脾臓とは…
二次リンパ組織のひとつです。
主に血液系に侵入してきた抗原に対して免疫応答が行われます。
構造的には、主に白脾臓と赤脾臓から成り立っています。
白脾髄は中心動脈を取り巻くリンパ組織から成り、中心動脈の近傍にはT細胞が密集して存在しています(PALSと呼ばれる)。PALSには、樹状細胞の一種である相互連結樹状細胞 (IDC)も存在します。
B細胞はPALSの傍らに集団を形成して存在します。


出典:免疫生物学ー免疫系の正常と病理ー 監訳・笹月健彦


B細胞コロナはやPALSは、血行性に移動してきた血中リンパ球により形成されます。
血中リンパ球は脾臓中心動脈から辺縁洞に入り、白脾髄または辺縁帯に移動します。このあとB細胞はケモカイン受容体CXCR5を発現することによりケモカインCXCL13 (BLC)が豊富に存在する領域へと遊走し、B細胞コロナを形成します。BLCは白脾髄やB領域を構成する支持細胞によって産生されます。T細胞も同様にCCR7を発現し、そのリガンドであるCCL19/CCL21にむかって遊走することでPALSを形成します。

辺縁帯の機能はあきらかになっていません。
ただ、辺縁帯に存在するB細胞 (Marginal zone B cell; MZ B cell)は再循環せず、また静止期の成熟B細胞ですが、通常のB細胞とは異なる細胞表面分子を発現しているようです。これらMZ B細胞は共通の環境抗原や自己抗原を認識し、T細胞非依存的に迅速な応答を示します。このように、T細胞のヘルプなしにB細胞を活性化できるような抗原を胸腺非依存性抗原 (TI抗原)と呼びます。


TD抗原とTI抗原
抗原はT細胞依存性抗原(TD抗原)とT細胞非依存性抗原(TI抗原)にわけられます。
前者は、B細胞を抗体産生細胞へと分化させるために、T細胞の関与を必要とします。つまり、BCRを介したシグナルの他に、共刺激分子を介したシグナルが必要となるのです。一方後者は、T細胞を欠いたマウスでもB細胞を刺激し抗体産生を誘導することが可能な抗原です。TI抗原はさらにI型(TI-I抗原)とII型(TI-II抗原)に分類されます。
TD抗原
TI-I抗原
TI-II抗原
T細胞の活性化
あり
なし
なし
反復性エピトープの必要性
なし
なし
あり
特徴
高濃度では多クローン活性化を誘導する。一方低濃度では抗原特異的なB細胞のみが活性化されて、TI-I抗原特異的な抗体を賛成する。
クラススイッチ、親和性成熟、記憶細胞などの特異的T細胞の補助を必要とする減少はほとんどみられない。
TI-II抗原に対する反応はB-1 B細胞やMZ B細胞によって担われている。
抗原の例
ジフテリア毒素
ウィルスの赤血球凝集素
結核菌のPPD
細菌性リポ多糖類
ウシ・ブルセラ症菌
肺炎球菌多糖類
サルモネラ重合鞭毛
デキストラン

みんなのギモン
なぜ、リンパ球だけが特異的に脾臓に遊走されてくるのか?
辺縁帯のマクロファージやB細胞はなにをしているのか?


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