■スーパーマン リターンズ
□評価:★★★★★
□監督:ブライアン・シンガー
□出演:ブランドン・ラウス ケヴィン・スペイシー ケイト・ボスワース ジェームズ・マースデン フランク・ランジェラ
□ストーリー:スーパーマンとして人びとを危機から救っていたクラークはある日、生まれ故郷であるクリプトン星を見つけ、自らのルーツを探るために宇宙への旅に出かける。だが、そこにあるのは星の破片ばかり。彼は地球への帰還を決意する。5年後、地球に戻ったクラークが見たものは争いに明け暮れる人類、そして、刑務所を出所し、新たな野望を抱いたライバル、レックス・ルーサーの姿であった。だが、変化したのはルイスも同じだった。彼女は「なぜスーパーマンは必要ないのか」という記事でピューリッツアー賞を受賞、また、私生活では未婚ながら1児の母となっていたのだった…。
□感想:アメコミの映画作品の代表的存在ながら、4以来およそ20年間新作のなかった『スーパーマン』シリーズ(注:連続ドラマは除く。興味のある方は『新スーパーマン』『ヤング・スーパーマン』の2作品をチェック)の最新作。監督は『X-MEN』シリーズのブライアン・シンガー。主演は有名とは言えないブランドン・ラウスではありますが、スーパーマンの永遠のライバル、レックス・ルーサーを名優ケヴィン・スペイシーがコミカルに熱演。また、どちらかと言うと軽いタッチの作品への出演が多かったケイト・ボスワースが本格的なアクション超大作デビュー。これから話題作への出演が増えるかも知れません。
さて、映画の内容に関して、20年ぶりの『スーパーマン』最新作はどうだったのかというと、2時間半の間で『エグゼクティブ・デシジョン』も『X-MEN』も『マトリックス』も『タイタニック』も『デイ・アフター・トゥモロー』も『天空の城ラピュタ』も全て観れたのに、観賞後の印象があまりないという、少し残念な結果に終わってしまいました。
『X-MEN』シリーズをヒットさせているブライアン・シンガーだけあって、CGをフル活用したアクションシーンやラブシーンはさすがのクオリティー。特に、映画序盤の見所である墜落寸前の飛行機を救出するシークエンスは素晴らしい出来です。しかし、大きな見所というのが意外にもそのシークエンスと最後のバトルの2シーンしかなく、やや盛り上がりに欠けたかな〜という印象があります。せめて、飛行機救出シーン並の見所を中盤にももう1つ欲しかったところ。エンターテイメント作品としてはちょっと中途半端になってしまったかな〜という気がします。
一方、ドラマパートについても、アクションをこなした残りの微妙な時間でクラークの苦悩、ルイスの人間関係、レックスの野望など、雑多な要素を含ませる必要があったために、こちらも中途半端になってしまったかな〜という気がします。『スパイダーマン』シリーズによって、アメコミの映画化作品ながら、エンターテイメントとドラマを両立させることが可能であることを証明された今となっては、この程度のシナリオでは満足できない観客も現れることでしょう。
とは言え、『スーパーマン』を観て思うことは、やはり世界には人びとを導くようなヒーローが必要なのではないかということであり、そのようなメッセージ性はそれなりに感じることができました。また、最後にレックスが生き残ったことと、ある登場人物の存在から考えると、2、3・・・といったシリーズ化の構想も練られているように思われ、今作がその導入であると考えれば、まぁこんなものかなという気もします。