National BF-198B
砲弾型白色LEDを光源に使用したヘッドランプ。
発光ダイオードという素子が開発されたのは1962年というずいぶん昔のことらしい。最初は赤色しか無かったが黄、黄緑、赤外、と実用化が進み、1993年には実用になる輝度を有する青色LEDが日亜化学の中村修二氏によって開発された。(意外かもしれないが純緑は1995年、紫外は2000年である)
その1年ほど前だったろうか、当時電子工作ヲタクだった私は頻繁に日本橋のパーツショップに通っていた。あるとき、客のひとりが店のオヤジに「青色の発光ダイオードはないですか?」と言うとオヤジは声を荒げて「あんた知らんのか!青色LEDはまだ開発段階で販売はされとらんよ。もし試作品とかがあったとしても一個何万円もするだろうね」
電子工作ヲタクにもいろいろあってマイコン(死語!)系なんかだとオプトデバイスには弱いだろうから、そうシロウト呼ばわりせんでも・・・と、思いながら横で聞いていた私。それから暫くして青色LED開発のニュースがあり、ショップでも入手できるようになった。
次の写真、上がそのときの青色LEDだ。スペックはIF20mAでVF4.9V、600mcd。明るさを稼ぐためだろうか、指向性がかなり強い。下は最近のもので、光度では不利になる3φサイズだけれどずいぶんと明るい。技術の進歩だね。

この青色LEDの発光部に黄色の蛍光体を組み合わせて白色LEDが作られている。白色LEDもまた改良が繰返されて、しだいに明るいものになってきた。
日亜化学の5φ白色LED、上から
NSPW500 5600mcd
NSPW500BS 9200mcd
NSPW500CS 18000mcd

National BF-198Bには最新のNSPW500CSが使われている。ひとつ前のモデルBF-198Hと比較して明るさは2倍(20lx/m→40lx/m)になっているのに連続点灯時間は7時間→10時間と伸びている。

2倍の照度でありながら消費電力が少ないということは、前のモデルBF-198HではNSPW500 5600mcd を使用していたと推測される。基盤を見るとBF-198-HのままNSPW500CSが乗っていたよ。おそらくLEDと電流設定抵抗を変更しているだけなんだろう。

表には4本足のコイル、裏には強弱2回路分のトランジスタがあることから単純なブロッキング発振回路で昇圧しているのが判る。動作電流を測定するとHiで3V、165mAであった。消費電力0.495Wだ。白色LEDの標準動作条件は3.6V、20mA=0.072WだからLED3個であれば0.216W。つまりLEDに流れる電力は消費電力の43.6%でしかない。メチャ効率が悪い。リニアテクノロジーやマキシムのLED駆動ICを使えば簡単に効率80%くらい出るのになんでこんな電池の無駄使いをさせるのだろう。ひょっとして電池の消費量を増やしてグループ会社の電池売上増を狙っているのか?

使ってみて不具合があったことは、光が下方向に漏れて眼鏡のレンズに当たること。乱反射して見ずらいことこのうえない! ぺツルなど外国メーカーのものは下につばが出ていてその辺のことは良く考えた作りになっているのにBF-198Bは写真のように上につばが付いている。逆だろっ!! しかたがないから下に遮光シールを貼った。

他に気になることはHIでも照度が足りないこと。かといって炊事したり地図を見たり、近い所を照らすのに良いということも無い。照射範囲が狭いし、色温度が高すぎて妙に青っぽく見える。LOなんか暗すぎてテント内の常夜灯くらいにしか使用法が無い。どうやらトホホ買いの一品だったみたい。まあ軽くて二段スイッチが付いているから改造ベースにはもって来いかな。おっとそれなら半額で買えた旧モデルのBF-198Hにしとけば良かった、トホホ