 
船上クリスマス |
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「肉球が凍りそうだな」
寒いクリスマスの夜、猫のロッソは屋根の上で
ひとりぼっちでした。
今日、ロッソのご主人さんは仕事から帰ると
すぐに赤や金のプレゼントの包みを持っていそいそと
出掛けて行ってしまったのです。取り残されたロッソは
星でも見ようと屋根の上に来てみたのですが |
今夜は星もお留守のようです。
空はまるで深い海の底のよう。暗くて恐いくらいなのです。
「肉球が凍りそうだな。部屋に戻ってミカンでも転がして遊ぼうか…」
そう言ってロッソが屋根から下りようとした時でした。
「おぅ〜い、そこの洒落た猫君、ごきげんいかがかな!」
と、空から大きな声がしました。
「こっちに来て仕事を手伝ってくれないかね!」
ロッソはとてもびっくりしてしまいました。
なんと暗い空の深海に、大きな船が浮かんでいたからです。
甲板から身を乗り出している白熊が船長のようです。
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「どうだね!仕事を手伝ってくれるかね!」
ロッソはドキドキしましたが、思い切って答えました。
「ぜひ、お手伝いさせてください!」
船長はニコニコしてうなずくと、こちらにウキワを
投げてくれました。
「よしっ!それにつかまって、乗船したまえ!」
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