■ウルトラヴァイオレット
□評価:★★★
□監督:カート・ウィマー
□出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ キャメロン・ブライト ニック・チンランド ウィリアム・フィクトナー
□ストーリー:21世紀、あるアメリカの研究所から未知のウィルスが漏れ出した。そのウィルスに感染したもの─"ファージ"は、寿命が感染後12年になる代わりに、異常な身体能力を獲得した。しかし、ファージの存在を危険視した人間政府はファージの根絶を目論み、ついに最終兵器を造り上げる。最強のファージ、ヴァイオレットは最終兵器の奪取に成功するが、それは人間の少年だった。
□感想:『リベリオン』のカート・ウィマーが、ミラ・ジョヴォヴィッチを念頭に脚本を書き、彼女を主演に迎え監督した作品。
予算が少なかったのか、あらゆる点が雑な作品。その場で思い付いたことを繋ぎ合わせていったような適当なストーリーで、伏線は無視、謎のままの謎もたっぷり。また、CGの質が非常に粗悪。特に、序盤のバイクとヘリコプターのチェイスなんて何やってるか分からないし、都市の様子に至っては完全にCG然としています。さらに、ミラがガン=カタを完全にものにできていないところも問題。ガン=カタはポーズを決める時はビシッと動きを止めないといけませんが、彼女はちょっとぶれています。
ただ、制作側もそのことを理解しているのか、冒頭のキャスト&スタッフ紹介がアメコミ風だったり、登場人物の肌がキレイになっていたり、原色を多用したりするなど、この作品がアニメーションに近いことを強調しようとしている節は見受けられます(まぁ、映画より素晴らしいアニメなんていくらでもあるのだけれど)。その最たるものが「ここは理解を超えた世界」というミラの言葉で、そんなことを言われたら素直に受け入れるしかありません。
そんな訳で、この映画を鑑賞するポイントは、これはアニメに近い作品で、全てジョークなのだという、思いっきりの良さを持てるかどうか、この点に尽きると思います(すでに映画であることを放棄しているみたいですが)。予備知識なく『リベリオン』みたいなのを期待していくと、ガッカリすることになると思います。
ところで、この映画、カート・ウィマーが『グロリア』を念頭に置いたオマージュ作品なのだというのは周知の事実なのですが、細かいところでもっと他の映画からの影響を受けているように思われます。例えば、原色を多用するところなんかは『ディック・トレーシー』のようだし、暗闇の中で炎のついた剣で戦うシーンなどは、完全に『スター・ウォーズ』からの拝借です。考えてみると、『リベリオン』も『華氏451』『未来世紀ブラジル』辺りのサイバーパンクから強い影響を受けた作品なので、このカート・ウィマーという監督は結構な映画マニアなのかも知れませんね。
話が飛びましたが、あまりオススメできない作品です。上に挙げた観賞ポイントを踏まえたうえで鑑賞する、もしくは、ミラのようなスッとしたモデル体型の美女がピッタリしたコスチュームで動き回るのを観られるだけで十分という方にオススメします。