青空とそよ風と大地と
   烏骨鶏のことは   
目次
(1)烏骨鶏など  
(2)鶏の指(ゆび)数  
(3)人工孵化は  
(4)転卵を自動化して  


 烏骨鶏うこっけいとともに採卵鶏の「イサ・ブラウン」やそれ以外の日本鶏とともに平飼いしている内に、いろいろな雑種の鶏が生まれてきた。 なかには、受精卵を手に入れてきた烏骨鶏の純系もいる。
 それらの鶏から得られる卵は、すべて(いわゆる有精卵ではなくて)受精卵である。 取り忘れると、孵化へのプロセスに進んでいる卵を得ることになる。 毛蛋マオダンまでにはなっていないが・・・。

(1)烏骨鶏など

抱卵中
 烏骨鶏は、抱卵が上手である。 生んだ卵をそのままにしておけば、上手に孵化してくれる。
 いろいろな鶏種を平飼いにしているので、その卵はそれぞれの牝鶏と牡鶏による雑種になっている。 親鶏子鶏の「育ての」親鶏は烏骨鶏であっても、「実の」牝の親鶏は雑種化していない烏骨鶏とは限らないし、子鶏も、当然、雑種であることが多くなってきた。 雑種化した烏骨鶏は、純粋の烏骨鶏とは違って、孵化させることが不得意であるように思われる。 雑種化が進んできたので、最近は烏骨鶏の受精卵を手に入れてきて、それを孵化させることが多くなってきた。
鶏さん一家

(2)鶏のゆび数は

新聞記事
2011年(平成23年)4月26日(火)
朝日新聞(名古屋)朝刊37面
 普通の鶏の指は、確かに4本である。
 烏骨鶏の足の指を見ると、記事で指摘されているように、5本ある。 今まで気がつかなかった。
 烏骨鶏の血を引く雑種鶏の足を見てみた。 写真の雑種では、向かって左側の足(右足)の指は、8本(赤丸)もある。 そのうちの6本は明瞭であり、あとの2本は触ると細い骨が指状にあるのがわかる。
 向かって右側の足(左足)の指でも、カメラのアングルがよくないので見にくいが、7本(青丸)ある。
 雑種鶏では、記事にある(原因となる遺伝子が活発に働いて、その遺伝子がコードしている)タンパク質が、より過剰に産生しているのであろうか。

普通の鶏の指

烏骨鶏の指

雑種鶏の指

(3)人工孵化は

手製の孵卵器

自然親鶏による孵化
(白:2羽、黒:6羽)
 烏骨鶏は抱卵が上手であるが、ここで、手作りの孵卵器を使ってみた。 温度はサーモスタットを使って、38度にしている。 転卵は、手でおこなっている。
 その結果は、1個も孵化しなかった。 親鶏は偉大である。

(4)転卵を自動化して

改良した孵卵器
 以前に使用した孵卵器は、転卵を手でおこなう形式であった。 それでは、転卵は朝、夕、夜の3回程度であって、時には転卵できなかった日もあった。 それが孵化させられなかった最大の原因であると思われる。
 そこで、転卵の自動化を図った。 1日に10回以上、短時間、卵を回転させる機構を付加することである。
 回転のタイミングは、24時間タイマーを使うことにする。 タイマーの負荷側を100ボルトリレーのコイル側に繋ぐ(*1)。 リレーのオンオフ接点側は、乾電池と小型モーターからなる回路に接続する。 乾電池1個で動作する模型工作用の小型モーターギアボックスを使って、転卵のための回転を得る。 回転させる時間は、24時間タイマーのオン時間によって決められる。 一回の転卵で角度にして90度程度の卵の回転を予定しているので、回転時間は数秒から数十秒である。 1日に10回以上の回数を秒単位でオンできる24時間タイマーとしては、機械式では不可能であるので、デジタル式のプログラマブルタイマーを選ぶ。 回転速度は、ギアボックスの減速比によって変えられる。 数千分の1の減速比で使うので、小出力のモーターであっても充分な回転トルクを得ることができる。
 左側写真の左端に写っているのが、この回転の駆動機構の一部である。 その右側の丸棒が、回転するようになっている。 それの回転によって、卵が回ることになる。
 

(*1) 100ボルトの電気工作に自信がない場合には、12ボルト用リレーを用意する。 24時間タイマーの負荷側に12ボルト電源アダプターを差し込んで、その電源出力を12ボルト用リレーのコイル側に繋ぐ。
 リレーを使わないで、電源アダプターからの電流を、模型工作用の小型モーターに直結する方法も考えられる。 このときは、電源アダプターの出力電圧は、そのモーターの適正使用電圧と一致していなければいけない。 しかし、模型用モーターは乾電池1〜2個で使用する仕様であるため、適切な電源アダプターを入手することは、難しいかも知れない。 電源アダプターから出力される電圧が表示よりも高めになっていたり、その出力電圧が完全に平滑されていなくて微細な変動を示すことがある。 長期間の使用によって、直流モーターが損なわれる可能性が考えられる。 電圧レギュレーターと平滑コンデンサーを使用した電子回路を付け加えることでこのことを解決できるとしても、ある程度の電子回路に関する知識が必要である。 リレーを使わないで、モーターに直結する方法は、勧められない。

 

孵化

孵化後の卵

2日後のヒヨコ

里鶏の羽の下に
 
一週間が過ぎて
 この孵卵器に入れて21日間が経過した。 1個も孵化する兆候がない。
 更に2日程経過して23日と10時間後、念願のヒヨコが孵化した。 親鶏が抱卵したときには21日であったから、孵化までの時間が長くなっている。 孵化器の温度(*2) が、ちょっと低かったかも知れない。
 孵化したヒヨコは、親鶏に任せることにする。 里親である。 幸いなことに、親鶏はヒヨコを受け入れてくれたようである。 夜間には、親鶏の羽の下に潜り込んでいるので、寒さ対策を考えなくても良い。
 今後、転卵機構の改善と、孵化器温度の最適化を図って、もう一度挑戦したい。
 

(*2) 水温と比べると、気温の測定と制御は、非常に難しい。
 水と違って空気は、
(1)熱容量と熱伝導度が小さい
 温度計のセンサー部分の熱容量が大きいと、センサー部分が気温になるまでに長い時間を要する。 気温が100度に近い(と温度計が示しているが、実際の気温はもう少し低い)サウナの中にいても火傷をしないということで実感できると思われるが。 したがって、温度計が示している値が、現在の気温ではないこともある。 熱容量の大きなセンサーを使うと、気温が細かく変動しているにも係わらず、(時定数が大きいので)その変動に追従しない平均気温を示すような温度計になる。
(2)輻射熱の影響を受け易い
 水の時には輻射熱はそれに吸収されてしまってセンサーまで届かない。 空気ではそのようなことがないので、(加熱用ヒーターなどの)高温源があると、輻射熱の影響を受ける。 冬季の早朝にたき火にあたると、気温は低いままであるが、体は暖かくなることが良い例である。 輻射熱によってセンサーが暖められて、気温よりも高い温度を示してしまう。
 これらのことが、気温測定用の温度計だけではなくて、サーモスタットでも生じる。
 それでは、加熱用ヒーターからサーモスタットへの輻射熱を完全に遮ってしまえば良いかと言えば、上に述べたことに反するが、そうしない方が良いこともある。 それはサーモスタットの感度が悪いときである。 温度が低くなって接点がオンになる温度と、高くなってオフになる温度の差が、大きい場合である。 このときには、少しばかりの輻射熱をサーモスタットへ当ててやって、実際の気温よりも低い温度で接点をオフする手法である。 オンになる温度は決まっているので、その温度から少し上がった時点でオフしてしまうことになる。 当たる輻射熱の量が少なすぎると、オフになる温度は高い目になる。 多いと、オンになって即にオフしてしまう。

 サーモスタットのセンサーに輻射線があたると、センサー感温部の温度は気温よりも高くなる。 高くなる程度は、センサーにあたった輻射線量に比例する。 サーモスタットがオフになる気温は、輻射線の量が多い程、低くなる。 サーモスタットがオンになる気温は、ヒーターがオフであって輻射線量が"零"になっているので、どの場合でも、設定した温度である。 サーモスタットのオンとオフの温度差は自由に変えられることになるが、あてる輻射線量が非常に多いと、オンになっている時間がかなり短くなってしまう。 ヒーターによる加熱時間が短いので、電源を入れた直後では装置の温度の上昇が緩慢になって、目指す温度になるまでに長い時間が必要になってしまう。 そのようなことから、最適な輻射線量が存在する。
 加熱用ヒーター、サーモスタット、温度計の配置に、細心の注意を注がなければならない。
 人工孵化に関する記事では、孵化温度を0.1度の精度で制御せよとの記述が見られる。 しかし、卓上の孵卵器という大きさの容器で、その精度を実現することは難しいと思っている。 デジタル制御で孵卵器内の温度が表示されてその温度で制御されているように見えるとしても、それは、輻射熱を含めたセンサーが感じている温度での制御であろう。 孵卵器内の温度は、それとは違っているかも知れない。 そうであったとしても、親鶏が0.1度単位で抱卵しているとは思えない。 小さな体の烏骨鶏が10個以上の卵を抱卵し、冬季に正常に孵化させる様子からは、もう少し大雑把な温度でも良いのではと推測している。 もっとも1度以上もの違いがあっては、不都合な気がするが・・・。

 

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