速いぞ! スカイライナー!





■青天の霹靂

 自分にとってはかなり唐突に、出張の打診がやってきた。

「インド関連の案件があって、和寒さんに現地に行ってほしいというオファーが来てます。和寒さんの本来業務に支障あれば断りますが、状況は如何でしょう」

 率直にいって、海外出張はおよそ二週間にまたがるから、支障が生じないわけがない。しかしながら、絶対に断らなければならないほど切迫している、とまではいえない。進退には悩ましい部分が残る。

 さらにいえば、海外案件はしんどい。提示されたスケジュール表はまるで人間耐久試験の如き内容になっており、スケジュール表を見ただけでげんなりしてきたほどだ。現下、体調が良いわけでは必ずしもなく、躊躇する気分もあった。

 それでも「行ってみたい!」と意欲が湧いてくる。困難な課題が示されているというのに、気分の高揚を抑えられない。海外案件には困難を上回る醍醐味がある。血沸き肉踊るなにかがある。

マイソール宮殿
インド(イメージ)


「この案件って、私以外の候補者って少ないですよね」

 上目遣いに聞いてみると、思ったとおりの答えが返ってくる。

「そうなんです」

 数え上げてみると、候補者は五指に届かなかった。

「ならば、私が行くしかないでしょう。やりますよ」

 かくして、自分にとって十年ぶりの海外出張とあいなった。





■成田空港に集合

 羽田空港発着便が増えたといっても、今日でも大部分の国際線は成田空港に発着する。当然ながら、集合場所は成田空港になる。指定された集合時刻は、午前 9時30分。これに合わせて自宅を出発する。

 自宅出発は 7時50分。荷物が重いため、日暮里・舎人ライナー江北駅まで送ってもらう。おかげで日暮里駅には余裕を持って到着した。ホームはかなり賑わっている。チケットを購入した際にはまだ多くの残席があったというのに、今ではほとんど満席だ。

スカイライナー13号  スカイライナー13号
スカイライナー13号(日暮里)


 スカイライナー13号に乗車、定時 8時44分に出発する。高砂まではゆっくり進み、北総線内から飛ばし始める。だが、最高速度を出している様子ではない。印旛日本医大を通過してようやく本領発揮。最高速度 160km/hで快調に飛ばしていく。

 空港第二ビルには定時 9時21分着。集合時刻に間に合った。総所要時間は 1時間40分ということになる(ちなみに帰路は日暮里まで迎えに来て貰ったため約 1時間10分だった)。筆者宅から見れば、成田空港と羽田空港の時間距離はほぼ等しいわけだ。

 成田・羽田へのアクセスは、詰まるところ、日暮里と浜松町・品川・横浜への時間距離の比較にすぎない、といえる。筆者のように、日暮里への時間距離が最も短い利用者層にとって、成田は実は近い。スカイライナー韋駄天の効能は大なるものがある。





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