■切なくてふれたくて君にふれても切なくて■文/なを
・・・なぁ、佐為。
(はい?何ですヒカル?)
ライバルってさ、本当にそんなことするもんなのかな?
(らいばる、とは確か好敵手のことでしたね。うーんどうなんでしょう。あ、でもそういえば私も昔宮中で・・・)
「進藤・・進藤!」
「あ?塔矢?」
「聞いていなかったのか・・」
「ああ、ごめんごめん、ちょっと考え事。で、何? 」
「・・僕は、僕は本当に君に触れてもいいんだろうか」
「知るかよそんなこと!お前がおれに触ってみたいって言ったんだろ」
「いや、そういうことではなくて・・」
「大体さー、ライバルってほんっとーにそんなことするのか?」
「え・・?」
「だってお前さっき言ってたじゃん、ライバルだからおれに触りたいって」
「それは、君が僕にとって特別だという意味で・・」
「そういうのって女の子とするもんじゃねぇの?」
「・・僕が女の子に劣っていると?」
「はー?そんなこと言ってねぇじゃん」
「僕は・・僕は君が・・くっ」
(ヒカル、ヒカル!)
何だよ、佐為。
(塔矢、泣いてるんじゃないですか?)
え?嘘!?マジ?
「塔矢?泣いてるのか?」
「・・・」
(何だか辛そうですよ)
じゃあ、どうしろっていうんだよ!
(好きにさせてあげたら?)
えー?でもくすぐったいじゃん、触られるなんて!
(だって〜塔矢が可哀相じゃないですか〜)
あーもーわかったよ!わかったからお前まで泣くなよ!うっとうしい!
「おい!塔矢!」
「進藤・・?」
「好きにしろ!」
「は?」
「だーかーら!好きにすればいいって言ってんの!」
「・・・それはどういう心境の変化で・・?」
「だってお前らが泣くから」
「お前ら・・?」
「いや、お前、お前が、だよ」
「そうか・・ありがとう」
「あんまりくすぐったくするなよな」
「うん・・あの、目を閉じてくれる?」
「目?何で目なんか・・」
「恥ずかしいから・・」
「は?あーもういいや、男に二言はないぜ!ほら閉じたぞ」
「うん、じゃ・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「うわあああああっ!なっ、なん、なんで、お前キスなんかっ!?」
「え?え?」
「お前サイッテー!何考えてんだよ!」
「だって君・・」
「ちっくしょー、ファーストキっスだったのに!塔矢なんか大ッキライだ!帰る!」
「ま、待ってくれ、進藤!進藤ー!」
■
(ヒカルー、塔矢呼んでましたよ?)
「うるさい!大体元はと言えばお前が・・」
(何をそんなに怒っているんです?)
「佐為のせいだからな!おれの・・おれのファーストキッスが〜」
(はあすと?何ですかそれ?)
「何って言われてもおれだってよく知らねぇよ、あかりが大切なもんだって言ってたんだよ」
(あのそれってさっきの口吸いのことですか?)
「口吸いって・・。キスだろキス」
(今はそんな風に言うんですね。ふふ、魚みたい)
「そんなのんきなこと、言ってる場合じゃないんだよ」
(はぁ)
「男同士でキスなんかするかふつう!変態だったんだよ!あいつは!」
(そんなことないですよ)
「何で塔矢を庇うんだよ」
(別に庇ってませんよ、そうじゃなくて、えっと、きす?のことです。男同士でもするでしょ?)
「え?そうなの?」
(そうですよー、私なんて一度宮中に囲碁指南役として参内したとき・・)
「そうなんだー!知らなかったよ、おれ!だったら塔矢に悪いこと言っちゃったかな〜」
(もどって謝ったらどうです?)
「んー、ま、いーや、今度会った時で。腹減っちゃってさ、おれ」
(ヒカルったら。ちゃんと今度謝るんですよ)
「へいへい。さーとっとと帰って飯だ飯!」
(待ってくださいよ〜ヒカル〜)
■終わり■
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