今、個人的に流行っている事柄をつらつら書きます。
そもそもの経緯については詳しくは書けませんが、
なんだかんだで、続きが遅れてすみません。
では、書かせていただきます。
複雑系が遺伝子に着目したのは、生命が進化の度に環境に適応する遺伝子を選択するのに、逐一組み合わせを考えていたら、例えば1000個の遺伝子を持っていたら2の1000乗の組み合わせから選択することになる。世代交代の時間を考えると、これではビッグ・バンから現在といった短い時間では人類にまで進化できない(人間の遺伝子の数は約3800000000個(正確な値を調べていません。でも問題の本質ではないのでとりあえずこうしておきます)。遺伝子の数が1000個というのは海草のレベル)。きっと何か効率的な選択方法を持っているに違いない。そのアルゴリズムは検索エンジンとして非常に強力なのではないか − それが遺伝的アルゴリズムってわけです。アルゴリズム自体は非常にシンプルなので、システム化しやすいと聞きます。
いままでの利用例では、「複数台のエレベータを、お客の待ち時間を少なくするように制御する」・「ガス管の点検を、複数のチェックポイントを効率よくチェックして行う」等の実用例があります。
GAの得意とするのは
遺伝的アルゴリズムによる推論が非常に簡単なロジックでかつ非常に強力であることの、ほんのサワリ部分は前回お話しました。で、問題はその様な推論がどのように自動的に繰り返される(この事象を複雑系の用語では”創発”と呼ぶ)のかということです。
エキスパートシステムの限界は、その仕組みをエキスパートに求めた事でした。それは進化の為には遺伝的アルゴリズムを組むプログラマ(神−エキスパート)が必要ということと同義になります。
話をもう少し具体的にして、脳を考えます。脳にはサーバのように中央で処理を振り分けるようなものはありません。ニューロンが見かけ上てんでばらばらに活性化している様ですが、それでいて理性の統一ができている。このニューロンの様な複雑系の構成要素のことを、理論上クラシファイアと呼びます。
複雑系のある学説はこうです。
まず経済モデルを考えましょう。会社をクラシファイアとします。ある会社は商品を作る(活性化する)ために、材料を違う会社から得る。その対価としてお金を支払う。お金を払うことでその会社は力を無くしますが、商品を売ることでまた活性化する可能性があります。このように、良く売れる会社の回りにはその材料を売る会社等々、貨幣の流れができてきます。
脳の中でも、目や耳と関連のあるニューロンの筋から流れができて、その回りのニューロンに影響を及ぼしながら創発していくのでないか(うーん、こう書くと何か薄っぺらな安っぽい理論の様ですが、これはひとえに私の力不足です)。
たとえば、”ボルボ”と書くと、我々はこれまでの経験から、車といったそこには書いていないイメージまで連想できます。これはボルボというクラシファイアが活性化する前に、車というクラシファイアが活性化する流れができているという事です。
(やっぱり、上手く書けないもどかしさがあります。自分の中ではイメージが出来上がっているんだけどなぁ)
例えば、Windows。マイクロソフトが隆盛ですが、そこにはインテルやネットスケープやらとの関係といったある種の”流れ”があります。マイクロソフトとネットスケープなんてのは最初はお互い好き勝手にやってたけど、だんだん相手の動向が無視できなくなる。日本では”風が吹けば桶屋が儲かる”となんていう、うまい表現があります。この流れのことをバケツリレーのアルゴリズムと呼んでます。
強引にまとめますが、このようにクラシファイアはあるパラメータの範囲内では良くも悪くもお互いの動きと調和せざる負えない、そこには神の存在などいらないというのが複雑系の概念の重要なキーになっているというのが、今回の発言の主旨です。
そこで、私の実験してみたいことその1。
WWWブラウザで、”ブックマークの追加”とか”お気に入りの追加”とかがあります。これは結果的に自分の好きなホームページに行き着いたスナップショットでしかありません。本当はそこに行き着くまでにいろいろなホームページを”活性化”してきたわけで、そういった履歴を取っておき、ある回数以上活性化させたホームペ
ージをリスト化すると、その人に本当にあったブックマーク集にカスタマイズされていくのではないか。
最初はネットスケープのホームページからたどっていったのが、やがてYahooのブックマークができ、とくとく情報のブックマークができ、といった感じです(おぉ、これは既に行動観察ではないか)。
これは序の口です。本当に私の実験したいことに行きつく前に、パラメータの話をしておかなければなりません。
Game Of Lifeのエピソードを書きます。
Game Of Lifeというのは、シミュレーションの一つで、雌雄の比率とか出産率とかのパラメータを変えることにより、一定のエリアの中の生物がどの様に増えたり減ったりするかを調べるゲームです(シムシティを思いっきり単純化したもの)。
で、そのエリアの構成要素(かりに細胞とします)が、次のタイミングで生きるか死ぬかのパラメータ(λとします)を0とします。すると当然次のタイミングで全ての細胞が死んでしまいます。λを0.5にすると生死がランダムになり全体的に沸騰したような状態になります。
で、丁度いい具合(0.273)にすると、細胞が群れとなり徐々に形を変えながらあたかも社会を形成するらしいです。私も、サバンナの動物をシミュレートしたゲームで遊んだことがありますが、いつもは5分ぐらいで全滅してしまうのが、あるパラメータをちょっといじっただけで、1時間も動作していた、という事があります。
この状態変化をキーワードとしてこの項を終わりにします。
| Game Of Life | 0.0 | 0.273 | 0.5 |
| 力学 | 秩序 | 複雑性 | カオス |
| 物質 | 固体 | 相転移 | 流体 |
| コンピューティション | 停止 | 決定不可能 | 暴走 |
| 生命 | あまりに静 | 進化 | あまりに動 |