
インターネットの発達のおかげで、海外旅行に行くのもとても簡単になりました。今では、情報収集のみならず、航空券やホテルの手配までもネット上でできるようになり、自宅でパソコンに向かっているだけで、旅のすべての準備を整えることさえ可能です。
でも、海外旅行に慣れていない方の場合は、いろいろ分からない事などもでてきますし、何か大事な事を見落としてしまったりする可能性もあるので、やっぱり旅行会社の窓口に出向いて、相談しながら手配を進めていったほうがいいと思います。旅行会社を通しておけば、大体は各旅行会社で、現地でのトラブル時用の緊急電話相談窓口などがありますので、気分的にも少し安心できます。
航空券やホテル以外にも、現地での日帰りツアーや各種イベントなど、ネット上で予約できるものはたくさんあります。そういうものは旅行会社で取り扱っていない場合も多いので、そんな時は積極的にネットを活用していきましょう。
旅行会社といっても大小さまざまな会社がありますので、どの会社で手配をしてもらうか決めなければなりません。どこも同じように見えるかもしれませんが、航空券に強い会社、ホテルに強い会社、または特定の国や地域に強い会社など、微妙に差があります。
旅行会社選びの資料としては、旅行雑誌などを参考にするのもいいですし、インターネットで手配するのでなくてもとりあえず各会社のサイトをチェックしてみて、大体の雰囲気をつかむこともできます。
あと、私が個人的に大きなポイントにしているのは、クレジットカードで支払い可能かどうか、という点です。海外旅行の手配といえば結構大きな買い物になりますので、クレジットカードで支払えばカード会社のポイントも稼ぐことができます。クレジットカードをお持ちの方は、判断材料の一つとしてみてはいかがでしょうか。しかし、カード支払OKの旅行会社というのは、実は意外と少数派です。私も、カードで支払いたいというだけの理由で、結局毎回JTBさんにお世話になっていたりします。
旅行中に使用するお金は、日本の銀行や外貨ショップなどで購入することもできますし、現地で両替することもできますが、旅行に慣れていない場合は、やはりある程度は日本で用意しておいたほうが安心でしょう。
外貨を持っていく方法の一つとして、トラベラーズチェック(T/C)があります。T/Cは、紛失したり盗難に遭ったりした場合に再発行してもらえるという利点があります。でも、私は個人的にはあまり好きではありません。まず第一に、使い勝手があまり良くありません。観光客向けの土産物店などではそのまま使える場合もありますが、場所によってはほとんど使えない場合もあり、そういう場合はわざわざ銀行で換金してから使うしかありません。また、すぐ再発行してもらえるといっても、やっぱりそれなりに手続きは必要なわけで、わざわざ外国まで行って事務手続きに貴重な時間を削られるというのは、ある意味お金を失う以上にもったいないような気がします。あとは、全く気分的な問題ですが、いかにも「よそ者」という感じがするのも気に入らなかったりします。まあ、あくまで個人的な意見ですので、参考程度にしていただければ、と思います。
逆に、クレジットカードは、ぜひ活用すべきだと思います。とくに欧米では、多くの国でカードが普及していて、カードで支払い可能な店も、日本よりずっと多いです。また、ATMも町のあちこちで見ることができます。ATMでお金を引き出すと金利がかかって損のような気もしますが、両替でも手数料をとられるので、実は結局同じことなのです。ただし、ATMを使う場合、案内表示は英語かその国の言葉なので、機械によっては使い方がよく分からないものもあったりします。宿泊する町に着いたら、まず最初に「使える」ATMを見つけておくと安心です。あとは、くれぐれも盗難や暗証番号の盗み見などには警戒しましょう!
結局のところ、一番頼りになるのは現金です。私の場合、現金をある程度分散させて持ちつつ、大きめの買い物はカードで支払い、現金が足りなくなってきたらATMで補充する、といった感じです。まあお金は重要な問題なので、自分に合った使い方を選んでいただければと思います。
旅行に持って行く財布は、普段使用しているもので構わないと思いますが、あえて用意するのであれば、スリの標的になるような、目立つものは避けた方がいいでしょう。あと、少なくとも日本円と現地通貨の最低2種類は使うわけですから、間仕切りのあるものが便利です。
ウォレットチェーンは諸刃の剣です。「ここに財布があります」と教えているようなものですから…。なので特に治安の悪い地域では逆効果かもしれません。でも普通の場所では、財布を取り出した瞬間をスリに狙われる、というようなケースを防げる分、安全性が高いと言えるかもしれません。
財布に関して私が特にお勧めしたいのは、たとえ小銭入れ付きの財布を持っていたとしても、本体の財布とは別に小さい小銭入れを持っておく、ということです。駅の売店でジュース1本買うのにわざわざ大金の詰まった財布を取り出すのは、全く無意味なリスクを背負うようなものです。小さな買い物なら、なるべく小銭入れで済ませた方がいいでしょう。また、チップを渡す時なども、小銭入れを活用してすぐに小銭を取り出せるようにしていれば、仰々しくならず、スマートに渡すことができます。
海外旅行の荷物というと、すぐにスーツケースを連想される方も多いかと思います。確かに、大量の荷物を転がして運ぶことができるスーツケースは便利で、安全性も優れています。一ヶ所に滞在する旅行の場合なら、最適だと思います。
でも、途中で列車やバスで移動するような旅行の場合、重くてかさばるスーツケースを持っての移動は、かなり大変です。やっぱり荷物は小さいに越したことはありません。1週間ぐらいの旅行なら、ソフトタイプのキャリーバッグ、それも飛行機で機内持ち込みにできるぐらいのもので十分何とかなると思います。できるだけ余分な荷物を減らして、小さなかばんで行動したいものです。
あと、私の使っているキャリーバッグは、リュックとして背負って運ぶことができるようにもなっています。実際、閑静な石畳の街などで、キャリーバッグをガラガラと音を立てながら引きずって歩くのも気が引けるようなときや、ちょっと急いで歩かなければならないときなどは、背負って歩いています。このバッグ以外には、ショルダーとリュック兼用のサブバッグ、ベタながらやはり重宝するウェストポーチ、というのが私の旅の標準装備です。
これからかばんを選ばれる場合は、お店でいろいろ比較した上で、使いやすさや好みで選ばれるといいかと思いますが、とりあえず防水は利きそうなものにしておいたほうが無難でしょう。
デパートなどの旅行用品売場に行くと、旅行に役立ついろいろな種類の小物類が売られています。その中でも代表的なものに、貴重品などを収納して身につけておくための防犯グッズがあります。
首から提げるタイプ、腰に巻くタイプなど、形状は様々ですが、共通して言えることは、貴重品を「肌身離さず」守るために、体に密着させて使うようになっている、ということです。普段は体につけないような物をつけているわけですから、場合によっては不快感を感じることがあります。私も腰に巻くタイプの物を何種類か試してみましたが、上に上がってきたり下に落ちてきたり、食事の後などは圧迫されて苦しかったりで、旅行の間中ずっと気になりっぱなしでした。こんな状態でも、貴重品を入れているだけに、他の有効な保管手段を用意していない限り、外すことができないというのがつらいところです。
何を不快と感じるかは、人によって個人差があると思います。首から提げるタイプでも、人によっては首周りが気になったり、肩が凝ったりするかも知れません。また、生地自体が肌に合わない、というような場合も考えられます。逆に、他の人が不快に感じそうな事でも自分は全然平気、というようなこともあるかも知れません。
そういうわけで、直接身につけて使うようなグッズは、旅行当日にいきなり使うのではなく、事前に試してみることをお勧めします。どんなに便利な物でも、自分の体に合わないようでは逆効果です。「せっかく買ったんだから」といって無理に使っても、煩わしい思いをするだけです。逆に使えそうな物はどんどん使って、旅を快適なものにしていきましょう。
旅行中には絶対に盗まれたくないものがあります。パスポート、クレジットカードなどがその例です。航空券、ホテルバウチャー、そして現金なども、できるだけ盗難は避けたいものです。現金などは、何箇所かに分けて持っていれば全滅を避けられる可能性が高くなりますが、絶対1つも盗られてはならないものをバラバラに持っていたのでは、全てに気を配り続けることは困難です。
そこで私が採用している防犯対策は、大事な物はすべてウェストポーチに詰め込み、そのポーチだけは何が何でも死守する、というものです。この方法だと、そのポーチを盗られたら何もかもオシマイですので、少しでも盗られる確率を下げるため、何重にも防御を施しています。概要は下の図のとおりです。この方法をとるなら、ウェストポーチ自体も、より守りやすいものを新規購入したほうがいいかも知れません。ウェストポーチは、ただ普通に腰につけているだけでは、止具を外されたらそれまでです。また、止具を補強していても、ベルト部分を切断されてしまうと、簡単に外れてしまいます。そのあたりを厳重に、しかもできるだけ自然に防御する必要があります。パッと見ただけでわかるほどガチガチに防御してしまうと、中にものすごく高価な物が入っている、というのを周囲に知らせてしまうことになります。そして、他のかばんの中の物は盗られても、このポーチだけは絶対守る、という気持ちが必要です。他のかばんにも貴重品を入れていたのでは、一点集中の意味がなくなってしまいます。
なお、この方法は、スリ程度の相手には有効ですが、最初から暴力的手段で金品を奪おうとする相手に対しては逆効果です。なので、治安の悪い地域では使えません。また、たとえ治安の良い地域であっても、ちょっとした油断ですべてを失ってしまうというリスクがあることも否めません。安全対策は、ご自身で状況判断の上、最も適切と思われる方法を選んでください。トップページにも書いていますが、何かあっても私は責任を取れませんので・・・。

日本のホテルには、例えそれほど高くないビジネスホテルなどでも、石鹸や歯磨きセットぐらいは備えられています。普通ランクのホテルなら、シャンプーやリンス、場合によってはシェーバーなども用意されています。
しかし、海外のホテルではそういう訳にはいきません。旅行会社で取り扱っているクラスなら、タオルや石鹸またはボディーソープぐらいはたいてい用意されていますが、シャンプーやリンスは微妙なところです。日本では定番の歯磨きセットは、海外では見たことがありません。これはおそらく、ホテルのグレード云々の問題ではなく、国が違えば常識そのものが違う、ということなのでしょう。あと、忘れてはならないのがスリッパです。ホテルにはまず置いていませんので、しっかりと持ち物リストに加えておく必要があります。
大事なのは、旅行会社などから提供されるホテルの情報を、あまり鵜呑みにしすぎないということです。旅行会社が膨大な数の海外ホテルの全てを逐一チェックしているわけではありませんので、情報が誤っていたり、古くなっていたりすることも考えられます。また、例えば、ボディーソープやシャンプーなどが用意されていても、品質が悪かったり、明らかに肌に合わなさそう、というような場合もあります。旅の荷物はなるべく少なくするのが原則ですが、本当に必要なものは、確実に持って行くようにしましょう。もっとも、「そんなもの別になくても構わない!」というのであれば話は別ですが…。
せっかくの海外旅行なので、オシャレして行きたい、という方もいらっしゃるかもしれませんが、慣れない土地で動き回らなければならないことを考えれば、まず「疲れない」ということを第一に考えるべきで、そうなれば「普段着」がベストということになります。普段着のほうが現地の雰囲気に溶け込みやすい感じもしますし、変に浮いた格好では犯罪者の標的にもなりかねません。少なくとも「観光客」丸出しの格好にはならないようにしたいものです。
ただし、普段着といっても、例えば、Tシャツに短パン、のような、あまりにもラフな格好だと、場合によっては周囲に不快感を与えるかもしれません。特に、教会などの宗教関連の施設では注意した方がいいと言われています。最低限、街中を歩いても恥ずかしくないぐらいの服装にしておいたほうが、行動を制約されずに済みます。
あと付け加えるとすれば、例えば金属製の装飾などがジャラジャラ付いた服を着ていると、空港のセキュリティチェックで泣きを見ることになります。余計な心配をしたくなければ、飛行機に乗る日の服装は考慮しておいたほうがいいでしょう。

高級レストランや劇場など、ドレスコードのある場所に行く予定がある場合は、それなりの服装が必要になりますが、その服装でずっと過ごすわけにはいきませんので、荷物として持っていくことになります。その場合、持って行く服のほうにに気をとられて、「靴」のことを忘れてはなりません。
靴まで持っていくのはさすがに面倒なので、着替えたときに不恰好にならないような靴を選んで履いていく必要があります。靴はもちろん「履きなれたもの」というのが絶対的な原則なのですが、普段着にもちょっと硬めも服装にも合うような丁度いい靴を持っていない場合、できるだけ早めに入手して慣らしておく必要があります。そのため、服よりも靴のことを先に考えておく必要があるかもしれません。
ところで、これはあくまで私の個人的な見解ですが、ドレスコードというのは、「豪華に着飾って目立つためのもの」というよりは、「特定の個人が奇抜な格好で目立ちすぎないためのもの」なのではないかと思います。どんな服を着たらいいか分からない場合は、とりあえず「その場の雰囲気を壊さないような服」という基準で選んでみたらいいのでは、と思います。
日本の夏は暑いです。暑すぎます。いきなり何が言いたいのかというと、同じ「夏」でも国によって暑さに差があるということです。ヨーロッパの場合、北部や山間部などでは、夜間や荒天時などには寒いぐらいの時もあります。たとえ夏の旅行であっても、ちょっとした防寒着ぐらいは用意しておいたほうがいいでしょう。
どうせ持っていくのならば、レインコートを1枚持っていけば、防寒着と雨具の兼用で使えます。レインコートといっても、ビニールのいわゆる「雨がっぱ」ではなく、ウィンドブレーカーのように通常時にも着られるようなデザインのものが、アウトドアショップなどで販売されています。やや厚手のしっかりした生地のものであれば、夏の防寒着としては十分に使えます。もちろん「本職」の雨具としても重宝します。ヨーロッパでは、国にもよるかもしれませんが、多少の雨ならば傘など差さずに歩いている人が多いです。自分だけ傘を差して周りから邪魔者扱いされるのも悲しいですので、レインコートの出番は増えます。雨の時はだいたい気温も下がるので、それほど暑苦しくもないです。
秋近くになるとさすがに防寒着としては頼りないですが、ニットなどの上着と重ね着して使えば、まだまだ活用できます。いずれにしても雨具は絶対必要なので、最大限に活用したいものです。
海外旅行をする上での最大のハードルは「言葉」かもしれません。基本的に言葉は国によって違うので、新しい国に行くたびにその国の言葉を覚えなければ会話ができません。でも、そんな言葉の中でも、「英語」は、多くの国で通じます。そのため、ちょっとした旅行ぐらいなら、学校で習う程度の英語を覚えていれば、大概のことはなんとかなります。
そう、「なんとかなる」のは確かなんですが・・・。それでも、旅を「楽しむ」という観点からすると、せっかく外国に行くのに、その国の言葉を1つも使わない、というのは、すごく「もったいない」ことだと思うのです。ただ単に外国語で会話をするだけなら、最近では外国語のレッスンを受けられる学校があちこちにありますので、いくらでも体験できます。でも、「生きた会話」となると話は別です。例えば、ノルウェー語でちょっとした用事を1つ済ます、というようなことは、それが例えば「切符を1枚買う」というような本当に些細な事であっても、実際にノルウェーに行かない限り、長い人生の中でも絶対に有り得ないことです。こんな貴重な経験ができるチャンスを逃す手はありません。そして、そうやって用事を済ますことができた時こそ、自分が今この国にいるんだ、ということを最も強く実感できる瞬間でもあります。
普通に町を歩いている時でも、看板のなかに知っている単語を見つけたり、何となく耳に入ってきた会話の中に断片的にでも理解できる部分があったりすると、それだけでも楽しいものです。確かに英語だけでも旅はできますが、海外で過ごす貴重な時間を少しでも楽しみたいと考えるならば、できるだけ多くの現地語を覚えておくということを強くお勧めします。
現地語を覚えるといっても、短時間ですべて覚えられるわけがありません。ここでは、私の経験上、優先的に覚えておいたほうがよさそうな言葉を挙げておきます。今後思いついたら追加するかもしれません。なお、英会話ネタについては、英会話編をご覧下さい。
«あいさつ»
「こんにちは」「さようなら」「ありがとう」
「Hello」や「Thank you」が通じない国というのはほとんどないと思いますので、ある意味では最も必要性の低い言葉かもしれません。これらの言葉が必要なのは、要は「気持ちの問題」です。例えばフランスに行って、いきなり覚えたてのフランス語を話そうとしても、そう簡単に口から出てくるものではありません。とりあえず「ボンジュール!」など、あいさつだけでもしておけば、頭がフランス語モードに切り替わって、多少は次の言葉も出やすくなります。相手方のほうも、いきなり「ハロー」と話しかけられたのでは、「あいさつぐらい覚えとけよ!」と内心思う場合もあるかもしれません。そこまで極端ではないにしても、やはり好感度は違ってくるはずです。あいさつ程度ならそれほど覚えるのも苦労しないと思いますので、覚えておいて損はないでしょう。
«人に頼むときなど»
「お願いします」「すみません(ごめんなさい)」
「Please」「Excuse me」「I'm sorry」にあたる言葉です。人にお願いする立場なので、単なるあいさつよりも、現地語で話す必要性は高く、しかも旅行には欠かせない言葉なので、優先的に覚える必要があります。しかし、けっこう覚えにくい単語の場合もあります。ちなみにドイツ語で「すみません」は「エントシュルディグング」といいます。おそろしく覚えにくいですが、こればっかりは頑張って覚えるしかありません。
«レストランにて»
「これください」「お勘定お願いします」「お釣りはとっといて!」
レストランよりホテルでの会話のほうが大事と思われるかもしれませんが、ホテルはある程度外国人客が来ることも想定していて、英語が通じるようになっている確率が高いです。何とか現地語でチェックインしようとして係員に英語で聞き返され、結局全部英語での会話になってしまう、というのが私の定番パターンだったりします。その点レストランや一般の店舗などは、英語が通じるとは限りません。まあレストランなどでは、会話の内容は決まり文句が多いので、付け焼き刃の現地語でも通じやすく、現地語を試すには絶好の機会です。基本の表現以外にも、現地で絶対に食べたいと思っている料理や、飲物の名前などは、発音できるようにしておいたほうがいいでしょう。
ところで、「お釣りはとっといて!」というのは、チップの迷いを解消してくれる、とても便利な言葉ですが、旅行用の会話集などに載っている確率が意外と低いです。ドイツ語では「シュティムト ゾー」という便利な表現がありますが、私が買った会話集やガイドブック類には全然載っていませんでした。他の言語でも同じような状況で、結局何と言うのか分からずじまい、というようなこともあります。自分が行く国の言葉について、インターネットなどで偶然見つけたような場合は、メモしておくことをお勧めします。
«その他»
他に覚えておいた方がいいのは、やはり数字でしょうか。自分で話さなかったとしても、あらゆる場面で耳に入ってきます。まあ実際に聞き取るのはかなり難しいんですが・・・。同様に耳にすることが多い言葉としては、「右」「左」の表現があります。物の場所や道を尋ねた場合や、列車でどちら側の扉を開けて降りるのか、など、やはりいろいろな場面で耳に入ってきます。あと、「言語」とは違うかも知れませんが、地名についても、滞在地はもちろん、経由地や列車の行先地なども含めて、何と発音するのかぐらいは調べておいたほうがいいでしょう。
外国語の使用について、それが会話、つまり「人」が相手である場合は、言葉の知識が不完全でも、身ぶり手ぶりや他の言語など、いろいろな手段を用いて意思疎通をはかることができます。しかし、相手が「物」に書かれた「文字」の場合は、そうはいきません。そのため、場合によっては、書かれた文字の意味がわからない、というほうが深刻な問題になります。ここでは、特に覚えておいたほうがよさそうな表記について挙げておきます。
«空港・駅などで»
「出発」「到着」「〜へ」「〜から」
現地に到着して、まず空港でいきなり見かけるのが「出発」「到着」の文字です。まあ空港の場合、たいてい英語が併記されているので問題はないと思いますが、外国の場合、日本と違い、鉄道の駅でも空港のように「出発」「到着」それぞれの時刻が掲示されている場合もあり、時刻表も「出発」「到着」の2枚があります(現地編{交通機関について}参照)。これを間違えると大変ですので、この単語はしっかり覚えておきましょう。
「〜へ」「〜から」は、「to」「from」にあたる言葉です。日本の駅のホームの行先表記では、たいてい「〜へ」の方しか使われていませんが、外国では、「〜から」の方も使われている場合があります。例えば、街はずれの駅の場合、一方のホームが「市街地へ」、もう一方のホームが「市街地から」になっていたりして、日本のときのクセで前置詞など気にせずに読んでしまうと「どっちも市街地行き?」と思ってしまいます。これを間違えると、正反対の方向に行ってしまいますので、くれぐれも気をつけてください。
«店舗・レストランなどで»
「営業中」「閉店」
閉店中の店に平気で入っていく日本人観光客が各地でヒンシュクを買っているようです。閉店中の店に入るのは不法侵入と同じですので、絶対に避けなければなりません。しかし、夕方頃のレストランなど、もう開店しているのかまだ準備中のか分かりにくい場合があります。だいたい店先に「営業中」とか書かれたプレートが提げられているのですが、それが読めなければ意味がありません。私も、良さそうな店を見つけたものの本当に営業中なのか自信が持てず、結局パスしてしまったこともありました。
«建物などで»
「入口」「出口」「非常口」「立入禁止」「押す」「引く」
建物内の表記は、間違って入ってはいけない所に入ってしまったりしないように、注意しておく必要があります。「非常口」の表記は、日本にいるときは見慣れてしまって特に気になりませんが、けっこう建物のあちこちに書かれているものです。「非常口」の単語を覚えていないと、「これって入口?出口?立入禁止?」と混乱してしまうかもしれません。
「押す」「引く」の単語は、ドアに限らず、照明のスイッチ、信号の押しボタンなど、建物の内外を問わずあらゆる所で見かけます。まあ知らなくてもそれほど深刻な問題にはならないとは思いますが、例えば現地語で「引く」と書かれているドアを引いて、ちゃんと開くと、何だか妙にうれしかったりします。
«その他»
曜日の名前は、時刻表を見る時に必要です。特に土曜日、日曜日ぐらいは覚えておきたいものです。また、施設の休業日を確認するときにも必要です。あとは、東西南北も覚えておくと役立つかもしれません。案内表示を見ながら道を調べるときにも便利ですし、駅やバス停などの名前にも「○○南」のようなものが多くありますので、それを手がかりに自分がだいたいどの辺りにいるのか知ることもできます。最後に、トイレの「男性用」「女性用」を間違えると、一番大変なことになるかもしれませんので、そこはきっちり押さえておきましょう。
今更こんなことを言うのもなんですが、外国語の文法というのは難解です。私達日本人にとっては、英語の文法もかなり厄介ですが、実はヨーロッパ系の言語の中で最も簡単なのが英語で、他の言語は英語よりもさらに難解なようです。文法の中でも特にややこしいのが、動詞の「活用」です。英語でも少しはありますが、他の言語では、主語が変わるにつれて一つの動詞が何種類にも変化するというのが当たり前のようになっています。活用なんて間違っていても大体の意味は通じそうにも思えますが、意外と重要なもののようです。例えばイタリア語などでは「私」や「あなた」などの主語は省略してしまうのが普通なので、動詞の活用次第で主語が自動的に決まってしまい、活用を間違えると、場合によっては文章が全く逆の意味になってしまったりします。かといって、全部の活用形を覚えようとするのはあまりにも大変です。
そこで利用したいのが「助動詞」、つまり、英語でいうと「can」とか「will」とか、そういうヤツです。幸いにも、多くの言語で英語と同じような助動詞があり、その多くが、やはり英語と同じように、助動詞の後ろに動詞の「原形」をくっつければいいようになっています。特に覚えておきたいのが、「〜してもいいですか?」とか、「〜してもらえますか?」といった文章に使える、「can」「could」に当る助動詞です。実際、旅行中に使う言葉なんて、この表現ができれば大体は事足りてしまいます。旅行者向けの会話集などには、どれが助動詞です、なんて事は書いていないかもしれませんが、いくつかの例文を見比べていれば、すぐにわかるはずです。あとはそれを英語と同じように使うだけで、会話のレパートリーが広がります。ただ一つ厄介なのは、この助動詞自体も主語によって活用させなければならない、ということですが、使いそうな動詞全ての活用を覚えるよりは、この助動詞だけの活用を覚えるほうが、はるかに楽なのは間違いありません。
外国へ行って、喋れる現地語が「あいさつ」だけでは物足りない、という方は、ぜひこの「助動詞」を最大限に利用して、会話に挑戦してみてください。