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Oblivion プレビュー E3デモ篇
ロスで5月18、19、20日に渡って開催されたE3 2005にて、Elder Scrolls IV: Oblivion のデモンストレーションが披露されました。これは内覧会の体裁だったようで、一般見学者は観ることができません。海外サイトの記者が著した内容で、Oblivionデモの概要を理解してみたいと思います。


GameSpotGameSpyIGNTeamXbox、そして、Waiting For Oblivion、の5つのレポートから、デモンストレーションの内容をみていきます。

国内サイトでは4gamerのライターがこの内覧会を体験しています。大まかな内容は、当然ながら同じですが、これから紹介する海外のライターによる細部の描写からは、いくつか新しい情報が読みとれます。また、4gamerのライター氏により、関係者から「Oblivionは2バイト文字などを使った複雑な他国言語へ対応している」という情報が引き出されました。実際にMODで日本語が利用できる事が約束されたわけではありませんが、期待できる知らせと言えるでしょう。

では、GameSpotのAndrew Park氏による記事から

デモを紹介してくれたのは、エグゼクティブ・プロデューサーTodd Howard氏。同氏によると、「Elder Scrollsシリーズの鍵は再発明」という事で、前作Morrowindもそうだったように、Oblivionでも、これまで用いてきた古い技術を捨て去って、新しくエンジンを作り直している。ハイ・ダイナミック・レンジのライティングや、スペキュラー・マッピング等、次世代のライティングとシェイダーを活用して、ディテールが緻密な世界が成立したのだ。開発自体は、Morrowindの制作が終了した頃から始まっており、およそ三年を費やしている。

デモは牢獄から始まった。プレイヤーは、Tamrielの首都にある地下牢に幽閉されている、名無しの囚人。凸凹の積み石で出来た壁や、錆び付いた手枷が、前述のライティングとシェイダーによって、迫真のリアルさで表現されている。手枷は、動かすと、その鎖がジャラジャラと鳴って実に本物らしい。ゲーム内でプレイヤーが弄れるオブジェクトは9,000超もあるという。

やがて、不意の来訪者が現れる。その人物は、Morrowindでプレイヤーが仕えた絶対君主、皇帝Uriel Septim VIIその人だ。皇帝の声を当てているのは、新スタートレックでお馴染みのパトリック・スチュワート氏。(余談ながら、ゲーム中には、50時間超の音声セリフが用意されているという。)皇帝は信頼のおける近衛兵二人に従われ、秘密の抜け穴から、地下牢へやってくる。

なんたる運命の悪戯か、秘密の抜け穴はプレイヤーが投獄された房内に通じている。近衛兵は房の扉を開ける為に、プレイヤーを叱責して距離を置かせようとする。これまでのシリーズでもあったように、皇帝の手の者にたてつく動きをすれば、即、殺されかねないという空気が辺りに立ちこめる。

この場面で、逃亡を企てる方法として、戦闘を選ぶか、ステルスを使うか、等々により、キャラクターの実質的な職業が定まる。記者の観ていたデモでは、プレイヤーキャラクターの囚人は近衛兵におとなしく従っていた。そして、囚人の顔を夢で見たことがある、と皇帝が言うところを目撃する。後になって判明するのだが、皇帝は間者に殺されてしまう。そして、皇帝の見た夢は何も役に立たないのだった。皇帝の暗殺後、Tamrielのおぞましい地下世界Oblivionへの門が開かれる。王国の崩壊を救うには、唯一存命の皇帝の息子を見つけなければならないのだ。

ここで、風景のモデリングの実演に変わる。森林はプロシージャルなレンダリングだ。巨大で草の茂った森林地帯は、立木や低木と丘陵や岩々を系統的に取り囲む下草から成っている。Howard氏によると、画家の手を煩わすこと無しに、部品を配置して森林を作る方法を知る為に、開発チームの数人がメリーランド大学のエコロジー学科に相談したという。

更に、プレイヤーが森の中で道に迷うことがないように、コンパスが用意されている。このコンパスは、「エルフ遺跡に属すダンジョンが近くにある」という風に、興味深い地点を指し示す事が出来るのだ。探検できるエリアとして、16平方マイルが用意される計画だという。そのおおよそ半分が森林地帯となる。

デモで訪れた遺跡は、重武装の兵士に守られていて、連中はブロードソードを抜いて攻めてきた。ここで新しい一人称視点の戦闘システムが実演された。実演では、フットマンズ・シールドによる防御とロングソードの攻撃とを繰り返し行って、この兵士は退治される。

接近戦では、少なくとも二種類の攻撃法が用意される。攻撃ボタンを押すことで行うクイック・アタックと、攻撃ボタンを「長」押しして行うヘビー・アタックである。キャラクターは、用いる接近戦用武器とそのスキル・レベルに応じて、いろいろな攻撃方法と組合せが利用できる。スキルは、Morrowindと同様に、繰り返し使う事で上昇する。Howard氏によると、この戦闘システムは、手軽である事と動的な要素[fast-paced and kinetic]を大事にしているそうだ。だから、戦闘では、大量の流血もみられる。

ジメジメとして石の多いダンジョンに赴くと、よろよろ歩く一本腕のゾンビと骸骨の戦士がいた。ダンジョンにはこれ以外にも脅威が存在する。こちらに向かって飛び出してくる、スパイクの埋め込まれたスライド式格子戸といった、巧みなトラップの数々である。サイドステップでこのトラップをかわすと、上手い具合に骸骨戦士が二体、このトラップで粉々にされた。

また別のダンジョンでは、ボウによる射撃を避けるため、拡張されたステルスが実演された。上手く隠れている状態のときは目の形をしたアイコンが画面に表示される。食料の山を見張っているゴブリン二名と仕掛けられていた罠をやり過ごす状況では、ゲームの物理表現が実演された。そばのパンプキンを掴んで、ワイヤトラップに放つと、天井からロープで釣り合いを保っていたスパイク付きの重りが外れて落ち、ゴブリン達が宙に舞った。

ここで、実演の舞台は、中世ヨーロッパ風建築物(草葺き屋根に石の建物)の街へと変わる。道ばたには草むらが続き、石畳の街道が走っている。人間のバードと、プレートアーマーを着込んだダークエルフが会話している傍らで耳を傾けてみた。バードは、Oblivionへ通じるポータルがこの辺りの街の中に開いていて、そこからモンスターがやって来ては住民を虐殺している、という不吉なニュースを話題にしている。この知らせを耳にした後、プレイヤーキャラクターは噂通りの襲撃を受け、その出来事が新規ダイアログ・トピックとしてもジャーナルに加えられた。それによって、プレイヤーはバードにそのトピックを尋ねてみる事ができるようになる。バードに尋ねた結果、街を救うというクエストがジャーナルに加えられた。Howard氏によると、Oblivionでは、このようにしてクエストを多数請け負う事になるという。特に、大事な会話の最中など、日常の雑事をこなしているノンプレイヤーキャラクターに割り込んだ結果、もたらされる事が多い。

ゲーム内のキャラクターはスクリプト制御ではなく、Radiant AIというシステムが採用されている。これにより、ゲーム内のキャラクターは、大まかな一日のスケジュールや、特定の目標や、個人的な欲求(寝食など)が与えられて、世界に放たれるという寸法だ。例として、書店を訪れ、ゲーム内の社交スキルで女性店員と会話をする所を見せてもらった。Morrowindとは違って、(インタラクションは)画面上に円形に示される。プレイヤーはカーソルを「冗談を言う」や「脅す」といった選択肢に動かせばいい。話しかけている相手は、表情をアニメーションさせて、それに反応する。

本屋の女性店員は冗談を喜んだようで、それを聞いている間、微笑んでいた。そして、ペットのいる二階へプレイヤーを招待してくれる。それから、女性店員は、彼女の犬が元気に部屋の中を駆け回っている間、一般的な目標のひとつにとりかかった。つまり、部屋に吊してある標的めがけて弓矢を放つという訓練をしたのである。標的を外した彼女は、射撃術のポーションを自発的に飲み、すると、射的の腕はかなり向上した。

更に、彼女は、腹を空かせた飼い犬にシカ肉を投げ与え、すると、犬はとても興奮してみせた。肉はプレイヤーキャラクターにも同様の効果を与える代物だ。その後、犬があまりにも騒ぐので、女性店員は短気になって、飼い犬に向かって、麻痺の呪文を唱えた。そうして、犬は床の上でぐったりする。やがて、女性店員は睡眠を取ろうとしたが、麻痺から回復した犬が再びうるさく吠え始めた。これに頭に来た女性店員は、犬に向かって炎の呪文を唱える。哀れな犬は炎に包まれ、叫びながら、部屋から消えた。

女性店員は夜の間中、眠りこんだ。プレイヤーキャラクターは、テーブルの上にあった両手剣のクレイモア・ソードを拝借し、ポータルの開いたという街へ向かって出発する。夜が深まる頃、問題の街に着く。Oblivionでは、昼夜で24時間の周期がある。更に、地図上の要所間では、即座に往復できる仕組みがある。即座の旅では、旅に費やしたであろう時間が経過した事になっている。

問題の街には、煙がたなびいていた。立派だったはずの大聖堂は半分に崩れ落ち、最近開いたというポータルの為に配属された、皇帝の兵士が見張りに立っていた。兵士達はプレイヤーキャラクターに付いてくるように促す。サイの頭をしたclannfearと(Morrowindでも現れた)ワニの頭をしたdaedrothモンスターの群を切り抜けて、とうとう、輝く巨大なポータルへと到着する。すると、そこから黒い鎧を身につけた幽霊騎士が現れて、兵士を切り伏せると、こちらに向かって襲いかかってくる。

以上がデモのあらましである。自律的なキャラクターと独自の探検に満ちた、よりオープンエンドなゲームとして、謳い文句に違わない完成が待ち遠しい。Elder Scrolls IV: Oblivionは、今年のホリデーシーズンにPCとXbox360でリリースされる予定。


Morrowindでは、物語の中盤になると、スパイマスターCaius Cosadesが本国の首都Cyrodiilに召還される事になりますが、その理由は確か反乱の勃発と皇帝の世継ぎ問題だと述べられていました。デモの冒頭で明らかなように、この為の伏線だったようです。Oblivionでは、ひょっとすると、あのCaiusオヤジに再会できたりするのかもしれません。次世代のグラフィックで表現されたオヤジは、一体どんな風貌になっているのやら。

ハイダイナミックレンジ(HDR)レンダリングは次世代GPUで取り入れられた技術だそうです。先鞭をつけていた代表的なタイトルは、HDRに対応させるパッチがリリースされた、ご存じHalf-Life 2。詳しくはGAME Watchの 3Dゲームファンのための「Half-Life 2: Lost Coast」エンジン講座 「Lost Coast」が実現するリアルHDRレンダリングの衝撃 を読むと為になると思います。簡単に言うと、場面に最適な「明暗の再現性」を取り入れて、肉眼で感じる明暗に近づけよう、というテクニックです。日陰から日向へ出た時の、光彩が調節を行うまでの「眩しさ」や、逆に、日向から日陰へ入って、目が順応したときの「闇がほどよい明るさで見透かせる状態」がこれに該当する表現になります。Oblivionのデモを観た記者が、HDRも含む次世代の技術が取り入れられているグラフィックについて、一様に口を揃えて、高度な「リアルさ」を強調しているところが興味深いと言えましょう。

草木のレンダリングに関しては、ポリゴン数を抑えて効果的且つスピーディーに森林が作れるミドルウェアSpeedTreeRTを使用しているそうです。「Oblivionの森林は、PCゲームではこれまでになく、生き生きとした様相を見せている」〜ミドルウェア開発元IDVのホームページより。少し古い記事ですが、4GamerのGDC2003レポートでもspeedtreeが取り上げられています。

物理エンジンは、あちらこちらで語られている内容によれば、Havokか、もしくはHavokを改良して使っているようです。今のところ、同社のクライアント名簿には名前をつらねてはいませんが、120余りのタイトルにライセンスを供与しているそうなので、名前が列記されていなくても無理はないのでしょう(発売前ですし)。Havokは、Half-Life 2をはじめ、ファースト・パーソン・シューターのタイトルの多くで利用されている、もはや業界定番とも言える物理エンジンです。

グラフィック・エンジンは、 Gamebryoを使っているそうです。プレスリリースにBethesda SoftworksがGamebryoを利用してOblivionを開発中とあります。GamebryoはMorrowindでも使用されたNetImmerse Engineの次世代型といったものです。NetImmerseもそうでしたが、PCからゲーム専用機までクロスプラットフォームで対応している点が、このエンジンのウリとなっています。同社の顧客名簿を参照すると、旧作であるMorrowindが載っている事から、新バージョンからエンジン自体の名称が変わったのだと推測できます。噂によれば、よりスマートな処理になっているそうで、Morrowindのように所々つっかえたり、町中で重くなって苦しむような事はないだろうと言われています。

コンパスはいかにも便利そうですネ。Morrowindで採用されているようなミニマップでも事は足りますが、衛星写真の如く、直接的過ぎる嫌いがあり、にもかかわらず視界が限られていましたから、何らかの目標物を指し示してくれるコンパスの方が、より自然で、その上、探索の楽しみが拡がりそうです。

私としては、ダイアログ周りのメニューがどのようなものか、とても気になっています。記事によれば、The Simsのパイメニューか、あるいはNeverwinter NightsTemple of Elemental Evilでみられたラジアルメニューを連想させるインタラクションであるらしい事が判ります。Morrowindの歩く辞典タイプのデータベースは、トピックが時に50行にもなる、賢くないやり方だと思いますので、改善に期待しています。

Radiant AI については、期待通りに機能してくれれば素晴らしい代物ですが、次に紹介する記事のお終いにあるように、いささか懐疑的な向きもおられるようです。

次は、GameSpyのAllen 'Delsyn' Rausch氏による記事から

コンピューターRPGの強みとは、ともすると途方に暮れてしまいそうな、広大無辺な新天地をプレイヤーに提供できる事にある。しかしながら、実際にはPCであれ、ゲーム専用機であれ、その性能の限界から、新天地の端っこしか味わえない。出来合いの道筋や物語進行では、迷うことすら難しく、プレイヤーは人工の壁にすぐぶち当たる。近年、仮想世界の真価は、かつてよりもかなり改善されてはきた。とはいえ、シングル専用の傑作や、MMOの最高峰や、あるいはBethesda社の前作を引き合いに出しても、「そこに居るような」感覚を出すのはまだ難しい。

ところが、本年のE3において、我々がとうとう目にした「次世代」のハードとソフトの力で、それも実現されるように思われる。Bethesda社のThe Elder Scrolls IV: Oblivionのデモは、芸術的な世界と素晴らしいAIに、最新のテクノロジーが合わさると、いかなる事が可能かという、見事な手本だと言えよう。PCとXbox360でこのゲームが発売された暁には、まさしく広大な世界で途方にくれる事が叶うのだ。

デモはゲーム冒頭の場面から始まった。一連のシリーズのお約束として、Oblivionでも、プレイヤーキャラクターは囚われの身で始まる。小手調べとして、Bethesda社の実演者はこのゲームのキモとなるグラフィックを堪能して貰おうと、房の周囲をぐるっと見せた。「すごい」の一言では済みそうもない。「ピクセルシェイダーの効能で」とか「ノーマルマッピング」だとか、専門用語がバンバン使われなくてはいけないが、要するに小難しいことを抜きに言えば、「リアル」なのである。

積み石で出来た壁に目を凝らして解ったのは、数え切れない程のテクスチャが使われているという事だった。つまり、どれ一つとして同じ形の積み石が無かったのである。実演者が見せてくれた風景はどれも、ディテールにおいて手抜きが見えなかった。キャラクターが自分の剣を手にすると、ヒルトにある精巧な浮き彫り細工にも影が出来る程だ。

物理エンジンの実演も行われた。ぶら下がっている鎖付きの二つの手枷を、キャラクターが持ち上げたり、落としたりして見せたのだ。落ちる様子も、反動で前後に揺れる様子も、まったく本物と同じで驚かされた。現実世界と同じように物理が働く事で、仮想のゲーム世界をより身近に受け入れる事ができそうだ。その代わり、現実味の備わった世界の構築は、一筋縄ではいくまい。前後に揺れる鎖を観ていて、更に驚かされたのは、勝手に止まったという点だ。確かに何の変哲もない事ではあるが、現実世界の挙動と違わない動きを、この鎖はして見せた事になる。

見て呉れよりもはるかに大事なものが、物理エンジンだ。もっと先の実演で、プレイヤーキャラクターは探検用にあつらえてある200超のお手製ダンジョンの中から一つを訪れてくれた。ダンジョンの一角で、およそ20体のコボルドが焚き火を囲んでいる。このような大人数を前にして、キャラクターは何か使えるモノがないかと辺りを見回す。すると、コボルドの真上に、トリップワイヤで固定されているスパイク付きの丸石という意地悪な罠があるのだった。パンプキンを拾い上げたキャラクターは、タイガーウッズばりの美しいフォームでトリップワイヤに見事命中させてみせる。罠は作動し、コボルドどもは床の醜い染みと化した。

ここで、舞台を牢獄の正面に戻そう。冒頭の続きだ。私は、キャラクターが牢格子を叩いて「出してくれ!」とでも叫ぶものと思っていたが、期待はよい意味ではぐらかされた。唐突に遠くから声がして、松明の明かりが階段を降りてくるのが見えてきたのだ。それは二人の近衛兵のものだった。その後ろには、王冠を載せた老人が居る。老人は、国王Uriel Septimusその人で、Tamrielという国の統治者なのだった。彼は災難の渦中にある。何者かの刺客により、王族のほとんどが暗殺され、秘密の抜け道を通った先が、この監房だったというわけだ。しかも、Urielの声は、ピカード艦長でお馴染み、パトリック・スチュワートの野太いバリトンだった。

逃亡劇の後、舞台は森林に移る。美しい景色なら、さほど珍しくはないと、私は思った。でも、その森林は少し違った。コンピューターグラフィックスに造詣のある者なら、樹木や葉の類が非常に面倒だと言うことに思い至るだろう。ゲームに出てくる木々が、曲面の数を間引いて、インチキな方法で出来ている理由がまさにこれだ。Oblivionの森林は、旧来のものではなく、またもやリアルに出来ていた。そよ風が木々を揺らしているのだ。豊富な種類の木々と低木と花々が、自然界でみられるような案配で広範囲に生えている。地域が変わると、その土壌や岩に併せて、また別の雰囲気が広がっているのだった。更に、木々の間を縫って廃墟へと突き進んでいくと、森が次から次へと生成されていく。驚くことに、これはゲームエンジンによって、直に作られているのだ。Bethesda社によれば、本物の森林の生育パターンを模したアルゴリスムで、ダイレクトに生成しているので、プレイヤーが見ている森は、各自によって、それぞれ違うものになるはずだという。

廃墟のガーディアンと短い戦闘が演じられ、それから実演はTamrielの9つの都市へと移る。Elder Scrollsの前作と違って、都市間には即座に往来できる選択肢が存在する。更に、用意されたコンパスによって、常に向かうべき興味深い地点が指し示される。とはいっても、物語進行に従わなくてもかまわない。都市への移動が済むと、Radiant AIの実演が始まった。これは、ゲーム世界の住人に個々の要求や欲求を与えて、昼夜24時間のスケジュール内でそれを充足すべく行動させようとするシステムだ。

デモでは、街の市民二人が歩み寄って、最新の話題を語り合うところだった。その会話によれば、付近の都市が襲撃され、腕の達者な冒険家が必要だ、という事だった。この会話を耳にした事で、問題の都市へ向かうというクエストが派生する。ただし、凄いのは、この会話は、プレイヤーが居ようが居まいがなされる、という点である。AIの実演で、続いて、地元の本屋へ立ち寄るという事になった。女性の店主が、夜だから店じまいするところだと話しかけてくる。実演者は、ここで、女性店主の個性に基づいた反応が返ってくるようにと、スライダーを用いて、プレイヤーキャラクターにちょっとした社交術を披露させた。プレイヤーキャラクターが冗談を彼女に語ると、確かに、はっきりとした反応が返ってきた。ちょっとした・・・寝酒を付き合わないかと招待して来たのだ。

招待に応じて本屋の二階へ上がると、女性店主は一連の振る舞いを実演し出した。ゲームに登場する人物は全て、プレイヤーキャラクターと同じ成長モデルで動いている。つまり、戦闘技術やスキルを、練習する事で上達させるというのである。女性店主の場合、自分のボウの腕を見て、少し練習したくらいでは埒があかないと判断したようだ。確かに矢は的を逸れて酷い腕前だった。そこで、彼女はテーブルの上にあった射撃術のポーションを飲み干した。このポーションは、プレイヤーキャラクターが使うこともできるオブジェクトである。今度は、彼女の矢は的に命中した。

この練習は、彼女にはそうとう荷の重いものだったらしい。腹が減ってきた彼女は、手近に食料がないかと探し始める。この時は、テーブルにステーキがあった。NPCは自分達の要求を自分達なりのやり方で充足させるという。食料を買う金がなければ、盗むという具合に。この書店主は、プレイヤー以外のキャラクターとどの程度関わり合えるのかという部分も示してくれた。夕食を終えた彼女は、もう疲れたから、と言うと、デジタル世界の眠気に誘われ始めた。ただし、ここで番狂わせが起きる。眠りたがる彼女の側で、飼い犬が執拗に吠え続けていたのである。うるさい犬だと感じたのは私だけではなかったらしい。彼女は起きあがると、犬に向かって、静かにおし、と叫び、哀れな犬を呪文で火だるまにしてしまった。この場にいたって、道徳観のある者なら、できる事はひとつだけだ。椅子から転げ落ちそうな程、笑わせて貰った。

E3においても、傑作というタイトルはそうあるものでは無いが、the Elder Scrolls IV: Oblivion は中でも有望だといえそうだ。このデモを見て、些細ながらも気になる事がある。傑出した技術を利用しているがゆえに、相応しいハードをあつらえたPCでの動作ならば、遜色なかろう。しかしながら、これほどのグラフィックの精度を、果たしてXbox 360で扱えるのかは、実際に目にするまでわからない。もうひとつ疑問なのは、AIがお膳立てされたデモの範囲を超えて上手く機能するか、まだ証明されていない点である。こうした点はさておき、この作品への期待は大きくなる。よく練り上げられたRPGを世に送り出してきたBethesda社は中堅のメーカーで、PCとゲーム専用機、双方の技術を取り込んで、この作品が堅実に開発を進めてきた成果となる。発売予定は2005年末。


ライターの着目点の相違が面白いですね。GameSpotの人はまんべんなくレポートをしているのに対し、GameSpyの人は専門用語を避けて、なるべく平易に、素直に驚いた箇所を中心にまとめています。また、GameSpyの記者は実証主義とでも言いましょうか、見てない物は信用できないといった立場で、Radiant AIの凄さは認めつつも、実際のゲームで期待通りに振る舞ってくれるか懐疑的でいます。

いずれにせよ、Morrowindを遊び慣れた身にすれば、まだ情報に対する飢餓感が充足されません。そこで、次の記事を紹介したいと思います。

本命のWaiting For Oblivion.comの記事から

始めにアニメーションするメインメニューが現れて、Cyrodiilの地図がスクリーンショットに被さって表示された。

まず目にしたのはインペリアルの囚人監房である。Toddは、視点を巡らせて、石壁に対するいろんな照明効果を見せてくれた。そして、壁からぶら下がっている鎖や、床の上の骨が、オブジェクトとして独立しており、弄れるという事を示した。鎖を押しやって揺らしたり、骨や髑髏を蹴とばして見せた。

やがて、こちら側に近づいてくる一団から、声が聞こえ始める。それは皇帝Uriel Septim VIIで、近衛兵一人とBladeのメンバー[operative]一人に付き添われていた。監房の格子越しに、我々には皇帝が逃亡を図っている様子が見て取れる。皇帝はお供に対し、息子達が殺されたと話している。そして、現在地はインペリアルの地下牢で、駐屯部隊がいる真下なのだと言う。Bladeの者が皇帝に返事をする。監房の一つにBladeしか知らない秘密の抜け道がある、と。

彼らは、プレイヤーキャラクターの存在に気が付き、Bladeの者が狼狽して言う。監房には誰もいなかったはずだ、と。近衛兵は別の衛兵まで巻き込んで、この失態を取り繕おうと言い訳する。近衛兵はプレイヤーに扉から離れろと言い放つ。皇帝はプレイヤーを認め、前に会ったことがあるな、と言う。そして言葉を継ぎ、星々が所定の位置に来た、今日こそ、自分の運命の日なのだ、と言う。丁度その時、Bladeの者が壁に秘密の抜け道を開き、そこから大量の埃が舞う。近衛兵がプレイヤーに向かって言う。おまえにとっては幸運な日だったな。我々の邪魔にならないよう、どこへでも失せるがいい、と。ここで、Toddは場面を転換させた。

ゲーム内の森林がいかに緻密であるかをToddが見せてくれる。ゲーム世界のおよそ半分は森林地帯で、それは地勢学的なデータを用いて生成されている。森林を構成する木立や一連のアイテムは、人間が配置した物ではない。森の中からシカが跳ねてやって来ると、Toddはこう言った。「バンビを仕留めて」食べることも出来る、と。でも、そうはせずに、Fly Amanita Capというキノコを摘んでみせた。すると、画面上にsuccessful harvestというメッセージが現れた。Toddによると、森の中では更にたくさんのアクションができるようになるという事だ。ゲームデザイナーとしても、技術をアピールするのに都合がいいらしい。葉に関しては、本物らしくないという点に注目しておきたい。スプライトとして埋め込まれている為だ。断言はできないが。

Toddはキャラクターを森の中にあるエルフの廃墟に向かわせた。以前見たスクリーンショットによく似ている廃墟だった。敵が近づいてくると、音楽が変わった。敵はヒューマノイド型の生物一体で片手剣と盾を装備している。戦闘は短いが激烈なものだった。双方とも相手の打撃で押し戻され、剣による攻撃で血が噴き出した。Toddによると、血しぶきは効果としてとても重要なのだという。

次に、Toddは廃墟の内部を案内してくれた。そこにはゾンビとスケルトンがいて、襲ってきた。 剣と、とても印象的なファイアーボールを数発使って、モンスターは退治された。スケルトンと闘っている間には、いつでも三人称視点に切り替えることが出来る、という実演があった。死体は、Morrowindとは異なって、地面の中に雰囲気良く沈んでいき、スケルトンも同様にバラバラになっていった。廃墟はとても印象的で、どこかしら画廊を思わせる偉容を誇っている。このダンジョンでは、いくつかトラップが披露された。スパイク付きの金属製扉がトンネルを横切って、こちらに向かってきたり、壁に囲まれているような場所で毒ガスが充満するといったものである。Toddが隠されたスイッチを押すと、壁が地面に畳み込まれていき、後には台に載った輝くクリスタルが残った。このダンジョンを作った者の動力源がこのクリスタルなのだ、とToddの解説。キャラクターがクリスタルに近寄ると、リッチが現れ、ショック系の呪文を使って攻撃してくる。Toddはキャラクターにクリスタルを掴ませると、ステルスの移動法で我々を別のダンジョンに連れて行ってくれた。

二番目のダンジョンは洞穴といった感じで、ゴブリンやオーガがその住人だった。Toddはキャラクターの武器をボウに切り替えさせ、井戸の頭上に吊られていたバケツに向かって矢を数本撃ち込んだ。矢が刺さるとバケツが揺れる。射的を止めると、バケツは以前よりも傾いていた。矢の重量のせいだ。今度は矢を井戸の壁に向かって放つ。すると、壁は石で出来ているので、矢は刺さらずに跳ね返った。Toddによると、矢筒には本当に矢が入っており、きちんと種類があるという。

次に我々が目にしたのは、上り坂になっている洞穴の出口で一体のゴブリンが立ちはだかっている様だ。ゴブリンはこちらに向かって丸太の山を崩そうとしている。ゴブリンがそうする前に、Toddはキャラクターに矢を射らせ、息の根を止めさせた。それから丸太の山に向かって弓を引く。すると、丸太は坂の下へ向かって転がりだした。

キャラクターは忍び足[sneak]モードに切り替える。すると、カーソルが目の形になり、プレイヤーが付近にいる生物やNPCに勘づかれていない事が示された。ゴブリンがたくさんいる場所に近づいていく。そのうちの一体がいるのは、くぼみの中だ。キャラクターはズームを使ってその一体を撃つ。さらにまた二体のゴブリンが居て、奥には彼らの野営地らしきものがあり、巨大ネズミを火あぶりにしている真っ最中だった。Toddによれば、このネズミは食用なのだそうだが、前に見たシカに比べれば随分とまずそうだ。キャラクターはリンゴを掴み、それをゴブリンの方へ向かって転がした。天井から釣り下がっている巨大なメイスの群で出来ているトラップを発動させる為だ。二体のゴブリンは見事に潰された。キャラクターはそれから洞穴に入ろうとしたが、オーガが割って入って鷲掴みにされそうになった。

ここで、ToddはAIを実演する為、Chorrolの街に我々を案内してくれた。側を通り過ぎるNPC達は会釈を返してくる。NPCの間に割り込んで、プレイヤーは話に耳を傾ける事が出来るし、NPCと会話して新たなトピックを学ぶことも出来る、とToddは説明してくれた。そこで、キャラクターはMarus AntoriusというバードとDunmerの傭兵との間で交わされる会話に耳を傾ける。MarusはDunmerに、Daedricの襲撃を受けて苦しんでいるKvatchの事を話しているのだった。ToddがキャラクターをMarusに話しかけさせている時には、MarusがDunmerに話していた時には無かった「字幕」を見ることが出来た。キャラクターとMarusの会話を通して、ダイアログの実演が行われた。キーワードは画面左下に一覧される。キーワードのメニューにはスクロールバーがあるが、このデモではキーワードがたった一つだけだった。それは、先ほどの世間話で耳にした「襲撃のこと」となっていた。Marusと話していると、彼は襲撃を迎え撃つ一員にならないかと持ちかけてくる。この続きはしばしお預けとなった。

ここで、Toddは我々を書店の内部に案内し、ゲームには400冊余りの本が出てくると付け加えた。書店主は女性で、キャラクターに話しかけてきた。Toddは新しい好感度[disposition]システムを実演し、それが旧来のものよりずっと複雑だと説明する。

Toddはいくつかの選択肢を試して見せた。はじめは、書店主を怒らせ、彼女の表情は好感度を反映して変化した。次に、キャラクターに冗談を言わせてみせると、彼女の好感度は好意的なレベルにまで戻った。そして、彼女はキャラクターを二階に招き入れてくれた。二階には彼女の飼い犬がいて、サンダーだと紹介する。サンダーは彼女にお帰りを言うために後ろ足で立ってみせた。Toddによれば、プレイヤーが行うのと同様のいろんな事がNPCも行え、能力値や効能による影響を受けるのだそうだ。書店主は射撃のスキルを練習しはじめ、的を外して家具に傷をつけてしまい、悪態をついた。それから、射撃スキルを向上させるポーションがあったことを思い出し、それを飲んでから練習を再開した。的に命中し、「上手くなった」事が確認できた。それから、彼女は犬に話しかけ、犬が不機嫌な理由に思い至り、腹を空かせているのだと気が付いた。彼女がシカ肉を取ってきて放ってやると、犬は喜んで食べ始める。犬はそれから凄く快活になり、ウロウロし始めた。ついには、犬の元気は彼女の目に余る程になり、サンダーは彼女に麻痺の呪文をかけられてしまう。腰掛けた彼女は本を読み始めた。指で行を追い、頁を繰っている。そして、食事をして、最後に就寝した。これらは途切れない一連の動作で行われていた。ところが、犬が目を覚ましてしまい、彼女の眠りも中断させられてしまう。彼女はすごい剣幕のまま、ファイアーボールで犬を殺してしまった。

Toddはキャラクターを操って、睡眠中の書店主からいくつかアイテムを無断借用させた。ヴァンパイアや盗賊にとって、スケジュールで動くNPCは格好のカモなのだそうだ。NPCのほとんどは夜に就寝するため、夜行性の生物にはまたとない機会が生まれるという。

ここで、ToddはMarus Antoriusに持ちかけられたクエストに着手して見せた。プレイヤーはファスト・トラベル用の地図を使って、Cyrodiilにある9つの主要都市ならば、初めから即座に行くことが出来るという。それ以外の場所は、一度は訪れてみなくてはならない。ただし、特別な場所に限っては、ファスト・トラベル用のシンボルが与えられる。ToddはKvatchを目的地に選んだ。

Kvetchの街は炎に包まれていた。この様子は公式トレイラーで見ることが出来る。キャラクターは軍隊の将校数人と面会し、Daedraの襲撃から街を守って欲しいと頼まれる。彼らは開いている門と、それに関する責務について話す。道中、数体のClannfearsと二体のDaedrothに遭遇するが、キャラクターと衛兵はモンスターを退治しつつ、Oblivionへ至る門へと近づいていく。将校の一人はどうすべきか尋ねる。ここで待つのか、それともOblivionに入るのか、と。その時、予告なしに不気味な外見のDremoraが門から登場し、その形はDaedric文字のOを思わせる。そして、Oblivionのパワーを争いたい者は誰かと尋ねてくる。Dremoraは将校の一人を殺害し、キャラクターは求めに応じる。門の中へ歩を進めると同時に、デモは終了した。

いくつか興味深い点:
  • 開発には三年かかっている。
  • 完全新作の音楽には、戦闘時やダンジョン用のものがある。都市や探検に応じた特別の音楽もある。
  • 9000余りのオブジェクトが登場する。
  • どのオブジェクトも、本物らしく拾い上げて弄ったり、動かしたり出来る。
  • 50時間分の音声セリフが用意され、ゲームDVDの少なくとも半分を占めている。
  • ダイアログ・モードでは、新しいキーワードは金色に、古いトピックは灰色になる。
  • 食べると能力値[stats]を増幅できる。
  • スキルと能力値[attribute]のお馴染みのシステムで、経験値は採用されていない。
  • 戦闘時には、武器は敵の血で汚れるが、ほんの数秒で滴り落ちてしまう。
  • ヴァンプリズムは存在することが確認できたが、ライカンスローピィに関しては不明。

このレポートはデモの様子が余すことなく細部まで描写されており、いかにもElder ScrollsシリーズにハマったRPG通という雰囲気がします。情報量としてはかなりのものでしょう。彼らのサイトにはフォーラムや、その他Oblivionに関する様々な情報がまとめられています。

最後にもう一つ、有名どころのレポートを紹介します。前三者とはむしろ正反対のまとめ方で、小気味よい内容となっています。

締めは、David Clayman氏とErik Brudvig氏のIGNの記事から

RPG愛好家なら、今年のマイクロソフトのカンファレンスにおける一番の見所は、Oblivionが巨大な画面に登場した事だと思う。あのトレイラーはゲームの豪勢なグラフィックを見せつけて、Tamrielという世界が途方もない事がよく判ったからだ。今日はBethesdaの関係者がゲームの詳しい内容、すなわち、戦闘、ステルス、会話、それに、素晴らしいダイナミックなAIを披露してくれた。内覧が終わると、Oblivionの豪勢な世界になら、自分の時間をいくら注ぎ込んでもかまわない、という気分になった自分がいた。

デモは動いているゲームエンジンで行われ、画面に加えて代表者の解説付きの進行だ。Oblivionでは、王とその息子が間者によって殺され、地獄へ続く門が開かれてしまう。プレイヤーは王の後継者を捜し出し、王国の崩壊を防ぐことになる。Elder Scrollsの諸作と同様、主人公は牢獄に捕らわれた状態でゲームが始まる。「Blades」という親衛隊が王を牢獄の入り口まで案内し、主人公たるプレイヤーに向かって下がるよう叫ぶ。王の声はパトリック・スチュワートが当てていて、他の有名声優もいずれ発表されるという。

主人公のいる監房には秘密の抜け道があり、Bladesは王をそこから逃がそうとしているのだった。彼らが出ていくと、プレイヤーは自由に逃げられる。Bethesda社の説明では、この部分でプレイヤーの楽しみ方が判定され、Oblivionでの運命が紡ぎ出されていく寸法だそうだ。

牢獄の場面には、グラフィックにおける長所を明快に示すものがあった。石はそれぞれが光を反射し、オブジェクトはどれも、鉄鎖における数珠繋がりの輪に至るまで、本物らしさをよく表している。床には死んだ囚人の骨が散乱しており、骨は宙に放り投げる事も出来る上、本物らしい物理的振る舞いをした。天井からつり下げられている手枷の束は、主人公に押しやられると、振り子のように揺れて、手枷同士ぶつかって跳ね返った。

次に披露されたエリアはTamrielの多くを占める森林地帯のひとつだ。ゲームには16平方マイル余りが用意され、その半分が森林となる。Bethesda社が行った仮想世界の作り方とは、造り置くという手段ではなく、浸食と地勢的な構造に基づいたデータを使うものである。木立と草が密集し、風がそれをはためかせていた。Tamrielには主要な都市が9つあり、それぞれ個性的な店舗を備えている。そして、その世界には1,000人ものノン・プレイヤー・キャラクターが生きているのである。

森林を探検していると、草をはんでいるシカが近づいてきた。こうした獣は狩ることができ、食べたり、あるいは、能力値を増幅させるポーションの材料として、キノコや果実と混ぜることが出来る。主人公に気が付いたシカは驚いて、藪の中に姿を消した。

こんなにも世界が巨大だと、道に迷ったり、丘の向こうに行くだけで何か大事な用件を忘れてしまうMorrowindの二の舞にならないだろうか。心配無用、その為に道標のコンパスが付けられた。画面上のコンパスは、プレイヤーが向かっている方角ばかりか、大事な場所の方向まで指し示してくれるのだ。更に、こうした問題を軽減する為に、スクロールや呪文を使わずとも、知り得た場所に即座にテレポートできる能力が用意されている。

戦闘システム

道を先へ進むと、主人公は朽ちた石の建築物にさしかかった。これはゲームに用意された、お手製の200個のダンジョンの内のひとつである。Tamrielには、人間が支配者でなかった時代を越えて、今なお古代建築物が散在しているのだ。この廃墟は、光の強調された、輝く鎧を身につけた伝説の騎士によって守られていた。ゲームに登場するアイテムは、Bethesda社のチームが細部まで緻密に造形したお手製だ。アイテム蒐集をせずにおれない性分のゲーマーには、その楽しみが倍加することを請け合える。

騎士が戦闘を仕掛けてきたので、ここで戦闘システムが披露された。ボタンを押すと、接近戦用武器が振るわれ、ボタンを長押しすると、チャージ・アタックになる。戦闘時のアニメーションはMorrowind以上に優れた物になっており、もう短くてギクシャクした動作ではない。

接近戦用武器の他に、プレイヤーは魔法と、ボウに類する飛び道具が扱える。矢は、石に対しては跳ね返され、木製のオブジェクトには刺さる。そして、射た後に回収することも出来る。ロープで釣り下げられたバケツに向かって矢を射るという、素晴らしい物理エンジンの実演も行われた。バケツは矢の衝撃で揺れた後、矢の重みのせいで傾いた。

ゲームには新しい仕掛けも導入されている。舞台へのインタラクティブ性が増え、解除したり、敵を捉える為のトラップが用意されたのだ。敵の野営地に忍び込んで、敵の仕掛けた罠で敵自らを動けなくさせたり出来る。ボウと併用すれば、潜入攻撃となり、暗殺も実行できる。プレイヤーが隠れている時は、レティクルが目の形になって教えてくれる。トラップと環境を利用した殺し方によって、ダンジョンの制覇にはいくつものやり方が可能になった。Morrowindの盗賊にはスニークと逃亡しか選択肢が無かったが、全く新しい選択肢が生まれたわけだ。

デモでは敵として、ゴブリン、ゾンビー、スケルトンの他、Oblivionの炎の門から現れた悪魔的なナイトが登場している。主人公と共に闘ってくれる、騎乗した味方も登場した。

AI

ゲーム内のキャラクターとの会話は、かなりインタラクティブ性が増していた。Bethesda社によって付随されたNPCを説得する能力は、Fableのお株を奪った形である。冗談、お世辞、賄賂、脅迫などを用いてNPCの好意を得る事が出来る。

NPCは周囲の状況を元に行動の指針を下し、プレイヤーと同じ能力値[stat]の影響を受ける。その結果はかなり笑える代物だ。実演されたのは、女性が彼女の飼い犬に一切れの肉を与えたところだった。肉が犬の能力値[stat]を増幅させた為、犬は辺りを走り回って吠えだす。女性は読書をして居眠りするところだったので、この状況に頭に来てしまった。そして、犬に麻痺の呪文をかけて、ついにはファイアーボールをぶつけたのである。

また、NPCはスクリプト制御でない会話を行う事もできる。つまり、彼らが口にする話題とは、彼ら同士の知識と、世界で進行する出来事によって決まるのだ。主人公が街の住人二人の方へ歩み寄っていった時、この街の北でDaedraが現れた、という会話が自然と耳に入ってきた。すると、この二人の片割れに話しかける際、丁度今語られていた話題が、会話の選択肢として現れたのである。

デモのお終いは土砂降りの雨に濡れる廃墟と化した街のシーンだった。小型の恐竜に似た生物が、Oblivionへと続く輝く赤い門から群がっている。Bethesda社流の地獄の観光を希望したいところだったが、その実現にはまだ時間が必要なようだ。

Daveの感想

森林地帯はRPGではありふれた場所だけれど、あの森はお世辞抜きに今までに見たビデオゲームの中でピカ一だった。気まぐれな探検と、装身具蒐集が好みな人は、このゲームこそまさにピッタリだと思うね。

Oblivionのデモは非常に興味深かったよ。次世代ハードでこんなにも早く、あんなに写実的で本物っぽい世界が目に出来るなんて思いもよらなかった。このゲームも、Gears of Warと同じく、古いゲーム機を窓から投げ捨てて、Xbox 360に買い換える十分な理由になるね。

Erikの感想

ざっと400時間はMorrowindを遊んでいたから、次のElder Scrollsを見れて凄く興奮した。スクリーンショットを見たときから、このゲームは凄そうだと感じていたけれど、動いているところを見なくちゃダメだね。つまり、Oblivionは静止画と同じくらい動いているところが本当に素晴らしいんだ。奇麗なテクスチャと美術監修が、まさにこの世界に命を吹き込んでいた。Elder Scrollsのシリーズはいつも探検している最中が最高なんだけど、この奇麗なグラフィックなら、俄然楽しくなるね。

新しく付け加えられた要素には期待が膨らむ。世界は大きくなったけれど、新機能のおかげでカジュアルゲーマーやシリーズを始めて遊ぶ人にも取っつきやすい。Morrowindは序盤が辛くてマズかった。Bethesda社は、Morrowindのファンが気に入っている自由度とインタラクティブ性を犠牲にする事無くこの欠点を克服できたみたいだ。

このAIは、忘れられない瞬間をたくさん生み出してくれる気がする。女性が飼い犬を攻撃した場面みたいに、他にも間抜けな出来事が見られそうで、とても楽しみだ。次の建物では何が起きるだろうというだけでなく、今度は、もう一度あそこに戻ったら何が起きるだろう、って考えるはずだ。自分がまた400時間以上もこの世界にどっぷり浸かっている様が脳裏に浮かぶね。

Oblivionは、予想していたよりも、ずっと凄いものになりそうだ。披露された要素のどれもがMorrowindより勝っていた。製品のリリースは今冬。デモの外の世界へ行ってみたくてうずうずする。


ライターさんもOblivionには期待している事が伝わってきます。こうして総合的にレポートを読み込むと、情報同士が別の面から補完されて、かなり明瞭な像が見えてくるようになりました。

E3から10日余りが過ぎ、また新しいプレビューが有名サイトに掲載されていましたので、追加して紹介してみましょう。デモンストレーションの何たるかは、これまでで既におわかり頂けたと思うので、今度はライターさんのまとめ方に注目して読んでいくと興味深いかと思います。(この記事はPC版ではなくXbox 360版を念頭において書かれています)

ついでにRob Semsey氏のTeamXboxの記事から

手軽にプレイするには不向きだが、その代わり濃い体験をさせてくれるもの、それがロールプレイングゲームだ。メジャーなジャンルではないのだが、その独特の語り口や奥行きから希少動物と言うに相応しく、有名なRPGがタイトルに含まれるかどうかでゲーム機の売り上げを左右してくれる。最初のXboxに「正真正銘の」RPGが登場するのはやや遅かったが、それでも待った甲斐はあった。 The Elder Scrolls III: Morrowind(2002年6月発売)は、いずれのプラットフォームでも未だに高い評価を受けているもののひとつだ。そしてBethesda Softworksは、今年後半、Xbox 360とPCでこのシリーズの最新作を出す。The Elder Scrollsは今なお進化を続け、なんともう10周年を迎えている。お互い、年を取ったものだ。

The Elder Scrolls IV: Oblivionは、その前作同様、再発明品となっている。次世代ハードの機能を最大限利用する為、何もかもが新たに作り直されているのだ。今年のE3で披露されたデモがそれを如実に裏付けている。題材はもちろんのこと、登場人物から生物までもが、一新されていたのである。数あるデモの中で、Xbox 360のパワーを見せつける事に一番成功したのはOblivionであろう。(しかもそれはヴィジュアルばかりではなかった)という事は、ホリデーシーズンには楽しい冒険の旅に出発できると思っていい。

Tamrielへようこそ

Oblivionの素敵な場所がプレイヤーを虜にするようにと、Bethesda社の開発スタッフは多大な時間を割いてその具現化に務めてきた。そして、今は、開発の三年目にあたる。まず、テクスチャのディテールが半端じゃない。目にするほとんど全ての物に、デフューズマップ、スペキュラーマップ、パララックスマップが施され、サーフェイスにはどれもピクセルシェイダーが掛かっている。9,000種余りあるオブジェクトもOblivionの大きな魅力だ。何の変哲もない品々をつぶさに観察してみると、薄汚い監房の石壁などは、積み石が全部違う上に、その表面はまるで立体物に見える。設(しつら)われている松明によって、壁はちかちか瞬き、房内にはソフト・ダイナミック・シャドウが投射されていた。

次世代機ならではだが、現実の物理法則がゲームの中でも大事な要素となり、Oblivionの世界はこれに基づいて反応する。壁に繋がる鎖と手枷をキャラクターが掴んだ時の事だが、それらは本物と同じに動かせた。「当たり前」かと思われるかもしれないが、多くのゲームでは省略化された物理でごまかしてしまう部分である。だから、日常と同じ振る舞いをする物体は驚くに値するのだ。ただし、断っておくが、私は監房で手枷をはめられた経験はない。

冒険の幕は牢獄の場面から始まるが、ほどなく、Emperor Uriel Septim VIIと忠臣のBlade(近衛兵)が主人公たるプレイヤーの房にやってくる。皇帝とその親族は、何者かの間者によって襲撃を受け続けており、皇帝はTamrielから脱出を図ろうとしているのだった。秘密の抜け道は主人公の房へと繋がっており、そこから皇帝と近衛兵が出てくる。完全武装で、なお且つ鎧を着込んだ兵士が相手では、邪魔をするのは愚かだ。主人公は逆らえない。皇帝は、奇妙な夢のおかげで主人公に見覚えがあったと言い残し、夜のただ中へ脱出する。序盤に過ぎないが、声の演技が素晴らしく、著名な俳優の出演も目玉である。我々が気が付いた通り、皇帝Septimを演じているのはパトリック・スチュワートだった。Bethesda社によれば、E3後、ほどなくして、その他のキャストを発表するという事だ。Oblivionには50時間を超える音声セリフが収録されており、ゲームDVDの半分ほどがそれで埋まっているという。

製品版では、この牢獄を脱出する際に取られるプレイヤーのアクションが指針になって、プレイヤーキャラクターのタイプ(シーフ、ウォーリアー、メイジなど)が作られていく。最終的には、更にいろんな要素が絡んで役割が完成する。

Tamriel観光の次の名所は、生い茂った森林、それも手続き型で生成された森だ。Bethesdaの開発スタッフは、本物そっくりの風景を量産すべく、緻密なアルゴリスムの作成に当たって、メリーランド大学地勢学研究所に助言を受けた。従って、Oblivionの森林はランダムに生成され、二つとして同じエリアは存在しない。こうしたテクノロジーは現行ゲーム機では実現不可能であり、Xbox 360のパワーを知る良い例えだ。Tamrielはおよそ16平方マイルの面積があり、約半分が森林地帯を形成している。森林地帯には、岩、草、木々が緻密に配置され、相応しい動植物の生息地となる。向こうに見える果実を食べに、シカが数頭現れたりもする。プレイヤーはシカを狩り、特性値[stats]上昇の効能がある肉を食してもよいし、特別製のポーションを調合するための材料とする事も出来る。見方を変えれば、Oblivionは仮想の箱庭にもなる。

行く先が簡単に解るようにと、新たにコンパスが実装された。前作のElder Scrollsのように、あてもなく何時間もウロウロしなくて済むように、大事な地点が指示される仕組みだ。また、Tamrielの広大な土地を容易に往復する手助けとして、テレポートも用意されている。エルフの遺跡に入ったときだ。我々の眼前に、武装した兵士が立ちはだかった。一人称視点を使いながら、プレイヤーは最低でも二通りの近接攻撃が行え、更に、ゲームの展開に乗じて、追加の攻撃法が使えるようになる。素早い、ジャブのような攻撃は、Xbox 360用コントローラの攻撃ボタンを押す事で出せる。ヘビーな一撃は、攻撃ボタンを溜め押しすると出せる。また、シールドを保持しているならば、戦略的に防御と攻撃を切り替える事も可能だ。

大抵のRPGと同様、Oblivionにもダンジョンが登場する。そして、数は200個を下らない。どのダンジョンも入念に作られており、邪な住人と共に多数のトラップが設えてある。ここでもまた実世界の物理法則が取り入れられており、敵に対してトラップを利用する手段となっている。デモで実演された様子は、主人公がとあるスイッチに向かってパンプキンを放り、数本のスパイクを落下させて、ホールを行ったり来たりしていたゴブリンを道連れにさせるというものだった。ダンジョン探検の過程で、ステルスを基本とした実例も示された。主人公が闇に身を潜め、誰もそれに気が付かない場合、目の形のアイコンが画面上に表示される。これにより、暗殺を行う事も可能であるし、単に向こう側へ忍び足していく事も出来る。

そして、とうとう、Bethesda社が「radiant AI」と称するものの概要を目にする機会がきた。Oblivionには1,000人余りのNPCがおり、犬のような動物にも、独自のAIが搭載されている。NPCには、日々行うべき特定の仕事、例えば、食事や睡眠や、携わっている職種に関するもの等が与えられているのである。それにより、NPCの世間話が、彼ら自身の体験に基づいて紡ぎ出される、というように、まさに動的な世界ができあがるのだ。その目指すところはかなり高いので、我々も動いているところを是非見たいと願っていた。そして、女性の書店主とのインタラクションを通じて、実演が行われた。プレイヤーがNPCとインタラクションできる範囲は、メニューの選択肢だけではなく、接待者の変数によって定まるのだ。相手の気持ちは、その表情に現れるので、実にはっきりと解る。書店主におべっかを使うと、彼女は主人公を二階の寝室に案内してみせた。彼女が自ら弓のスキルを練習しようと決めた時には驚かされた。NPCには能力値[attributes]があって、それはポーション等を使って増幅する事もできる。強い酒を一気飲みした後、彼女は楽々と的の中心を射抜くことに成功した。以前触れたとおり、動物にも能力値[stats]がある。ステーキが書店主の犬に投げ与えられると、ステーキを食べた犬は元気旺盛になって、弾丸のように部屋中を駆け回った。生憎と、おねむのミセスはこれをたいそう不服に感じた。そこで、年寄りのブチ犬に呪文を畳みかけるように唱えて、口を封じたのだ。

敢えて言うまでもなく、Oblivionの神髄はデモでは僅かが垣間見られただけだ。それでも我々が見たものは仰天に値した。Bethesda社がこのRPGに掲げた高尚な目標を半分に引き下げたとしても、Xbox 360とPCのゲーマー達はこのゲームにお金を払う価値がある。

完成へ向けて

The Elder Scrollsシリーズは、Xbox一途のゲーマーからも好評を博している。Oblivionに関しても違いはなかろう。更に、素晴らしいヴィジュアルと直感的なプレイによって、このシリーズは新しい世代をも獲得するはずだ。今年のE3で展示された全てのXbox 360用ゲームの中で、The Elder Scrolls IV: Oblivionには完璧な内容・・・すなわち、物語、奥行き、傑出したプレゼンテーション・・・が備わっていた。ホリデーシーズンのXbox 360発売が近づいてくれば、The Elder Scrolls IV: Oblivionの更なる情報をお送りすることができると思う。


スタイルとしてはIGNのものに近く、デモの体験そのままを綴るのではなくて、一旦消化した上で、項目を整理した形で語られています。デモの実演風景は、あくまで補助の役回りで、主に裏付けとして説明されています。このまとめ方は要点を掴みやすくもありますが、反面、欠落する情報も多く、いわば、実演者の説明だけを(実演風景を見ずに)聞いたかのような印象に近くなります。全体としては、あまり目新しい情報は載っていませんでした。


翻訳紹介した記事の一覧。アルファベット順。日付は原文執筆時。敬称略。
CBS News(5月20日)
プレビューと質疑応答
原文 翻訳
Game Chronicles Magazine、記者Mat Houghton(6月9日)
イグゼクティブ・プロデューサーTodd Howardインタビュー
フィーチャーに関する質疑応答
原文 翻訳
GameSpot、記者Andrew Park(5月18日)
E3デモレポート
原文 翻訳
GameSpot(7月8日)
イグゼクティブ・プロデューサーTodd Howardインタビュー
フィーチャーに関する質疑応答
原文 翻訳
GameSpy、記者Allen 'Delsyn' Rausch(5月20日)
E3デモレポート
原文 翻訳
GameSpy、記者Allen 'Delsyn' Rausch(7月12日)
広報・営業担当部長Pete Hinesインタビュー
Xbox 360とMODの関係
原文 翻訳
IGN、記者David Clayman、Erik Brudvig(5月19日)
E3デモレポート
原文 翻訳
TeamXbox、記者Rob Semsey(5月31日)
E3デモレポート
原文 翻訳
Waiting For Oblivion(5月19日)
E3デモレポート
原文 翻訳
Washington Post、記者Mike Musgrove(8月15日)
最高経営責任者Robert A. Altman、イグゼクティブ・プロデューサーTodd Howardらのインタビューからの構成
小さな開発元・親会社の舞台裏
原文 翻訳
Xbox.com(5月18日)
イグゼクティブ・プロデューサーTodd Howardインタビュー
フィーチャーに関する質疑応答
原文 翻訳
Xbox Evolved、記者John Olin(5月27日)
プロデューサーGavin Carterインタビュー
フィーチャーに関する質疑応答
原文 翻訳
開発者ダイアリー、Morrowind公式ページ
プログラマーSteve Meisterによる解説
Oblivionの戦闘システム
原文 翻訳