」とHines氏。「しかも、その内訳はだいたい五分五分だった」 E3で実演された素晴らしいデモについては、微に入り細に入り十二分に語り尽くされた感があるので、Bethesda社には今回、親愛なるPCゲーマーの関心が深く、コンソールゲーマーには考える必要すらない事柄、すなわちMODについて語って貰う事にした。 ブロックの世界を作る MODに関する話題は、不思議にも、煉瓦繋がりが発端だった。Elder Scrollsシリーズの新作に限った事ではないが、ゲームを新たに開発する時のBethesda社の原則のひとつは、前作をまず木っ端微塵にするという事だ。それから、全く新しい製品を組み立てるのである。不評だった部分は捨て去り、好評だった部分を広げるのだ。これを踏まえて、Oblivionでは、自由度が高められ、舞台がTamrielになり、Elder Scrollsシリーズの前作との繋がりを持たないのである。現に、私の問いに対して、Hines氏は、プレイヤーはMorrowindで探検できた地域には出かける事すらできない、と、答えた。ただし、既作でお馴染みの、プレイヤーは牢獄に居るところから始まる点だけは、変わる事がない。 Oblivionでのグラフィックの長所は、プレイヤーキャラクターが房内を動き回るという実演を通して明らかになる。照明や外見や質感が、特別製だと自ずと解るのだ。Hines氏のキャラクターが、あれこれと房内を探って動き回る様子を目にして、すごく馴染みのある感覚を覚えた。私は、房を構成している煉瓦に、またもや感嘆させられてしまったのだ。壁の煉瓦はどれも見かけが違う。大きさも色もてんでバラバラだ。しかも、濡れて見える表面では、松明の明かりが反射され、壁から別々の方向へ発せられているかのように見えるのだ。Peteに向かって、この煉瓦は別々のオブジェクトじゃありませんよね、と尋ねてみた。彼は満面の笑みを浮かべて答える。 「ちがいますよ。」とPete。「この壁は、実際には平らなテクスチャです。輝きと反射は、スペクトラル・マッピングです。ただの平面テクスチャを、3Dの煉瓦が積み重なっているように錯覚させる為に、ピクセル毎にノーマルマッピングとそれ以外の様々なテクニックを施しています」 Hines氏によれば、ゲームの視覚的な美しさの鍵は、モジュール式だ。外見と質感に関わる情報は全部、テクスチャ・マップないしはスキンそのものに「焼き込まれ」る。そして、こうしたマップを、3Dオブジェクトの上に重ね合わせていき、アイテムとマップの両方が継ぎ目無く、組み込んでいけるようになっているのである。さしずめ、LEGOのブロックといったところだ。このデータは共有されているので、うまく適合する。Bethesdaのワールド・デザイナー達はこの仕組みによって、Oblivionを合作しているのである。 「それは、MOD職人にとっても便利そうですね」と私。「ええ、もちろん」とHines氏。「Oblivionでは、Morrowindよりも、様々な点でMODにやさしくなっています」 Hines氏によれば、Oblivionのコンストラクション・セットは、Morrowindのそれと同一のコンセプトとなっているが、より大規模な変更点が加わったという。これは、ライティング・エンジンにゲーム世界の全てを担当させている内容をテクスチャ・マップとも共有するといった、特性を「焼き込む」方式を持ち込んだものだ。ワールドのブロックは、LEGOブロックのように組み上げる事ができる。ゲーム中のオブジェクトはそれぞれ定義された物理特性を持っており、プレイヤーはアイテムが金属製か木製か布製かを気にせずに、世界に配置すればよい。勝手に相応しい振る舞いをしてくれるからだ。その際、相応しいテクスチャを張る事になるので、Bethesda社が作ったのと同じように素敵な外見の世界が出来上がる。(つまり、芸術的才能による上手・下手はない) カスタマイズの範囲は、物品を越えた領域にまで広げられている。顔が3、4種類しかないNPCが千人もいる、といった世界をプレイヤーが見なくて済むようにしようと、開発スタッフは頑張った。そのおかげで、顔ならびに体用のカスタマイズ・ツールキットが用意され、顔をいじくって膨大な種類を作ることが出来る。操作は簡単で、スライダーをずらすだけで、目の傾き、鼻の長さ、額の広さなどを変更できるのだ。パーツはうまく溶け込むような造りで、ベースの顔とも体ともよく馴染む。キャラクターの頬骨が低すぎるのなら、高くなるように、掴んで引っ張ればいい。このカスタム方式はキャラクター作成システムにも採用されているので、プレイヤーは独自の外見を持ったキャラクターを作る事ができる。更に、MOD作者が作るキャラクターも、個性を発揮できるというわけだ。 「ファンに報いる為、プレイヤーから自由を奪わないように心がけている」とHines氏。「私達がOblivionを組み立てるのに使ったツールを、プレイヤーも使って、組み立て直しが出来る」 ただし、当然の事ながら、いくつかの制約がある。このキットでは、Oblivionマスターファイルを使う事が求められる。つまり、MODを利用するにはゲームのディスクが要りようだ。また、開発者がコードとして組み込んでいない事柄を、エンジンにさせようとする場合には、敷居が高くなる。例えば、Oblivionでは地形に働きかける事は想定されていない。プログラムの上級者ならば、壁の突き出し燭台を外して間に合わせの武器にさせる、といった事も、やろうと思えばできる。「その他にも」とHines氏。「広い分野が残っている。プレイヤーはゲームで用意された一切合切を削除して、一から作り出すことも可能だ。土曜日の朝刊の漫画を模した新世界を作りたいと思ったならば、独自のアートをインポートして作らなくてはならないが」 Xbox 360でのコンストラクション PCゲーマーにはお決まりのコース、すなわち、MorrowindのMODを作るようなファンの軍団を、Bethesda社は静観しながらサポートし続けている。「Elder Scrollのコミュニティに接するまで、コミュニティがこれほど巨大だとは思いもしなかった」とHines氏。Hines氏によれば、Bethesda社は、1000万ものMODファイルのダウンロードがスムースに行えるように援助されてきたという。そうしたサイトのいくつかは、彼らでも予想しなかった程、複雑で緻密だ。Bethesda社は、PC版Oblivionの発売でコミュニティが活気づくと予想して、熱心なPCファンへのサポートを続けるつもりだ。そして、二匹目のより大きなドジョウ -- Xbox 360も捕まえようとしている。 Hines氏によれば、XboxでMorrowindのMODを扱おうとすれば、技術的な障害はそれほど大きくない。仮にプレイヤーがプラグインを手に入れる事ができ、それをXbox上でロードできるのならば、技術的には動作してしまうのだ。障害は、アクセス面とセキュリティー面である。Xbox LiveはMorrowindの発売から5ヶ月後の2002年の11月に始まったので、MorrowindにはXbox Liveを扱うコードが含まれていなかった。たとえ、コードが含まれていたとしても、ゲーマーの数が圧倒的に少なすぎて、Liveアーキテクチャーではサポートの対象に成り得なかっただろう。この状況はここ数年で劇的に変化した。ゆえに、Bethesda社はその利益を考慮する事にしたのである。 「マーケットプレイスでのダウンロード・コンテンツを検討しているところだ」とHines氏。「他にもいくつか検討しているものがある。調査中の段階なので、今はまだ話せない」 Bethesda社のコンテンツは当然「オフィシャル」である。マイクロソフトが公式にサポートするチャンネルを通して手に入るものだ。ということは、こんな疑問が湧く。Oblivionによって、コンソールの世界にもMODが到来するのだろうか? 「それこそ、私達が調査している最大の疑問の一つだ」とHines氏。実現には、技術的な障害以上のモノがあるようだ。コンストラクション・セットは移植できるのだろうか? それを使えばコンソールでMOD作成が出来るのだろうか? Oblivionのコンストラクション・セットは、Tony Hawk's Undergroundでレベルを一つ二つ作るよりも、ずっと複雑なものだ。だから、開発スタッフは、現在も、Xbox 360のハードウェアとコントローラの制限の中で、解決策を求めて研究を重ねている。もし、レベルの作成が可能になった暁には、プレイヤーにはそれを蓄える事が許されるのだろうか? 交換したり、他者へ公開したりできるのだろうか? XboxにおけるMOD配布の大きな問題は、それが規定にかかり、且つ商行為になると思われる点だ。マイクロソフトは、Xbox 360をマルチメディアデバイスとして使えるようになるだろう、と何度となく言ってきた。順当に考えれば、ユーザーは自分のメディアを蓄えたり、送ったりできるはずである。ただし、これには利用者サイドの認識が欠かせない。コンソールが熟成したり、コンソールのメーカー側(マイクロソフト)か、ゲームタイトルの開発社側のどちらかによって、「認知」を受けない限り、実現しないだろう。 これは、Bethesda社も気を揉む、頭の痛い部分である。「MODコミュニティを見張るような真似はしたくない」とHines氏。まず、コミュニティに関わる事で、Bethesda社がコンタクトしたプロジェクトにお墨付きを与えたかのように受け取られかねない。それに、プロジェクトの内容を吟味すると、ファンに嫌な思いをさせてしまう。次に、MODをテストしたりサポートするという義務が発生する。同様に、何もかもが上手くいかなかった場合、責任を問われかねない。 何より、PCとXbox 360とのマーケットの間に意志疎通が行われ得るのかという大問題がある。いずれにせよ、堅い潜在性があったとしても、そのリスクは相当なものだ。マイクロソフトはXbox 360をどのくらい開かれたものにしたいのだろう? 野放しのインターネット程だとは思えない。エンド・ユーザーズ・ライセンス・アグリーメントに書かれている文言はさておき、誰かがXbox 360用のウィルスを設計したり、極めていかがわしいMODを作った時に、マイクロソフトが矢面に立ってくれる事があるだろうか? 親がXbox 360のトレイからディスクを出すときに、「360Dem0NLordZZZ」サイトのロゴ -- Bethesda社とマイクロソフト謹製のものだ -- を見るような状況は来ないだろう。Oblivionは技術的な障害を克服しつつある。残りの部分がどうなるかは、しばし待てば解るはずだ。 MODに関するインタビューという事で期待してしまいますが、内容は少々肩すかし・・・かと。Xbox 360では、MODがどうなるのか、というところが焦点ですが、発売まで半年足らずあろうという現状では、答えは出ません。 次はCBS Newsに続き、一般メディアが取り上げた記事です。会社の内情が語られており、ゲームとは関係ない面で興味を覚えます。 Mike Musgrove氏のWashington Postの記事(8月15日)から 暗闇からスポットライトの舞台へ Rockvilleの開発本部から、名を馳せるゲーム開発者 ビデオゲーム開発元Bethesda Softworksのオフィスでは、正念場を迎えている。プログラマー、デザイナー、グラフィッカー、バグ・テスターからなる70人の開発スタッフが、秋発売予定のマイクロソフトXbox 360に合わせて、ゲームタイトルの同時発売を果たす為、激務をこなしているからだ。 1986年創設のBethesda Softworksは、生存競争の厳しいゲーム業界の中では長命である。この小さな会社は地味ながらも業界の中で確固たる地位を築き、発売直前の剣と魔法のファンタジーゲーム「The Elder Scrolls IV: Oblivion」は、大きな注目を浴びている。 Bethesda Softworks LLC ( http://www.bethsoft.com/ )と、親会社ZeniMax Media Inc.は共に窮地を乗り切った仲だ。Bethesda社は1990年代の後期には破産に近い状態で、しかも、後になって、創設者のChristopher Weaverが、3年前に社を奪い取られたとして、民事訴訟を起こした。 社の取締役会には、CBS最高経営責任者のLeslie MoonvesやDonald一族の兄弟でありTrump Management Inc.の社長Robert S. Trumpら、メディア産業の有名人が名を連ねている。しかしながら、ゲームにのめり込んでくれる20代から30代の顧客層を相手に、支持される製品を世に送り出せるか否かが、この会社の命運を握っているのである。 「The Elder Scrolls IV: Oblivion」は、開発に三年をかけた意欲作だ。開発者達のオフィスは、ゲームを自でいくかのごとく、Rockvilleの地下にある。そこはダンジョンのように暗く、床に落としたペンは永遠に戻ってこない。 「明かりを点けるように私達が言うと、いつも連中は言うんだ。「点けないでくれ!」」と、ZeniMaxの最高経営責任者兼会長のRobert A. Altman。 「穴蔵の暗闇で仕事をするのが、連中のお気に入りらしい。」とAltman。氏は、民主党陣営における人望と、1990年代始めのBCCI銀行スキャンダルでの役割で(いずれも無罪を勝ち取った)、ワシントンの法律家としても有名。 「穴蔵」と揶揄されるオフィスは、パーテーションで仕切られた会社風の部屋とゲームマニアの溜まり場の両方を兼ね備えている。棚の上にはアクション・フィギュアや、マンガ本、ビデオゲームが列ぶ。とあるパーテーションには、グラフィッカーが張り付けたスケッチ(おそらくOblivionでお馴染みになるだろうモンスターのもの)が一面を覆い、また別のパーテーションでは、アニメーターが戦闘シーンの演出に磨きをかけていた。 イグゼクティブ・プロデューサーのTodd Howard氏がBethesda社で働きはじめたのは11年前の事だ。そのときは家族経営の会社だった。彼の机は、暖房が無く、倉庫として使われていた場所にあった。冬の間、この場所のプログラマー達は暖を取る為に机の下にヒーターを置かなくてはいけない。仕事が終わると、「段ボールを敷いて横になる事もあった」とHoward。 新しいXboxは11月に発売予定なので、Howardには期日を守れるかどうかというプレッシャーが付きまとう。ZeniMax側もBethesda側もゲームの開発にどれほどの大金が必要であるかという認識が乏しく、プロジェクトを一任されているHowardには、せいぜい数百万ドルの予算しか与えられていない。現在のゲーム機向け開発の費用は、メジャーなタイトルでは1000万ドルが相場で、中には2000万ドル近くを注ぎ込むのもザラというのに、だ。 予算の成果はこんな風だ。Oblivionには50時間分のセリフと1000人のキャラクターが登場する。例えば、「新スタートレック」のピカード艦長として、マニアの間では有名な俳優のパトリック・スチュワートが声の出演をしている。ゲームの舞台は仮想の森林地帯(200ものダンジョンが点在する)で、その広さは16平方マイルにも渡る。 ゲーム世界における土壌の浸食具合や地勢をリアルに再現するにあたっては、メリーランド大学に人員を派遣して教えを受けた。新しいゲームシステムでは、リアリズムの度合いが更に高まり、プレイヤーが期待するであろう細部への配慮にも抜かりがない。 Howardによれば、ストーリーに沿ってプレイを進める他に、未開地であろうが自然の洞窟だろうが、プレイヤ−がどんな場所でも探検できるように、ゲームをデザインしたという。「世界を救うには20時間あればいい。」と、Howard。「ただし、200時間分の内容が用意されている。」 Bethesda社の手がけてきたジャンルは多岐に及ぶが、ゲーマーから見たBethesda社の評価は、10周年を迎えたElder Scrollsシリーズによって定まった部分が大きい。前作はXbox版とPC版と二つの拡張パック(これにより冒険が広がる)を合わせて、およそ400万部を売り上げた。 DFC Intelligenceの社長でゲーム産業アナリストのDavid Coleによると、Bethesda社はゲーマーからの「受けが良い」が、これまで屋台骨となる作品を作ってこなかった。Bethesda社が知名度を上げたロールプレイング・ゲームのジャンルは、既に熟成し過ぎた感のある分野だという。 Altmanによると、Bethesda社は100人以上の従業員を雇い入れ、更なる野心作の開発の為、向こう6ヶ月間で開発スタッフを倍増するつもりだという。社屋の調理場は拡張の割りを食って使用不能になり、録音スタジオ兼「モーション・キャプチャー」スタジオに転用されている。俳優の演技はここで録音されて、ゲーム世界に転送されるのだ。 現在開発中のタイトルには、Bethesda社が権利を手に入れた、名作ロールプレイング・ゲーム「Fallout」の続編や、ディズニー映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」の次作とタイアップしたアクションゲームも予定されている。 ビデオゲーム産業は、Electronic Arts Inc.のような、巨大な販売網を持つ巨人が大手を振るい、一年で何ダースものタイトルが発売されている。それに比べたら、Bethesda社は小さな卸売り業者のようなものだ。昨年には主だったタイトルの発売が何もなかった。 Bethesda社の親会社ZeniMaxは、双方向TVのコンテンツと技術開発の為に1999年に創設された会社である。ところが、技術の陳腐化により新しい投資先を余儀なくされていたのだと、Altmanは言う。 ZeniMaxの経営諮問委員会は、Tony Coelho、Terence R. McAuliffe、前メイン州上院議員J. Mitchellら、Altmanの民主党における人脈で構成されている。 90年代の始め、創設者のWeaverと面会した後、Bethesda SoftworksはAltmanを迎え入れた。Weaver夫人は婦人科医で、Altman夫人でもある女優リンダ・カーター(最初の「ワンダーウーマン」の主演俳優で、現在は映画「The Dukes of Hazzard」に出演中)を診た因縁がある。 3年の間、Weaverは社を離れていたが、実はAltmanに追い出された、とthis weekに語っている。 現在、マサチューセッツ工科大で客員研究員を務めるWeaverは、契約を更新できなかった件でZeniMaxは違約金を払う必要があると述べている。結局、民事訴訟は敗訴してしまったが、Weaverは控訴をすると述べた。 AltmanはWeaverの主張に「勝手な空想だ」と答えている。 「Bethesda Softworksは経営破綻したので、ZeniMax Mediaが子会社化して資本提携し、軌道に乗せたのだ。」とAltman。「Weaverに嫉まれるとは残念だ。」 こうした内輪のゴタゴタも、ゲーム市場では全く問題とならない。ゲーマー達は製品を元に会社を評価してくれるからだ。 幸先のいい反応も聞こえている。例えば、GamePro magazineでは、マイクロソフトXbox360用ゲームタイトルの中で、大口の販売元が発売する多くのゲームを押しのけて、上位三指の中に入るとして「Oblivion」が取り上げられた。 英語の記事中には「Todd Howard, 34歳。Bethesda Softworks LLCのイグゼクティブ・プロデューサー。11年間勤めている間に、無名の会社が大きくなっていく様子を見てきた。」というキャプションと写真が挿入されています。この写真、もの凄くひょうきん者に写っているのですが、どうやら、これがToddさんのキャラクターっぽいです。というのも、Morrowind公式頁のこのあたりの写真を見ても、おふざけ大好きに見てとれるからです。 Xbox 360の発売は11月中であるらしい事が記事からも解ります(まだ公式な発表はありませんが、大方の予想と符合します)。ローンチ・タイトル(本体と同時発売)である点も、ほぼ確定のようです。Bethesdaが経営破綻していたという裏事情は大変興味深く、見事に立ち直ったという辺りも凄いですね。個人的に、とても面白い記事でした。 4gamer.netで、あのワンダーウーマンの女優が出演という記事が出ましたが、バックグラウンドはWashington Postの記事で述べられている通り。ZeniMaxの最高経営責任者Robert A. Altmanの夫人がリンダ・カーターなのでした。友情出演(?)なのかしら。 ・・・さて、前回から、だいぶ間が開いてしまいましたが、Oblivionは05年内に発売される事はなく、06年1月になっても未だにプレビューやインタビューの記事が続いているのでした。 テクノロジー面を扱ったインタビューが出ていたので、今回はこれを紹介したいと思います。ゲームの重さや、ハードの必須要件を伺い知る材料になりそうな、興味深い内容が語られています。 記事中には、技術的で難解な表現が幾分登場しますが、私にはその方面の造詣が無いので、[ ]を用いて原語を併記致しました。いささか不十分な翻訳があるかもしれない事をあらかじめお断りしておきます。 Richard Connery, John Reynolds両氏のBeyond3Dの記事(06年1月9日)から The Elder Scrolls IV: Oblivion, テクノロジー・インタビュー 2002年に発売されたコンピューターRPGの中で、Bethesda社のMorrowindは、ダンジョン・シージとネヴァーウィンター・ナイツと並び、「三強」の仲間入りを果たした。競合ひしめく中、多くのハイエンド仕様を引っさげた一皮むけたエンジンは今なお輝きを失わず、ゲーマーはその画面に夢中になっている。Morrowindは数々の賞状に輝いた上、二つの拡張セットを出し、版も重ねている。Bethesdaは現在、the Elder Scrolls シリーズの最新作 Oblivion の仕上げにかかっており、そのグラフィックは、描画設定を最大にしたならば、現行の二大最強ビデオカードですら手こずりそうに見える。PC版とXbox 360版の発売を控えている開発者に、ゲームのA.I.と物理にかける、並々ならぬこだわりについて、ズバリ聞いてみた。Beyond3Dの質問に快くお答えいただいたのは、Gavin Carter氏である。 Beyond3D: お使いになっている動的影生成[dynamic shadow]の技法について、聞かせてください。シャドウ・マッピングを採用しているのですね。 Gavin Carter: シャドウ・マッピングです。ただし、現在用いている技法は、E3で実演したものとは異なります。影生成の実験では、当初、あらゆる表面にキューブ・マッピングを使っていましたが、広範に試す内に、この方法を基本にすると、全ての処理が重くなってしまう事が解りました。そこで、キャラクター向けには、単一のシャドウ・マッピング[single shadow maps]を使うやり方へ切り替えました。このやり方では、セルフ・シャドウをフル・サポートし、ソフトシャドウの効果では、多重サンプル[multiple samples]、且つ、深度比較[depth comparisons]を適用しています。このような組み合わせを採用した結果、視覚的にもパフォーマンス的にも、Oblivionでの多様な表現を扱うには十分なシステムが仕上がっています。 Beyond3D: その動的影生成[dynamic shadow implementation]は、どのような性能のマシンでも、例えばローエンドであっても、再現できるのでしょうか? ハイエンド専用のオプション設定ですか? Morrowindと比べると、どのくらい見かけが変わったのでしょう? Gavin Carter: 動的影生成は、どのような性能のマシンでも再現できます。セルフ・シャドウやソフト効果といった部分は、切り替え[toggle]オプションとしました。同様に、ローエンドの性能でもパフォーマンスを良くするために、影生成を適用するキャラクターの人数を調整するオプションがあります。Morrowindと比較しての見かけには、雲泥の差があります。ステンシル・シャドウは、もはや使っておりませんし、最低レベルであっても格段に優れた描写が行えています。Morrowindの画面表示並の解像度を影生成に費やしていますので、これにより、影の投射[shadows over distances]をフェイディングしたり、ぼかしたりする表現がずっと秀逸になっています。 Beyond3D: 動かない影生成[static shadows]には、あらかじめ計算済みの影[pre-computed shadow]といった技法を使っていますか? 使っておられるなら、動的影生成とはどのように馴染ませているのでしょうか? Gavin Carter: あらかじめ計算済みで行う技法はまったく使っていません。そうした計算済みシャドウ・マッピングでは、我々の動的日時システム[dynamic time-of-day system]と噛み合わないからです。それに、完璧に動的な解決法を用いた方が、グラフィッカーが創造した通りを形にして表現する際には、適応性で優れています。 Beyond3D: これまでのインタビューによると、Oblivionのエンジンには、表面に対するより優れた光源処理[sophisticated lighting across surfaces](例えば、ノーマル・マッピングとパララックス・マッピング)が出来ると伺っています。パララックス・マッピングを利用しての感触や、接合[junction]やテクスチャー張り付け時の問題についてはどうです? Gavin Carter: ハイエンドのビデオカードで生じるテクスチャー抜けの問題は、視点の計算を頂点毎ではなくピクセル毎に行う事で避けました。テクスチャー抜けは、ユーザーが利用するカードが何であろうと、処理側に起因する問題ですが、カメラがテクスチャーを突き抜けてしまうような状況でない限り、この処理で、実用上、問題が起きない事が解っています。物覚えの早いグラフィッカー達のおかげで、置き換えられる範囲の限界内で、見栄えの善し悪しも追求されています。T-junctionsは、光源計算に限った問題なので、オブジェクトの作成法を改善する事により、グラフィック作成の段階で、概ね解消することが出来ています。 Beyond3D: Oblivionは、発売時に於いて、統合化されたハイダイナミックレンジ[HDR]演出を取り入れた、初のゲームの一つだと思います。どのようなソリューションを使ったのか教えていただけますか? 浮動小数点ブレンディング[fp blending]を使っているのでしょうか? それとも、ピクセルシェイダーでのブレンド時に何かオプションがあるのですか? Oblivionでは、浮動小数点テクスチャー[floating point textures]は利用されていますか? Gavin Carter: Oblivionで採られたHDRのソリューションは、演出効果の具体性と精度を増す為に、浮動小数点テクスチャーを利用して、浮動小数点バッファ・ブレンディングを行うというものです。ピクセルシェイダーで行うブレンドを採用した場合、我々の目指す効果では、非常に高く付いてしまう事になります。 Beyond3D: シェイダーモデル[Shader Model]は、どの仕様までを採用しているのでしょうか? これまで伺ったインタビューでは、SM 3.0までというお話でした。これはパフォーマンスの優位性のみ利用するのでしょうか? それとも、頂点シェイダーにおけるテクスチャー・フェッチ[texture fetches in the vertex shader]といった、SM 3.0の特別なフィーチャーを使うという意味でしょうか? Gavin Carter: シェイダーモデルは2.0から3.0までを採用しています。SM 3.0の効能については、繰り返しと枝分かれという優位性[advantage of some looping and branching]を活用しており、主としてパフォーマンスを良くする目的です。SM 3.0では、シングルパスで全ての光源処理を行う事が出来、ブレンドしたオブジェクトに対しても、フルに光源処理が行えます。 Beyond3D: 前述に関連しますが、シェイダーモデルのバージョン毎にエフェクトを書くにあたって、どんな事を感じましたか? Gavin Carter: 当初から、シェイダーの大半は、2.0のスペックを念頭において書かれていました。それをシェイダーモデル3.0用に書き直すのは、なかなか楽しい仕事でした。というのも、おかげで、処理のスピードを上げられるし、パスをまとめる事ができるからです。反して、これに逆行する作業では苦痛に感じますが、幸運にも、そういう状況はほとんど避けられました。 Beyond3D: 既に披露されているスクリーンショットがこれほど精巧なので、制作者にとって、見栄えが優先課題なのだと解ります。この点で困ったことはありましたか? 何か優れた簡略化[portal culling]の手法をお使いですか? Gavin Carter: オブジェクトが可視領域の特定のしきい値の下に落とされた場合、その光源処理、地形処理、シェイダーを縮小するにあたっては、LODモデルで処理しています。同様に、内装に関しても、単純且つ俊敏な手抜き処理[simple, fast occlusion culling technique]を行っています。更に、グラフィッカーの独創性を妨げることのない方法で、このシステムの最適化に努めています。 Beyond3D: これまでのインタビューによると、新規エリアの描写処理を早めるために、マルチ・スレッドを使っていると伺いました。この観点から、メモリーの速度や、CPUのL2キャッシュ、AGP/PCIeの速度といった、目に見えない要素はどのくらい重要でしょうか? Gavin Carter: 最適化が進むに連れて、最終的な要因がハッキリしてくると思います。例えば、我々は、L2キャッシュが取りこぼさずに効率を発揮するようにコードを最適化する事に時間を割いていますし、様々なハードウェアでそれぞれの利点が生かされるように努力しています。どんなパーツからでも、速度を上げる要素が搾り取れ、ひいては全体に効果を及ぼせるはずです。 Beyond3D: 毎シーンにロードされるトライアングル数と頂点数の平均値について、何らかの情報が伺えればと思っています。ゲームでは、およそいくつのピクセル・シェイダーを用意しているのでしょうか? 差し支えなければ、ピクセルと頂点シェイダーが受ける命令の平均回数を教えてください。 Gavin Carter: トライアングル数と頂点数の値は、かなり高い値である、としか申し上げられませんが、マイクロソフトと主流派のビデオカード会社が、次世代水準として推奨する枠には収まっています。ピクセルシェイダーについてですが、カード別にコンパイルした別々の設定全てを数えると、数百もあります。ただし、その内、一般的な条件で利用される、主要なシェイダー・エフェクトは、およそ25くらいでしょう。命令はシェイダーモデルとの組み合わせで扱いますので、ローエンドな2.0のシェイダーではコンパクトになるようにしてあります。一方、3.0の照明効果シェイダーではかなり冗長なものとなり、高速なビデオカードが前提になっています。 Beyond3D: OblivionでModを作ろうとする人へ、Morrowindからの変更点を簡潔に教えて上げてください。 Gavin Carter: 大なり小なり、広範な変更が最も多く加えられているのは、エディターですね。巨大なエリアにオブジェクトを素早く配置する為の、region generation toolやheightfield generation toolといった、全く新しいツールが増えています。ダイアログとクエストのシステムは、作業手順に役立つように作り替えられており、更に、エディターの中で、Havokにオブジェクトを操作させ易く出来るようなツールが追加されています。Mod作成者は、開発者が設定済みの、AI機能の隅々にまで、アクセスすることが可能です。 Beyond3D: PCとXbox 360の開発者として、マイクロソフトのXNAにはどんな感触を覚えました? XNAのプロファイリング・ツールと統合化されたマルチプラットフォーム性を賞賛する人もおりますが、どの点が一番お気に召しました? Gavin Carter: XNA Studioは、まだリリースされていないのですが、Xbox 360でのプロファイリングと開発用に提供されたツールは、良くできていました。パフォーマンス・プロファイリング用のPIX toolは特に秀逸で、最近は、毎日それを走らせるのが日課みたいなものになっています。 Beyond3D: 今回のPC版とXbox 360版での開発と、MorrowindのPC版と初代Xbox版の開発とを比較して、何か違いがありました? Gavin Carter: 初代Xboxは、基本的にはPCのアーキテクチャーとよく似ているので、違いはごく僅かでした。360の方は、典型的なゲーム機といった感じで、とにかくゲーム専用にチューニングされています。マルチコア・アーキテクチャーや統合化メモリーシステムといった代物が相違点で、これが技術的な挑戦を生じるわけですが、開発はクロスプラットフォームがお膳立てされています。マイクロソフトからは万全のサポートを受けることができ、それは初代のXboxよりも良かった程です。 Beyond3D: 物理法則を取り入れた事で、CPUの使用率を多く奪うような、その他の贅沢な構成要素(A.I.やレンダラーなど)とは、どのように配分をつけているのでしょう? 今時の開発者としては、物理法則が扱えるようでないと、ツブシが利かないと思われますか? Gavin Carter: 我々は、物理の実装を可能な限り最適化すべく、Havokとの連携を密に考えました。ハーフライフ2をプレイした事のある人なら、物理法則があると、遊び方が縦横無尽に広がる、という事が解って貰えると思います。開発者連中も、ゲームにおける物理法則の重要性には合点がいってるはずですから、物理の無いゲームは考えられないという状況になるでしょう。物理法則がもたらしてくれるであろう、新しい遊び方に期待しています。 Beyond3D: 以前、Havokは十分素晴らしいと伺いましたが、その一方で、Oblivionが、後にパッチでPhysX/Novodexに対応できるといった道は残されていますか? Gavin Carter: ゲームに後付けできるような新しいテクノロジーには、いつも目を光らせています。物理エンジンが脚光を浴び、Havokが業界標準になったのには理由があります。100余りのゲームで実績がありますし、Oblivionでの実装時にHavokサイドが提供してくれた数々のサポートや、システム面の最適化は、貴重なものだったからです。可能性があろうとなかろうと、新しい物理エンジンをまるまるサポートするという事は、パッチという範疇を遙かに越えてしまうだろうと考えます。 Beyond3D: Oblivionの大きな特徴の一つがA.I.です。A.I.のルーチンはどのくらいの複雑さで実装されているのですか? 可視状況と関連(視野にアクターが居ないときには省略される、距離を目安にしている、等)しています? Gavin Carter: 大抵の場合、プレイヤーとNPCとの視認状況と立ち位置に基づいて処理がなされています。描画を行わないキャラクターについても、膨大な最適化を行っています。 Beyond3D: 24時間のスケジュールをA.I.のアクターにどうやって割り当てたのか、巨大な世界はどう作ったのか、更に、その挙動を追うときにはエンジン全体を止めずにどう行ったのか、秘密を暴露してくれませんか? ゾーンやセルの境界毎にスナップショットを更新していたんですか? Gavin Carter: 前述のように、距離に基づいて処理時間を割り出しています。NPCが取りうる活動の巾や量のコントロールは、並行処理[multiple processing levels]で行っています。プレイヤーから遠く離れているキャラクターは複雑さの乏しい活動に従事し、プレイヤーのごく間近に居るキャラクターよりも、ずっと抑えられた頻度で、自分達を更新します。 質問にご回答頂いたGavin Carter氏に感謝すると共に、このインタビューを準備してくれたPete Hines氏にも感謝する次第である。Elder Scrolls IV: Oblivionは、PC版とXbox 360版として、2006年の早期にリリースされる予定となっている。詳しくは公式ホームページへ。 さりげなく、濃い内容が詰め込まれていますね。SM3.0対応のカードやデュアルコアのCPUが欲しくなりそうですし、PhysXボードは不要だと解ります。「最適化」という言葉が頻繁に聞かれ、延期の理由も推して知れます。ピクセルシェイダーに関しては、西川善司氏による最近の記事のどれかを読めば、なんとなく解ったような気になれますが、いずれはOblivionを題材にして講義して頂くと良さそうですね。
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