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京都市に無防備・平和都市条例を!
条例制定の直接請求署名(2005年10月29日開始)にご協力ください!
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市長の意見書及び市民の会見解


2006年1月23日、本会議にて、市民からの直接請求のあった「京都市無防備平和都市条例案」が市長の意見書をつけて提出されました。
市長の意見書及び、京都市民の会の見解を掲載します。

  市長の意見書  意見書に対する京都市民の会の見解


京都市無防備・平和都市条例案に関する地方自治法第74条第3項の規定に基づく意見
 今回の直接請求に係る条例案(以下「本件条例案」という。)は,日本国憲法の平和主義の理念,1949年8月12日のジュネーヴ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(議定書1)(以下「追加議定書」という。)その他の国際人道法及び京都市会の「非核・平和都市宣言」に基づき,無防備地域宣言を行うことにより,住民の生活及び安全並びに文化を守ることを目的とし(第1条),市民の平和的生存権(第3条),戦争非協力(第4条),無防備地域宣言(第5条),無防備地域の確保のための措置(第6条),文化財の保護(第7条),平和事業の推進(第8条),平和予算の計上(第9条)等について定めるというものである。
 平和の実現と文化財の保護については,昭和25年に京都国際文化観光都市建設法が制定されて以来,本市は,「国際文化観光都市」として,同法の目的とする国際文化の向上と世界恒久平和の理想の達成に向け,都市基盤の整備,伝統的景観の保全及び文化観光資源の保存に取り組み,平和都市の建設に邁進してきた。
 また,昭和32年10月には,全世界の人々と相携えて,世界恒久平和の理想の実現を期すために,平和都市たることを宣言した「平和都市宣言」を,昭和53年10月には,全世界の人々が,人種,宗教,社会体制の相違を超えて,平和のうちに,ここに自由に集い,自由な文化交流を行う都市であることを宣言した「世界文化自由都市宣言」を行うなど,戦後一貫して,平和を都市の基本理念としてきた。
 これらの宣言に掲げた理想を実現するため,昭和62年の第1回世界歴史都市会議においては,恒久平和を願いつつ世界の人類と共に歩むこととした「京都宣言」を他の参加都市と共に世界に向けて発信した。また,平成7年から,各国の核実験に対する中止要請を継続的に行っているほか,戦後50周年平和事業の実施,京都市中央図書館における平和関連図書コーナーの設置,「ヒロシマ原爆展」の開催など,平和理念の普及及び啓発にも積極的に取り組んできた。
 さらに,平成17年8月には,京都では6回目の開催となる軍縮や核兵器の廃絶について議論する国連軍縮会議を誘致するとともに,同年10月には韓国の慶州市で開催された世界歴史都市連盟総会において,本市が提唱した平和メッセージを世界に向けて発信するなど,本市の基本理念である平和の実現に向けて,世界の都市を先導する取組を行ってきた。
 また,1200年を超える悠久の歴史に育まれてきた京都には,他に類を見ないほどの文化財が集積しており,これまでから,文化財保護法や京都市文化財保護条例に基づき,その保護に努めるとともに,京都の財産である風情豊かな自然景観,京町家に代表される伝統的な建築物及び緑豊かな山並みを背景とした歴史的な町並みについても,早くから風致地区制度をはじめとする様々な制度や京都市市街地景観整備条例など本市独自の条例を駆使し,これらの保全及び再生に努めてきた。
 このように,本市では,既に平和の実現や景観と一体となった文化財の保護に積極的に取り組んでいるところである。本件条例案の中心となる無防備地域宣言については,追加議定書第59条第2項において,「紛争当事者の適当な当局は,軍隊が接触している地帯の付近又はその中にある居住地区であって敵対する紛争当事者による占領に対して開放されるものを,無防備地区として宣言することができる。」と規定されている。無防備地域は,戦闘員の撤退や軍用設備の撤去のほか,軍事施設の敵対的な使用が行われないなど,追加議定書第59条第2項各号に掲げるすべての条件が満たされていることが必要であるが,地方公共団体は,これらの条件を満たすために必要な権限を有していないため,本市が,「無防備地域宣言」を行ったとしても,法的にその効果を発生させることができないものと考える。この点につき,国も,無防備地域の宣言は,当該地域の防衛に責任を有する当局,すなわち我が国においては,国において行われるべきものであり,地方公共団体が宣言を行うことはできないとし,仮に特定の都市が無防備地域の宣言をしたとしても,追加議定書第59条第2項に規定する無防備地区の宣言には当たらないとの見解を公にしている。
 以上のとおり,本件条例案については,その中心となる無防備地域宣言に実効性がなく,また,本件条例案を新たな条例として制定する必要性もないことから,制定に賛同しかねるものである。
 もとより,世界の恒久的な平和の実現は人類共通の普遍の願いであり,市民生活の安全を守ることは国や地方公共団体の当然の責務である。
 第二次世界大戦における大きな被害を免れ,1200年の歴史と輝かしい伝統と文化を有する京都が,現代においても世界に誇る国際文化観光都市として光り輝いていることは,先人たちの絶え間ない努力のたまものである。
 本市においては,平和都市の実現に向けた先人たちの努力や,今回署名をされた方々を含む京都市民の平和への願いをしっかりと受け止め,未来に受け継いでいくため,今後とも,人類共通の願いである世界恒久平和の実現に向けて,市民の皆様と共に努力して参る所存である。

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「京都市・無防備平和都市条例」についての京都市長の意見書に対する見解

                                            2006年1月23日
                              無防備地域宣言をめざす京都市民の会
今回提案の京都市無防備・平和都市条例は、ジュネーヴ条約第1追加議定書第59条に定める「無防備地域」を自治体において宣言し、戦時の文化財保護に関する「武力紛争の際の文化財の保護のための条約」第2追加議定書(1999年)の第10条に定める「強化保護」の規定を京都市の文化財に適用させるために、政府にこの条約の批准を求めていくことを条例で定めるものです。もともと、ジュネーヴ条約第1追加議定書の「無防備地域」の規定は非武装地域への攻撃を「違法」なものとして禁止した1907年のハーグ陸戦条約第25条「防守セサル都市、村落、住宅又ハ建物ハ、如何ナル手段ニ依ルモ、之ヲ攻撃又ハ砲撃スルコトヲ得ス。」の規定を引き継いだものです。  ジュネーヴ条約及び追加議定書は、第1次世界大戦では、1割に満たなかった一般住民の犠牲が、第2次世界大戦では5割、ベトナム戦争にいたっては犠牲者のほとんどが一般住民という悲惨な戦争経験を踏まえ、軍事行動から一般住民を分離し、戦争被害から保護するためにつくられたものです。
しかし、京都市長は意見書で「地方公共団体は,これらの条件を満たすために必要な権限を有していないため,本市が「無防備地域宣言」を行ったとしても,法的にその効果を発生させることができない。」「無防備地域の宣言は,当該地域の防衛に責任を有する当局,すなわち我が国においては,国において行われるべきものであり,地方公共団体が宣言を行うことはできない」と、国の見解を鵜呑みにして条例制定はできないと断言をしました。
しかし、条約の成立過程を見れば明らかなとおり、当初、宣言主体が「国家」に限定されていたものが「適当な当局」に変えられました。赤十字国際委員会の注釈書も「困難な状況においては、宣言は、地方の軍指揮官から出されることもありうるし、あるいは、町長、市長、知事といった地方民政当局から出されることさえありうる。もちろん、宣言が地方民生当局から出される場合は、宣言の条件に従うことを保障する手段を保有している軍当局と完全な合意がなされていなければならない。」と述べています。自治体が宣言主体となりうることは明白です。ただし、「困難な状況」あるいは「軍当局との同意」を条件としてあげていますが、これもあくまで「宣言」の有効性を確保する観点から述べられたものです。国が宣言することが「困難な状況」で自治体が宣言するは当然ではないでしょうか。また、軍当局との合意は、合意がなければ仮に自治体が宣言しても、軍隊が当該地域に進駐すれば条件を満たさなくなってしまうため、軍当局との合意が必要であるということを注釈したものに過ぎません。 
追加議定書第59条は、あくまでも「無防備地域」を攻撃してはいけないと言うのが本来の趣旨であり、宣言主体は2次的なものです。日本の場合であれば、政府がジュネーヴ条約に定める「文民保護」に関しての国内法を整備すればよいのです。しかし、議定書の締結により我が国が負うこととなる義務として「 文民たる住民と戦闘員とを、また、民用物と軍事目標とを常に区別し、及び軍事目標のみを軍事行動の対象とすること。」をあげていながら、この点に関しての国内法整備は、未だになされていません。
このように、宣言が発せられようと発せられまいと非武装の町を攻撃してはいけないと言うのが追加議定書第59条の本来の趣旨です。誰が宣言文を送付するかと言うのは、あくまでも2次的な問題であるにもかかわらず、国の見解を鵜呑みにして条例案を否定することは、自治体として、住民保護のための前提である4条件の確保する努力を一切しないと言う、住民保護の切り捨てを宣言したに等しいものです。かつて、沖縄戦に際して、軍の言いなりになって住民に犠牲を強いた過去の二の舞を踏もうというものです。国会での大臣の答弁や首相官邸のホームページに記載されているQ&Aの回答はどこまで行っても「見解」に過ぎず、自治体の行政をしばる法律でも何でもありません。国が法律で規制しない限り、自治体が条例を制定することにいっさい支障はありません。法律、条例、具体的事業等すでに京都市として様々な取組みをしているので制定の必要ないとのべていますが、条例の趣旨はあくまでも、抽象的な「宣言」ではなく、「無防備地域宣言」によって戦時に住民の命と生活を守ることを具体的に規定したものです。如何に戦争被害から京都市民を保護し、有形無形の京都の文化を守っていくことを国際法に基づき具体的に提起した条例です。「平和都市宣言」「世界文化自由都市宣言」などの宣言だけでは、住民を保護する法的拘束力は生まれません。
また、意見書では、条例第7条に規定するハーグ(文化財保護)条約第2追加議定書の批准促進について一切触れていません。文化財保護はこの条例の2本柱の一つです。国民保護法では、文化財保護に関しては、事前の移動及び修復ぐらいしか想定されていません。このようなことでは文化財は守れません。京都府の国民保護協議会において、京都市自ら「破壊されてからでは遅い、文化財保護対策の充実」を要望しています。ハーグ条約批准の促進を京都市としてどう考えているのでしょう。条約批准を政府に対して要望していくことが、日本の貴重な文化財が集中する京都市長としての責務ではないでしょうか?
京都市長が意見書において縷々述べている内容を実効あるものとするためにこそ、無防備・平和都市条例が必要です。なぜならば、京都の文化をその歴史的な遺産とともに、守り育てていくためには、まず、戦火から京都市を守らなければならないからです。戦争によって失われてしまえば二度と復元できない歴史的な京都の文化を守ることは「世界のなかの京都」という大きな視野に立ち発した世界自由文化都市宣言において「平和のうちに、ここに自由につど」うことの大切さを謳った京都市が世界に対して果たすべき責務であると考えます。京都市が「無防備平和都市」として平和を全世界に発信することは、まさに国際社会の平和実現に向けておおいなる役割を果たすと同時に、世界平和の発展の歴史にその名を刻むこととなるはずです。
私たちは、京都市長が本日提出された意見書を撤回し、改めて条例制定に向けた意見書を再提出されることを強く求めます。
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無防備地域宣言をめざす京都市民の会
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