ミニ手打ちそば



 少量の生地で作りますが、基本は大きい生地の場合と同じです。手打ちそばの作り方も参考にして下さい。
 そば作り成功の秘訣は、丁度よい硬さの生地をつくることです。
 丁度よい硬さとは、作業全体に無理がなく仕上がりのよい硬さです。多少の個人差がありますが、許容される幅が狭いので、初心者でなくても堅すぎや軟らかすぎで失敗する例が多いのです。

材料

 手打ちそば作りの材料は、そば粉、小麦粉、打ち粉(専用そば粉)と水です。食塩は普通には使いません。
 そば粉は、品質の幅がひろく色々なそば粉がありますが、一般に入手出来るそば粉は限られます。ここでは、松屋製粉から通信販売で入手できる「挽きぐるみ」を使いますが、取りあえずは手近に入手できるそば粉を使って下さい。そば粉について詳しくは、手打ちそば作りの材料のページを参考にして下さい。
 そばの繋ぎに使う小麦粉には、強力粉と中力粉(普通粉)があります。ここでは中力粉を使いますが、つなぎ効果の大きい強力粉の方が一般的です。
 打ち粉には専用粉(そば粉)がありますが、取りあえずは材料と同じそば粉で結構です。打ち粉を使うのは、生地のべたつきと包丁切り後のそばのくっつきを防止するためで、馬鈴薯澱粉でもよいのですが、そば湯を楽しむためにそば粉がいいのです。

道具
 ミニうどんと同じで長さ30〜45cm、太さ25〜30mmの麺棒一本ですが、うどんより薄く延ばすので長めの麺棒(45cm)がよいでしょう。原料粉(そば粉+小麦粉)200gの生地の場合、40cm四角程度に延ばします。
 そば生地の場合は、延ばしやすい(力を掛けない)ので、ラップの芯のようなものでも代用できます。
 その他、捏ね鉢として大型のプラスチックボール、取りあえずはテーブルでよいのですが延し板(軟質2mm厚程度のビニール板で代替可)などです。ミニ手打ちめん作りの道具参照。

作り方
 
配合
 そば粉100g(50%)、小麦粉100g(50%)で合計200g(100%)。二人分です。
 水は、夏期84ml(原料粉200g(100%)に対して42%)、冬期94ml(45%)。
 (適正な水の量は、そば粉によって違うので、増減の調整が必要な場合もあります)
 そば粉、小麦粉合計で200gの生地を作りますが、短い(30cm)麺棒で延ばすときは、出来た生地を半分に割って二回に分けて延ばとよいでしょう。短い麺棒で一回で済ませたいときは、麺棒に巻いて麺棒のサイズ一杯に延ばした後に、広げた生地の上で麺棒を転がして、さらに延ばして下さい。
 そば粉の配合割合は、慣れたところでそば粉の比率を増やしてみましょう。そば粉が「挽きぐるみ」の場合は、慣れれば水捏ねでも、そば粉100%で作ることが出来ます。そば粉の配合率を増やす(小麦粉を減らしそばこを増やす)場合は、加水量も増やして下さい(そば粉10%増で水1%増)。
 
計量
 できるだけ正確に重量を計って下さい。
 デジタル秤ならば数値で表示されるのでよく判りますが、指針で目盛りを読む秤では一目盛りが10g(2kg秤)なので見づらいものがあります。この場合は、二三度、指先で台を軽く叩いて指針を揺らしてみて下さい。
 
混合、水廻し
 大きめのボールに、そば粉と小麦粉を入れ、手でよく掻き混ぜます。
 計量した水をこれに加えますが、箸等で掻き混ぜながら水が全体に行き渡るように万遍なく加えます。
 計量がしっかり出来ていることが前提ですが、全量の水を一度に加えて下さい。水を入れ終わったら、両手に生地を軽く挟んで揉みほぐします。これを繰り返していると、全体に水分が均等に行き渡ります。生粒が全体にしっとりして来たところで、一つの塊にまとめます。

 うどん生地に較べて、そば生地は軟らか目ですが、生地の硬さがこれでよいかどうかの判断は、初心者には難しいので、とにかく最後まで作ってみて下さい。その結果で、次回の加水量を加減しましょう。
 この時点での生地の硬さの判断は、片手で強く握りしめてできた棒状の生地(握力の弱い人は二三度握りしめて下さい)を曲げて二つ折りして行います。部分的に辛うじて割れる(いやいや割れる)くらいがよい状態です。全く割れないようでは軟らかすぎです。二つに割れるようではまだ水が足りません。

 
1ポイント 正確な計量が出来ない場合、丁度よい硬さの生地を作るのは難しく、経験を積まねばなりません。一旦、合わせをして生地を一つの塊にまとめた後で、軟らかすぎや硬すぎで困る場合があります。軟らか過ぎの場合は、粉(小麦粉またはそば粉)を追加したり、硬すぎの場合は水を追加したりしますが、こう云う調整は非常に困難です。

 
捏ね
 生地が一つの塊にまとまったら、”捏ね”に入ります。ボール(捏ね鉢)が大きければボールのなかで、小さければ台の上で捏ねます。
 左手を生地に添え親指で中央をおさえて、右手の掌で生地を折り返して捻るように押し延ばします。生地を少し回して、これを繰り返します。
 捏ねを続けると、次第に生地は肌理(キメ)が細かく滑らかになり艶が出てきます(折り返しの捏ねを50回以上続けて下さい)。一般的な方法としては、この時点で捏ねを終わります。
 より丁寧な捏ね方として、折り返しの捏ねを20〜30回行ったところで、ビニール袋に生地を入れて10分間ほど寝かせてから(そば粒に水分を十分浸透させるため)、再度折り返しの捏ねを50回程度行うと、より肌理の細かい生地ができます。初心者には、この方がお勧めできます。
 初めての人は、ここで生地を団子状に丸めて
延ばしに進んでも構いません。
 
菊揉み、成形
 捏ねが終わったら、形を整えるために菊揉みをします(ミニ手打ちでは、適当に丸めて団子にして構いませんが、ここは一応手順を踏んでみます)。
 菊揉みは捏ねの一部ですが、捏ねの折り返しを小さくして生地の一廻しの間に数回以上の折り返しを行います。こうすることで、生地の上面に菊模様の折り皺ができ、全体が円くまとまります(下写真1)。
 

菊模様の折り皺

皺の絞り込み へそだし へそだし終わり
写真1 花模様の捏皺 写真2 皺の絞り込み 写真3 へそ出し 写真4 へそ出し終わり
 へそ出し
 しわ模様を上に向けて生地を両手で挟み、生地を回しながら上方向に皺を絞り込み(写真2)、しわ模様を一点(へそ)に集めます(写真3)。生地は円錐状(気球型)になります(写真4)。
 大きい生地の場合は、捏ね鉢の中で生地を転がしながら行います(へそだし参照)。ミニ手打ちでは、必ずしも必要ではありませんが、将来の備えとして手順を踏んでおきます。延ばし前の扁平な生地
 台上でへそを下にして、掌で生地を押さえて扁平で丸い生地にします(写真右)。
 うどん生地の場合は、ここで寝かせますが(緩和熟成)、そば生地の場合は寝かせないのが普通です。
 しかし、小麦粉配合の割合が多い(生地に弾力がある)場合や、食感により弾力や硬さを求める場合には30〜60分程度ビニール袋に入れて寝かせるといいでしょう。延ばしやすくなるし、生地が沈んで(空気が抜けて)密度が高まります。
 
 延ばし
 
延ばし方は、生地が小さいだけに簡単ですが、要領は大きい生地と全く同じです。「手打ちそばの作り方」の延ばしを参考にして下さい。
 そばの延ばしでは、うどんと違って、麺棒に巻いて延ばすだけでなく、生地上で麺棒を転がして延ばすことが大切になります。手を軽く握った状態で、指先と掌の間で麺棒をしっかり押さえて前後に往復運動で生地上を転がします。この転がしが十分でないと美味しいそばは出来ません。
 延ばした生地の最終厚みが 1.5mm前後になるように延ばしますが、最初のうちは生地のサイズで見当をつけます(ミニ手打ちうどんのページサイズ表参照)。概ね四角形〜円形として、全量(粉200g生地)の場合一辺が40〜45cmを目安にして下さい。真四角のときが40cm、円形のときが45cm(直径)です。生地を二つに分けた(粉100g生地)の場合は、一辺28〜32cmが目安です。

 
包丁切り
 包丁切りも、基本は大きい生地の場合と同様です。
 切る前に、生地を折り畳みますがこの際、生地や切ったそばがくっつかないように打ち粉をたっぷり使って使って下さい。家庭の調理用の包丁を使う場合は、大きい生地の場合と同じ折り方(8枚重ね、包丁切り参照)で、ちょうど包丁のサイズにあいますが、生地が包丁に対して長過ぎるようですたら4枚重ねの後、三つ折(12枚重ね)にしてください。小間板は使いません。
 刃渡りの長い’そば切り包丁’があれば、包丁のサイズに合わせて4〜6枚重ねで、小間板を使って切って下さい。そばは繋がりが弱く、どうしても折り目から切れやすいので、折りは少ない方がいいのです。
 包丁は、垂直に持って、少し前方に押し出すように使います。切り幅は1.5mmです。
 
 
茹で
 そばは、茹で時間が短いだけに、うどんの場合以上に気を使わねばなりません。
 茹では、大きめの鍋(5リットル以上)を使って下さい。生そば量の10倍以上の湯で茹でます。粉200g生地では、生そばはおおよそ300gですから、3リットル以上の湯の中で茹でます。大きい鍋がない場合は、半分(一人分)づつ茹でることをお勧めします。
 沸騰したら、そばを鍋全面に広げるように投入します。そばが浮き上がるまで待ってから、箸で軽くかき混ぜます。茹で時間は、投入してから1〜4分です。細目のそばなら1〜2分、太めなら3〜4分ですが、長く茹でると’茹で溶け’が多くなります。
 火力も大切です。投入してから再沸騰するまでの時間が、1分以上かかってはいけません(30秒以内が望ましい)。1分以上かかる場合は、そばの量を減らして下さい。
 再沸騰して吹きこぼれる場合は、火力はそのままで、軽く差し水します。差し水の量が多いと、沸騰が止まってしまうので、沸騰を止めない程度の少量の差し水をします。
 
 
水洗
 茹で終わったら、笊や網でそばをすくい取り、あらかじめ用意した冷水を張った大型のボールに移します。軽く掻き混ぜて表面のぬめりをとり、冷却します。水を換えて、再度水洗し、手で笊(網)にそばを移して水切りし、セイロや皿などの容器の盛りつけます。
 食べるそばの温度は、食感に大きく影響します。従って、冷水の温度が大きな意味を持ちます。そばの適正な品温は、環境や好みによりますが、20℃を目安にして下さい。
 
 

うどん編 そば編 中華編 ミニ編へ ホームへ