第61回 三重県高等学校演劇大会・県大会


日時:8月11日(木・祝)〜12日(金)
場所:三重県総合文化センター 中ホール
審査員:はしぐち しん・山中 秀一・山本 直子

審査結果
最優秀賞(三重県知事賞):暁高校 「いちについてッ」
最優秀賞(中日賞)   :四日市農芸高校 「アシカの笑顔」
優秀賞         :高田高校 「トキコとトキオ」
             いなべ総合学園高校 「HKBへようこそ!」
優良賞         :津商業高校 「夕暮れに子犬を拾う」
             神戸高校 「セーラー婆ぁとオレ」
             三重高校 「セブンマート大白田店のキセキ」
             桑名西高校 「妖怪大喫茶」 
舞台美術賞       :桑名西高校

※最優秀賞の暁高校、四日市農芸高校は、12月23日(金)〜26日(月)に開催される
 第69回中部日本高等学校演劇大会(三重県大会)に出場します。
※優秀賞の高田高校は、11月25日(金)〜27日(日)に開催される
 第36回近畿総合文化祭(兵庫県大会)に出場します。
※優秀賞のいなべ総合学園高校は、10月22日(土)〜23日(日)に開催される
 第37回みえ高文祭に出場します。



上演順    ※ ▲は創作作品

8月11日(木・祝)
 開場 9:20 開会式 9:40
(1)10:00〜 津商業高校 
「夕暮れに子犬を拾う」
作・越智 優
はしぐち しん 先生

今この物語がどう言う場所で進行しているのか?が見えなかったのが残念だった。具象で見せるのか?抽象で見せるのか?創り手の都合で決めてはならない。観 客にどう見えるのか?演出はそれを定める必要がある。俳優についても同様な事が言えるだろう。リアリティのある会話をして欲しかった。

山中 秀一 先生

トップで少し慌ただしく、開演した印象。高台にある公園の設定や子犬が入った段ボール箱に、リアリティがあると良かった。会話の位置関係や距離感などは、 役柄の関係性や心理をあらわすものとして研究が必要だと感じた。シルエットの舞台転換、場面変化に俳優の動きを制御し意味を加えれば効果的。

山本 直子 先生

間口の広い舞台を横長に使っていたため、他愛のない話、いじめなどのデリケートな話、両方ともがかなり離れた位置での会話となった。公園のエリアを区切 り、シーンによって役者の距離の近さ、遠さを意識的に変えると、登場人物の人間関係や心情が、より伝わりやすかったのではないだろうか。ダンボールの大き さと扱い方により、中にいるはずの犬が想像しにくかったことが残念。

生徒講評委員会

 このお芝居は戦争といじめを絡ませて作られており、私たちからは遠いとされているものを身近に感じられる作品でした。ポジショニングは女子にとって死活 問題で、一歩間違えればミーナの様になってしまうもの。その中で仕方なくいじめをしたミーナが今ではいじめの対象になってしまっている、という構造が繰り 返されている戦争と重ねられている点が巧みで面白いと感じました。私たちは「子犬」という観点にも注目しました。私たちは子犬を弱いもの、つまりいじめら れているミーナとも重ねているのではないのかというふうに考えました。しかし、そのダンボールの扱いが少し雑になっており本当に子犬がいるのか疑問に思っ てしまう場面もありました。また、リナとB子やサオリとリナのような関係性をはっきりとさせるために照明が工夫されていたり、激しくなる心の動きにあわせ てホリゾントの色がオレンジから赤に変わっていくのが非常に効果的でした。       


(2)11:30〜 いなべ総合学園高校
「HKBへようこそ!」
作・蔦野 若葉▲
はしぐち しん 先生

キャラの立った俳優、舞台美術には好感が持てた。戯曲の構成をもう一度見直すと良い作品になる可能性を秘めてはいると感じた。今この場で事件(もしくは問 題)が起こって、それを解決する過程で個々人の事情が浮かび上がり、それを知った事で関係性が変わるのが物語。その辺を意識して欲しい。

山中 秀一 先生

教室、廊下出ハケの中間的なアプローチが、作品の進行に効果的に作用していた。被服部のそれぞれの個性が際だっていたが、葛藤に至る過程を全体の中から感 じられる構成であれば、よりよいと感じた。俳優のスタイルとしてのキャラクターと個性の違いを研究したい。小道具の物語への影響の仕方など秀逸。

山本 直子 先生

舞台となる被服室の奥に窓のある廊下パネルを置くなど、装置も丁寧に作られている。男子3名のキャラクター設定がしっかりとしており、イキイキとしてい た。タペストリーを破くほどに追い詰められる唯の心情がもう少し詳細に描かれていれば、最後に唯が大泣きするシーンが際立ったのではないだろうか。話せな いあやとが発した「唯、決めて」ということばに対する周りのリアクションがほしかった。

生徒講評委員会

 私たち講評委員が注目したのは、あやととジョッカーです。まずあやとについてです。あやとは話せるのか、話せないのかということは、講評委員の中でも意 見が分かれました。加えて、「ゆいが決めて!」という台詞に対して周りの感情の切り替えがはやいと思いました。じゅんぺいが「あやとが話すくらい大切なこ とだからな」と回収しているだけでは不足している、また、他の登場人物についても脚本上感情の流れが急すぎる感もありました。ジョッカーは悪役として、ぬ うんジャーと対比し、HKB(被服部)と生徒会の関係を解りやすくしているなと思いました。また関連して色について話が出て、さまざまな色は登場人物たち の個性を表現しているのではないかという意見もありました。罪悪感のない傷つけ方があり、ヒトと話す手段は言葉だけでない。登場人物たちの気持ちのすれ違 いがよく表現されているお芝居であると思いました。


(3)13:30〜 神戸高校
「セーラー婆ぁとオレ」
作・阪本 龍夫/潤色・神戸高校演劇部
はしぐち しん 先生

物語の中で重要なアイテムであるはずの「おはぎ」が本物でなく、舞台上で実際に食べることが出来なかったと言うのは、かなりもったいない。所詮舞台の上で 起こることは噓である。しかしながら観客の想像力で、その噓がホントになるのが演劇の面白い所。細部へのこだわりが必要である。

山中 秀一 先生

既成台本を取り扱うとき、描かれた背景に対する考察や解釈は団員全てで十分な議論をして多面的に望むべきであろう、特にはっきりしたテーマやモチーフが示 されている場合はなおさらであろう。自分に近づける役作り、自分を近づける役作りの研究。屋内、屋外の場面設定する舞台装置は意欲的。

山本 直子 先生

家の内、縁側、庭ともにしっかりと作られた、美しい舞台装置だった。音響のオペレーションも丁寧であり、照明にも工夫が見られた。戦時中のアキオさんの手 旗信号は、当時を思わせるキレの良さが求められる。既成台本選びはとても難しいが、現在のこのチームだからできること、このチームにしかできないことにこ だわり、議論を重ねて選んでほしい。

生徒講評委員会

 このお芝居は、はるかの戦争体験にあきと自身の問題を重ね合わせてあり、はるかの死があきとが人生における諸問題に前向きに取り組む第一歩になっていま した。演出の点では、セーラー服の若さやもんぺといった戦時中であることを表す服装がはるかの記憶をタイムカプセルに閉じ込めているようなイメージを抱き ました。また、砂糖や小豆やもち米といった、戦時中でとても貴重だったもので作られるおはぎだからこそ、はるかの強い思い入れをあらわしていると受け取り ました。「自分らしく生きろ」とはるかがあきとに言ったとき、あきおの未練からあきとには自分を見失わないでほしいという、伝えたいことが理解できまし た。しかし、全体的に脚本からの伏線は見られたが、あきとが家出をして知らない人の家に上がり、勝手におはぎを食べてしまうプロセスが浅かったと感じまし た。その登場人物たちの背景をイメージし、演技に表すことも策の一つだと思います。


(4)15:00〜 暁高校
「いちについてッ」
作・暁高校演劇部▲
はしぐち しん 先生

元気があって好感の持てる舞台だった。俳優の動き、見せ方など良い演出がなされていたと思う。戯曲をもう少し整理するともっと面白くなるとは思う。エピ ソードの配置を少し変えるだけで印象も変わると思う。と同時に登場人物のキャラをもう少しだけ物語にリンクさせると面白いのかも知れない。

山中 秀一 先生

時間や場面の切りとり方、構成に一考の余地があるが、登場人物それぞれのアンサンブル性やミザンスがよく練られてあり、テンポが良く物語が進行していっ た。高さに段階をつけて舞台上に展開し、可動性のある装置のギミックで視覚的にも驚きがあった。構成や仕掛けの中に人間を描く挑戦に期待。


山本 直子 先生

舞 台上に30名以上いたが、立ち位置、イリハケ等がよく整理されており、演出の力を感じた。役者の身体性も高く、個性的。高さをつける階段状の装置が可動式 になっているところは秀逸。脚本については、中心となる菅井がどうしてそこまで勝ちにこだわりメンバーに厳しくするのか、それを周りはどう感じるのかな ど、人の気持ちのぶつかり合い、揺れなどを、より詳細に描いてほしい。

生徒講評委員会

 一人一人のキャラクターの個性が濃く、どこかでみたことのあるような、ある種ステレオタイプな人物たちの会話や行動の中に何かしら共感や協調できる部分 がありました。部員の方全員の力を潰していなくて、元々持っている個性や力量を感じることができました。圧倒的な人数をつかったアンサンブルの人たちのサ イレントの動きが自然だったところも印象的でした。そして舞台に立っている人数が多く、立ち位置など見え方も意識されていてかなりの稽古の中で培われたも のなのだと感じました。回想シーンや体育祭のシーンでの「静」と「動」の差があるのがその差を際立たせていてすばらしいと思いました。ストーリーがシンプ ルで矛盾がないからこそ脚本や登場人物達に共感できるのではないかという意見がありました。その逆もしかりで矛盾がないからこそ話が単純でシンプル過ぎる ところがあるのではないかという意見もでました。


(5)16:30〜 三重高校
「セブンマート大白田店のキセキ」
作/三重高校演劇部▲
はしぐち しん 先生

好感の持てる作品だったのだが、時間経過の見せ方が若干お粗末な印象だった。演劇は時間と場所を切り取ることで、観客の想像力を刺激することが出来る。暗 転は時間を飛ばすことに有効な手法だが、多用するとその効果は薄れてしまう。暗転以外の手法で時間経過が感じられると良かったのかも知れない。

山中 秀一 先生

受賞には至らなかったが、団員が思い入れを持って世界観を作っているのが伝わってきて非常に力作であった。アルバイトの主人公、店長、お客、中学生と高校 生が登場しない事で、返って創り手の立脚点が面白く感じられた。発声や意識の向け方など、演技の基礎力にも興味を持って取り組んで欲しい。

山本 直子 先生

イートインのあるコンビニ店を舞台にするという設定は秀逸。新人コンビニ店員まことと過去のある少女はるかの人物設定に関する伏線を、会話のなか、服装や 態度などで前半から色々なところにちりばめておくと、二人の成長物語がもっと伝わりやすかったのではないだろうか。二人の出会いからはるかの合格までの、 どの部分を切り取って舞台上に上げるかについて、工夫が必要である。

生徒講評委員会

 「セブンマート大白田店のキセキ」このキセキとは一体どのような意味があるのか、何故キセキなのかと劇を見終わった後考えていました。普段のコンビニの 日常におこった小さな出来事、これをキセキとよぶのではないかと私は思いました。またキセキには奇跡と軌跡の二つの意味があるのではという意見もありまし た。ハルカとマコトの出会い、ハルカが勉強の面白さに気づき志望校を受験しようとすること、マコトが大学に行こうとすること、これら全てが小さなキセキが 積み重なってできており、そのキセキに気づくも気づかぬもそれは個人の自由、キセキとは身近にあるものなんだということを題名にしたのではないかと考えて います。舞台セットが凝っていたりSEが凄くタイミング良くあっていたり、店長が仕事をしながら喋ったりするところにリアリティを感じてそれがまた普段の コンビニの日常っぽくて素敵だと思いました。しかし、季節の移り変わりとそれによって変わるハルカとマコトのこれからの変化が分かりづらいので、場面転換 を効果的に使いながら行えるのではという意見もありました。





8月12日(金) 開場 9:20
(1)10:00〜 桑名西高校
「妖怪大喫茶」
作・kuwanisi劇場脚本部▲
はしぐち しん 先生

物語が転がり始めるまでに時間がかかり過ぎた印象。誰の何のお話なのか見えないまま、キャラ対決だけを見せられても観客は戸惑うだけである。前半部分を大体にカットして、主人公と思われる彼女の話から始めると面白くなったのかもしれない。

山中 秀一 先生

個人の演技力、役者同士のアンサンブル性は高評価。障子のギミック、斬新なアイディアや、おもしろみを一つの物語、一本の作品として集約していく本筋をどう構築するかが課題。先生の新婚旅行、妖怪の造形、喫茶の首尾、渡野辺の葛藤など回収されるべき点がいずれも消化不良。

山本 直子 先生

間口を狭め、高さをつけた舞台装置を使い、身体性の高い役者がイキイキと動き回る点はすばらしい。彼らによるこの「小ネタ」を、「わたのべさん」および彼 女をめぐる人々を描くメインストーリーとリンクさせてほしい。妖怪をモチーフにする発想は、とても面白い。単に見た目だけではなく、妖怪と登場人物の「個 性」を重ね合わせることができれば、「妖怪」を使う意味が出るのではないか。

生徒講評委員会

「妖怪大喫茶」は高校の文化祭にありそうな事柄で埋め尽くされており、自分たちの周りにもありそうな作品でした。私たちはまず、垂れていた幕に注目しまし た。幕は7枚あり、渡野辺を含む妖怪チームと同じ枚数あることで、劇の印象を強めていました。幕には絵が描いてあり、それが妖怪チーム一人一人に例えられ ていたので、その点も面白いと思いました。そして、幕の絵と役者のジャージの色が同じで誰がどの妖怪なのか分かりやすくってよかったです。また、最初の チャイムなど音響を使わずにマイクを通し、声でしていたので、効果的であったと思いました。しかし、中心人物がわかりづらかったという意見もありました。 前半で渡野辺があまり出てこなかったり、後半ではゆうかの小学生の時の話があったりしたので誰が中心に話が進んでいるのかが分かりにくかったです。また、 楽しい部分がそれだけで独立していたので、本編と繋がりがあればもっと楽しめたと思います。


(2)11:30〜 高田高校
「トキコとトキオ」
作・西尾 優▲
はしぐち しん 先生

興味深いオープニングで幕が上がったのだが、結果物語が動かないまま終わった印象がある。物語とは、とある状況にある人が、何らかの影響を受け、何かが変わる(もしくは変わらない)。そこに観客は感情移入して、心が震える。そんな主人公の姿が見たかった。

山中 秀一 先生

先輩を慕う後輩の挿話、ファッションショーの「おねえ」や「中性的な歌手」の描写から、問題に対する立場を表れ、トキコを巡る問題が進行すると良かったの ではないか。向き合うことが増えるであろう問題が個人的な事から、コミュニティの問題、社会へと慎重に広がっていく表現を模索していただきたい。

山本 直子 先生

オープニングのスピード感、ワクワク感は秀逸。普通の教室の装置を使わず、赤と青の模様の入ったパネルを使うことによって、テーマを抽象的に表している点 もすばらしい。テーマも「今」を感じさせ、意欲作。ただ、トキちゃん自身の葛藤、トキちゃんと周りとの関係が伝わりにくく、最初から最後までトキちゃんも 周りの人物も、何も変わらないように見えてしまったことが、とても残念。

生徒講評委員会

 1/13。日本での、セクシャルマイノリティの方の割合です。クラスに約3人いる計算です。この作品は、自分の性に疑問を持つトキコが主人公となって展 開していきます。高校のクラスという過ごしづらい環境の中で、トキコは一体どれくらい我慢してきたのだろうと想像すると、苦しくなってきます。まずはじめ に、冒頭の赤、黄、青などのカラフルな色の風船でトキコを囲み、風船を割る場面について、風船がさまざまな色であるところからセクシャルマイノリティの象 徴である虹が表現されていました。また、それを割ることによってトキコが自分と周りを分けている、女でいなければならないトキコの感情があふれて爆発し た、個性がたくさんある中でトキコという存在を確立させるということが表現されていたと解釈しました。次に、・・・・・よろしくお願いします。」というセ リフについて、これは何を示しているのか話し合って、トキコのひとつのけじめ、1/13の方のうちの一人としてと解釈しました。また、この部分に関して、 背景のホリゾント幕が赤であったことから、女としてと表現されている解釈がでました。もしこのホリゾント幕の色が例えば紫であったら男女のどちらでもある 人物としてという解釈ができたのかもしれないと思います。そして、このお芝居はとても細かいところまで「男女」ということが表現されていました。パネルの 上部に描かれていた赤と青の三角は、中央の一枚のみ三角がふたつ描かれていて、またその三角は赤と青の三角がくっつけてあります。この一枚はトキコと重ね て表現されていました。このお芝居全体を通して、セクシャルマイノリティというのは受け入れられていない事実であって、私達はセクシャルマイノリティにつ いて理解している「つもり」になっているのではないかということを感じました。セクシャルマイノリティについてもう一度考え直す機会になりました。


(3)13:30〜 四日市農芸高校
「アシカの笑顔」
作・谷津田▲
はしぐち しん 先生

演技がナチュラルでとても好感が持てた。舞台美術もリアリティのある作りで良かったと思う。しかし、ちょっとしたミザンスの違いで見え方や印象が変わって しまう事を意識できてないように感じた。劇場でのリハーサル時間は限られているのは承知だが、それでもこだわるべき所はこだわって行ってもらいたい。

山中 秀一 先生

大きな事件と小さな出来事に対する反応が、登場人物によって様々で、立場の違いがよく表現されていた。取材を元にした脚本構成で細部にわたって構成されていた。見せ方という部分で、舞台の基本設定、部屋とその外のエリアの設定などにさらに研究が必要。

山本 直子 先生

藤田さんの成長にいたるプロセスに破綻がなく、納得がいくストーリー。ただ、全体的に脚本の言葉量、特に説明するセリフが多いので、登場人物の感情をいか に言葉を使わずに伝えるか、また、タイトルにある「笑顔」の意味、ストーリーに込められたメッセージをいかに明確に伝えるかという観点から、見直していた だきたい。演出的には、ドラマティックなシーンが机の後ろで展開されたり、舞台前がデッドスペースになるなどがあり、再考を要する。

生徒講評委員会

 上演お疲れ様でした。今回観させて頂き、一つ目に思ったことはテーマがどのような意味を持っているのかということです。今回のテーマは大きく『笑顔』 だったように思われます。私自身も辛いときにはうつむき、下を向いてしまうことがよくあります。そういったときに笑うということはとても難しいことではな いかと思います。そんな中で『笑顔』をテーマにして、さらに「笑うことで道が開ける」といった表現には深く感動しました。作中に出てきたようにアシカの笑 顔は作り物なのでは?という疑問が出てきましたが、笑顔を作る行為は大人への第一歩なのだろうと解釈することもできます。藤田さんの“マスクを取る”とい う行為自体も大人になるということ、また成長を表現しているのではないかという意見もでました。水族館を舞台に一人の女の子がコンプレックスを克服すると いう現代にありそうな内容で親しみやすく楽しんで観ることができました。