いろいろはじめました   
◆ パヴァロッティの公演に行って 2004.4.1.


 昨日、ルチアーノ・パヴァロッティの「ファイナル ワールド ツアー イン ジャパン」の演奏会を聴きに東京国際フォーラム・ホールAへ行って来ました。この3月、メトロポリタン・オペラでのトスカに出演したのを最後にオペラ出演から引退し、来年10月の70歳の誕生日に最後の演奏会を開き、全ての演奏活動から引退するという予定で始まったワールド・ツアーの皮切りがこの日本公演のようです。

 3大テノールと呼ばれている3名のうち、残念ながら私はパヴァロッティだけをオペラの舞台で観ることができませんでした。せめて一度だけでも生演奏を聴いてみたいと思い、2002年のワールドカップ・サッカーの折に横浜で行われた3大テノールの演奏会へ行きました。
 実はその公演の数日前にパヴァロッティが70歳の誕生日を以って演奏活動から引退するという発表があったばかりで、「これが最後かもしれない」と思いながら聴いた約2年前の初夏でした。


 しかし幸運にも今回もう一度舞台上のパヴァロッティに会うことができました。
が…昨日観たパヴァロッティは人の手を借りないと上手く歩けないような状態で(太り過ぎ?)、先月トスカに出演したことが信じ難いほど(オペラには演技が付きますので)足が弱っていたようでした。上半身に比べ足が細過ぎて体重を支えられないのではないかと思ったほどです(しかし恐らく普通の人に比べれば足も太いのではないかと思います)。歌う時も椅子(オーケストラピットで指揮者が座っているような物)に座っていました。

 歌声も安定しているとは言い難いところが散見されました。正直、私にとって「感動」や「感激」するような演奏ではありませんでした。しかしあの「声」はマイクを通しているとはいえ、やはり「凄い」と思いました。抜いて歌っていたところがかなり多かったと感じたにせよ…です。
 「これがベルカントなのか」と思った瞬間が幾度もあったことと、もう二度と聴くことができないかもしれない、という思いもあり、正直素晴らしい演奏ではなかったかもしれませんが、想い出に残る夜には確実になると思います。


「70歳の誕生日を最後に舞台で歌うことをやめます」そう言い、実際に実行に移せるということは、たとえ老いてしまっていたとしても恐らく並大抵のことではなかったのではないか?と思うのです。
それは、その人がパヴァロッティという稀有な歌手だからです。


  <おしまい>