議会の要求に従い、GAOは1947年の気象観測用気球墜落に関する以下の項目に注目した情報を提供します。
GAOは以下のことがわかりました。
拝啓、シフ様
1947年7月8日に、ニューメキシコ州ロズウェルのロズウェル陸軍飛行場(RAAF)広報部は、「空飛ぶ円盤」の墜落および回収を報告しました。回収はRAAF第509爆撃隊から派遣された陸軍航空隊の人員の働きでした。翌日の報道では、テキサス州フォートワースにある第8空軍の司令官が、回収されたのは「空飛ぶ円盤」ではなく、墜落したレーダー・トラッキング(気象観測用)気球だったことを報告したと伝えられました。
50年近く経った後でも、ロズウェルでの墜落に関する憶測は続いています。幾人かの目撃者はその物体が地球外起源のものであったと信じています。ロズウェル事件に関する1994年7月の空軍の調査報告では、空軍はロズウェル近郊で何かが起こったことには議論がないものの、最も考えられるのは、ソビエトの核兵器に関する調査を行うために計画された、政府の機密プロジェクトの気球であると報告されています。ロズウェルに墜落したのは何かという議論は続いています。
国防総省(DOD)がこの墜落についてのすべての利用可能な情報を提供しないかもしれないと懸念したため、あなたは私達に、ロズウェル近郊での墜落に似た航空事故が報告されるための必要条件を決めることと、ロズウェルでの墜落に少しでも関係する全ての政府記録を求めました。
私たちは、ロズウェル近郊での墜落に関係する政府記録を広範囲にわたって調査しました。私たちは、1947年7月から1950年代までの日付を持つ分類済・未分類の文書を広く調査しました。これらの記録は、DOD、連邦検察局(FBI)、中央情報局(CIA)、国家安全保障会議といった、ニューメキシコ州及び他の地域にある沢山の組織から得られました。調査対象及び手法の詳細については、このレポートの最後に記載しています。
1947年当時の軍規では、飛行機事故に関する報告は無期限に保管されるように定められていました。私達は、ニューメキシコ州陸軍航空隊において、1947年7月中に起こった4件の飛行機事故の報告を確認しました。全ての事故に軍用機が絡んでいましたが、RAAFの公式発表が行われた日付である1947年7月8日(ロズウェル近郊での円盤墜落と回収の第一報が出された日)以降に起こったものでした。海軍の報告では1947年7月中に航空事故はありませんでした。空軍の職員によれば、1947年7月には気象観測用気球の墜落に関する報告を記録・保管する決まりは無かったということです。
ロズウェルでの墜落に関する私達の調査では、いくつかのRAAFの活動に関する政府文書が破棄され、他の文書は保存されていることが分かりました。例えば、1945年3月~1949年12月までのRAAF行政文書、そして1946年10月~1949年12月までのRAAF送信メッセージは破棄されています(訳注:この手の文書は一般的にも一時文書という扱いである)。これらの文書のフォーマットは、どの機関及び人物が、どのような権限で破棄したかという情報を含みません。
私達の調査によって、ロズウェルでの墜落に関係する1947年当時のふたつの政府記録が見つかりました。1947年7月の第509爆撃大隊とロズウェル陸軍航空基地の統合史と、1947年7月8日付のFBIテレタイプです。509-RAAF報告書では、「空飛ぶ円盤」の回収は、後に軍当局によってレーダー追尾気球と確認されたと報告されています。FBIメッセージは、レーダー反射板を備えた高高度気象観測用気球に似た物体がロズウェル近郊で回収されたと述べています。
私達の調査によると、機密区分の関係で公開されなかったものも含めた他の政府文書、そして、1946年から1953年の空軍による未確認飛行物体(*1)観測の分析(プロジェクト・ブルーブック No.14)は、1947年7月にロズウェル近郊を飛行し、墜落及び回収された物体に言及していません。同様に、行政機関機関への照会状への返信でも、ロズウェルでの墜落に関する他の政府記録は得られませんでした。
*1 空軍の規定に従えば、未確認飛行物体とは、そのパフォーマンス、航空力学的な特性、あるいは異常な特徴によって、既知の航空機あるいはミサイル、空軍に良く知られたもの又は既知の物体又は未確認の航空機に一致しない飛行物体のことです。
1947年7月の報道によれば、RAAFから来た陸軍航空隊の隊員はロズウェル近郊に墜落した飛行物体の回収に関わっていました。従って、もし航空事故ならば、その報告が軍の取り決め通りに作成されていたでしょう。1947年当時の軍規では、軍記録情報管理職員によって、航空事故報告書が永久に保持される決まりになっていました。空軍の職員は、気象観測用気球の墜落の報告に関しては、同様の取り決めがないと言いました。
1940年代中期より記録情報管理部で働いていた空軍の職員によれば、陸軍の規則の元で作成された1947年7月の航空事故報告は、空軍が個別の部署として設立された1947年9月に移管されているはずとのことです。
空軍安全調査機関は、航空事故の記録に対する責任を負っています。私達は1947年にニューメキシコ州で航空事故が起こったのかを確認するため、マイクロフィルムの記録を調査しました。私達はこの期間にあった、4件の航空事故を確認しました(*2)。全ての事故は、軍の戦闘機か輸送機が関わっており、RAAF広報部がロズウェル近郊での「空飛ぶ円盤」の墜落と回収に関する第一報を伝えた1947年7月8日以降に起こったものでした。陸軍航空隊の重大事故報告によれば、これら4件の事故は、ニューメキシコ州のホブス、アルバカーキ、カリゾゾおよびアラモゴードか、町の近郊で起こり、4件のうち1件が悲惨な結果となりました。離陸中の衝突によってパイロットは死亡しました。
*2 これらの記録は、民間及び他の政府機関の航空機事故に関する情報を含みません。また、遠隔操作の航空機、低速の巡航ミサイル及び、殆どの気球のような無人の飛行装置に関する事故の情報も含んでいません。
ロズウェルでの墜落に関する政府文書を調査する際に、1947年にRAAFに配属されていた第509爆撃隊、第一輸送航空隊、第427陸軍航空隊、そして第1395陸軍憲兵隊の記録の調査と識別に特に注目しました。
ミズリー州セントルイスにあるNational Personnel Records Centerより得られた廃棄情報文書は、1953年にウォーカー空軍基地(以前のRAAF)の文書管理担当官が、ウォーカー空軍基地での駐屯記録を陸軍のカンザスシティの保管庫へ移したことを示しています。これらは、1947年2月~1947年10月のRAAFと第509爆撃隊の記録、1946年7月~1947年6月の第一輸送航空隊の記録、1946年1月~1947年2月の第427陸軍航空隊の記録を含んでいました。私たちは、 National Personnel Records Centerと、その前身機関に保管されている、第1395陸軍憲兵隊に関するいかなるの文書も見つけることができませんでした。
1947年7月の第509爆撃隊とRAAFの統合史は、RAAF広報部が「第509爆撃隊が所有していると伝えられた"空飛ぶ円盤"に関する問い合わせで非常に忙しかった。物体はレーダー追尾気球であることが判明した。」と述べています。RAAFの指揮官はこの報告が1947年7月の完全で正確な報告であることを保証しました(報告書からの抜粋は付録Ⅰに含まれます)。
部隊史報告書に加えて、さらに私達はロズウェルでの墜落に関する他の文書も探しました。National Personnel Records Centerの主任保管員より、以下の文書を得ました。(1)1945年3月から1949年12月までの、収入・会計、補給、建物・土地、その他の一般的な管理上の問題 (2)1946年10月から1949年12月までRAAF送信メッセージは破棄されました。職員によれば、どのような権限で破棄されたのかについては、わかりませんでした。センターの主任保管員の個人的な経験では、空軍のこのような文書の多くは、記録を残さずに破棄されるとのことです。1950年のRAAF送信メッセージ破棄を含むほかの記録の管理に関する調査は、主任保管員の見解を支持します。
FBI本部での記録調査中に、私達はテキサス州ダラスのFBIオフィスからFBI本部及び、オハイオ州シンシナティのFBIオフィスへ送られた1947年7月8日付けのテレタイプメッセージを見つけました。FBIのスポークスマンは、メッセージが本物であることを確認しました。
メッセージによると、第8空軍司令部職員は、ケーブルによって大きな気球に吊り下げられた六角形の円盤がロズウェル近郊で回収されたという情報を、ダラスのFBIオフィスへ、電話連絡で伝えました。メッセージはさらなる調査のために、気球と円盤が、ライト・フィールド(現在のオハイオ州ライト・パターソン空軍基地)へ送られたと述べました。第8空軍職員によると、回収された物体は、レーダー反射板を備えた高高度気象観測用気球に似ていたとのことです。メッセージは、FBIによるそれ以上の調査は行われていない。と述べました(テレタイプメッセージのコピーは付録II)。
7月8日のメッセージの追跡のため、私達はFBIダラス事務所及びシンシナティ事務所の活動記録(1947年7月)のマイクロフィルム・アブストラクトを調査しました。1947年7月12日のダラスFBI事務所のアブストラクトは、7月8日の、メッセージを要約していました。シンシナティ事務所のアブストラクトにはロズウェル近郊での墜落・回収についての言及はありませんでした。
FBIメッセージの報告によれば、ロズウェルでの墜落残骸が検査のためにライト・フィールドに輸送されたとのことなので、私達は、そのような残骸の取り扱い規定が存在したかどうかを調べました。私達は、関連のある規則を見つけることができませんでした。最終ステップとして、私達は1947年から1950年の記録から、ライト・フィールド空軍資材軍団の人員が、この問題へ関係した証拠を探しました。私達は、ロズウェルでの墜落及び、空軍資材軍団の人員が墜落により回収された残骸を調査したことに言及している記録を見つけることができませんでした。
私達は、ロズウェルでの墜落に関する情報を持っているかもしれないいくつかの政府機関へ、政府記録を求める手紙を送りました。私達はDOD、国家安全保障会議、ホワイトハウスの科学技術政策事務局、CIA、FBIおよびエネルギー省と連絡をとりました。
国家安全保障会議、ホワイトハウスの科学技術政策事務局、およびエネルギー省は、ロズウェルでの墜落に関係のある政府記録を持っていないと答えました(返信のコピーは付録III、IVおよびV)。FBI、DODおよびCIAは次の情報を提供しました。
米連邦捜査局
FBIは、ロズウェル近郊での墜落に関するデータが、以前、事務局に寄せられた情報自由法(FOIA)の要請の下で処理済であると告げました。私たちはFBIのFOIA資料を調査し、ロズウェル近郊でレーダー反射板を供えた高高度気象観測用気球が回収されたという1947年7月8日付けのFBIテレタイプメッセージを見つけました(FBIからの返信のコピーは付録VI)。
国防総省
DODは『ロズウェル事件に関する空軍の調査報告書(Air Force Research Regarding the Roswell Incident)』というタイトルの1994年の空軍調査報告書が、ロズウェルでの墜落に関するDODの記録であると告げました。空軍の報告書は1947年7月にロズウェル近郊で何かが起こったことに関しては議論がないが、全ての公式情報は、回収された残骸が、プロジェクト・モーガルのバルーン・トレインのひとつであることを示していると述べます。ロズウェルでの墜落当時、プロジェクト・モーガルは、レーダ反射板と音響センサーを積んだ気球を使用使用し、ソビエトの核兵器を調査する最高機密のプロジェクトでした(DODからの返信のコピーは付録VII)。
中央情報局
1995年3月、私達の手紙に対し、CIA高官は、空飛ぶ円盤に関するCIAの初期の調査ではロズウェルでの墜落に関する何のデータも得られなかったと答えました。しかしながら、高官は、CIAが特にロズウェルに関係する記録を調べたかどうかははっきりしないと付け加えました。そのような状態で、高官はCIA職員にロズウェルに関係する記録を広範囲に調査するよう命じました。1995年5月30日、CIA高官は、CIAの全データベースから「ニューメキシコ州ロズウェル」という用語で検索した結果、衝突に関するCIA文書は得られなかったと告げました。
この報告書の草稿はコメントを得るため、DODに提供されました。DODからは報告書の変更提案及びコメントがありませんでした。National Personnel Records Center主任保管員から、記録管理の状況をはっきりさせる、いくつかのコメントを得ました。これらのコメントは、必要に応じて最終報告に取り込まれました。
CIA、エネルギー省、FBI、国家安全保障会議とホワイトハウス科学技術政策局も、それぞれの機関の活動を議論しているレポートから、抜粋を受け取りました。彼らからは本質的なコメントがないため、報告書には変更を加えませんでした。
1947年当時の飛行機事故報告に含まれる条件を明らかにするため、私たちは兵役記録管理当局にインタビューし、当時の軍の記録保持規則を検討し、陸軍航空隊と海軍飛行機事故報告を調べました。
また、私たちはロズウェルでの墜落に関するあらゆる政府記録を探しました。私たちはTable 1に示した場所を訪れ、調査を行いました。
| 訪問した場所 | 調査した記録 |
| National Archives, Washington, D.C. |
Air Force papers on unidentified flying objects Army Counterintelligence Corps historical files, 1947-49 |
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National Archives II, College Park, Md. |
Project Blue Book Special Report No. 14 National Security Council meeting minutes, 1947-48 |
| National Archives, National Record Center, Suitland, Md. |
Army Inspector General reports, 1947-58 Army staff intelligence correspondence, 1947-56 Headquarters Army Air Force message traffic, 1947-54 Army Air Force and Air Materiel Command (Wright Field) research and development files, 1947-50 |
| National Personnel Records Center, St. Louis, Mo. |
Morning reports for RAAF units, July 1947 Eighth Air Force messages, 1947-50 Eighth Air Force correspondence, 1947-51 Eighth Air Force weekly activity summaries, July 1947 Service records of key personnel assigned to RAAF, 1947 Project Signa investigative reports, 1948 Army Adjutant General correspondence, 1947-49 Missile test firing reports at White Sands, N. Mex., 1947-54 |
| Department of the Air Force, Washington, D.C. |
Current and past records management regulations Report of Air Force Research Regarding the Roswell Incident, July 1994 |
| Department of the Army, Washington, D.C. |
Current and past records management regulations |
| Department of the Navy, Washington, D.C. |
Air accident reports, July 1947 |
| Air Force Safety Agency, Kirtland Air Force Base, N. Mex. |
Air accident reports, July 1947 |
| Air Force History Support Office, Bolling Air Force Base, Washington, D.C. |
509th Bomb Group and RAAF monthly histories, July and August 1947 |
| National Security Agency, Fort Meade, Md. |
FOIA records, Citizens Against UFO Secrecy |
| Military History Institute, Army War College, Carlisle, Pa. |
Army Counterintelligence Corps reports, 1947 |
| Army Central Security Facility, Fort Meade, Md. |
Army Counterintelligence Corps reports, 1947 |
| Central Intelligence Agency, Langley, Va. |
Scientific Advisory Panel on Unidentified Flying Objects (Robertson Panel) report FOIA records, Ground Saucer Watch, Inc. |
| Federal Bureau of Investigation, Washington, D.C. |
FOIA records on unidentified flying objects |
| National Atomic Museum, Kirtland Air Force Base, N. Mex. |
509th Bomb Group historical information, 1947 RAAF base newspaper Atomic Blast, July and August 1947 |
政府記録の調査は、調査対象のいくつかの記録が見つからず、必ずしも説明を得られなかったという事実によって、複雑になりました。さらに、記録の保管や廃棄を定めた記録情報管理規則は不明であるか、私達のチェックした期間の間に変更されていました。私達は、国家安全保障会議、科学技術政策のホワイトハウス事務局、エネルギー省、FBI、DODおよびCIAに対し、ロズウェルでの墜落に関するどんな政府文書を持っているか質問しました。私達は、それらの文書による回答で得られた情報を、独立して確認することはしませんでした。
政府文書の物理的な調査に加え、彼らがロズウェルでの墜落に関する何か情報を持っていたかどうかを確かめるため、次の連邦機関に連絡を取りました。
私たちは、政府監査基準に従って1994年3月から1995年6月まで調査しました。
あなたが、この文書を公開するのでなければ、私達は報告書発行日の30日後まで公表する予定はありません。公表後は要望に応じて興味を持った者のためにコピーを利用可能にします。
このレポートに関して何か質問があるようでしたら、(202) 512-3504まで電話ください。この報告への主要な貢献者はGary K. Weeter (アシスタント・ディレクター)です。