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ラ ブ プ ラ ス コナミが9月3日に発売した”新機軸”と評されるギャルゲーは、本当に目新しいのか? 自分なりに検証してみました。温故知新? それとも・・・?
ラブプラスに関心を持ちました、恥ずかしながら。実際、若い時に「ときメモ」を体験した30代にこそ、受けているんではないか、と・・・(コナミ公式サイトによれば、2009年5月27日で「ときめきメモリアル」の生誕15周年という事です)。声優から分析しても、その対象は20代までの若年層ではない、とも読めそうですよね? いい歳のオッサンが関心を持ったゲームで感心できないとすれば、ラブプラスの場合は、ヒロインの設定でしょう。恋愛対象が(自キャラも)高校生というのは、かなりツライ。おそらく、コナミの伝統として高校生モノにする必要があったのだと思いますが。せめて社会人(大学生とか、OLさんとか)でないとねぇ。 スイーツな恋人のノリでなくても、このコンセプト(現実の時間と連動)であれば受けそうな気がします。さほどエロくせずに、異性の親友として慕われる、で充分だと思うんですよね。要は、仮想コミュニケーションの表現をゲーム的にどう作るか、だと思いますが。仮想の人間関係ゲームとして訴求できるものが作れたなら、「ヘブン状態」で売る必要はなくなるのではないか、と。 キャラは三人も要らないと思います。ポリゴンを使うのならば、手続き型(プロシージャル)という便利なやり方があるので、キャラのタイプを萌え/アニメ系一本に限定する必要も無いはずです。顔つきも、手続き型で自分好みに設定すればいいわけで。POSER(あるいはDAZフィギュア)のモーフターゲットみたいな発想ですね。つまり、自分好みの相手が一人作れるのであれば、それほど好みではない相手が三人も居る必要はないだろう、というわけです。 コナミさんが確定済のキャラ(といっても、一人に複数の性格があるそうですが)で売るのは、キャラクタービジネスとして出来上がっている土俵に乗せて儲けやすくする為なのでしょう。顔や容姿が定まっていないプロシージャルでは、こういう商売はし難いですものね。 仮にプロシージャルで外見が作れた場合、次にプレイヤーが求めるのは、性格や声のバリエーションでしょう。そこをきっちり用意してやれば、ヒロインが一人限定でも、全然オッケーなはず。腐女子向けに、ヒーローが用意されている事の方が、売れる要素として必須ではありますまいか? まぁ、コナミさんの事ですから、すぐにもGirl's Side版を作りそうですが。 ただ、イベントの趣向やヒロインの台詞に関しては、ある方向性に絞らねばならないだろうと想像できます。こればかりはプロシージャルには出来ないでしょうから。アニメ的な芝居にするのか、韓流ドラマみたいな芝居にするのか、そういった焦点の合わせ方を間違えると、客層によっては受け入れて貰えないでしょうね。 おそらく、すぐにも二匹目のドジョウが登場することでしょう。・・・実は私、DS持っていないのです。ですから、こうしたゲームに食いつくのは非常に珍しい事です。発売日(9月3日)以降のレビューをしっかり読んで、購入するかどうか決めたいと思います。にしても・・・DSiってけっこうお高いですね。興味があるソフトがひとつきりでは、ちょっと買ってみようか、という気にはなりにくいですねぇ。[2009年9月1日] ・・・などと傍観者を装っていましたが、ついつい発売日に購入してしまいました。だって、本当に凄いゲームなのか、知りたいじゃないですか。 ラブプラスとDSiを購入しました。なので、自分なりにレビューをしてみましょう。僕はガンダム世代のオッサンであり、最後にギャルゲーを遊んだのは遠い昔。このジャンルのゲームがどのくらい進化したのか、どんな新味が現れたのか、に興味があります。逆に、15年前と変わらず、旧態依然だと失望を禁じ得ません。 友達パートからゲームは始まります。パラメータは4つの彼氏力で、その増減に関わる実行コマンドを毎日4つ選び、これを連日繰り返す事でプレイが進みます。100日後までにヒロインから告白されれば、次の恋人パートに進むことができます。 ヒロインとの出逢いは実行コマンドに基づく場所がきっかけになりますが、ほぼ強制的に1人ずつ出逢います。その後は、高嶺愛花ならテニス部員なのでテニスコート(実行コマンド部活)、小早川凛子なら図書委員だから図書室(同委員会)、姉ヶ崎寧々ならバイト先のファミレス(同バイト)、という具合に実行コマンドの選択が概ねトリガーになっています。 パラメータの上昇巾はランダムで、5段階あります。途中、ヒロインに応じた合格ラインを、パラメータが満たしているかが何度かチェックされます。が、全てに合格していなくても支障は無い模様です。時折、不都合に高い合格ラインを求められますが、失格であったからといって、即どうこうという事は無いようでした。また、隠しパラメータの存在がインタビューで明かされています。 友達パートのクリアは比較的簡単です。実行コマンドの組み合わせ次第で、1日分のパラメータの減少をゼロに抑える事ができます(*)ので、必要と思しき彼氏力を中心に上向かせていくことが出来ます。ヒロインには強制イベントがあり、その消化順は固定のようですので、一人に絞っていれば、猶予の100日以内に告白される事が出来ます(**)。僕の例では57日でクリアしました。前述のインタビューによれば、ヒロイン二人からの告白、あるいは三人全員からの告白を狙う場合、難易度が高くなるそうです(ただし、彼女にできるのは一度に一人だけ)。これは消化されるべきイベント数とリミットの日数が拮抗する為だと思われます(更にヤキモチがある)。 * 例えば、委員会の実行コマンドは、彼氏力の「感性」が3、「知識」が1増加しますが、「運動」は1減ります。これに「運動」2増、「感性」1減のワークアウトを組み合わせるとマイナスはなくなります。 ** ただし3人とはそこそこ知り合う事は必須のようで、ある時点の高嶺愛花イベントにつき合わないと、次の小早川凛子イベントが起きないという時期がありました。 ここまでの印象ですが、特に目新しい要素はありません。タッチペンで、彼女に触れるというフューチャーは次の恋人パートからです。ヒロインあたり3つの性格が用意されているとの事でしたが、その遷移は非常にあからさまなものでした。下校途中にヒロインが「どんな性格が好きなのか?」と問い、プレイヤーは「今のまま/○○で□□なタイプ」といった選択肢を選ぶと翌日から性格(台詞の調子)が変わります。この機会は2度ありますが、性格A→性格B、あるいは性格B→性格A、の2方向しか選択肢が現れないので、どうやって性格Cにさせるのかが、今の所、解りません(*)。 * どうやら、出現する選択肢のパターンがいくつかあるようです。そのまま以外の同じ選択肢を選んでも変わる、選択肢が3つの場合もある、等。 さて、オッサンの僕が非常に堪えられなかったのは、ヒロインの芝居です。つまり、台詞や、声優さんの演技、性格の演出の事です。一言で表すと幼稚なのです。作り手や声優さんの技量が幼稚だという意味ではありません。そのドラマの目指す水準がどうしようもなく低いのです。別の言い方をすると、子供だましで現実味が薄く、さりとて、そのフワフワとした夢の世界であっても説得力が乏しいのです。こうしたゲームの主人公達が高校生であるのは、幼稚な芝居を納得させる為なのかな、と感じました(中学生と考えた方がピッタリくる)。 現実味が薄い点は、なにも芝居だけに責任があるのではなく、ゲームシステムの機械的な反復の中に人間を思わせるイレギュラーが介在していないからでもあります。具体例を挙げれば、運動パラメータの合格ラインが評価されるイベントで、主人公が図書室の整理をする為に、たくさんの本を一度に持ってみたものの、運動が低かったので、落としてしまった、というものがあります。ヒロインはその場で「あ〜あ」といったリアクションをくれるのですが、深夜になってから送信してくれるメールはいつもと同じ文面です。仲のいい友達なら、「今日のアレは大変だったね」といった労いの文面であってもいいはずです。その方が、より人間らしく感じるでしょう。つまり、この例では、直前に起きたイベントと、深夜受信するメールとの間に、補完関係が成り立たないのです(*)。 * 一応、弁護しておくと、将来のイベントを暗示させる文面を送ってくる場合なら、あります。 お笑い芸人がよく出ているバラエティ番組、生身の俳優が演じているドラマ、そういったものから感じる人間の存在感・喋り方・立ち居振る舞いと比べると、ラブプラス世界の空気感というのは、とても希薄です。表面的には、アニメや漫画の世界で成立している文法が使われていますが、どうも重要な何かが抜け落ちています。恋愛の甘さは濃縮されていますが、奥にあるはずの人間っぽさにはフィルターが利きすぎており、肝心な本質を逃がしてしまったように見受けられます。現実には存在しえないような夢の世界を作ってくれているのですが、その中で暮らしていけるような肌感覚が作られていません。 次回は、人前でプレイするのが恥ずかしくなる恋人パートのレビューをお届けしつつ、上で述べた良くない印象が払拭されるか確かめます。 [9月4日] ラブプラスの恋人パートのレビューです。このパートには、いくつかの遊び方が用意されています。実時間に則って毎日を過ごすリアルタイムモード、(友達パートと同様の)スキップモードの二つと、ミニゲーム的なラブプラスモードです。ここではスキップモードを取り上げます。 まず、友達パートの要領で4種類の彼氏力パラメータを上げ、彼女に電話をかけてデートの予約をします。満タンの彼氏力がひとつも無いとデートの予約ができません。デートの場所と日時はプレイヤーが指定できますが、スキップモード時は日曜日しか選べません。デート当日には、タッチペンを使った操作で、いくつかのスキンシップをし、キスへと繋げていきます。この一連の流れが彼女に喜ばれる事で、FEELINGが増し、より親密になれます。主人公は依然として学生なので、平日は通学しますが、登下校時には彼女と一緒です。ここでもスキンシップが発生したり、彼女が近況や趣味等のお喋りを披露します。なお、キスが最高の愛情表現となっていて、その先はありません。 これらを延々繰り返す事がこのパートの特徴で、彼女からの愛情が冷めたりする事はあるものの、別れる事もなく、ゲームを続ける事ができます。やり込み要素として、
彼女と登下校中には、(使い回しでない)会話が発生し、デート時には髪型や衣裳を変えてイメージチェンジを図ってきます。ここまでで僕が気付いた問題点は、次のような感じです。
さて、ギャルゲーを遊ぶ年齢からすると失格っぽい、オッサンである僕のここまでの印象を述べます。友達パートのシナリオは、極めて限られた登場人物と使い回しの場面展開で、ヒロインの性格や境遇を暗に(強引に)説明していました。これはドラマとしては些か安直で、しかも参加者たるプレイヤーが主人公の行動方針を決定できないという面でも没入感を削いでいました。恋人パートでは、プレイヤーが主体的にデートに関わる事が出来、ヒロインの台詞が彼女の境遇を伝える唯一の表現手段となっているので、不自然さは随分と無くなっています。例えば、登下校時に彼女が喋りかけてくる話題は、(使い回しでなく)毎回新しいものになるという凝りようです。 正直、このパートはなかなか楽しめています。ムードを重視するあまり、ゲーム的な演出を廃したくなり、BGMをOFFにしてプレイしているくらいです。一言で表すと、デートがご褒美の「彼氏力回復ゲーム」に過ぎませんが、スキンシップが適度に難しく、ヒロインを自分色に染めるまで、大分楽しめそうです。ヒロインの変わり様を目撃するまでは、最終的な評価はできませんね。声優さんの演技も三者三様で素晴らしく、このパート内で完結している限りにおいては、空気感やら肌感覚といった現実味との乖離だとか、ご大層な意義を持ち出す気はさらさら起きません(その必要性も感じません)。ただ楽しいから遊ぶというゲーム本来の目的を全うできます。プレイしている内に僕の方が洗脳されてしまった? とにかく、ゲームの本質が前のパートとは180度異なっています。僕に言わせると、友達パートは百害あって一利なしです。友達パートで出てきたヒロインの背景は、恋人パートの中でこそ語られるべきだったのじゃないかな、と思います。 とはいえ、「デートが済むと彼氏力が消費され、平日を要して再充填し、またもやデートに望む」というサイクルは少々機械的で、遅かれ早かれ飽きがくるだろう事は否めません。この状態を如何に先送りできるかが、このゲームの課題です。したがって、実時間と連動するリアルタイムモードの存在は無視できません。このモードならば、ゲームの進行そのものが”まったり”するので、プレイしたいという動機が長持ちします。加えて、(誕生日やクリスマスといった)カレンダーに応じたイベント発生も見逃せません。また、いつでもプレイできるラブプラスモードでは、音声認識を用いてヒロインと会話できるという趣向が採られています。次回は、このへんを取り上げてレビューしてみましょう。 [9月5日] ラブプラスのラブプラスモードのレビューです。このモードに入ると、ヒロインは実時間に即した姿で登場します。すなわち、深夜ならば寝ていますし、朝ならば登校中といった具合です。プレイヤーがDSのマイクに話しかけると、おしゃべりにつきあってくれます。いくつかのキーワードをマイクに向かって発すると音声認識が働き、ヒロインが受け答えをします。ただし・・・
ラブプラスモードに入ってから、しばらく何も言わないでいると、ヒロインから話しかけてきます。珍しい台詞を聞ける場合もあるので、わざと黙っているのも面白いでしょう。わざと意地悪な返事をして反応を楽しむのもアリです。以下は、僕が試した範囲で、だいたい認識されていると思しきキーワードです。
リアルタイムモードでは、何をするにも行動ポイントが必要です。初期値は30で、ポイントが足りないと、電話で呼び出したり、デートの予約をする事が出来ません。ポイントは時間毎に回復し、毎時数ポイントとの事です。ラブプラスモードに入っておしゃべりをたくさんすると、より多くポイントが復活します。彼女との親密度が上がるにつれて分母のポイント(上限値)が増えます。なお、親密度はデートに応じなくても上がるので、登下校などで顔を合わせている回数や経過日数が元になっているものと思われます。 リアルタイムモードで「デートを約束」済であっても、オプション設定からスキップモードへ切り替える事ができます。特にペナルティはありません。だから、スキップモードで彼氏力を満タン(*)にし、デートスポットの下見を経た上で、リアルタイムモードのデートへと繋げると、好条件でスキンシップができるようになります。 * 満タンになるとハートマークが出ますが、一つの彼氏力につき4つのハートマークを出せます。目指せ、マックスハート! リアルタイムモードでは、電話をかけて彼女を呼び出す事が出来ます。デートの形式に近く、彼氏力とデートスポットの条件が揃えばキスのスキンシップへと展開する事もできます。なお、彼女のFEELINGは、どうやら短期間しか持続されず、ラブプラスモードやスキンシップの機会が無いと、いつのまにか冷え切っている場合があります。一方、デートが予約済だと、熱愛状態が維持されるそうです。 リアルタイムモードではカレンダーが非常に重要です。実時間中にDSを開けなかった等の理由で果たせなかった予定を遡って行う事が出来ます。過去の実行コマンドは即座に反映され、彼女との会話が見られる場合もあります。したがって、さほど見逃しをせずに済むわけですが、リアルタイムモードを(実時間で)毎日マメに遊んでいると、「連日起動ボーナス」として、余分に行動ポイントが貰えます。 実時間の土曜日は実はパラメータを上げやすい日です。というのは、一旦リアルタイムモードへ移ってから再度スキップモードへ移行する事で、何度でも土曜日にする事ができるからです。翌日曜日は実行コマンドが豊富なので、一日中まんべんなく彼氏力を鍛錬する事が出来ます。 肝心のデートですが、(実時間で)約束の20分前になると、一番上のボタンが、デートへ行くに変わります。この時、ラブプラスモードに入っていると、ヒロインがデートへ行くよう促す台詞を喋ります。遅刻も可能だと思われますが、猶予は約束の時間から一時間後までのようです。それを過ぎると、すっぽかした事になるでしょう。 [9月6日] ラブプラスを語る上で必要最低限なプレイ(*)は済ませた、と思うので、ここでまとめをしてみます。私が思うに、ラブプラスというゲームは・・・
「とにかく彼氏力を再生しなければデート出来ない」というのは新機軸のゲームとしては苦しいです。「努力とご褒美」というサイクルから抜けきれないのはいかがなものでしょう。ザ・シムズ3を遊んだことのある人なら、ラブプラスには、もっと別な次元の”まったりした”デートの可能性が秘められていると考えるのではないでしょうか。 全体としては、ヒロインが喋る事を聞き続けるだけで、プレイヤーが自らの意思を疎通できる機会というのは、ごくごく限られています。購買部のカツサンドの話題が出て、主人公に「今度買ってきてよ」とねだるリンコに、プレイヤーとして何もしてあげる事ができない・・・のでは、ゲーム世界に没入している意味がないヨ、と思いませんか? ヒロインはプレイヤーに髪型や衣服の好みを尋ねてくる事があります。実際、デートでイメージチェンジしたヒロインを見るのは、なかなか楽しい場面ですが、ここで感想(「似合ってる」や「良くない」、「わからない」)を述べることが許されるか否かは、二種類の彼氏力が満タンであるかどうかに掛かっています。つまり、好きな髪型や衣裳を定着させる為の攻略、という事になるでしょう。インタビューによれば、プロデューサーはコミュニケーションという要素を重視しているそうです。反して、この場面では、逆にコミュニケーションを出し惜しみさせているとも取れます。この本末転倒ぶり、もしくはゲームシステムは、果たして奏功だったのでしょうか。 プレイヤーからの呼ばれ方や、プレイヤーへの呼び方の変更に関しても同じ事が言えます。会話時に発生する選択肢で、いくつかの呼称をヒロインに提案できますが、彼女がそれを納得するには、何らかのパラメータ的な条件との兼ね合いが必須とされているようです。三通り用意されているヒロインの性格変更も同様です。ゲーム的な攻略として残すか、コミュニケーションの要素としてあるべきか、難しいところですね。 ヒロインからのメールは酷い出来映えです。使い回しが多い事は、素人目にも瞭然でしょう。プレイヤーは返信に、ありったけの愛の言葉をしたためてみたい、という欲望にかられますが、ゲームが用意している選択肢は非常に素っ気なく、却ってコミュニケーションの醍醐味を削いでしまいます。また、プレイヤーが送ったメールに対する返信と、ヒロインが勝手に送ってきたメールの内容とが矛盾する(後に来た「もう寝てたよ」と先に来た「眠れなくて困ってる」)等、相互の関係性が全く取れておらず、現代のケータイ文化に馴染んだプレイヤーが納得できる質や量とは思えません。 音声認識により、いつでも彼女とふれあえるラブプラスモードにも、失望を禁じ得ません。言葉を認識する精度も悪ければ、反応するパターンも少なく、何より同じ事を延々ループする人工無能ぶりには、「彼女失格」の烙印を押さねばならないでしょう。これがゲームのメインでは無いとはいえ、重要なフューチャーには違いないと思うので、もう少しなんとかなっていてくれれば、と思わない人はいませんよね。 キス・スキンシップのくだりは素晴らしいアイデアです(**)。厳密な段取りが強要され、手順とコツを会得する必要がありますが、ミニゲームとしての完成度はかなりのものです。適度に難しく、フィーバーに相当するリフレイン・キスを出した時には、達成感があります。ところが、「MAXハート」や「二人の世界」のような好条件でこれに望むと、一回のデートで4〜6回程度のキス・スキンシップをこなさなければならず、とたんに面倒になってしまいます。実時間でも、ものすごく時間を要するデートゲームとなってしまい、カジュアルに遊ぶにはヘビー過ぎます。例えば、キスする機会が増える代わりに質や難度が向上する等、もっと工夫が必要だったのではないでしょうか。 ** 遊び込むと、キス・スキンシップには、その時の彼氏力の状態、彼女のフィーリング、交際期間または称号、隠しパラメータ?、等が強く作用していると窺い知れる。単純にタッチペンの操作だけに依るものでは無い・・・ようなのである。「パラメータ頼みが強い」という性質は、”コミュニケーション”がただの選択肢でしか無いのと似て、ある種の欺まんのような気はしないだろうか? 確かにタッチペンで行うキス・スキンシップは、インタラクティブ性に関しては抜きんでています。ですが、ゲームを構成する残りの部分が甚だいけません。選択肢からチョイスする事でしかプレイヤーは意思を表せませんし、主に登下校時に勝手に進んでいく主人公とヒロインの会話には、プレイヤーはほとんど介在できません(先のカツサンドの例)。なお、デート時のカフェでは、設問からプレイヤーが”好み”を選べる場面も出ては参りますが、ヒロインの外見や呼称を変更させる目的でしか用いられていないようです(リンコが朝起こしに来るようになる例だけは、有意義でしたが)。これをもってして「コミュニケーションを重視」したと言っては、語弊を招かないでしょうか。声優さんが吹き込んだ膨大な会話集は、(一方通行の)コミュニケーションっぽさ でしかなく、プレイヤーとヒロインを繋ぐ(双方向の)本格的なコミュニケーションとしては機能していないようです。 真に”コミュニケーション”と呼べるのは、むしろラブプラスモードやゲーム内メールの方なのですが、上述のようにお寒い出来をまのあたりにしては、開発者達の力の入れ所は間違えている気がします。一方で、声の演出は、大人の男性プレイヤーを魅了する事請け合いであり、ゲームの売上げを支えているであろう部分と、このゲームの核心との間には、ズレが生じている気がしてなりません。 [9月9日] * 筆者の彼女たち・・・高嶺愛花(交際期間:208日、呼称:マナカ、性格:水色、髪型:ロング(小ツインテール)、称号:ベテランカップル、行動ポイント:64)、小早川凛子(交際期間:240日、呼称:小早川、性格:緑色、髪型:おかっぱ、称号:ベテランカップル、行動ポイント:72)、姉ヶ崎寧々(交際期間:225日、呼称:ネネ、性格:緑色、髪型:ショートカット(ボブ)、称号:ベテランカップル、行動ポイント:68) ラブプラスの寸評における補足です。恋愛パートの疑似コミュニケーションを分類してみました。
コミュニケーションという幻想を支えているのは、1や4の膨大な会話集によるものです。プレイヤーはただ聞く以外に何もできませんが、話題が新鮮に移り変わるので、おしゃべり好きな彼女と付き合っている雰囲気を感じることが出来ます。これこそが「ラブプラス」というゲームの醍醐味ではありますが、新機軸なコミュニケーションのゲームとは成り得ていない事に注目して下さい。 次にゲーム展開上の問題点を挙げてみます。
ラブプラスにおける「質の変化」は、彼女の性格、衣服、髪型、呼称が代表的です。これらへアクセスするには、一定の条件が付き、加えてランダム性もつきまといます。ある程度のやり込みを前提にした作りで、いつでも簡単に変化を促せるかというと、なかなか難しいのです。また、キスを10回達成する毎に貰える「ご褒美の衣裳」は、デート本編では着て貰えません。この変化を楽しむには、ラブプラスモードへ入り、ジャンケンを遊ばねばなりません。しかも、その「ご褒美衣裳」はランダムで登場するので、常に目に出来るとは限らないのです。「努力に見合ったご褒美」の提示方法がプレイヤーに優しくなく、プレイを続ける動機としては不足気味でしょう。 デートスポットを変える事も「質の変化」には違いありませんが、実質的に上述4の「デート先での会話」が新たになるだけです。デートスポットの特徴というものは、これ以外に演出されてはいません。極端に言えば、海へ行こうが山へ行こうが、デート先でキスをして帰ってくるだけになってしまうのです。これでは新鮮味を維持するのは難しいでしょう。やり込み要素「夢イベント」のトリガーとして、同じデート先を何回か訪れる、というものがありますが、「夢イベント」見たさでデートが有意義になるとは思えません。 キス・スキンシップというミニゲームは単体としては楽しませてくれますが、何度も繰り返してプレイを続けられるものとは言い難いです。どうしても変化が無い事に対する不満が募ってきます。面クリアゲームのように、次の「より難しい面」が登場してもいいのではありませんか? 「彼氏力」がコミュニケーションにまで及ぶ点、「彼氏力」の再生が反復である点、これらは純粋にゲーム的な作りですが、一方で、「登下校時のおしゃべり」にはゲーム的な部分が微塵もありません。ただ聞き続けるのみです。これらをゲーム的な仕組みへと融合してこそ、コミュニケーションを標榜できるゲームに成り得ると、私は思うのですが、皆さんはいかがでしょうか。 [9月10日] 2009年9月1日〜9月10日に記述しており、公式ガイドは発売前です。 |