Petit Voyage 2

伊勢志摩スカイライン

2004.2.28
 ネタ切れのため、ちょっとだけ伊勢志摩の旅を試みた。ほんとに、ちょっぴり。
 家から一時間ほど車を走らせ、伊勢神宮内宮前に到着した。 
 参拝客を尻目に、伊勢志摩スカイラインへ上る。

 伊勢から入れば鳥羽市へ抜けるが、他に近道はあるので、通常は山の頂にある金剛證寺の参拝客か観光客しか通らない道路だ。
 1,220円の通行料は少し高いと思わないでもないが、今日のドライブのテーマは「リアス式海岸を望む」ことだったので、仕方ない。

 関門の係りのおじさん、「気をつけてな」と気さくに声をかけてくれる。

 私の初勤務地は、伊勢だったのだが、私は温かい伊勢志摩の人々に育てられたことを思い出した。
 当時は、皆が親切なので何故私に親切にしてくれるのかが理解できなかったくらいだ。

 それまで住んでいた京都の人々が冷たかったと言うわけでもないけれど、1000年以上も都会だった地域の人々には暗黙のいろんなルールがあって、その中に「必要以上に人に関わらない」というルールがあっただけのことである。

 車を進めてみると、誰も後ろから来ないので、のんびり走ることができた。

 大きくうねった道を上ること5分ほど、左手に早速、伊勢平野と伊勢湾が見えてきた。素晴らしい眺めだが、ひたすら山岳に沿ったカーブが続くので、眺めに気を盗られると大変なことになる。

   

 今度は眺望は右手に移る。伊勢の南側には深い色をした山が連なっている。
 同じ伊勢志摩地域でも北と南で随分姿は異なっている。

 途中、「八大龍王寺」の参道を見つける。ここは水商売に霊験あらたかなんだとか。龍王って言うくらいだからねえ。
 若い頃はともかく(そういうこともやってましたんで・・)、今は水商売には縁がないので通り過ぎる。
 
 くねくねとカーブが続くが、一つカーブを曲がる度に、真っ先にブルーの海と空だけのパノラマが見えるので決して飽きることはない。
 
 金剛證寺の山門に辿り着く。

 伊勢神宮の鬼門を守る寺として建立されたもので、昔は伊勢参りをする人は必ずここにもお参りしたと言う。
 日本の各地から歩いて伊勢参りを実行した時代の人間だったら、どれほどくたびれていたとしてもこの寺に上ったろう。
 しかも、後で知ったことには、今の時期は桃山時代の建築物であり、国重要文化財に指定されていると言う本堂内陣を、なんと四百年ぶりに公開しているというのだ。

 けれど、車で一時間で来ちゃったしなあ・・などと有り難味の分からぬお馬鹿な私は、お参りもせずにそそくさと出てしまった。
 事前調査は何事においても重要である。

 ちなみに、この寺院には供養卒塔婆が林立している小道がある。
 一万本もの卒塔婆の迫力には圧倒される。

 思えば、昔付き合っていた彼氏との初デートでここへ来たことがあるのだけど、よくあんな不気味なところに行ったものだと我ながら呆れる。

 様々な過去を思い起こしながら?辿り着いたのが
朝熊山上広苑

 朝の熊と書いて、「あさま」と読む。

 残念ながら雲が多くて、普段は美しい紺青の海も白っぽく見える。

 

  
 

 写真左の入り江のような部分が二見の池の浦。昔から海水浴場として賑わったところである。
 私は仕事でこの辺りに行ったことがあるが、丁度、時代劇の撮影をしていて、大変興味深かった。時代劇の撮影をしても違和感のないような渋い海水浴場なのである。

 写真の中央に見える大きな島は答志島。戦国期の水軍の将、九鬼嘉隆の終焉の地である(私は歴史が大の苦手なので、ガイドブックを読んで適当に書いているだけですが)。
 答志島の向こうには中央アルプスが微かに見えた。

 左端から点々と小島が連なっているのが分かるので、これらも太古の昔は小さな山脈だったのだろう。
 小島と答志島が作る半直線をもう少し右方に延長した辺りに、微かな小さな三角の島が見えるだろうか。

 これが神島である。

 よく晴れた日には、神島のちょうど上方に富士山が見えることもあると言う。
 
 今度は南の方に廻ってみる。
 
 南勢や南島町の方角だろう。

 町が開けていない地域なので、山並みがうっすらと何層にも続いている。
 これこそ日本の光景だと、私は何度見ても思う。

 そして、その向こうには太平洋。
 
 地味だけれど力強い奥伊勢の景色だ。
 
 ジーンズ姿にニットキャップのいかした老人がたった一人、腰を下ろしてこの風景を眺めてた。
360度のパノラマを堪能した後は、伊勢志摩スカイラインを鳥羽・二見方面へ抜ける。

 鳥羽へ行こうと思ったが、車がオーバーヒートしかけたので二見を通って伊勢方面へ戻ることにした。

 途中、
「伊勢パールセンター」(三重県度会郡二見町松下1742-8 TEL0596(43)4311)なるところに立ち寄る。
 真珠が欲しかったわけではなく、このセンターに付属している
「真珠の病院」という博物館に興味があったためである。

 ・・ところが、真珠が整然と並んでいるのを目にした途端、ブレスレットを三本、衝動買いしてしまった。だって、店の奥さんが、三割引にしてくれると言うし・・・(真珠の卸売りをしているお店なので、良いものを格安で購入できるお店なのである。あんな静かなところにあるのが不思議なくらい)。

 本来の目的の「真珠の病院」も拝見する。

 バロック真珠(形の変わった真珠)で、いくつものストーリーが作られているのである。つぶらなひょうたん型の真珠をヒトに見立て、親子だとかスポーツのワンシーンを現していたり、あるいはくぼんだ真珠を小さなりんごに見立ててみたり、初めて見る芸術だった。
(残念ながら、写真がないので興味のある人は、「真珠の病院」で検索してみてください。)

 この他、まさかこんなところで、と思うような見事なカメオのコレクションが展示されていたりして、余りのセンスの高さに、ふらっと立ち寄ったことが申し訳ないくらいだった。
 正に伊勢志摩の穴場スポットである。
 ちなみに、展示品は全て社長さんの作品やコレクションだそう。 



 本日の旅は伊勢と二見だけで終わってしまったが、次回は鳥羽のの離島を目指そうと思う。