2008/9/9 剱岳山行


北アルプス北部の剱岳へ行ってきました。
通常1泊のところを日帰りで歩ききりました。

タイムテーブル

場所時間
馬場島2:20
松尾平3:00
早月小屋6:00
7:00
2600m展望8:25
剱岳山頂10:15
11:15
2600m展望12:45
早月小屋13:45
14:00
馬場島17:00

ハンディGPSによる実測値

道中記

馬場島−早月小屋

前日、馬場島に入り車中泊。夜中、夜空は満点の星空。明日の好天を期待させる。
2時前に起きて準備していると、登山者が一人早月尾根に向かう。まだ9月の始めだがクマ対策のため一緒に歩きたいと思いすぐに後を追う。
2:25ヘッドライトを付け登山開始。取り付きから急登が始まるが、今日の工程は長いので疲れを溜めないようにゆっくり進む。何せ今日中にここまで戻ってくるのだ。

上弦の月であったので月明かりはまったく無いが、今回新調したヘッドライト「GENTOS HW−733」は一番暗いモードでも十分歩ける明るさがある。
ゆっくり歩いて10分ほど(標高差で80m位)で傾斜がゆるくなり松尾平までほどほどの傾斜が続き、ちょっと急な所を登りきると標高約1000mの松尾平だ。
松尾平は500mほどほとんど水平の道が続く、途中ベンチの置いてある場所からは剱が見えるようだが、この時間では真っ暗で周囲の様子はわからない。
水平な道が終われば急登がはじまり、この樹林帯の登りは標高2200mの早月小屋まで続くことになる。
この早月尾根のルートは200mごとに標識が出ており、早月小屋や馬場島までの距離が書いてある。この看板は登山道のポイントとしての目安にはなるが、表示されている標高は誤差が+−100mほどもあり標高は参考にならない。これは看板が休憩しやすい広くなった場所に設置されているのが理由のようだ。

松尾平のベンチから標高1600m位までは休憩に適した場所があまり無いようだ。道が広がり真ん中に岩がある場所で休憩し、水分を取る。風は無いが時間が早いので虫もおらず、気温も低い。あまり休憩していると足が冷えてくるのでほどほどにして歩き出す。
登山道は噂どうり、よく整備されていて歩きやすい。いたるところに土嚢が置いてあるが、登山者の歩きやすさを考慮した巧みな配置になっている。またこの辺りは切れ落ちた場所も無いので早立ちのヘッドライト歩きも余裕だ。5時前にヘッドライトを消す。

1700m辺りから木々が途切れた所から展望が利くようになる。
逆光の小窓尾根が美しいシルエットを見せる。このあたりから頂上まで早月尾根ルートは小窓尾根、剱尾根の眺望を楽しみながら登ることができる。

早月小屋への最後の急登の前に登山道脇に池糖がある。景色として綺麗な感じではないが、水は澄んでいるようだ。覗いて見ると黒いサンショウウオが大量にいた。
馬場島−早月小屋の標高差が約1400mあるが、ここから最後の150m程は、取り付き直後の急登とならんで早月尾根ルートで最も傾斜のある部分のようだ。
汗だくになり登りきると、藪が急に開け小屋の脇の丘にでる。ここからの眺めは素晴らしい。風も心地よく、汗を乾かす。まだ時間も早いのですぐに寒くなってくる。厚いトレーナーを着て写真撮影開始。
頂上に向かって伸びる早月尾根はほんの100m程先から突き上げるので圧迫感がある。



日本海側は雲海が広大に広がっている。
大日岳−奥大日岳は朝日に焼けており、鞍部には大日小屋が見える。
剱岳−奥大日岳の釣り尾根の向こうに立山が見える。



北側には毛勝山(2414m)、釜谷山(2415m)、猫又山(2378m)が一纏まりの山塊となって朝日を受けている。
白ハゲと小窓尾根の間(大窓部分)から白馬鑓ヶ岳が見える。
赤ハゲの左に見えるのが、清水岳だ。(写真は下りに撮ったもの)


小窓尾根から朝日が昇る。


丘の直下に早月小屋があり、丘からは下りなら2分で着く。


早月小屋−剱岳

早月小屋の脇を通り、テント場の中を歩いていくとすぐに登りとなる。小屋までの道と同じように樹林帯の登りであるが、小屋までの道に比べて少し尾根っぽく感じる。ほとんど尾根の頂点を登っていく感じで、頂上に向かって始めは尾根の頂点の左側を登っていき、頂点を乗っ越しすぐに右側の斜面となるような感じだ。

この登りを30分ほど行くと、ついに樹林帯を抜け、這い松の尾根となる。
一気に視界が開け、まさに北アルプスの山といった感じだ。
早月尾根は大きな尾根であるが、上部は痩せており、右は大谷、左は池ノ谷と両方とも急斜面で高度感抜群だ。
ただしこのあたりはまだ豊富に這い松があり、登山道の両側を覆っているので恐怖感はまったく無い。
樹林帯は暑かったが、このあたりは背の高い木は皆無なので、風が心地よい。



空には雲ひとつ無い天気で、大日岳から剱まで良く見える。尾根の向こうには立山、高度が上がると弥陀ヶ原や室堂も良く見える。



反対側の池ノ谷側は、目の前に剱尾根が迫っている。小窓尾根に負けない見ごたえのある尾根である。



振り返ると早月小屋が見える。
早月尾根から毛勝山は順光になる。




2600mの標識の一段上(標識から5mほど大谷側)に展望の利く広場がある。休憩に丁度良い。


2800m付近までは気持ちのいい這い松帯が続く。
2800mの標識を過ぎると、いよいよ這い松も無くなり岩ばかりの道となって鎖場も出てくる。
2箇所ほど大岩の池ノ谷側をトラバースする箇所が難所であるが、いずれも鎖がついているので落ち着いて渡れば危険は無い。
別山尾根と合流すると数分で剱岳山頂に到着する。
10時を過ぎてさすがに、もやってきたが快晴の天気である。


地獄谷と室堂と弥陀ヶ原
室堂の向こう側に赤茶けた薬師岳。


立山の向こうに槍・穂。


針ノ木岳の向こうには富士山。



この角度からの鹿島槍は美しい。



北アルプス北部の稜線。唐松、天狗、白馬三山。



振り返ると、大日岳。毛勝山。



山頂からの八ツ峰もすばらしい造形美を見せる。


平日であるがさすが剱、別山尾根からの登山者で山頂が静かになることはない。まったく年寄りのグループはうるさくてかなわない。
源次郎尾根からのパーティも上がって来た。さすがにこの方たちは静かに山頂からの眺めを楽しんでおられた。


すれ違った人数などから考えて、この日早月尾根から山頂に立ったのは10人以下だと思う。
長丁場で水場が無いことから登山者は少ないが、天気さえ良ければ2400mから山頂まで終始快適な尾根歩きが出来る楽しいコースだ。
下りはゆっくり下って、小屋まで2時間30分。小屋下が3時間程度。
上部は鎖場もあるので時間短縮はあまり期待できないが、小屋下は走れば1時間30分で下りられそうだ。