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写真多数、フィルモグラフィ、テレビグラフィ、ディスコ・グラフィ、 芳雄語録など盛りだくさんの内容です。
(原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P133より) こういう遊びで、わかっていると自分で思い込んでいる範囲内でやるのじゃとても遊べない。 そんなの三秒で退屈しちゃう。どうしたって、既成のものって、自分の中にたまっていくでしょう。 そうするとこう非常に必然みたいな、決まった動き方みたいなのが強くなってくる。それが一番つらいね。 そうするともうヤケになっちゃってね、自分でテメエにあきちゃう。 首回り (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P134より) とにかくこの部分をしめつけてくるものは生理的に嫌い。いつも広く開けておきたい。 ステージでは素肌(つまり下着もワイシャツもつけないで)に三つぞろいを着る。 酔った翌日 (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P134より) いや、もう年中でしたよ。あくる日になって一日中ダンマリになってることが時々あって、 最近は気をつけて飲んでますけどね。 ま、全然覚えてない、というのが不安になるんですよね。あくる日ね、ちょこーっと、 こんなことやったんじゃないかなぁって記憶がかすかにあってね。 確認のために電話するんですよ。 贅沢 (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P135より) やっぱり自分は贅沢していると思うよ。申し訳ないぐらいに贅沢だと思う。 なんといったって、こんなことをやっていて、てめえの時間と、それから、 まあそれは非常に不十分だけれども自分の空間を持ってね、それからある程度食って、 寝て、これはもう最高の贅沢じゃないかと思う。ちょっと、恥ずかしいですよ。 髭 (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P135より) 映画でちょっと使いたいと思ってはやしてる。一ヶ月もはやした状態が続くと、 ひげをそった時にひどく自分の顔が新鮮に見える。俺は鏡をあんまり見ないので、 時々、自分の顔がどんなだったか忘れてる。 トマト (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P136より) 僕が権力持ったら、いちばん最初にやることは、トマトの栽培を禁止することです。 色がヤだしね、あの風情がいやですね。味もヤだし。でも、小さい時分食べてました。 なぜ、そうなったのか、わかんないんです。柿とトマトはまったくダメです。 ヒポクラテスたち (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P136より) うん、あれもいい加減でね、台本持ってきて、どの役がいいですかって、あの学生やるわけにもいかないし、 中に出てくる死体って役いいんじゃないの、って思ったけど、結局あれに落ちついてね。 医者の役なんて、初めて、もちろん。殺す方のは、やたらあるけど。 いゃあ、女っていうのはねえ (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P137より) どうも女っていうのは、抽象を重ねていっても全然意味ないっていうか、あまり有効じゃないのね。 それで、何か自分が解放されるかといったら、解放されないのね。逆に、抽象的にくくった途端に やられるに決まっている。だから、どうしてもくくれない。 それはもういまわの際にひと言いいたいけどね。「いゃあ、女っていうのはねえ」って。 言ってみたい気はするんだけどね。 女性に要求? (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P137より) 早い話が、いままで自分のなかでは泣いて泣いて、泣きつくす女性しか見てきていませんからね。 だから、もっと、なんていうか……ン!? 俺、いつの間にか、女の人にいろいろと要求しているみたいですねえ。…… おかしいな、俺、今まで女性になにかを要求したことなんてないのになあ。 裏切られるのが楽しい (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P138より) 映画でもレコードでもいろんな人が集まって、いろんな偶発的な要素があるわけね。 だから、結果としてできあがったものってのは、それ自体、自分個人から、すごく離れている、 かけ離れているということがね、自分にとって楽しいわけね。 やっぱり映画でも、参加した全員が裏切られるような思いもよらない映画がバーッとできちゃうのが、 遊びの中でも、いちばん楽しい、自分なんか、そうだもンね。 髪 (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P139より) 年に三回ぐらい床屋に行く。あんまりしょっちゅう短くすると髪がやる気をなくして退化するらしいよ。 雨風をよけたり、寒さをしのいだり、髪も意外とやること多いんだ。最近、ずっと伸ばしてるから、 俺の髪は、やる気を起こしてるんじゃないかな。 良い酒 (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P139より) いい酒!? ど〜ゆんでしょうねえ。これこれこうだ、とはいえないけど…… 基本的に音楽もそうだけど”遊び”の中の一つの要素として、なんてゆうかねえ…… 気分が良けりゃいいんですよ、周りもね。 浪曲とひばりさん (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P140より) 僕はずーっと浪曲と美空ひばりさんしかなかったですね。 こんな小さな浪曲の小冊子があって、そこに歌が一曲一曲載ってるわけですよ、 木村若衛とか、春日井梅鶯とか全部あるわけ。 全部買ってきて覚えた記憶ありますね、小学校4〜5年のとき。 女とは台所なしですませたい (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P140より) 僕は女というと、やっぱり台所を境にして、つきあうか、つきあわないかみたいなところが ある。台所をとっぱらったところでね、気配を感じていたいんですよ。この女だったら台所なしですむかなあーと…… その女が飯作っちゃったりサ、そういうのなしで。 南方指向 (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P141より) 暖かいところはいいですね。寒いと悪知恵しか発達しないんじゃないかっていう気がしてしようがないのね。 悪知恵も時には必要なんですけど、悪知恵だけになっちゃうと、また、そこが不幸せだからね。 時にはまったく知恵もいらないみたいな、水まけば植物が育っちゃうようなことだって、 どっかにないと駄目ですね。 中途半端なんですよ。日本という国そのものが、緯度的に北も南も両方受け入れちゃっうみたいなところがあって、 その中でも中途半端な栃木県で育っちゃってますからね。自分の中で、南と北の両方の知恵が割合、 スーッとスムーズに入っちゃうんだよね。 うそをつく楽しみ (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P142より) とにかく遊び好きの人というのはみんな好きだしね。音楽でも絵でもいいけれども、 基本的にはうそだから。やっぱりこういう度し難い一つの生きものとしてね、 ライオンとか象とかさまざまな生きものに対して、なにか唯一拮抗できるもの、 五分五分になれるものっていったら、それはうそをつく楽しみというか、 遊びじゃないかと思う。 だってライオンと格闘やったら負けるに決まってるからね。チーターと走りっこしたって負けるしね。 そうすると、やっぱり度し難い生きものにできるだけあこがれをこめてね、それらとなんとなく 辛うじて拮抗できるのは、それしかないんじゃないかと思う。 そんな気がしてしようがない。 カラヤンとパン (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P143より) ちょうど飯を食っていたとき、ちょっとヨタヨタした年寄りが、若い青年にちょっと腕を支えられて やって来るわけ。みんなが見てるから、なんだろうと思ったら、カラヤンなのね。 俺たちの斜め前のテーブルに座ってさ。その日は招待だったから俺たちもネクタイなんかして 気取っていった日でね。前菜から始まってパンがでてきたんだよね。常に俺はパンがダメなんだ。 だけど気どったところだから取らないと悪いのかなと思ってさ、1枚取ったわけ。 それを、俺がパン食わないのを知ってる鈴木さんがパッと見てね。 ああ見てるなと思ったけど、皿の上に置いておいた。食べる気はあまりなかったわけです。そのうちに、 ちょっとした隙に、ヒジでそのパンをポンと突いちゃったわけ。パンがコローンと下へ 落っこちて、コロコロッと、カラヤンの方へ行っちゃったわけ。 あーあ、パンが行っちゃった。取りにいこうか、どうしようか……。まあいいや、 もうちょっと様子をみようと思っていると、監督が「原田さん、珍しいですね、もうパンは食べたんですか」っていうから、 「ちょっと、それは後で話しますから」っていってね。やり取りがすんで、フッと見たら、もうそのパンはないんだ。 もうおかしくってさ、その後、なにを食っても。 パリ珍道中 (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P145より) 鈴木清順監督と大楠道代ちゃんと、三人の珍道中でね。まあ、ちょっと空気を吸いにいこうなんて、その程度でいったんだけどね。 鈴木清順監督はもう張り切っちゃってね。 フランス料理というのは料理の最後にデザートがあって、ケーキがでてくる。大楠さんは年中いってるから 「じゃ、なんとかのケーキ」とか注文するわけだ。監督はあまり知らないけど、一応そういうものを頼むんだよね。 俺はケーキはダメだから、ビールとかね。 そうすると、監督は俺を前にして「あんたはセーヌの乞食だ」っていうわけよ。それで見栄を張って、 一生懸命ケーキを食っているんだ。そのくせ自分は左手でフォークを持てないんだ。 谷恒生 (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P146より) 谷恒生はギターの似合わない小さな島国の舟乗りである。ここからの舟出には常にいくつかの危険な予感がある。 一瞬たりとも幸せな舟旅などあろう筈もないことを本能的に予知している舟乗りは、躊躇なく北上より 南下を選んだ。そこから病んだ日本列島そのものの舟出に、最良の航路を志行する壮大な物語が生まれる。 「喜望峰」は、まさに荒れ狂うサイクロンの彼方に、かろうじて見え隠れする……。 山崎ハコさん (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P146より) 今「翔んでる」とかなんとかいわれるでしょう。今のは「翔」なんだね。ハコさんのは「飛」。それは重さと決意があるんだね。 今の「翔んでる」というのはちょっと違うんだ。自分はあれには感心ないんだね、ほとんど。ところが、ハコさんの 「飛びます」というのは飛なのね。それはもっと野蛮なの、決意としては。翔というのはちょっと高級なの、 自分のイメージにおいて。だから、ハコさんの「飛びます」と出会った時は、面白い題名のLPがあるなと思った。 もちろん全然知らない人だったんだけど、一も二もなく手許に置いて聞いてみたら、なにか変な重さと、 その重さにあらがう決意みたいなものね、非常にブラックな。1枚目なんか特にブラックな。基本的にわらべ歌なんだけれども、 あの人、今なんかすごみがある。すごいブルースシンガーじゃないかと思う。 ハコさんが両腕でこっちは人さし指1本で腕相撲したら勝てると思うわけよ。ところが、そのすごさ、 全然かなわないもの。そういうところで、基本的にある種の女というものを感じるときがある。 それは具体的に山崎ハコなんだろうけど、これはかなわない、逆立ちしても。 俺がオカマになってもかなわない。 個人の思いつき (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P231より) 自分ひとりが思いついてることなんかたかが知れてる。いろんなものがぶつかったときの方が、全然凄いね。 愛ラーブ (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P234より) 芝居やってると、たとえば”愛”なんて言葉、いえないでしょ。 台本に愛なんて言葉がひとつでもあったら、”すいません、これ変えさせて下さい”なんてことになるんだね。 ところが音楽だと、平気で”ラーブ”なんていえてしまうんだね。 妻 (原田芳雄エッセイ集 B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ<ワニの選書>P236より) 妻というからには、夫に対して非常にストイックになる、抑圧するわけでしょう。 恋人同士のときには抑えつけないで、帰りたくなれば帰って、勝手に自分ひとりになれるけれども、 妻と夫という関係になるともっと怪しげで濃厚な男女の関係があるのかなあ。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------- レイジー・レディー・ブルース Lazy Lady Blues /原田芳雄 [disco mate][DSK-5007][1978/11] レイジー・レディー・ブルース(怠け女のブルース)作詞:阿木耀子 作曲:宇崎竜童 | m.tanakaの何でも箱 | m.tanakaのホームページTOP | | ミスタースリム(MR.SLIM) | m.tanakaのよく買う物のページ | m.tanaka plala別館 | |
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