俺は中村透矢。中三の元気溌剌、天真爛漫、好奇心旺盛な現在一人身で一人暮らしな男だ。
……と、自称する彼もあまりに過激な状況にパニくってました。
「うおおおっ!!?? 何故に虚空から美少女がぁぁぁぁ!?」
狭い部屋を走り回っていた彼はぴたり・・・・と止まり、もう一度その『美少女』を確認した。
小学低学年レベルの幼く、華奢で、小さな体。
長い金髪の髪が畳の床に散らばっていた。
だが、それよりも、なによりも、問題なのは…………少女は裸であった。
「マテ、俺!? 一体ナニをソウゾウした!? このまま犯罪に手を染めてはならん!! ならんぞ俺ぇぇぇぇぇぇぇええええ!!!!」
「………………んんぅ」
「はうっ!?」
身じろぎした少女に驚いた透矢は、有り得ないほどの素早さで部屋の隅に座り込んだ。
ガタガタ、ブルブルと震えるウサギのような透矢。
そんな透矢の心情を無視して、少女はようやく目を覚ます。
「………ん…え? ………なに? ここは………」
氷の心―+彼女との出会い+―
「お茶……おかわりいるか?」
「…………」
「もしもーし?」
「え? ……ああ、そうね、いただくわ」
とりあえず、少女………ワルキューレゴーストには服を着てもらった。
女物の服などありはしないので、なるべく柔らかそうなシャツに、ジーパンとベルトを与えておいた。
下着だけは勘弁してくださいと頭を下げたが。
現在お菓子とあつーい紅茶をご馳走中。
「で、これからどーすんの。お前」
「………わからないわ」
意外にすんなり、ゴーストは重すぎる身の上話をしてくれた。
聞いていた俺のほうが泣けるぐらいだった。なんちゅう出自だ。
「その、ほら、和人とかいう奴に会いたかったんじゃなかったのか?」
「………今は、会いたいと思っていない。それに多分、あの人は私の『恋人』には、きっとなってくれないわ」
悲しげな笑みを浮かべるゴーストに、胸がチクリと痛んだ。
……とりあえず、その和人って野郎はボコるか。ワルキューレってやつは保留、と。
「それに、ヴァルハラ王朝が私を放って置かないでしょうね。向こうじゃ私は何百人も殺したテロリストだもの」
そりゃぁ、戦艦ぶち落としたりすりゃぁなるわな。
俺は腹を決めて、そのテロリストにこうのたまった。
「よし、ゴースト。今日からお前、ここに住め」
「きっと艦隊が私を殺しに………はい?」
ゴーストが目をまん丸にして硬直中。そんな俺に、当たり前といわんばかりにゴーストは講義してきやがった。
「何を考えてるの? 聞いたでしょ? ヴァルハラ艦隊が絶対ここに……」
「お前の話だと、お前はもう死んだことになってる可能性が高いみたいだし。 大丈夫だろ」
そういって紅茶を飲み干す俺……ああ、自己陶酔って素晴らしい……。
「それに、その体で、お前一体どうすんの?」
「ッ!!!!」
言いたくはないが………ゴーストの力はもう全くない。欠片もない。
当時どれぐらいの強さと美貌を持っていたかは知らないが、俺にしたらただのロリータちゃんだ。
こんな子をどうしてヴァルハラ王朝なんぞにくれてやらにゃならんのだ。
いっとくが俺は極度の可愛い物好きでフェミニストだ。
俺の心は『ゴーストを傷つける奴は俺がゆるさねぇ!!』パワーで燃え盛っている。
「損はないだろ。」
「………何が目的? 身体?」
「俺はペドじゃない」
「……………ロリコン?」
「ペドとロリコンを一緒にするなよ!?」
まぁ、前途多難かもしれん。
それでも、まぁ、話は進んでいくわけで。
俺とゴーストの同居生活が始まった。
……警察のご厄介にならないことを祈る。切に。