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Dragon Age: Origins レビュー ストーリードリブン型のRPGで、NeverWinter Nightsを初めBioWareが培ってきた3D版パーティー戦闘の最新版。ゲームシステムはD&Dを離れて、独自仕様。世界も独自で、システムとも連携した物語を構成するのに役立っている。インターフェースには、NWNやMass Effectと比べても、かなりの改善が見られる。以下にその目立った箇所を説明してみよう。 インベントリー他社がデヴェロップしたNWN2では、キャラクター間のアイテムの受け渡しが面倒だった。というのは、各自のインベントリースロット以外に共用の保管場所がないにも関わらず、スタメンと二軍のようにキャラクターを大別しなくてはならないからである。二軍から登用したばかりのキャラクターの装備をスタメンから拝借する、といった場合には、連れて歩ける人員の制限と、各自の所持可能(重量)制限とが壁となって、なかなか思うように装備品の交換が出来なかった。Dragon Age: Originsでは、インベントリーは共用で、装備は身につけたアイテムだけに絞られている。武器は各自が一度に二種類まで使い分ける事が可能で、あらかじめ予備武器を登録しておける。「すぐには使えない状態」のアイテムを誰が分担しているのか、という現実問題よりも、効率と簡略化に的が絞られているわけだ。薬などの消耗品は、画面下部のクイックバーに、画面の幅を限界として、キャラクター別に登録でき、実用性の面でも優れている。 視点移動3Dになって顕在化した問題のひとつは、視点の移動である。クォーターヴューに縛られず、自由にカメラ位置を設定できるが故に、「プレイしやすさ」という面を置き去りにしてしまった事例が見受けられるようになった。とりわけ、邪魔になった3Dオブジェクトをどう処理するかが、3Dエンジンにおける課題となる。一般的に、a)カメラが障害物を避ける(障害物にカメラが押し戻される)、b)カメラが障害物を素通りし、且つ、障害物が透明化する、といった二つのアプローチがとられる。例えば、The Witcherでは、遠近3種類の視点と障害物の透明化が奏功し、非常に快適なプレイを提供している。NWN2では、バージョンアップによりカメラの素行が変わったが、透明化するオブジェクトが限られており、未だにプレイのしやすさという点では劣っている。 Dragon Age: Originsでは、オブジェクトの透明化には消極的なものの、キャラクターの背中越しから俯瞰まで、スケーラブルに変更できるようにして、プレイしやすさを殺さずに、処理の複雑化を避けている。 さて、次はDragon Age: Originsの個性を醸し出している点を挙げてみる。 グラフィック世界観の重要な演出とおぼしき、「血しぶき」が目新しい。血はDragon Age: Originsにおけるキーワードであるらしく、美術や固有名詞で頻繁に登場する。ロードスクリーンはどす黒い赤い液体がじわじわと広がるし、Blood MageなるSpecializationが登場する。接近戦を終えた後のキャラクターは返り血を浴びて、体中に赤いしぶきが点々とついたままで、冒険を続ける。ゲームシステム全般的にかなり単純化されている。ハック・アンド・スラッシュを意識している風で、ヘルス、スタミナ、マナは時間経過により自律的に回復する。スタミナあるいはマナは、TalentsやSpellsを使うときに必要で、Mageはマナを消費してSpell、WarriorとRougeはスタミナを消費してTalentを行使する。クラスはこの3つで、各にSpecializationという細分化がある。D&D 3.5版のような複雑な要素は乏しく、例えば、両手持ちの武器をグレイトソードからグレイトアックスに持ち替えても何ら不利益は生じない。武器の特性に左右されるのみである。その代わり、Talentsの種類とその発展型は豊富に用意されており、キャラクターの個性を形作るには十分となっている。 一旦倒されたキャラクターは負傷状態(Injured)となり、Injury Kitで治療するまでペナルティがつくものの、(自律回復後には)そのまま戦闘に参加できる。単に時間経過を早めるだけの、"Rest"といった回復行為は無い。治療をせずに何度も倒されると、ペナルティが累積していく。負傷状態はMapにてキャンプを張ると全快する。 AITacticsと表現されているAIを駆使して、直接操作しないキャラクターに、戦闘での役割分担をさせる事が出来る。Baldur's Gateの頃からとられているアプローチで、NWN他でもほぼ同様だったが、大雑把過ぎて、これまで「使える」という印象がなかった。Dragon Age: Originsでは、これが大幅にパワーアップされており、細かな条件を指定する事で、特殊能力の発動を自動制御できる。更に、この制御はキャラクターのスキルに組み入れられており、スキルを上昇させると項目数が増える。ストーリードリブン良くも悪しくも、物語展開が強引である。ご都合主義で、物語進行の為に唐突に窮地に陥り、NPCがあっけなく死にもする。主人公はゲーム世界もしくは歴史における、ただの駒に過ぎない雰囲気がある。しかし、なにがしかの重要な役割に貢献できそうな予感は漂っている。主要なNPCとの会話を経ると、大枠でどのような活動方針が残されているかが明示され、取った選択肢で目先の目標が変わる・・・が、出発点を離れて最初に冒険する場所は同一である。以後は地図上で提示された中から、プレイヤーの裁量で次の目的地を選ぶ事が出来る。物語(本筋=メインクエスト)のさなかに、会話の選択肢で分岐すると思しき箇所が見受けられ、若干のクエストの解決方法が変化する。クエストの流れはあらかじめ定まった通りで踏み外す事がほぼできず、プレイヤーが探索する順序もほぼ一本道である。本筋とは無関係のクエストが、若干用意されている。 仲間3人の仲間(前述のいわゆるスタメン)だけを連れて行動ができる。この枠から漏れた人員(二軍もしくはベンチ入り)は同行している事にはなっており、キャンプや場面転換で変更する事が許されている。仲間一人一人との協調状態を表現する値が用意されており、会話やGiftアイテムを与える事で上昇させる事が出来る。クエストにおける、プレイヤーが選んだ解決法が、仲間の性格と相容れない場合、その仲間からの印象は低下する。逆の場合は上昇する。これは、Baldur's Gateの頃からとられているアプローチを拡張したものだが、今作では隠しパラメータではなくなり、その都度、値の上下が明示され、その上キャラクター画面で確認できる様になっている。では、プレイして受けた私の印象を以下に記してみよう。 D&D 3.5版のコンピュータゲームと比較して、良くなった点もあれば悪くなった点もある。操作性や合理性ではNWN2よりも優れているが、簡略化された部分が面白みを削いでいる場面もある。D&D 4版をコンピュータゲーム化する際の格好の見本になるのではないか。 以下執筆中 |