| 「涼宮ハルヒの憂鬱」"あらためて"放送は終了しましたので、ネタバレレベルを改定します 台詞の記述はアニメ版を優先します。引用に付けたタイムコードはyoutubeにupされた動画のものを見て付けていますが、あまり精度はありません。 レベル0 : 「涼宮ハルヒの憂鬱」について全くしらない人でもOK。原作小説もDVDも前回放送も知らない人。 レベル1 : 1期放映分を視聴した人向け レベル2 : 文章が書かれている時点でDVDになっている分を視聴した人向け。 レベル3 : 「あらためて」放送分を視聴した人向け。 レベル4 : 原作「憤慨」まで読んだ人向け「長門さんの小説っていいよね」 レベル5 : 原作「分裂」まで読んだ人向け「『わたぁし』って誰?」
ハルヒ公式サイトが消失モード突入。消失映画版トレーラー上映。 現在は京都アニメーションのサイトでも見る事ができます。 雪のトランジションが美しい。駒撮り特有のソリッドな質感がざわっときます。原作には雪の描写はありませんし、以前書いたとおり、原作「消失」ラストでは快晴(消失p.248)なのに、時間的にはその直後の「雪山症候群」冒頭の回想シーンでは雪が降り出し、古泉がキョンに「あなたの見ているのはどちらのユキですか」(暴走p.197)とまで聞きます。消失以後は長門有希=雪/ハルヒ=晴れが何度も示されます。新作映画では雪は暗示されるだけなのでしょうか、それとも「サムデイ イン ザ レイン」「ライブアライブ」「溜息X」の雨のように描写が加えられるのでしょうか。 キョンが走っているのは多分このあたりで、なんと、笹の葉ラプソディーで朝比奈さんを背負って東中学へ向かったカット「そもそもここは本当に三年前なのか(笹の葉ラプソディー00;10;41)」のすぐそばです。 >831 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2009/12/19(土) 19:24:43 ID:54m3vzES >それにしても消失ってすごい話だな > >鶴屋さんには捻られ >みくるには殴られ >妹には頭おかしくなったと言われ >ハルヒには蹴られ >長門には噛まれ >朝倉には刺される…… > >これ映像で続けて見ると「そういう話なのか」と錯覚しそうだ (涼宮ハルヒの憂鬱 SOS団の活動1586日目 http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anime2/1261194053/831 より) おそらくは、消失はそういう話なのです。私はずっと昔に田舎に帰るつもりで就職活動しようとして、何回帰省してもはかばかしくなく、面接の帰りに商店の店頭にあった「SALE!SALE!SALE!」というPOPが「去れ!去れ!去れ!」と読めてきてしまった事を思い出してしまいました。(泣) 陰鬱な色彩の中に血より紅いコートの人物*)。沈痛な面持ちの朝比奈さん(大)*2)。 多くのファンの想像をはるかに超える「消失」が、始まろうとしています。 以下はネタバレレベル4:原作「消失」既読者むけなので脚注にしました。ネタバレしますので反転してお読みください *)「俺はなんだかんだ言って、今までの暮らしが結構好きだったんだな。アホの谷口や国木田も(略)そこに、消えちまった朝倉を加えてもいい(略)俺は連中ともう一度会いたい、まだ話す事がいっぱい残っている気がするんだ」(略)「この世界のことじゃない、元の世界の、あいつらに俺は会いたいんだよ(憂鬱Y00;16;15)」 消失クライマックスの長台詞に対応する「憂鬱」でのキョンの台詞です。「元の世界」に戻っても、一人だけいないのが朝倉。誰がこのキョンの願いをかなえたのでしょう。 *2)マンションでの朝比奈さん(大)と長門の態度には、秘密や嘘の匂いが満ちています。(例えばp.187 l.3で朝比奈さん(大)は溜息をつきます。なぜ?)おそらくはエレベーターでの朝比奈さんのこの表情は、クライマックスの悲劇を「知ってたのに……(p.221 l.3)」というだけでは無いのでしょう。(09/12/24) 本年もよろしくお願いいたします。と言っているうちに11日になってしまいました。 書きたいネタは重めの物ばかり、なのですこし今回は小ネタを .1. 上で引用したレスにある、キョンが「消失」で受ける暴力は8月17日に書いた、「サムデイ」での借り物と対応しています。 「サムデイ」では、表面上は超常的事件など起きなくても小さな幸せがどんなに大切な事なのかを好意で示してくれたはずの人たちに、「消失」ではハルヒキック、みくるパンチ、鶴屋サブミッションを食らうわけです。 これは果たして賭けなのか、それともすべてが仕組まれているのか。 .2. 「消失」クライマックスでキョンは語りかけます。「今度はお前が名探偵をやってくれ。事件が発生した瞬間に解決するようなスーパー名探偵ってのはどうだ、それが――(p.218)」このキョンの言葉どおり、年末に発生した事件は(客観時間で)その瞬間に解決します。 キョンはその事件を何者かの攻撃だろうと解釈するのですが、「事件が発生した瞬間に解決」したのはなぜなのかを問う事がないので、この不条理は誰も省みる事がないのです。 え?ハルヒの「つまんなかったら異次元にすっとばすわよ(消失p.236)」はどうなのって?う〜ん。 .3. 「消失」の数日後、部室を訪れたキョンは「よう長門。いてくれると思ったぜ」(!!!)と声をかけます。すると、 表情の無い顔が俺を向き、片手がこめかみに触れるように上がって、またすぐに降りた。まるで眼鏡を押さえるような仕草だったが(略)今のは何だ?半年前のクセが蘇ったりでもしたのか。(動揺p.118) そうじゃないだろ!おまえがそんな挨拶するからだろうと思うのですが、これこそがキョンです。ひどいですね。 ちょうど、以前紹介したSkirthike さんが漫画を描かれています 「だれだわん」さんも漫画にされています(こちらは消失ネタバレ度大につき注意)が、おそらくは長門は「消失」を記憶しているのです。事件以後はともかく、事件以前1年間のもう一つの記憶*)は持っているのでしょう。 .4. さて、最後はエヴァンゲリオンネタで。「うまい棒をエヴァンゲリオン風に作ると」という動画があります。ニコニコ動画のアカウントが無い方はこちらからどうぞ。96年のTV版を見ていないひとはどれだけ感動できるのかはわかりませんが、かつて製造業で働いていた人間としては、見るたびに笑えて涙がでます。うまい棒がダミープラグに見えてきた人も私だけではないでしょう。 音楽のシンクロが見事です。(10/01/12) *)追記します。消失世界の実態がどうであれ、12月18日早朝に世界が改変された瞬間に、キョン以外のすべての人間は過去一年間は消失世界人だったという記憶をもつことになります。 消失事件終了後、キョンには12月18日から20日までの消失世界での記憶があり、ほかの人間からは消失世界の記憶は失われます。では、長門はどうでしょう。すくなくとも改変から短針銃を打ち込まれる瞬間までは消失長門ですので、このときには過去一年間の消失世界での偽記憶(?)を持っていたはずです。 本稿では、「エンドレスエイト」すべてのループの記憶を保持しているだろう長門は、おそらく消失長門としての記憶をも過去一年分は持っていただろうと推測しました。 劇場版『涼宮ハルヒの消失』オリジナルサウンドトラック宣伝用映像が、youtubeで公開されました。高画質版はなんと27MBもあります。 ネタバレ度がかなり大というか結末までわかってしまうので、原作を読んでいない方は特にご注意ください。 スライドショウ形式ながら、絵が付いた事で新しく明らかになった事もあります。 ・・・・・・と書こうと思ったらこちらに差し替えられてしまいました。 最初のヴァージョンはおそらく作品の時系列どおりで、朝比奈さんの「ふわ、あふっ(p.21)」など、ほとんどのカットの台詞が想像できそうなものだったのですが、差し替えられた動画はそういう内容ではありません。 ネタバレ禁止!というわけですね。自重しておきます。 絵が付いた事で新しく明らかになった事も多数ありました。特に私が以前に書いた感想/予想と違っている所も何箇所かあります。これに関しては、原作者がスタッフとして加わっているので原作とアニメ版は別解釈の作品なのだとはいえませんし、この「雑記」は常識的な読み方とは逆に、いわばアニメ版を理解する為のサブテキストとして原作を読んでいるようなスタンスに現在では変わってきています。以前の想像/妄想/解析/感想とは矛盾している部分に関しては早めに修正しておく責任があると思っています。 白色で書いておきますので、原作既読であり、なおかつネタバレどんとこい!な人はマウスドラッグで反転してお読みください。 第一は(00;04;21)あたり、原作ではおそらくp.208-216までの回想シーンです。 原作では銃を消失長門につきつけてしまったことで、通常世界を選んだのは自分の意思だと言わざるを得なくなっています。「消失」ではキョンは主人公らしく主体的に行動しているように見えますが、「消失」は「笹の葉」と同様に一本道であり、恐怖と不安に駆られているだけ悲惨で、彼は無理に主人公にさせられているのです。それは世界と、ハルヒと、なによりもキョン自身の為ではあります。すでに8月に一万五千もの世界を自分のふがいなさの為に滅ぼし、595年の時間を無駄にしてしまった、しかもそんな恐ろしい事を自分では無くハルヒにさせてしまったキョンは帳尻を合わせなければなりません。 そして次のカット。改札口/時間流を越えてついてきてくれたのは長門ではなく、朝倉。原作の台詞からは怨念を感じますが、この笑顔には狂気すらありません。 以前、18日早朝の朝倉は改変世界の設定上、「散歩に出た長門をみつけ、連れ帰る為につけてきた」という記憶を持って、改変と同時にこの場所で再構成された消失朝倉の可能性もあると書きました。 しかし、この朝倉は 第二は、夜の甲南病院前(?)で長門の肩に雪が、というカット。TV版旧OPにもある、「編集長一直線」、「無題1」の長門です(憤慨p.88)。「編集長一直線」では長門は、雪を見て自分の名としようと思った(つまり自分の存在を自覚した)事で彼女は幽霊ではなくなったと書きます。長門の誕生を描く「無題1」は「消失」事件だったのです。 第三はラスト2カット。 図書館で誰かを待つ長門。後ろの椅子に座って読書している人物の服装から冬のようですから、回想シーンではありません。また眼鏡なしですので通常長門です。 原作憂鬱エピローグには、キョンの「図書館の話はしないことにした(p.295)」というモノローグがあります。「また朝倉みたいなのに俺は襲われたりするのかな」「だいじょうぶ/私がさせない」の直後ですから、TVアニメ版(憂鬱Y00;21;16)では、省略されています。 実は、「憂鬱」でキョンが長門の閉鎖空間でのメッセージ「また、図書館に」を無視したことは「陰謀」の伏線になっていますし、おそらくはサムデイの原因になっているだろうことも、雑記09/10/23の.4.で指摘しました*)。おそらくは「分裂」で倒れてしまった事も無関係ではないでしょう。 長門はキョンに無視されてしまえば2つ目の使命「宇宙をあるべき姿へ進行させる」が果たせなくなってしまいます。この重要な伏線をTVアニメ版では、消失で張るという事でしょうか。前述の甲南病院前でキョンは「そうだな、また図書館に行こうな」などと軽い口約束をするのでしょうか? 朝倉を失い、「幽霊ではなくなった」ばかりの長門の心はキョンによって踏みにじられてしまうのでしょう。 なお、こういう記事もありますので、解らない人のためにあえて書いておきますが、図書館デートは間違いなく本読み少年少女にとっての夢です。あえて断言します。*4) *)「靴のムカデ屋」さんも、「サムデイ」でのキョンの非道ぶりを漫画にしています。 必然的にこうなりますよね。こうなる事を知っていても長門のカーディガンを椅子に掛けるキョンにハルヒが何も言わないのは、「射手座の日」で長門の落胆振りを見て、長門の気持ちを知ってしまったから。 ちなみに「陰謀」のネタバレ漫画も。 キョン視点ではちょっと鈍いだけですが、長門の立場ではこうなります。(10/01/24) *2)動画で確認して間違いを訂正しました。4、5月の「憂鬱」、10,11月の「溜息」「射手座の日」まで、女子生徒は長門以外カーディガン無しでした。ずっと晴れて暑い(原作の描写。おそらくハルヒパワー)とはいえ、男子はブレザーですからちょっと不自然な感じもします。ちなみに「ライブアライブ」冒頭(00;00;36)の光陽園学院生はベストを着ています。(10/02/09) *3)追記します。どうやら階段落ちではなく、イメージカットらしいです。 *4)追記 ラストカットの意図は明確でないらしい。少なくとも口約束はしていない模様。(10/03/05) |
→2010年2月分の雑記 「涼宮ハルヒの消失」予告
←2009年10月後半分の雑記 「涼宮ハルヒの憂鬱」"あらためて":「サムデイ イン ザ レイン」