昨日、新国立劇場で「眠れる森の美女」を観てきました。昨日は全5公演のうちの3公演目の日で、初日と同様、スヴェトラーナ・ザハロワとイーゴリ・ゼレンスキーが主役でした(他の3日は違うキャストです)。私はザハロワのダンスに興味を持っていたのですが、昨日初めて生ザハロワを観ることができました。
東京でザハロワを観る機会は実は多く、今年の1月にもジゼルとバヤデールを踊ったそうですし、新国立劇場では来年の予定も含めれば4年連続の出演ということになります。
ザハロワは昨年秋、マリインスキー劇場からボリショイ劇場へ移籍しました。その移籍後の時期に予定されていたマリインスキー劇場の来日公演に参加予定だったのですが同行できなかったようです(本人には来日の意思があったとのことで、直前までスケジュールの調整をしたそうなのですが、ボリショイの所属になったからでしょうか?結局その公演には不参加となりました)。
さて、この「眠れる森の美女」は全3幕 プロローグ・アポテオーズ(アポテオーズは第3幕の後にくっついているので、独立した幕ではありません)付きということですので、実質4幕あると受け止めて差し支えないと思いますが、プロローグでは国王と王妃の間に生まれたオーロラ姫(なんか凄いネーミング…)の誕生を祝うシーンですのでザハロワは登場しません。
…その代わりと言ってはマズいとは思いますが、その誕生の祝宴に招かれなかった悪の精カラボスがいい味を出していました。老婆の役なのですが外国人男性が演じていました。このカラボスが大暴れ!!仮面ライダーに出てくるショッカーのような手下の引く車(というかリヤカー!?)に乗って現われ、デカいこうもりのような手下も登場し、祝宴に招かれなかったことを恨み「オーロラ姫は編み針に刺さって死ぬだろう」という呪いをかけ、またリヤカー(!?)に乗って去って行きます。なんてお騒がせ!!しかし善の精であるリラの精が姫を守ることを約束し、プロローグが終わります。
第1幕はプロローグから16年後、16歳になったオーロラ姫の成人の祝宴です。ここで待ってました!ザハロワの登場です。優雅な雰囲気を持ったダンサーという印象で、とても美人。姫の役がとても似合っているように感じました。が、この1幕では「ローズ・アダージォ」と呼ばれる難所があるのです。4人の王子から求婚のバラの花を受け取りながらひとりひとりと少しずつ踊るのですが、そのシーンの中でオーロラ姫は片足のトゥで立ち(支えは無し)ポーズを決めるという技をこなさなくてはならないのです(一瞬ですので或る意味瞬間芸ではあるのですが、衣装を着て舞台上で演じるのは恐らく大変なことなのではないかと思います)。かつてそこでヨロヨロしてしまった人を見たことがあったので(コケはしませんでしたが)心配なシーンでもあるのですが、決まると格好の良いシーンでもあり、じぃっと舞台を凝視していました。ザハロワは見事にそのシーンを決め、大きな拍手を浴びました。勿論私も拍手してみました。
…その後お祝いに駆け付けた老婆がオーロラ姫に花束を渡すのですが、その花束の中には編み針が仕込まれており、オーロラ姫は指にその針を刺してしまうのです。その老婆が変装したカラボスだということは言うまでもありません。4人の王子に追い払われカラボスは逃げていきますが、オーロラ姫はぐったり。ここでリラの精の登場です。リラの精の力でカラボスの呪いは弱められ、姫は命を落とすことはありませんでした。その代わりその王国全体が100年の眠りにつくという展開になるのです。
第2幕になってやっとデジレ王子役のゼレンスキーの登場です。ゼレンスキーもダンスール・ノーブルなのだそうです。どうりで立っているだけでも品があります。リラの精に促され眠っている王国へ向かいます。そうです、もう100年経ったのです。
王国の前にはカラボス一味が陣取っており、そこへ来た人々を追っ払っているのですが、リラの精が現われると逃げてしまいます。それにしてもカラボスは恨み深過ぎです。116年前のパーティに呼ばれなかったことをそうまでして恨み続けるとは。フィクションとはいえ面白過ぎです。
そして王国へ入りオーロラ姫をデジレ王子が起こします(原作では王子が姫を見つけた瞬間が丁度丸100年目に当たり、姫が勝手に目を覚ますということのようです。まるでタイマー)。そして王国も100年の眠りから覚め、デジレ王子はオーロラ姫の両親である王と王妃に結婚の許しを請います。
第3幕は結婚式でそれに続く短いアポテオーズを以って物語は終わります。
3幕は少し眠くなってしまったところがありました。結婚のお祝いのパ・ド・カトルやキャラクテールのダンスが続くのですが正直飽きてしまったかも…。
オーロラ姫とデジレ王子のパ・ド・ドゥが素晴らしかったので満足ですが。
プログラムによると、ザハロワは古典のみならずマクミランの「マノン」のような役も演じるのだそうです。ザハロワのマノン、いつか観てみたいものです。次回の新国立劇場への登場はこの秋のライモンダだそうですので、すぐに観る機会が巡ってきます。来年はドン・キホーテの予定も入っていますのでそちらも楽しみです。
次回以降はボリショイ劇場のダンサーと組むようです。ゼレンスキーはマリインスキー劇場所属ですので、恐らくザハロワの移籍以前に交わされた出演契約なのではないかと思います。ゼレンスキーの雰囲気も気に入ったので少し残念ですが。
今回の公演にはピットに友人が入っていました。彼曰く「眠れる森の美女はオーケストラにとっても難しい」のだそうです。美しい旋律が多いので全く気付きませんでした。今度観る時はもっとしっかり音楽を聴かなくては!!
今回の「眠れる森の美女」の公演はザハロワ&ゼレンスキーの公演日のみならず全ての日の前売りチケットが売り切れのようです。来シーズンも新国立劇場で上演される演目ですので、特に人気のある演目なのかもしれません。来シーズンもカラボス大暴れだったらちょっと行ってみたい気も…。さあどうしましょうか?まだ時間が沢山ありますのでゆっくり検討すると致しましょう。
<おしまい>