遙か短文黒龍×朔部屋です。一番上が最新です。
シリアスほのぼのコメディごっちゃまぜ、ネタバレ考慮一切しておりませんのでご注意!




黒龍




「黒龍ってどんな人だったの?」

そう望美に尋ねられて、朔は言葉につまった。

「そうね・・・」

思い出すのははじめて会ったあの時。

あなたは、私の神子。
だからあなたの全ては私のものだ。

そう言われた事を思い出す。

「ちょっと・・・言葉にしにくいところのある人だったわ」

そう言って頬を染めていく朔の顔を、望美は不思議そうに眺めた。




黒龍はやっぱり浮世離れした感じだと思うんですよ。白龍も恥ずかしい事ぽんぽん言ってたけどきっと黒龍もそうだろうと。
ただ白龍みたいに無邪気って感じじゃなさそうだなーとこうなりました。どうなんだろうこの黒龍(笑)こんなやつ嫌だ(笑)。



涙の理由




涙があふれて止まらない。

どうしようもなく、後からあとから零れ落ちる。
まるで想いのように。

それはなんて儚いものだろう。

私の想いや願いなんて関係ないところで世界は動き、そしてあの人を連れ去った。
すぐそばにいたはずなのに、突然消えたあの人の、ぬくもりや笑顔や声を。
私を呼ぶ声を忘れたくなくて。

何度呼んだだろう。
何度願っただろう。

もう一度、会いたい。
あの人の声を聞きたい。
あの人に触れたい。

そして叶わぬと何度思い知って、泣いただろう。

「朔・・・?どうしたんだ?」
「なんでもないの。・・・なんでも、ないのよ」

そう、なんでもないことだ。
涙に力なんてないことは、自分はもうとうに知っている。
それなのに、やはり涙は止まらない。
後からあとからあふれ出て、朔はたまらず顔を覆った。

朔を好きだと言ったあの人はいない。もうどこにもいない。
だけど。

「朔・・・?」

そう言って小さな手を精一杯のばして朔を慰めようとする、その存在が朔の喜びになる。

「朔、泣かないで。朔が泣くと・・・どうしたらいいか分からなくなる」

あの人と同じようにそっと朔の髪に野の花を挿した。
ただそれだけのことなのに。
どうして泣いてしまったりするのだろう。

あの人はいない。
そして今はその存在を受け継ぐこの子がいる。

その事が朔を打ちのめし痛めつけ、そして同時に救いもするのだ。

「ごめんね・・・なんでもないの。ただ・・・」

なんでもない日常が切なく痛く、愛しかっただけ。
ただ・・・それだけのこと。




ミニ黒龍と朔が恋仲になるかどうかはどうなんだろうあの年齢差だし・・・と思うけど、それでもやっぱり朔にとって特別な人ではありますよね。
私は正直朔が幸せになってくれるんだったら相手誰でもOKです(笑)






本当に好きなら、その人の幸せを喜んであげられる。
そんなのはきっと嘘だ。

幼い姿で蘇った黒龍に微笑みかける彼女の姿をみて、どうしようもなく暴れだしたいような気持ちになる。 
何もかもめちゃくちゃに壊してやりたい。
醜くて、みっともない独占欲と嫉妬に、心が真っ黒に染まっていくような。

これが恋じゃないとしたら、一体なんだっていうんだ。

本当に好きだから、独り占めしたい。
その微笑みを他の男に向けられるのは、耐えられない。

そうだろう?




黒龍が復活した後のヒノエと弁慶の片思いも面白そうだなーとか思ってしまいます。
悩んだ末に一応黒龍部屋にも置いてみました。そのうち消すかも。



夢のあと




夢をみた。


自分が泣いている事に気付いて、目が覚めた。
ぼんやりとにじむ視界。
ゆっくりと隣へと目を向ける。

「・・・神子、どうした?」
「黒龍」

彼は、私の龍。
力を失い、地に落ちて人の姿をとった龍。
私のただ一人の愛しい存在。

「泣いて、いるのか?」
「怖い夢をみたの・・・」
「夢?」
「貴方が・・・」

口に出すと本当になるような気がして、怖い。
怖くてたまらない。
それでも目の前の意外に心配性な彼を安心させたくて、夢のことなのだからと自分に言い聞かせる。
大丈夫、ただの夢だもの。
体の震えはなかなかおさまらないけれど。

「私が神子を不安にさせてしまうのか」
「違うわ、単なる夢よ」

抱き寄せられて、腕の中に閉じ込められる。
こうしてくれているだけで、不安なんて消えてしまう。

「大好きよ、黒龍」

だから夢の中のように消えてしまわないで。




夢をみた。

自分が泣いている事に気付いて、目が覚めた。
ぼんやりとにじむ視界。
ゆっくりと隣へと目を向ける。

そこには昼の移動と怨霊との戦いに疲れてぐっすりと眠る対の姿があった。

まだ明けきらぬ薄闇の中。
声を押し殺して朔は泣いた。


とても幸せで、悲しい夢だった。




黒龍×朔。自分で書いておきながら泣きそうになりました。
朔ごめん朔大好きー!


よく似た面影




「白龍と黒龍って、やっぱり似てるの?」
「・・・そうね、正直いって、見た目はそっくりね」

そのまっすぐな髪も。
優しい瞳も。
向けられる一途な想いも。

「だけど・・・やっぱり、違うわ」

どんなに似ていたって、彼は黒龍ではない。



だって彼が見つめているのは望美だけなんだもの。




小さい時ですらとても似てると言ってたわけだから、大きくなった彼を見て朔が複雑にならないはずはないと思うのさ。


八葉のいない理由




どうして、白龍の神子には八葉がいて、黒龍の神子にはいないのだろう。

文献を調べていて、ふと疑問に思った事を訊いてみた。

「どうしてなのかしらね?あなたは、何か知っている?」

朔の声に黒龍は無愛想な顔を向ける。

「・・・八葉は、必要ない」
「まあ、どうして?」
「私は、白龍よりも嫉妬深いから」
「え?」

引き寄せられたそのままに大きな身体に抱きしめられる。

「だから、八葉なんて必要ない」
「黒龍・・・」
「神子には、私だけいればいい」



嫉妬深い神様は、その後、白龍の神子とその八葉たちに嫉妬の怨念を送る事になる。




八葉がいない理由がそんなんだったらいいなあ!(願望)