手打ちうどん作りの材料


小麦のこと
 
小麦粉の原料である小麦は、日本で年間600万トン近くが使われますが、このうち国内産は100万トン足らずで殆どが輸入小麦に頼っています。
 主な輸入先は、アメリカ、カナダ、オーストラリアです。うどん用に使われる小麦は、国内産とオーストラリア産が主体です。その理由は、おいしいうどんのページの小麦粉で説明します。
 右写真(上)は、左側がオーストラリア産小麦(ASW)、右側が国内産小麦(北海道産ホクシン)です。国内産は、外皮の色が薄褐色、小粒で粉状質なのが一般的特徴です。
 右の写真(下)は、小麦の横断面の顕微鏡写真です。内容が判るように染色してありますが、赤いのが糖質(澱粉)で、青いのはタンパク質を示します。周辺のいわゆる皮の部分は、外皮と糊粉層が主体で
飼料(ふすま)になります。
 
赤い部分は胚乳部で、ここが小麦粉になります。中央部が灰分が少ない純良な粉になります。
 
胚乳部も縁に近いほど青みを帯びていますが、これは外皮に近い部分の胚乳にはタンパク質が多く含まれる事を示します。同時に、外皮に近い部分の胚乳はミネラル分(灰分)も多くなり、白度も下がるので、この部分は、粉としてのグレードは下がります。
 
 1ポイント 灰分量とは、小麦粉を焼いて出来る灰(ミネラル分の酸化物)の、元の粉に対する重量%です。小麦粉の灰分含量は、日常使っている粉では0.3〜05%程度のものですが、小麦粒の中心部分の灰分がおおよそ0.3%です。小麦粉の灰分量は、小麦粉のグレードの基本的な指標です。

小麦粉のこと

 小麦粉には種類が沢山ありますが、家庭用として売られている小麦粉には、うどん専用粉は数少ないようです。取りあえずは、何にでも使える汎用粉でよいのですが、さらに美味しさを追求して満足の出来るうどんをつくるには、どうしてもうどん専用粉、それも手打ちうどんに最適の専用粉を使はねばなりません。
 うどんに限りませんが、満足のいく小麦粉製品をつくるには、まず満足できる専用小麦粉を手に入れることから始める必要があります。


専用粉のこと
 
専用粉には大きく分けて、パン用粉、めん用粉、菓子用粉があります。これらは、基本的にはタンパク質の含量で使い分けられます。パン用粉はグルテン(タンパク質)が多く、菓子用粉のそれは少ないのが特徴です。めん用粉のタンパク質量は、それらの中間程度でよいのですが、めん用粉の場合、特にうどん用粉の適性は、その澱粉の質で決まります。さらに詳しくは「美味しいうどん」の小麦粉を。
 
 1ポイント 小麦粉の澱粉の性質は、使った小麦の種類(品種)によって違いがあります。それは糊化したときの特性に、柔らかさや粘りの違いとなって現れます。うどんにとっては、糊化しやすく粘りがある澱粉がよいのです。

手打ちうどん専用小麦粉の入手

 専用粉の入手は、残念ながら簡単ではないのが現状です。食品スーパーで入手できる1kg小袋詰めの手打ちうどん用小麦粉としては、日清製粉の「手打ちうどんの小麦粉」があります(写真右)。
 この他、手打ちうどん専用粉の小袋詰めは、製菓製パン材料専門の小売り店で見かけます。1kg300円程度です。
 町田の富沢商店では、手打ちうどん用粉として日本製粉の「めん匠」と日清製粉の「白椿」の1kg詰めがありました。

 富沢商店 町田市原町田4-4-6 042(722)3175

 
 
 一般に、専用粉は業務用になるので25Kg詰めの大袋になります。大袋が欲しいが、入手先がわからない場合は、製粉会社のお客様センター等(相当部門)に問い合わせて下さい。ここでは、日本製粉(株)をご紹介しておきます。
 
 日本製粉(株)の製品の内では、業務用で手打ち最高級粉は「めん匠」です。
 連絡先 日本製粉(株)お客様センター
 〒151-0051渋谷区千駄ヶ谷5-27-5  03-5379-6131

 
 そばのページで紹介していますが、そば粉メーカーの松屋製粉は、うどん専用粉も通信販売しているので、そば粉を購入される方は、ついでにうどん用粉も購入されるとよいでしょう。
 他の製粉会社にも、それぞれ専用粉がありますので問い合わせてみて下さい。

 製粉会社には、手作り愛好家がもっと容易に専用粉を入手出来るような仕組み(情報の整備、通信販売等)をお願いしたいと思います。
市販手打ちうどん専用粉
 写真(右)は500g詰めで、手打ちうどん専用粉として売られているものですが、東急ハンズでみつけました。左は上で紹介した業務用手打ち専用粉「めん匠」の小袋詰め(\250)で、右側は北海道産ほくしん小麦を使った地粉(\360)です。専用粉にもそれぞれ特徴があるので、いろいろ試してみるのもよいでしょう。一般的に国内産小麦の粉は、色がくすむのが欠点です
 専用の手打ちうどん用粉の小袋詰めも、あるところにはあるようですが、多量に使う場合は価格の点で使いづらいと思います。
 経済的な大袋(25kg)を購入した場合、使い切るのに時間がかかり過ぎると、小麦粉も変質するので、数人のグループで分けるのがよいでしょう。
 
小麦粉の保存
 使い切る日数ですが、保存の状態で大きく変わります。出来るだけ湿気の少ない涼しい場所で保存して下さい。ビニール袋に入れるなど湿気を遮断して、一日の温度変化の少ない場所で保存すれば5ヶ月は大丈夫です。冷蔵庫の場合は、紙袋のままでは水分の移動が大きくカビが生えることもあるので、ビニール袋等に入れて貯蔵して下さい。高温高湿の夏季は特に注意してください。

 

 1ポイント
 うどん用粉に適した原料小麦としては、現在では、オーストラリア産小麦の一部と、特定の北海道産小麦が高く評価されています。

打ち粉
 
手打ちうどん作りでは、捏ねた生地を伸し板上で麺棒を使って延ばしますが、この時に生地がべたついて張り付くのを防止するため、濡れていない粉を生地や伸し板に振りかけます。この粉を「打ち粉」又は「手粉」(てごな)と云います。
 また、包丁切りした後、めんを容器に入れて保存するような場合も打ち粉を使います。
 うどん作りでは、かなり硬い生地の場合は打ち粉として小麦粉を使うことも不可能ではありませんが、べたつき防止としては澱粉を使う方が効果的で普通です。ただし、手打ちそば作りの場合はそば粉を打ち粉として使います。
 澱粉は、馬鈴薯澱粉(片栗粉として一般に売られている)を使って下さい。コーンスターチ(とうもろこし澱粉)は、粒が小さく飛散しやすいので、使うと周囲を汚します。

食塩について
水生地と食塩水生地の弾力比較
 うどんづくりの材料は、小麦粉と食塩、それに水です。
 食塩にも最近はいろいろあるので、気に入ったものを使って下さい。普通には、家庭で使っているもので充分です。うどん作りでの食塩選びは、自然志向など気持ちの方が先で、科学的根拠となると難しいようです。
 
 1ポイント うどんづくりでの食塩の効果は、生地を締めることでベタツキを抑え加水量が増やせること、これによって生地のグルテンの形成展開(捏ね)が容易になり、茹で時間も短くなること、食味食感が改善されること等です。
 右図は、水で練った生地(上)と食塩水で練った生地(下)の抗張力(縦軸)と伸張(横軸)を示すものです。図から塩水生地が、抗張が強く弾力的でよく伸びることが分かります。

水のこと
 
水についてもいろいろ云われています。水質の良し悪しは、めんづくりにとって重要なファクターではありますが、通常の飲料に適した水であれば、生地づくりの段階では問題はありません。ただし、硬度が高い水で捏ねると、茹でたうどんも硬い傾向があり、硬度(150ppm以上)には注意した方がよいでしょう。
 
水質の影響が大きく出るのは、茹で水として使う場合です。少し専門的になりますが、アルカリ度の高い水は湯で溶けの最大の原因になるので注意しましょう。一般的に硬度の高い井戸水は、アルカリ度も高いと思ってよいでしょう。茹で溶けが気になる場合は、茹で湯に食酢または梅干を適量加えて中和(pH7.0ではなく6.0〜5.5の微酸性に)すれば、茹で揚げためんの状態(角立ち、つや等)が改善されます。過剰の添加は、うどんのフレーバーを損なうので注意して下さい。詳細は「つくりかた2」の茹で
 
 1ポイント 飲料水のpHは7.0近辺が普通ですが、これは見かけ上のpHです。水には炭酸や重炭酸塩が溶け込んでいます。これらが煮沸によって炭酸ガスを放出するため、煮沸後のpHは通常8.0以上に上昇します。茹で水の適正判断をpHで行う場合は、煮沸冷却した水で行う必要があります。この点、アルカリ度は煮沸の有無に影響されず、真のアルカリ濃度を示すので、茹で水の水質の指標として大切なものです。
      

うどん編 そば編 中華編 ホームへ ミニ手打ち
Yahoo!