キワモノ系第三弾
【CoolngAfter Module】
<取扱説明書>
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 RD7-CA Cooling After
この写真はメーカーHPからの転載です。 |
私が初めて「CoolngAfter機能」なる言葉を目にしたのはSpiricaさんのコラムであった。その当時、私のメインマシンはQuickSilverであり発熱に悩んだ経験は皆無。CoolingAfter機能をCubeに搭載することにご執心な石田氏を、私は懐疑的な眼差しで見ていた。電源を切れば発熱は止まり自然に冷める。それを敢えて強制的に行うことに意味があるのか。自然冷却に10分かかるところを5分で冷やしたとしても、起動時間が5分短かったのと同じ事。1日1回起動したとして1年で30時間の差に過ぎない。 しかしメインマシンがMDD(FW800)になり熱問題が深刻化。CPU温度は60度に達しシャットダウン直後のヒートシンクは熱々で触れない。そこでふと「CoolingAfter機能」を思い出す。検索をかけてみるとよこチンさんのHPを発見。さらに左の写真下のリンク先にショッキングなグラフ。CoolingAfterなしだとシャットダウン後に温度が上がっている。本当なのか? まあ、放熱量がガクンと低下するので一時的に温度が上がることもあるのかも知れない。とにかく、熱々のヒートシンクを一刻も早く冷ましたいと思うのが人情。実際どの程度の延命効果があるかはどうでもいい。精神衛生上の問題なのだ。それほどにMDDの発熱は凄い。 「キワモノ系第一弾・G4電源交換用アダプタ」の好評に気を良くして作成した「キワモノ系第二弾・G4 MDD用強化静音電源」に全く入札がなくくじけていた私は、「キワモノ系第三弾・MDD用CoolingAfter Module」の作成を決意した。 |
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しかしよこチンさんが理想とするファンコン像を実現するのはちょっと難しい。シャットダウン時に使えるのは5VSBだけだから...純正電源には25Vの出力もあるのでこれを使えば何でもできそうだが、私が使用中の強化電源にはそんなモノはない。精神衛生上の問題が解決できればいいと割り切って、RD7-CAと同等程度の性能を目指すことにする。基本設計は、 *5VSBを分枝 *シャットダウン時にタイマーが作動しファンに5VSBを給電 *タイマーが切れると5VSBの給電を停止 ということで、適当なタイマーさえ見つかれば簡単そう。タイマーの条件は「電源の5Vまたは12Vの出力が切れたら作動する」こと。簡単な条件だが、市販のタイマーから探すのは難しい。スイッチ部に細工が必要だ。どうせ細工が必要なら、タイマーごと自作した方がコンパクトにできる。 |
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と、書くといかにも私が電子工作のプロのようだが、電子回路の設計など今までしたとことはない。高校時代にギターのエフェクターを自作したことがある程度。それも本に載っていたパターンとパーツをそのまま使っただけ。 それでも電気工作の実験室、趣味の電子回路工作、始める電気回路、電子工作のページ、Ishijima's World、延與先生の講義ノートなどを見れば、素人でもたいがいの事は判る。生まれて初めて設計した回路が左図。 電源が起動して5Vが流れると左のリレーの接点が切り替わり、100Kとダイオードを通して470uFのコンデンサに電荷が溜まる。5Vが切れるとまたリレーの接点が切り替わり、コンデンサの電荷が放電される。これを2コのトランジスタで増幅して5VSBで右側のリレーを作動させ、コンデンサから放電が続く間だけCPUファン/増設ファンの端子に5VSBを接続する。コンデンサの放電時間は中央のボリュームで調節。 |
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この回路が正しいかどうかは、実際に動かしてみないと素人には判らないのだ。ということで早速試作に入る。回路図から基板のパターンを作るのはちょっとしたパズル。Winには便利なソフトがあるがMac用は無さそう。回路図と電気的に同じでなるべくコンパクトになるようにパターンを作る。テスト基板にパーツをハンダ付けして、いざ実験。 手元にあったATX電源に試作品をつなぎ、大量にあるファンの中から適当なモノを2コ取り出して試作品に接続。ATX電源を単独起動させてみる。と・・・ ・・・だいたい、素人が初めて設計した電子回路がまともに動くわけがない。と思っていたのだが、予想に反してきっちり動作する。電源起動中はファンが元気よく回り、電源を停止するとファンは静かに回り続ける。最長回転時間も約10分の予測に対し実測12分20秒とかなり近い。ひょっとして私って天才!? とにかく電子回路を判り易く解説していただいた上記HPの作者には足を向けて寝られない。 |
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試しにトランジスタを1つにしてみたり(最長回転時間が約20秒に短縮)抵抗やコンデンサの値を変えてみたり、と実験したが、結局最初に設計したとおりに製作することに決定。 無事動作すると判れば基板の製作。キワモノ系第一弾の基板はセロテープで作ったが、今回のパターンはそうはいかないので感光基板を導入。紫外線ランプやら何やらで約10,000円を出費(泣)。パターン図はPhotoshopでグリットを利用して描画しOHPフィルムに印刷。ファン用のコネクタなどは例によって千石電商さんで購入。 そして、「キワモノ系第三弾・MDD用CoolingAfter Module」のver.1が完成。RD7-CA Cooling Afterでは24ピン延長ケーブルのようなアダプタを使って5VSBを流用しているが、MDDにはアダプタを取り付ける物理的空間がない。このため、紫の電極の横にピンを挿す、という姑息な方法を採用。 |
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【G4 MDD用CoolingAfter Module ver.1】
1)ドライブ電源用コネクタ:ATA-66のHDD用電源コネクタへ接続し、5Vおよび12Vを基板へ供給。 2)スタンバイ流用ピン:ロジックボードに接続されている24ピンの電源コネクタに挿して5Vスタンバイ電流を基板へ供給。 3)ロジックボード用コネクタ:ロジックボードのCPUファン用の2ピンコネクタへ接続。 4)CPUファン用コネクタ:CPUファンへ接続。 5)増設ファン用コネクタ:他に増設したファンがあれば、このコネクタへ接続するとCoolingAfter機能を使える。Macの起動中は12V、CoolingAfter時は5V駆動。 6)調節ツマミ:シャットダウン後のファンの回転持続時間を調節するツマミ。最長約12分まで任意に調節可能。
詳細は<取扱説明書>で。 |
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愛機MDD FW800に取り付けてテスト運用。CPUファンと改造電源のファンをCoolingAfter Module (ver.1)に接続。マシンをシャットダウンしてもファンが回転を続けて熱い空気を排出してくれる。これは精神衛生上よろしい。 試用を続けるうちに不満な点がいくつか。まず起動中4.8Vだとシャットダウン後は5VになりCPUファンの回転数が上がる。ちょっと気になるが(5VSBを4.8Vに下げて使うことも可能だが)、これはまあ許す。問題は、起動時間がほんの1分程度でもシャットダウン後にファンが何分も回転すること。これを何とかしたいのと、リレーを2つ使うのは何となくスマートではないし基板上のスペースも取るので、回路を一部変更してみた。今度は5Vの電流が1Mの抵抗を通るので470uFの充電に時間がかかる。5Vの給電が止まると追加したトランジスタがONとなりコンデンサが放電されるが、起動時間が短い場合は充電量が少ないため設定時間より早くCoolingAfter機能が停止する。 テスト基板で試作してみると、追加のトランジスタを通して少し放電されるため最長回転持続時間が8分程度に短縮したが、実用上問題はない(大きいコンデンサに変えれば時間を延ばせる)。 |
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ということで、CoolingAfter Module ver.2の完成。Ver.1に比べて基板が一回り小さくなった。
CoolingAfter機能を実現する基盤ができたので、G4 MDD用強化静音電源に取り付けて、シャットダウン後にCPUファンと電源ファンを回転させる仕様にした。また時々オークションに出品しているQuickSilver/DigitalAudio/GigabitEthernet用の強化電源にも基板を仕込み、CoolingAfter時に電源ファンと本体の12cmファンへ給電するようにしてみたところ、落札された方からご好評をいただいた。
意味のあるなしは別にして(笑)、シャットダウン後に静かにファンが回り続けるのは結構嬉しい。
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