全交流電源喪失(SBO)の誤解と違反


中央制御室SBO時は暗闇になるマークTのメルトダウン・メルトスル―   








注); 全交流電源喪失を≪SBOStation Black Out≫と言います。これは理解でき難く感じます。
しかし、窓のない頑丈な制御室内で運転している人達には極めてぴったりの言葉です
。即ち≪部屋が一瞬で真っ暗になる≫です。


 小括   @1977年改訂された指針は表現が拙く、全電源喪失は考慮する必要がないと関係者は誤解した様です。

Aしかし、熟読すると、非常用電源設備を常時稼働状態にしておく場合では、考慮しなくてよいと書いてあります。

B東電始め、≪原子力サークル≫の全員がこのAを記憶していない形跡があります。 
 2   @原発の安全運転には、多量の水が必要です。その為にも電力が必要です。必要な電力は≪SOB≫の時はありません。

Aその場合に備えて、余熱を使う(第一号機の場合≪イソコン≫)装置がありました。これを正しく運転すれば、7時間は炉の温度上昇は抑えることが可能と言われていました。

Bこの最長で7時間以内に、電源を手に入れれば、原子炉の暴走を止め得る可能性があります。

C福島第一原発に一番乗りした東北電力所属の4台の電源車で、到着時刻は3月12日1時20分でした。  SBOは15時27分です。
 3  
上記のように、SBOの時、原子炉暴走を抑える策と手段を講じなかった≪原子力サークル≫が育んだ≪欠陥原発≫が福島第一だけであると言いきれる人はいるのでしょうか。






1977年8月に≪SBO≫の時の指針が改訂された。  @≪送電系統の復旧≫、または≪非常用D/Gの復旧≫≪期待できる≫のでという必須の条件がついた上で、

A≪
長期間にわたる≫≪SBO≫は考慮する必要がないという紛らわしい内容になった。7)    
              
 
≪SBO≫時の改訂指針には、重大な注意書き  @しかし、指針を注意深く読めば、 
非常用電源設備を
常に稼働状態にしておく場合か
 
A多数の
独立電源設備が構内にで運転中の場合だけが≪高度の信頼度が期待できる≫と言えると付記してある.

Bこの日本語らしからぬ表現が大きな誤解を与え、その誤解が指針違反を促進した。
   ≪全電源喪失=SBO≫の際の結論。 @外部電源系または非常用所内電源系のどちらかが ≪必ず復旧≫すること。114)
 
A加えて、第一号機では最長でも、≪
IC(イソコン)≫(非常用炉心冷 却装置の一つ)等の予想有効時間(約7時間)以内に≪SBOが復旧≫すること。
 
B
この両条件が満足された場合は低温停止が可能である。
逆に
満足されない場合には、第一号機の原子炉の損壊・爆発が必発であるという結末が待っていた。

Cしかも福島第一原発始め≪原子力サークル≫の面々は、この二つの
どちらかの結末しかない事を誰ひとり気付いていなかった。

  今回の事故の推移を分析した結論と将来への懸念 
@前項の結末を正しく知っていた人は≪東電の社員を筆頭に、政府、自民・民主党、同党原子力  委員長経験議員、安全委員会委員、関係した官僚群 、原子炉関連委員会の学者群≫には居なかったようである。

Aこの原子力サークルの人々が、当然熟知≫していなければならない所の原子炉設計安全審査指針≫の中身を熟知していなかった。換言すると、ずぶの素人
a complete beginner)の集団であった事が判明しました。

Bこの様な≪
ずぶの素人の原子力サークル≫が指導・監督している限り、東電以外の電力会社にも指針違反が累積していない筈はないでしょう。

 











































   


 







(1977年8月; 首相 福田赳夫氏 原子力委員長 宇野宗佑氏 

         東電社長 平岩 外四氏)


    7)指針9電源喪失に対する設計上の考慮 (11頁/全83頁)
      http://www.nsc.go.jp/shinsashishin/pdf/history/02-02.pdf

    
114)  東電SA時運転手順書フローチャート  (31頁/全32頁)


         top       back