いじくられた電源たち(2)

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Silverstone SST-ST40F

<取扱説明書>
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 この電源はACコネクタの上にあるスイッチを取り外すとバックパネルを加工せずにMacに搭載できる。このためQuickSilver、DigitalAudio、GigabitEthernet用に改造して時々ヤフオクに出品していた。これまでは写真のように「FWバスパワーモジュール(写真左)」または「ノーマルモジュール(写真右)」をメインコネクタに接続する仕様になっていた。「FWバスパワーモジュール」を使うと本体のFWバスパワーが使えるのだが、スリープ不可能になるMacが存在するために(詳細はこちらで)、必要に応じてモジュールを選択して使う仕組み。

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 しかしモジュールを付け替えて使うのはスマートさに欠けるし、FWバスパワーモジュールはちょっと大きいので邪魔くさい。
 そこで、今回は「CoolingAfter +」の基板をこの電源のボックス内へ仕込み、CoolingAfter機能を付加するとともにFWバスパワーのON/OFFをトグルスイッチで設定できるようにしてみる。

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 電源はPC-Successさんで購入。保証がパーになる前に一応起動してみて問題がないかチェック。
 検品したらボックスを開けてパーツの設置場所を探す。基板は写真で上のヒートシンクの左側のスペースに、トグルスイッチはケーブルの束の下の隙間に設置することに決定。

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 そしてCoolingAfter機能の時間設定用のボリュームは、12 cmファンの横に何とか収まりそう。上の写真でいうと上側のヒートシンクの右端あたりに設置することにした。

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 まず電源のスイッチを取り外す。このスイッチがあると金属フレームに干渉して電源をMacに搭載できない。
 電源スイッチの裏側のプラスチックのツメを小さいニッパーでむしり取ってスイッチを引っ張り出す。ハンダ付けしてある黒2本、白2本の電線をカット。取り外したスイッチは不燃ゴミ。

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 ACコネクタ部を電源より取り外し、カットした電線をハンダ付けして熱収縮チューブで覆って絶縁しておく。ここはAC100Vなのでハンダ付け・絶縁とも十分注意して行う。

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 続いてトグルスイッチとボリュームを取り付けるための穴を開ける。電動ドリルを使用。ちょっと面倒くさいが、ドリルで基板を痛めないように基板をボックスから外して作業。位置決めをしてセンターポンチを打ち、最初は径2 mm、次は4 mm、最後は6.5 mmのドリルで穴を開けて、ヤスリで仕上げる。

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 穴の位置はこんな感じ。Macに搭載すると、ケーブル束の手前にスイッチ、ボックス上側の奥にボリュームが付く。

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 基板を元に戻して、24ピンメインコネクタの配線変更と内部配線を行う。8番(グレー)は基板の根元からカットし、12番の3.3V(オレンジ)を移植。9番(紫)のラインはコネクタから抜いて内部配線に使用。22ピンには11番(黄色)を挿しておくが、このラインの根元はトグルスイッチにハンダ付け。24番のCOM(黒)を11番へ移動。23番の5V(赤)は使わないので根元でカットして熱収縮チューブで絶縁。メインコネクタのピンアサインはこちら、電極の抜き方はこちらを参考に。
 さらに、ST40FにはS-ATA用2本と通常用3本とドライブ用ケーブルが5本も付いている。通常G4 Macではこんなに多数のコネクタは必要ないので、通常用の1本を途中でカットしラインを内部配線に流用した。

【Danger! 】


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【Danger! 】

 配線が完了したら動作テスト。ACコネクタを電源基板へ接続しACケーブルを挿す。ACコネクタの端子などが何処にも接触していないのを確認し、ACケーブルを恐る恐るコンセントへ。バチン!とブレーカーが下りなければ第一段階クリア。
 次に電源を起動してみる。「CoolingAfter +」に接続した電源ファンが回転すれば第二段階クリア。ちなみに、この状態で一次側(写真の右側)のヒートシンクに触るとビリビリを食らうので絶対に触れてはいけない。嘘だと思うならやってみ。
 続いてCoolingAfter機能をテストするため、電源を停止。電源ファンが静かに回り続ければ第三段階クリア・・・ん? 回らんぞ!? おいコラ、どうした!?
 焦って内部配線を確認するが間違いはない。もう一度電源を起動し、各出力をテスターでチェック・・・これもOK。となるとCoolingAfter時の異常だけ、つまり「CoolingAfter +」のミスか。

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 じっくり調べると、嗚呼、なんてことだ、トランジスタの1つが180度逆向きに取り付けてある! 写真のリレー(黒箱)直下の左側のトランジスタ。上下逆さでないといけない。これまで完璧を誇った私の基板製作だが、ここで手痛い黒星。まあ、ゴルゴ13のようにはいかないとあきらめ、間違ったトランジスタを取り外して新しいのを正しく付け直す。再度動作テスト。今度は完璧。こういうことがあるから、dangerous testは欠かせない。

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 浴槽修理用のシリコンで基板の裏側の絶縁処理と細かいパーツの固定を行う。シリコンが固まるまで1日待つ。
 シリコンが固まったら「CoolingAfter +」基板を所定の位置に接着剤で固定。ワイヤーストリッパーを重しに乗せて固定中。接着剤が固まるまで、また1日待つ。

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 接着剤が固まったら作業速度は一気に加速。ボリュームをナットで固定し、取り外してあったACコネクタを取り付ける。電源ファンのコネクタも接続。各配線を適切な場所へ取り回して、慎重に電源ボックスのフタを閉める。

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 電源ボックス内の加工が終了したところ。FWバスパワーの切り替えスイッチと、CoolingAfter機能の調節ボリュームはこんな感じ。スイッチはできれば出っ張りの少ないスライドスイッチにしたかったが、長細い穴を開けるのが面倒なのでトグルスイッチにした。
 ここで、もう一度動作テストを行うのを忘れてはいけない。フタを閉めた時にボックスが歪んでファンが変な所にぶつかっていたり、飛び出した配線がファンに引っかかったりして、ファンが回転しないことがあるのだ。

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 次は各ケーブルの加工。Macでの使い勝手を考えて細工する。まずは12 cm Fan用のコネクタ。電源ボックス内で「CoolingAfter +」に接続されている2本のラインを適当な長さに切り揃え、ワイヤーストリッパーで皮むきして圧着ペンチで電極を取り付ける(写真)。これに2ピンのハウジングコネクタを被せる。

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 続いて光学ドライブ用にS-ATA用でないケーブルの1本を切り詰める。
1)約28 cmの所でカットし、ハウジングコネクタを取り外しておく。
2)約15 cmの所をワイヤーストリッパーで皮むきし電極を取り付ける。
3)ハウジングコネクタを取り付ける。
4)真ん中のコネクタが付いたところ。この後、ケーブル先端にも同様にコネクタを取り付ける。

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 S-ATA用ケーブルの細工。S-ATAは使用しない場合も考え着脱式にする。ラインが5本あるので(12V、5V、3.3V、COM x2)根元近くでカットし、皮むきして電極を取り付ける(写真上)。
 6ピンのハウジングコネクタを取り付けて終了。S-ATA用ケーブルは2本あるので、2本とも同じに作る(写真下)。

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 Pentium4用ケーブルの細工。DigitalAudioとGigabitEthernetでは使用しないのでやはり着脱式にする。ケーブルが網でまとめられているのでちょっと面倒。網ごとスパッとカットして、ホームセンターで購入した結束バンドで網を留める。ラインを剥いて電極を付け(写真)、4ピンのハウジングコネクタを装着。

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 24ピンのコネクタをプラスチック切削用のニッパーでカットして22ピンに形成して、本体側の加工は完了。
 小さくてちょっと見づらいが、右から光学ドライブ用、S-ATA用2本、12cmファン用、P4用、22ピンメイン、通常ドライブ用、の各ケーブル。

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 次はケーブル側を加工。カットした側にコネクタを取り付け。内部配線に利用するためカットした通常ドライブ用のケーブルにもコネクタを付けて、S-ATA用ケーブルの着脱コネクタへ接続可能にしておく。これでS-ATA用2本、通常ドライブ用1本、のうちから任意の2本までを取り付け可能。
 P4用コネクタは黄色と黒のラインを入れ替えてQuickSilverで使用できるようにする。これで完成。

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 と、思ったら一つ忘れていた。12 cm Fan用のコネクタ。純正ファンのコネクタは特殊な形状で入手できなかったので、千石電商さんで見つけたコネクタ(黒いの)で代用。12 cm Fanを交換している場合も多いので、一般的なファン用コネクタも付けておく。これはPC-Successさんで購入したWA-864Aからむしり取ったコネクタ。

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 QuickSilverに搭載してみたところ。CoolingAfter機能の調節ツマミとFWバスパワーの切り替えスイッチはこんな配置になる。起動してFWバスパワーのチェックとCoolingAfter機能をチェック。CoolingAfter時はファンが非常に低速で回転するためバックパネルの排気孔に耳を近づけないと回転音は聞こえない。でもそよそよと暖かい空気が送り出されてくる。問題なし。完成。


この電源は仕様変更のためMacへの搭載は困難になりました。


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上記の説明文は「安心オークション(マック用ソフトウェア)」を利用して作成されました。