映画に出たのは、
芸能界に生き残ろうとした結果さ(笑)―
制作 ブラボーTV/ザ・モーメント・プロダクションズ(2004年、アメリカ)
放送 NHK-BS2 2005年5月6日
司会 ジェームズ・リプトン James Lipton
ゲスト ジェイミー・フォックス Jamie Foxx
2004年、ジョン・L・ティッシュマン劇場で録画
| ●「ダブル・デート」の原題の響きが好き | |
|---|---|
| ジェームズ ・リプトン | 「ダブル・デート」は 皮肉めいた映画でした。 |
| (会場、笑いと拍手) | |
| ジェイミー ・フォックス | ブーティー・コール。 (「ダブル・デート」の原題、Booty Call) いいタイトルだ。 |
| リプトン | この映画は… |
| フォックス | 発音が上品だ。ブーティー・コール。 |
| (会場、笑) | |
| リプトン | (笑)。 |
| フォックス | そそられる。 |
| リプトン | まいったな。 …出演の経緯は? |
| フォックス | 芸能界に生き残ろうとした結果さ。 |
| ●オリバー・ストーン監督との出会いは一生忘れない | |
| リプトン | そして「エニイ・ギブン・サンデー」に出演。 |
| (会場、大歓声と拍手) | |
| きっかけは? | |
| フォックス | オリバー・ストーン監督との 出会いは一生忘れない。 最初はとっつきにくいが 最高の監督だよ。 監督の前でセリフを いくつか読まされたが “役者には向かない”と 言われた。 数週間後、巡業中に マネージャーから電話がきて 出演が決まったと。 契約後の監督はまるで別人だった。 打ち解けた様子で “主役のできる男を探してる” “どんな?”と聞くと、 “クォーターバックのできる男だ” 祖母が与えてくれた 道具のひとつだ。 監督に言った。 “それなら僕ほどの適役はいない” そして監督は、 そんな僕に賭けてくれた。 |
| ●「アリ」―ウィル・スミスはすばらしい人だ | |
| リプトン | 作品を選ぶ基準は? |
| フォックス | リアルな役 |
| リプトン | つまり? |
| フォックス | しっかり肉付けされた厚みのある役。 ワンダだってそうさ。 |
| (会場、笑) | |
| リプトン | 「アリ」のバンティーニ役は 大胆な選択でした。 |
| (会場、拍手) | |
| いい役でしたね。 きっかけは? | |
| フォックス | ウィル・スミスだ。 すばらしい人だよ。 スターの座に着いても 後を追うものに扉を閉ざさない。 彼が監督に僕を薦めてくれた。 監督がいくら渋っても 決して譲らなかった。 マイケル・マン監督の演出は とても印象的だったよ。 本読みの時からこうなんだ。 (立ちあがってリプトンに近づき、 顔のすぐ横でにらみつける) |
| (会場、笑) | |
| リプトン | (笑)。 |
| フォックス | “カット!” “はい、もう一度” (またにらみつける) |
| リプトン | (笑)。 |
| (会場、笑いと拍手) | |
| フォックス | ビックリさ。 “この人何だ?” キスでもする気なのかと 訳がわからなかったよ。 とにかく体重を増やし 髪をそって役作りをした。 話し方もテープで練習した。 “モハメド・アリは預言者だぞ” 監督も納得した。 |
| リプトン | アフリカでも撮影を? |
| フォックス | (うなずく) |
| リプトン | アフリカ音楽が好きに? |
| フォックス | (アフリカ音楽のまね) アオアオアオアオ…… |
| (会場、笑いと拍手) | |
| ノックアウトされたよ。 | |
| ●“プレイヤ”と呼ばれる男になりたい | |
| リプトン | “何本映画に出演しようと― スタンダップ・コメディーは僕の根幹だ”と。 それほど重要? |
| フォックス | 僕にとっては重要だ。 街とつながっていられるからだ。 人々が考えていることに 敏感でいられる。 |
| リプトン | あなたのショーをテレビで 見せてもらいました。 私も― “プレイヤ”と呼ばれる男になりたい。 |
| フォックス | (笑)。十分そうだよ。 |
| リプトン | とてもそうは思えません。 プレイヤの定義とは? |
| フォックス | 説明しよう。 プレイヤは、文化を動かす人物。 規模は問題じゃない。 人々が集まって話を聞きたがり、 意見が大きく尊重されるような人物。 一緒にいてすばらしい 時間を過ごせる人物だ。 |
| リプトン | 私もプレイヤ? |
| (会場、大きな拍手) | |
| フォックス | プレイヤさ。 |
| ●フォックスの物まねショー | |
| リプトン | さて、誰にもまねできない 特技をお持ちだとか。 目をバラバラに動かせる。 |
| フォックス | (やってみせる) |
| (会場、笑) | |
| リプトン | 皆さんご存じでしょうが 私は物まねが大好きです。 いくつかご披露願えますか。 …ビル・コスビー博士 博士論文のテーマについて お話しいただきたい。 |
| フォックス | (物まね) 大切なのは異なる視点から 人間を観察することだ。 今の子は昔とは違う。 昔の子ってのは…… (ここで変な顔) 私もゼリーを食べてから 人生が一変した。 だっておいしいから…。 |
| (会場、大ウケ) | |
| リプトン | マイク・タイソンさんは 規則破りで有名ですが 若者にアドバイスを。 |
| フォックス | とにかくぶん殴りゃいい。 鼻を狙ってぶっつぶすんだ。 そうすりゃ大丈夫。 |
| リプトン | 何が? |
| フォックス | 資格も剥奪されない。 (思わず自分でも笑ってしまう) |
| (会場、また大ウケ) | |
| リプトン | クリントン大統領、 黒人のにおいのする 大統領だと評判ですが、 あなたのオフィスは ハーレムのど真ん中ですね。 |
| フォックス | デカ尻がたくさんいますよ(笑)。 |
| (会場、爆笑) | |
| どうせ尻に敷かれるなら デカい方がいい。 ……サミー・デイビスJr.は こんな感じ。 (と、顔の右側をひきつらせて歌う) それがカーミット (カエルのキャラクター)になる。 (さらに顔を引きつらせ) “セサミ・ストリートのカーミットだよ” | |
| (会場、笑) | |
| ●ショーを見た祖母の感想は… | |
| リプトン | おばあ様もご覧に? |
| フォックス | 生で見てくれた。 |
| リプトン | 感想は? |
| フォックス | 「イン・リヴィング・カラー」に 出演していたころ 一緒に暮らしていた。 アトランタのライブを 祖母が見に来てこう言った。 “くだらない仕事ね” “ギャラは1万5,000ドルだよ” “あら、続けなさい” |
| (会場、笑) | |
| 祖母は常に僕を支えてくれた。 “私が教えたことを 半分は覚えておくのよ。 そうすれば、何をしても きっと大丈夫”と。 | |
| ●入れ墨の話題 | |
| リプトン | この10年半の間、 当番組において もうひとつ恒例の話題といえば 入れ墨です。 私は妻から入れ墨を禁じられているため 入れ墨をお持ちのお客様には 必ず話を聞きます。 入れ墨がありすね。 |
| フォックス | ああ、ここだ。 (と、スキンヘッドの後頭部を見せる。 何かの紋章のような入れ墨) あなたも入れられる。 これは偽物だ。 次の映画で必要なんだ。 |
| リプトン | 描いただけ? |
| フォックス | そうだよ。 |
| リプトン | (客席に向かって) これならいい? (そこにいたらしく) 妻がイエスと。 記念すべき瞬間だ。 |
| (会場、拍手) | |
| フォックス | (奥さんに向かって)本当にやりますよ(笑)。 (つづく) |