 |
JST Clock |
資料集(北海道洞爺湖サミット)
第34回主要国首脳会議
(北海道洞爺湖サミット)
第34回主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)のメーン会場となる「ザ・ウィンザーホテル洞爺」。後方は洞爺湖
資料集2008年7月10日編集
北海道洞爺湖サミット(7〜9日) 「環境」と「食糧」テーマ
2008.7.2 08:47
第34回主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)のメーン会場となる「ザ・ウィンザーホテル洞爺」。後方は洞爺湖
主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)首脳会合が7日から3日間の日程で開かれる。1975年、フランス・ランブイエで第1回サミットが開かれて以来、34回目となる今回のサミットでは、地球環境・気候変動、食糧や原油価格高騰、アフリカ・開発、不拡散体制強化などが主要テーマとなる。日米英仏伊と西ドイツ(当時)の6カ国で始まったサミットは、その後、カナダ、ロシアが加わり、G8体制となった。ここ数年は中国、インド、ブラジルなどの新興経済国やアフリカ各国の首脳との対話も行われる。G8だけでは解決できない地球規模の問題への取り組みが求められている。
■福田首相「成果」へ意欲
「父を尊敬してやまない福田康夫首相には、サミットへの特別な思いがある」
首相の出身派閥である自民党町村派のベテラン議員はこう解説する。父の故赳夫元首相は昭和53年(1978年)、故大平正芳首相に自民党総裁選で敗れ、東京サミットを目前に政権を追われた。当時、父の秘書官だった首相は議長として洞爺湖サミットを成功させることで、約30年来の父の「無念」を晴らしたいところだ。
内閣支持率が低迷する中、世界の注目を集める華々しいサミットは首相にとって、政権浮揚への格好の外交舞台にもなる。
「派手なパフォーマンスを嫌う調整型政治家」(自民中堅議員)とのイメージが強い首相だが、ことサミットに向けては果敢な「攻め」の姿勢をみせてきた。
窮屈な国会日程の合間を縫って6月上旬に、サミットの地ならしのために5日間でドイツ、英国、イタリアの欧州3カ国を駆け足で回った。ローマで開かれた国連食糧農業機関(FAO)主催の「食糧サミット」にも出席し、食糧増産を目的とした約5000万ドル(約52億円)の追加支援などを表明した。
政府の「地球温暖化問題に関する懇談会」の政策提言を待たず、温暖化対策に関する「福田ビジョン」を発表し、温室効果ガスの排出枠を売買する国内排出量取引制度の導入をぶち上げた。
「政治的な成果を得たいと思っている。これはG8(主要8カ国)における責務だ」
首相は6月17日のG8の通信社首脳によるインタビューで、自身の意気込みをこう強調してみせた。
自民党内の一部では「サミット花道論」もささやかれているが、「首相はむしろ、サミットを機に政権基盤を一層固めていく腹積もりだ」と周辺は言い切る。(政治部 杉本康士)
【洞爺湖サミット】アフリカ拡大会合でスタート、食料問題も議論
2008.7.7 10:20
朝から雨空のサミット初日=7日午前9時30分、北海道留寿都村の国際メディアセンター (門井聡撮影)
過去最大の22カ国が集う主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)は7日午後、主要国(G8)とアフリカ諸国との拡大会合でスタートする。3日間の討議では気候変動対策、市民生活を脅かす原油や食糧の価格高騰への対策が焦点となる。
初日の昼に始まる拡大会合には、招待国としてアルジェリア、エチオピア、ガーナ、ナイジェリア、セネガル、南アフリカ、タンザニアが参加。貧困層への影響が深刻な食糧問題などでアフリカ側が現在の状況を説明し、世界経済を牽引するG8に対応を求める。
日本は拡大会合で、5月に横浜で開催した第4回アフリカ開発会議(TICADIV)の成果を報告する。サミット開幕に先立ち6日に行った日米首脳会談では、主食用の農産品の生産倍増や、保健分野の支援協力などで合意しており、G8や招待国に対しアフリカ支援の方向性を鮮明にする。
G8だけの首脳会議となる8日は、午前中に原油価格高騰など世界経済の課題を話し合い、昼食会合では気候変動対策を討議する。午後はアフリカ支援や食糧問題で意見を交わし、夜にはテロや核不拡散などの政治問題について話す。
【洞爺湖サミット】ミサイル防衛などを協議、米露首脳が初顔合わせ
2008.7.7 12:35
米国のブッシュ大統領(写真左=UPI)、ロシアのメドベージェフ大統領(UPI)
来日中のブッシュ米大統領は7日、主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の会場内で、ロシアのメドベージェフ大統領と会談した。5月のメドベージェフ政権発足後、米露首脳の会談はこれが初めて。両首脳はウラン濃縮活動を強行するイランへの対応など国際課題のほか、東欧への米ミサイル防衛(MD)システム配備計画など、米露間の懸案で意見を交わした。
資源エネルギー価格の高騰が続くなか、産油国として国力を増すロシアの新首脳と、米首脳がどのような駆け引きをみせるかが注目される一方、前大統領のプーチン首相の強い影響下にあるメドベージェフ大統領が、対米関係進展の行程表(ロードマップ)である「戦略的枠組み宣言(ソチ宣言)」を踏まえつつ、米国を相手にどう独自色をにじませるかも問われる会談となった。
MDの東欧配備計画について、米側はイランなど脅威に備える目的を強調し、ロシアの弾道ミサイルの無力化を図るものではないと説得を続けてきた。しかし、プーチン前政権の反発は激しく、4月のソチ会談でも進展はなかった。
イランの核開発については、平和利用に限定することで米露の基本認識は一致しており、兵器開発の阻止に向けた対応を検討や、世界貿易機関(WTO)へのロシア加盟問題、米露の原子力協力も議題になったとみられる。
【洞爺湖サミット】警備にセグウェイ登場
2008.7.7 08:54
北海道洞爺湖サミットの国際メディアセンター(IMC)で、会場警備で活躍しているセグウェイ
サミット用の「国際メディアセンター」がオープン。周辺を「セグウェイ」に乗った警備員が警戒する=7月5日、北海道留寿都の「ルスツリゾートホテル」(大井田裕撮影)【洞爺湖サミット】「国際メディアセンター」(IMC)がオープン。
「世紀の発明」と話題になりながら、鳴かず飛ばずだった電動式立ち乗り2輪車「セグウェイ」が北海道洞爺湖サミットの取材拠点である国際メディアセンター(IMC、留寿都村)で、会場警備に活躍している。もの珍しさもあってか、報道陣の取材にも引っ張りだこだ。
警備を担当する警備会社によると、今回のサミットでは、通常用と山道にも対応できるオフロード用の計3台が使われている。小回りがきくうえ最高時速20キロと自転車並のスピードが出る、視線が高くなり視認性が高まる、巡回の際の体力の消耗度が少なく追跡時の力を蓄えておけるなどの利点があるという。
費用は1台100万円前後で、電気自動車などと同じ「電動式」なので、サミットの主要課題のひとつ、CO2削減にもなることから試験的に採用した。警備会社の担当者は「今後は空港や大学のキャンパスなど広い範囲の巡回警備が必要な施設で使われる機会が増えるのではないか」と話している。
サミット取材拠点のの国際メディアセンター(IMC)で、会場警備に活躍しているセグウェイ
【洞爺湖サミット】東京都庁舎では金属探知器で警戒強化
2008.7.7 13:31
金属探知機を通る展望室の利用客=7日、東京都庁(山本雄史撮影)
主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)が開幕した7日、東京都は都庁舎(新宿区)1階の展望室に向かうエレベーター前に金属探知機を設置、サミット開催中は出入り口をほぼ半分の5カ所に限定するなど、警戒態勢を強化している。
これまでも展望室利用者の手荷物検査を実施しているが、万全の警戒態勢を敷くため、金属探知機を設置した。
都は、5日から都庁舎の出入り口で、警備員が来庁者のかばんの中身をチェックする手荷物検査を開始。都庁舎は通常は出入りが自由で、手荷物検査の実施は異例の措置という。
【洞爺湖サミット】IMCで拉致漫画を配布
2008.7.7 13:00
横田めぐみさんを主人公にした漫画『めぐみ』の英訳版
政府は、主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の取材拠点となる国際メディアセンター(IMC)で、北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさんを主人公にした漫画『めぐみ』(双葉社刊)の英訳版と、これを原作にしたドキュメンタリーアニメのDVDを配布している。
漫画の英訳版は、今年3月末に刊行されたもので、IMCには500部用意された。「世界各国から集まる報道陣に拉致問題を知ってもらい、取材のきっかけにもしてもらう」(拉致問題対策推進本部)のがねらいだ。
6月末に京都で開かれた主要8カ国(G8)外相会合でも100部が配られ、「さまざまな配布資料の中で、『めぐみ』は一番関心を集め、すぐに品切れになった」(同)という。
【洞爺湖サミット】食料支援を10億ユーロ追加 EU委員長表明
2008.7.7 12:25
記者会見で発展途上国に対する追加の食料支援を表明するバローゾ欧州委員会委員長
=7日午前、北海道洞爺湖町
欧州委員会のバローゾ委員長は7日、北海道洞爺湖町で記者会見し、発展途上国に対し、追加的に10億ユーロ(約1700億円)の食料支援を表明した。食料価格の高騰で、途上国を中心に食料調達に不安が高まっており、欧州連合(EU)として支援姿勢を強める。
栄養補給などを目的とした食料支援をはじめ、中長期的に肥料や穀物の種などを入手しやすくするための対策を実施。農作物の収穫を増やすための取り組みも後押しする。これまでに8億ユーロの支援方針を公表済みで、合計で18億ユーロを2009年までに実行する。
同委員長は主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)で来日した。(共同)
【洞爺湖サミット】テロ警戒最高レベルに 警視庁が2万1千人動員
2008.7.7 11:23
北海道洞爺湖サミット警戒のため、JR東京駅構内で警備に当たる警察官=7日午前
北海道洞爺湖サミット当日の7日、警視庁はテロ警戒を最高レベルに引き上げた。公共交通機関や大規模集客施設などを中心に約2万1000人が警備に当たった。
JR東京駅構内は警察官が数十メートルおきに立って頻繁に巡回し、緊迫感がみなぎった。爆弾テロ防止のためコインロッカーやごみ箱は使用中止。警察官は、通常は腰に着ける特殊警棒を手に持って警戒した。
過去に開催地から離れた首都で交通機関を狙ったテロも発生しており、警視庁は「警備の主戦場は東京」を合言葉にしている。
【洞爺湖サミット】「グローバリズムに反対」 150人が抗議デモ
2008.7.7 11:07
反サミット団体によるデモ行進=北海道豊浦町、7日午前8時15分(鈴木健児撮影)
主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)開催に反対し、洞爺湖周辺でキャンプしていた市民団体や非政府組織(NGO)メンバー計約150人が7日、集会を開催、サミット会場に向けデモを行った。
「G8サミットを問う連絡会」が呼び掛けたもので、午前8時すぎ、小雨の中、約50人が豊浦森林公園を出発。警察官約50人に囲まれながら「サミット反対」と声を合わせ進んだ。
東京から駆け付け、デモに参加した作家、雨宮処凛さんは「反貧困」と書かれた旗を掲げ「貧困を拡大させている先進国が貧困について話し合っても何の意味もない」と訴えた。
壮瞥町では午前9時半、先住民族の権利回復などを訴え伊達市でキャンプしていた市民団体も合流。「グローバリズムに反対」などのゼッケンを着けた約100人が牧草地で集会を開いた。
【洞爺湖サミット】カナダ首相が交流行事参加 伊達市の子どもサミット
2008.7.7 10:39
子どもたちの見送りを受けて「だて歴史の杜カルチャーセンター」を出発するカナダのハーパー首相夫妻=7日午前10時50分、だて歴史の杜カルチャーセンター(代表撮影)
カナダのハーパー首相夫妻が7日午前、北海道伊達市を訪れ、来日中のカナダ・レイクカウチンの中学生らと伊達市立大滝中の生徒による「カナダ・日本子ども環境サミット」に参加した。
伊達市と平成18年に合併した旧大滝村が、レイクカウチンと姉妹都市関係を結んで今年で20周年。その縁から同市が北海道洞爺湖サミット期間中の交流事業を希望していた。
子ども環境サミットの会場入り口では、幼稚園児約300人が並び、大滝中の生徒が和太鼓を演奏して首相夫妻を歓迎。会場内には、明治時代にこの地域を開拓した仙台藩亘理伊達家ゆかりの甲冑(かっちゅう)や鏡が展示されている。
【洞爺湖サミット】生活を変えよう 省エネ家電で家庭から温室ガス削減
2008.7.7 08:17
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実施している実証試験の一貫で、太陽光発電が集中的に設置された群馬県太田市の住宅地
■省エネ家電で家庭から温室ガス削減
温暖化対策が正念場を迎えている。工場などの産業部門が省エネ化を進め、この30年余りにわたって最終エネルギー消費を横ばいで推移させてきたのに対し、業務ビルや家庭のエネルギー消費の増大に歯止めがかからないためだ。この結果、平成18年度における日本の温室効果ガス排出量は平成2年度比で6・4%増加した。2年度比で「6%減」という京都議定書の排出削減目標の達成には家庭部門の排出削減が問われており、ライフスタイルの見直しも迫られそうだ。
「2012(平成24)年を目指し、すべての白熱電球の省エネ電球への切り替えを進めていきます。蛍光灯型電球に換えることで必要な明るさを保ちながら、消費電力は5分の1、寿命は10倍になります」
福田康夫首相は6月9日、日本記者クラブの講演の中で、家庭用の省エネがもたらす「お得感」を強調しながら具体的な省エネ施策を打ち出した。
省エネ家電の普及にはメーカーや家電量販店なども賛同している。経済産業省の後押しもあって昨年には省エネ家電普及促進フォーラムが設立された。そして今年5月には「省エネあかりフォーラム」を設けて電球形の蛍光ランプ普及に乗り出した。
北海道洞爺湖サミット特集 湖面を覆う霧払え
2008.7.6 10:27
額賀福志郎財務省が議長を務めたG8財務省会合=6月14日、大阪市北区の大阪国際会議場(ロイター)
7日から3日間の日程で開催される主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)では、温暖化防止だけでなく、地球規模の幅広い問題が討議される。とくに米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)や世界的な原油高騰、食糧問題などに対する参加各国の関心は高いだけに、具体的な解決策をどこまで示せるかが焦点になりそうだ。
▼金融
≪インフレ抑制 待ったなし≫
Finance(金融)、Fuel(燃料)、Food(食糧)−。今回のサミットでは世界経済を揺さぶる「3つのF」に主要国がどう対応するかが問われている。
米国のサブプライムローン問題をきっかけにした信用不安は一時に比べて落ち着きを取り戻してきたが、「まだ安心できる状態ではない」(額賀福志郎財務相)というのが主要国(G8)各国の共通認識だ。サブプライムローン問題を背景にした金融不安で金利を引き下げた米国のドルの信認が低下。これに代わって原油や穀物などの商品市場に資金が流入し、原油や食糧価格の高騰を招いており、世界はインフレ圧力にさらされている。
サミットの準備会合として、6月13、14日に大阪で開かれたG8財務相会合では、インフレ圧力の増大に懸念を示すとともに、世界経済の安定成長に向け、各国が協調することで一致した。
北海道洞爺湖サミット特集 具体策沈ませるな
2008.7.6 10:11
第4回アフリカ開発会議の閉会式で「横浜宣言」を採択し閉会を宣言する福田首相
▼食糧
≪価格安定重要性 強調へ≫
世界的な穀物価格の高騰を受けて、洞爺湖サミットのテーマに急浮上したのが食糧問題だ。サミットでは価格高騰による食糧不足や生産国による輸出規制の解消を目指し、食物を使わない新たなバイオ燃料の開発や、穀物商品市場に流れ込む投機資金の規制など包括的な対策を検討する。
穀物価格の値上がりは、トウモロコシやサトウキビなどバイオ燃料向けの需要のほか、中国などの新興国で富裕層が台頭し、食文化の向上に伴って飼料用の穀物需要が急速に増えたのが要因だ。そこに米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題で金融市場から逃げ出した巨額の投機資金が流入し、価格をさらにつり上げている。
なかでも麦価格の急騰は、途上国などの食糧不足に直結しているほか、農業生産国では自国での供給確保や物価高を抑制するため、海外への輸出規制に踏み切るケースも出るなど日本の食卓にも暗い影を落としている。
このため、サミットでは食糧価格の安定の重要性などを盛り込んだ声明を発表する見通しだ。この中では輸出規制に対する問題提起や、穀物商品市場での投機的な動きを牽制(けんせい)するメッセージも打ち出すとみられる。
東京株、小幅安で始まる サミット議論見極めムードも
2008.7.7 09:33
前週末まで終値で12営業日続落している東京株式市場は、7日午前も売買の手掛かりを欠き、小幅安で始まった。
日経平均株価は午前9時10分現在、前週末終値比34円95銭安の1万3202円94銭、東証1部全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)は同3・73ポイント安の1294・15。
北海道洞爺湖サミットで各国首脳が原油高やインフレへの対策を話し合うのをにらみ、会議の内容を見極めたいとのムードも漂う。7日も終値が下落すれば、昭和29年の15日連続に次ぎ、同24年の13日連続と並ぶ過去2番目の続落記録となる。
サミット拡大「不支持」、米ホワイトハウス報道官
2008.7.7 08:18
米ホワイトハウスのジョンドロー国家安全保障会議(NSC)報道官は7日、同日からの主要国(G8)首脳会議(北海道洞爺湖サミット)に出席するフランスのサルコジ大統領が「G8拡大論」を提唱していることについて「米国は支持しない」と明言した。共同通信に語った。
サミット拡大論に対し、米政府が明確な立場を公式に示したのは初めて。G8の参加国拡大については日本も難色を示している。G8の中核的立場にある日米両国が消極的な姿勢を示したことで、近い将来の拡大実現の可能性は遠のいた。
報道官は不支持の明確な理由には触れなかったが、参加国拡大で議論が拡散、サミットが求心力を失う可能性を危惧しているとみられる。福田康夫首相も六月、サルコジ大統領と会談した際「G8は少人数の首脳による率直な意見交換の場」と述べている。(共同)
サミット前夜の洞爺湖町
2008.7.6 22:07
国際メディアセンターには多くの外国人記者が集まり、明日の開幕に備えていた
=北海道留寿都、6日午後(鈴木健児撮影)
主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)を翌日に控えた6日、各国首脳が続々と洞爺湖入りし、報道陣の取材拠点となる「国際メディアセンター」(留寿都村)にも海外メディアが陣取り、本格的な活動をスタートさせた。一時は警備が厳しいと客足が遠のいていた洞爺湖町も政府関係者などでにぎやかさが戻ってきた。町はこのにぎわいをサミット終了後も継続したいと「アフターサミット」に勝負をかける。大舞台の前夜を追った。
■海外メディアの目
国内外のメディア5000人が登録している国際メディアセンター。5日のオープン当初は590席ある共用スペースもがらんとしていたが、日米首脳会談が行われた6日夕にはほとんど埋まっていた。
エチオピアのフォーチュン紙のマイケル・チェバド編集長は「サミットがなければ北海道に来る機会はなかった。日本のホスピタリティーもすばらしい」と満足げだ。一方、ロシアの経済誌「プロファイル・マガジン」のスェルラマ・ババエバ記者は「英語を話せるスタッフが少ないし、警備が厳しすぎる。関心があるのは国際経済とメドベージェフ大統領」と切り捨てた。イタリアの日刊紙の記者は「ジンバブエ、地球温暖化、食糧危機を報じるつもりだ。日本には関心がない」と辛口だった。
【福田日誌】6日
2008.7.7 02:37
【午前】8時27分から30分、公邸玄関前で報道各社のインタビュー。30分、公邸発。55分、羽田空港着。9時16分、北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)出席のため、貴代子夫人とともに政府専用機で羽田空港発。10時34分、新千歳空港着。56分、陸上自衛隊ヘリコプターで同空港発。11時23分、北海道洞爺湖町の牧場「レークヒル・ファーム」着。25分、同所発。35分、同町の「ザ・ウィンザーホテル洞爺」着。
【午後】0時48分、ザ・ウィンザーホテル洞爺発。1時9分、北海道留寿都村の「国際メディアセンター」着。デジタル地球儀「触れる地球」やエコカーなどを視察。2時6分、同所発。36分、ザ・ウィンザーホテル洞爺着。3時33分、ブッシュ米大統領との首脳会談開始。4時46分、ブッシュ米大統領との首脳会談終了。5時12分から43分、日米共同記者会見。6時5分から47分、カナダのハーパー首相と首脳会談。7時7分、貴代子夫人とともに、ブッシュ米大統領夫妻との夕食会に出席。8時39分、夕食会終了。
【福田日誌】7日
2008.7.8 03:15
【午前】10時30分から11時18分、宿泊先の北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺でブラウン英首相と首脳会談。30分から55分、メルケル独首相と首脳会談。
【午後】0時33分から53分、主要8カ国(G8)、アフリカ7カ国、国際機関各首脳を出迎え。56分から2時9分、G8、アフリカ7カ国、国際機関各首脳とのワーキングランチ。11分から12分、G8、アフリカ7カ国、国際機関各首脳との記念撮影。30分から4時6分、G8、アフリカ7カ国、国際機関各首脳との拡大会合。30分から55分、南アフリカのムベキ大統領と会談。5時6分から37分、アルジェリアのブーテフリカ大統領と会談。45分から6時14分、ナイジェリアのヤラドゥア大統領と会談。7時4分から46分、貴代子夫人とともにG8首脳らとの七夕行事、YOSAKOIソーラン鑑賞などの歓迎レセプションに出席。8時5分、G8首脳らとの夕食会開始。9時35分、夕食会終了。
【明日へのフォーカス】編集委員・高畑昭男 サミット覆う「不安の霧」
2008.7.8 03:14
北海道洞爺湖サミットの首脳たちが宿泊する「ザ・ウィンザーホテル洞爺」に、2泊ほどしたことがある。サミット会場に決まった直後の昨年5月のことだった。
ホテルの売り物の一つは、豪華な吹き抜けのロビーだ。窓側は天井から床まで高価な一枚ガラスで仕切られ、絶景のパノラマが広がる。シャンパングラスを手にした首脳や夫人たちがここで華やかな社交外交を展開するのか−などと勝手に空想をめぐらせた。
だが、標高600メートル余のパノラマは、周囲が霧や雲に閉ざされると一転、不透明で不安げな世界に変わる。暗い湖面に浮かぶ中の島が不気味な怪獣の姿に見えて胸騒ぎを覚えた。実は、サミットを見守る人々の心にもそんな不安の霧が渦巻いてはいないか。
胸騒ぎの第1は、参加首脳たちが自信と元気に満ちているとは言いがたいことだ。議長役の福田康夫首相とブラウン英首相は、国内の支持率が2割台と低迷中だ。任期があと半年のブッシュ米大統領と、就任1年を過ぎたサルコジ仏大統領は30%台。ハーパー加首相も含めて、8首脳中5人までがいわば国民との十分な「共鳴力」を欠いた状態にあるのだ。
第2は、世界を覆う悲観ムードだ。先月、米調査機関が発表した世界24カ国対象の国際世論調査によると、4分の3にあたる18カ国の市民が自国経済に深刻な「先行き不安」を訴えた。また、政治も含めた国家の現状全般を「不満」とする意見は米仏で70%、英独でも6割を超えていたという。
政府は国民への訴求力を欠き、国民は国家の先行きに不安や不満を募らせる。世界を見渡して、誰もがうなずく指導者がいない。国際社会の中心にポッカリと「リーダーシップの空白」というべき巨大な穴があいた状態だ。レームダック(死に体)といわれるブッシュ大統領の米国だけでなく、今の世界は「誰もがブッシュ状態にある」(米誌)との声すらある。
先進諸国が半ば自信を失いつつある中で、威勢がいいのは中国やインド(経済)、ロシア(エネルギー)などだ。英仏は「中国、インドなどを加えたG13にしては」などの構想も口にし始めた。
だが、そんなことではせっかくのサミット精神が泣くというものだ。1975年に仏ランブイエでスタートして以来、サミット首脳は自由、民主主義、人権などの共通の価値と理念を軸に結束し自由諸国の未来を構想し、設計していく「世界ガバナンス(統治)」の責務を負ってきたのではないか。
とくに今回は、核不拡散などの古い課題に加えて環境、食糧、エネルギーなどの新たな課題が絡み合っている。地球が直面する難題に明確な優先順位をつけて解決を図る。国益の増進と相互調整も欠かせない。「相手の嫌がることは言わない」といった引けた姿勢や、ガバナンスの責任を他の国々に拡散し合うようでは話が前に進まない。各首脳が「共通の信念と責任」を果たしてこそ、サミットの意味がある。責任を果たす自信がない人や国は、正規メンバーの席を返上してもらいたい。
最近は「反サミット」「反グローバリズム」を叫ぶ勢力も現れ、サミットをみつめる目も多様化した。そうした人々をも説得して取り込み、世界の苦境を切り開くのが首脳たちの役目だ。とりわけ議長国の責任は重い。「姿が見えない主催国」(英紙)などの揶揄(やゆ)をはねつけて、福田首相の大胆で華麗な指導力を見たい。(たかはた あきお)
【主張】アフリカ支援 量から質へ転換も必要だ
2008.7.8 03:12
主要8カ国(G8)を軸とする首脳会議(北海道洞爺湖サミット)が開幕し、初日は「開発・アフリカ」問題をテーマにG8とアフリカ7カ国首脳らによるサミット拡大会合が開かれた。
アフリカ問題は原油・食糧高騰、地球温暖化、貧困とテロなど地球規模の課題と密接に関連するだけに、サミット初日の議題とされた意義は大きい。
会合では、今年が2000年の国連会議で決めた貧困半減などの「ミレニアム開発目標」の中間年に当たることを踏まえ、遅れがちな目標達成の加速を確認した。
その上で、食糧問題では緊急援助のほか、現地での主食穀物の増産、農業技術支援、インフラ整備などの支援で一致し、エイズ、マラリアなどの感染症(保健)対策、水、教育分野への取り組み強化策などでも合意した。
いずれも、日本が主導して5月末に横浜で開いた第4回アフリカ開発会議(TICADIV)の成果を踏まえたものだ。自助と援助の相乗効果を重視する日本方式がG8で共有されたといえる。
単なる援助のバラマキでは、効果が一時的に終わり、政治・企業の腐敗、自立精神の減退などを招き、真の援助効果が生まれないとの考え方がそこにはある。
問題は、それを主唱する日本の政府開発援助(ODA)額が1997年のピークから4割以上も減り、昨年は90年代の世界1位から5位にまで転落したことだ。今後の行動を誤れば、「日本は口だけ」との批判を受けかねない。
そのためには、援助の量から質への転換も必要だ。生産性向上のためのきめ細かな支援、民間投資促進の環境づくり、財政への負担が少なくてすむ円借款の活用などの知恵が求められる。
アフリカ支援は、国際社会の責任ある一員として求められる行動であると同時に、国連安保理常任理事国入りを目指す日本外交の支持基盤の強化、アフリカの石油や希少金属(レアメタル)などの資源確保という政治、経済上の戦略的側面もある。
資源確保のためアフリカに猛接近しているのは、中国やインドだけでなく、欧米も同じだ。日本は人員も含め、量ではむしろそれらの国に後れを取っている。
日本が存在感を高めるには、15年以上も培ってきたTICADプロセスを軸に、真に役立つ援助を続けることだろう。
【洞爺湖サミット】「拡大」か「原点回帰」か 岐路に立つサミット
2008.7.8 00:39
7日開幕した主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)を契機に、参加国の枠組みをめぐる論戦が本格化している。フランスや英国が、現行の主要8カ国(G8)では地球規模の問題に対処できないとするのに対し、日本や米国は現状維持を譲らない。米国では「先進民主主義国による会合」との原点回帰を求め、G8からロシアの除外を主張する論議さえある。日本も、拉致問題など自国が直接かかわる問題だけではなく、世界各地の人権や民主主義など「共通の価値」を積極的に取り上げていく構えだ。拡大か原点回帰か、サミットは今、岐路に立っている。
サミット拡大論に関しては、フランスのサルコジ大統領が中国やインドなど5カ国を加えた「G13」を主張しているほか、ブラウン英首相も中印の参加を唱えている。
8日のG8首脳会合では、英仏両首脳が自由討議の場でこの問題を取り上げるとみられる。
【洞爺湖サミット】テーマは北海道の「恵み」 晩餐会メニュー
2008.7.8 00:07
福田康夫首相夫妻主催の首脳らとの夕食会の料理のテーマは「北海道、大地と海の恵み」。利尻島のバフンウニなど北海道産食材で“上質な素朴”をアピールした。
七夕にちなんでササを飾った皿に盛られた八寸の後に出されたのは「オホーツク産毛ガニのビスク“カプチーノ”」。新鮮な毛ガニをミソまで丸ごと使い、完熟トマト、羊蹄山の流水で仕立てたスープだ。
網走産キンキの塩焼きに続くメーン料理は、釧路市の隣町、白糠町で育った子羊のロースト。美瑛産アスパラガスを添えた。
そのほか、美瑛産百合根を使ったムースのゼリー寄せなどデザートの盛り合わせ「ファンタジーデザートG8」が食卓を飾った。
【洞爺湖サミット】福田首相、七夕飾りに「温故創新」 羽田元首相の座右の銘…
2008.7.7 23:51
サミット会場で各国首脳らが書き込んだ短冊。左は福田首相、右はブッシュ米大統領のもの(ロイター)
福田康夫首相は7日夜、北海道洞爺湖サミットの会場であるホテルのロビーで、G8(主要8カ国)各国の首脳とその夫人とともに、七夕短冊に願いごとを書き込んだ。福田首相が短冊に記したのは、「温故創新 人類の叡智に学び未来を拓く」。「温故創新」とは、昨年12月に首相が孔子の故郷、中国山東省の曲阜を訪ねた際に、孔子の「温故知新」をもじって揮毫したのと同じ言葉だ。
ただ、「温故創新」は、かつて民主党の羽田孜元首相が座右の銘としていて、繰り返し遣ってきた言葉でもある。羽田氏は首相時代の平成6年5月の衆院予算委員会でも「私はよく頼まれると下手くそな筆で『温故創新』と字を書きます。古きをたずねてから新しさを積極的につくり出すという言葉です」と述べている。
福田首相がこうした経緯を知っていたかどうかは不明だが、永田町ではかねてから「あれは羽田さんの言葉だ」(ベテラン秘書)という声が上がっていた。
ちなみに、米国のブッシュ大統領は「圧政から自由な世界を望みます」、カナダのハーパー首相は「自由、民主主義、人権、そして法の支配に基づく世界を願います」と書いた。
【洞爺湖サミット】議長国ニッポン正念場 “問題児”中国に存在感
2008.7.7 23:38
「姿が見えない」と英紙にこきおろされた日本主催の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)が7日開幕した。霧の中であれ、問題国はあたかも学園の「番長」のごとく、やけに姿が大きく見える。問題を起こさない子は目立たない。
世界唯一の超大国米国はサブプライム危機、さらには投機資金の巣窟(そうくつ)となって原油や穀物価格を高騰させている。北朝鮮については、「テロ支援国家」指定解除まで打ち出した。日本は静かに振る舞う。金融面では超低金利政策を維持し、危ういドルを支え続けている。福田康夫首相は拉致問題でもブッシュ大統領の「忘れない」という発言を信じ、北朝鮮のウラン濃縮から受ける脅威にも声を荒らげることがない。
9日の洞爺湖サミット拡大会合に胡錦濤国家主席が参加する中国の存在感はどうか。膨大な貿易黒字を稼ぎ、世界最大の温室効果ガスの排出国である。チベットの騒乱、スーダンのダルフール紛争では人権を抑圧。その中国が問題解決者として期待される。
【洞爺湖サミット】「拡大」か「原点回帰」か 岐路に立つサミット
2008.7.8 00:39
7日開幕した主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)を契機に、参加国の枠組みをめぐる論戦が本格化している。フランスや英国が、現行の主要8カ国(G8)では地球規模の問題に対処できないとするのに対し、日本や米国は現状維持を譲らない。米国では「先進民主主義国による会合」との原点回帰を求め、G8からロシアの除外を主張する論議さえある。日本も、拉致問題など自国が直接かかわる問題だけではなく、世界各地の人権や民主主義など「共通の価値」を積極的に取り上げていく構えだ。拡大か原点回帰か、サミットは今、岐路に立っている。
サミット拡大論に関しては、フランスのサルコジ大統領が中国やインドなど5カ国を加えた「G13」を主張しているほか、ブラウン英首相も中印の参加を唱えている。8日のG8首脳会合では、英仏両首脳が自由討議の場でこの問題を取り上げるとみられる。
【洞爺湖サミット】高知の「YOSAKOI」がなぜ… 裏に自民の選挙戦術
2008.7.7 21:48
洞爺湖サミットの会場で各国首脳の歓迎のため披露された「よさこいソーラン」だが…
=7日午後7時半、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
北海道洞爺湖サミットの七夕行事が7日夜、サミット会場近くの噴水広場で行われ、地元・北海道のソーラン節と高知県のよさこい祭りをミックスした「YOSAKOIソーラン」が主要8カ国(G8)首脳らに披露された。奇抜で独創的な舞踊が演目に決まった背景には、次期衆院選に向けた自民党の思惑もあったようだ。
外務省関係者によると、サミットでの「YOSAKOI」披露は、自民党の強い働きかけで実現した。省内では「YOSAKOIは日本の伝統文化とはいえない」「ラーメンとすしを混ぜたようなものだ」などの異論が出され、代案として、北海道にこだわらずに津軽三味線や和太鼓演奏なども検討された。8年前の九州沖縄サミットでは琉球舞踊が披露されたが、結局「YOSAKOI」に落ち着いた。
【洞爺湖サミット】G8首脳、短冊に願い
2008.7.7 20:54
主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)が開幕した7日夜、会場のザ・ウィンザーホテル洞爺では花火や踊りとともに七夕を楽しむ歓迎行事が開かれ、光る「天の川」を挟む竹林に、G8各国首脳が願いを書き込んだ短冊を飾った。
ロビーに飾られた日本庭園風のオブジェの中心には発光ダイオード(LED)の光が流れるように演出された天の川を配置。首脳夫妻の短冊17枚とともに、各国の青少年がG8の議題となる国際問題について話し合う「J8(ジュニア8)サミット」代表の39枚も竹の枝に飾られた。
屋外の特設ステージでは、総勢約200人による「YOSAKOIソーラン」踊りが披露されたほか、江戸時代から伝わる手筒花火を浜松市の保存会が実演。花火師が抱えた竹筒から噴き上がる巨大な火柱が洞爺湖の夜空を彩った。
【洞爺湖サミット】「葉っぱのフレディ」がリハーサル 8日から北海道公演
2008.7.7 20:48
「葉っぱのフレディ」のリハーサル
主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の連動プロジェクト「ミュージカル・葉っぱのフレディ」コンサート恵庭公演を前に、7日、恵庭市民会館でリハーサルが行われた。特別出演する元LUNA SEAの河村隆一さんも子供たちと合流し、この日のために特別に書き下ろした環境メッセージソング「緑の詩」を熱唱した。(黒岩祐治フジテレビジョン報道局解説委員、葉っぱのフレディ・総合プロデューサー)
葉っぱの四季の変化を通して、いのちはめぐるというメッセージを伝えるこのミュージカルは、今回で9年目を迎える。葉っぱにふんした子供たちのほとばしるような躍動感と主演の宝田明さんの熟成された演技が調和し、感動的で美しい舞台を作り上げている。
今年はサミットに合わせて、「青い地球を守る緑の葉っぱたち」という新しいコンセプトを打ち出し、恵庭市で8、9日の2日間、コンサート形式で上演する。
厳しいオーディションで選ばれた子供キャストと一緒に恵庭市の子供たちも一部出演する。8日にはジュニア8サミットに参加している世界15カ国、39人の子供たちも会場に駆けつける。フィナーレでは河村さんの歌に合わせてみんなが一体となって「SAVE THE GREEN(緑を守ろう)」と歌いあげ、世界に向けて環境メッセージを発信する。
【洞爺湖サミット】G8開幕、アフリカ向け食料増産など表明
2008.7.7 20:43
拡大会合ワーキング・セッションに臨む(左から)ナイジェリアのヤラドゥア大統領、ロシアのメドヴェージェフ大統領、アルジェリアのブーテフリカ大統領、福田首相=7日午後、北海道洞爺湖町の「ザ・ウィンザーホテル洞爺」
主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)が7日開幕し、アフリカ7カ国の首脳を招いた拡大会合で、貧困層に大きな影響を与えている食料問題を中心に意見交換し、主要国(G8)は協調して食料増産などの支援することを表明した。G8はサミットで採択される首脳宣言に原油・食料価格の高騰に強い懸念を打ち出す方針で、世界経済の成長を阻害するインフレ抑制にG8各国が一致して取り組む姿勢を明確にする。
アルジェリア、エチオピア、ガーナ、ナイジェリア、セネガル、南アフリカ、タンザニアの7カ国が参加して開かれた拡大会合では、原油・食料価格の高騰に対し、アフリカ側から強い懸念が示された。貧困国を中心に食料や原油の調達が困難になり、暴動などの政情不安を招いているためだ。
サミットの議長である福田康夫首相は、2012年までのアフリカ向け政府開発援助(ODA)の倍増などを盛り込んだ第4回アフリカ開発会議(TICADIV)の成果を報告。G8各国がアフリカ向けの農業支援に積極的に取り組んでいることを説明した。
【洞爺湖サミット】初のNGO専用の会見場 「意見反映のほうが重要」
2008.7.8 01:19
NGO専用の会見場で会見する市民団体ら=7日午後、北海道留寿都村の国際メディアセンター(撮影・杉浦美香)
主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)では、国内外のメディアの取材拠点である国際メディアセンター(留寿都村)にサミットの歴史の中で初めて、非政府組織(NGO)のための共同作業ルームと専用の記者会見場が設けられた。温暖化問題、アフリカ開発など地球的課題が広がる中、NGOの声が無視できなくなっているためだが、「合意内容にNGOの声が反映されるかどうかが重要」との声も上がっている。
作業のための部屋は各国の報道官オフィスと同様の設備で、コピー機4台、プリンター4台、ファクスを含め電話6台。記者会見場は50〜60人を収容でき、サミットが開幕した7日は、早速、気候変動や食料高騰など国際的に活躍するNGOらが朝から夕刻まで精力的に記者会見を行っていた。
平成12年の九州・沖縄サミットでは、メディアセンターから数百メートル離れた地元公民館にNGOが作業場所が設けられたのと比べると格段の進歩という。ただ、NGOの登録者は約100人と制限された。
【洞爺湖サミット】医薬品の低価格化を ジュニアサミットが提言
2008.7.8 00:09
世界各国を代表した10代の若者が、環境への配慮や医薬品の低価格普及などを提言する宣言文を7日、首脳に手渡した。
まとめたのは、2日から千歳市で開催中の「ジュニア8(J8)サミット」で気候変動や貧困などの問題を話し合ってきた15カ国39人のメンバー。(1)環境に配慮した製品にラベルをつける(2)途上国への援助金が効果的に使われているか確認する(3)医薬品特許を買い取り低価格で普及させる−などを提言した。
関係者に作法を習い、お茶をたてる各国首脳夫人=7日午後、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
茶会に参加したブッシュ米大統領夫人のローラさん=7日午後、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
各国首脳夫人に茶道具の説明をする、福田首相夫人の貴代子さん(左端)
=7日午後、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
茶道具を囲む各国首脳夫人ら。左から6人目は福田首相夫人の貴代子さん
=7日午後、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
十二単の着付けを見学する各首脳夫人=7日午後、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
日英首脳会談に臨むブラウン英首相(右から2人目)と福田首相(左端)
=7日午前、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺(代表撮影)
新千歳空港で日本人少女らの出迎えを受け、花束を手渡されるメルケル独首相(AP)
福田首相、英独首脳と会談 原油、食糧価格高騰への取り組みでも意見交換
2008.7.7 13:20
ドイツのメルケル首相(右手前から3人目)と会談する福田首相(左端)
=7日午前、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
福田康夫首相は7日午前、主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の会場であるザ・ウィンザーホテル洞爺で、ブラウン英首相、ドイツのメルケル首相と相次いで個別に会談し、地球温暖化問題について、温室効果ガスを2050年までに半減させる長期目標について、G8で合意に向けて連携することでそれぞれ一致した。また、ムガベ政権による野党弾圧に国際的非難が集まるジンバブエ問題について、同日午後のアフリカ開発拡大会合で積極的に取り上げる方針を確認した。
日英首脳会談でブラウン首相は「ここ数カ月、世界経済は原油価格、エネルギー価格、信用収縮などの困難に直面している」と指摘し、とりわけ原油価格の高騰についてはバイオ燃料が原因の1つとの見解を示した。日英首脳は、発展途上国に対する農業支援を強化することでも一致した。
英独首脳との会談は、いずれも福田首相が6月上旬に訪欧した際の初顔合わせ以来、2度目。同日午後から名実ともに開幕する洞爺湖サミットを直前に、主要議題について最終的な調整を行った。
【洞爺湖サミット】温暖化対策を確認一致へ 福田首相、英独首脳と相次いで会談
2008.7.7 10:07
新千歳空港に到着したメルケル・ドイツ首相=7日午前8時52分(彦野公太朗撮影)
福田康夫首相は7日午前、北海道洞爺湖サミットの会場であるザ・ウィンザーホテル洞爺で、英国のブラウン首相、ドイツのメルケル首相と相次いで個別に会談、英独首脳とそれぞれ、地球温暖化問題で主要8カ国(G8)による一致した対策を目指すことを改めて確認する見通しだ。原油、食糧価格の高騰を受けた取り組みに関しても意見交換するとみられる。
英独首脳との会談は、いずれも福田首相が6月上旬に訪欧した際の初顔合わせ以来、2度目。同日午後から名実ともに開幕する洞爺湖サミットを直前に、主要議題について最終的な調整を行うことになる。
地球温暖化問題では、温室効果ガスを2050年までに半減させる長期目標について、G8で合意を目指して連携することを申し合わせる。依然として慎重姿勢を崩さない米国への対応についても話し合われる見通しだ。また、発展途上国の食糧増産やバイオ燃料抑制、食糧輸出禁止の緩和などについても協議するとみられる。
日・カナダ首脳会談を前に笑顔で握手するカナダのハーパー首相(左)と福田康夫首相(6日午後6時5分、北海道洞爺湖町で)=代表撮影
国際メディアセンターには多くの外国人記者が集まり、明日の開幕に備えていた=北海道留寿都、6日午後(鈴木健児撮影)
日米首脳会談後の記者会見で、横田めぐみさんについて書かれた本を手に拉致問題に言及する米国のブッシュ大統領(左)。右は福田康夫首相 =6日午後5時21分、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺(代表撮影)
北海道洞爺湖サミットの国際メディアセンターの開所式で、テープカットする(左2人目から)高橋北海道知事、町村官房長官、藪中外務次官ら=5日午前11時45分、北海道留寿都村
洞爺湖温泉の土産物店には期間限定でサミットグッズコーナーが=北海道洞爺湖町(矢島康弘撮影)
人気のまりもっこりキャラクターが描かれたサミットバージョンのトランクス。人気で品薄だ=北海道洞爺湖町(矢島康弘撮影)
洞爺湖温泉の土産物店にはサミット参加8カ国首脳の名が書かれた木刀も=北海道洞爺湖町(矢島康弘撮影)
【洞爺湖サミット】民間団体が8カ国首脳をかたどったかぶりものや衣装を着て大通り公園でパフォーマンスを行った=札幌市(矢島康弘撮影)
【洞爺湖サミット】民間団体が8カ国首脳をかたどったかぶりものや衣装を着て大通り公園でパフォーマンスを行った=札幌市(矢島康弘撮影)
【洞爺湖サミット】民間団体が8カ国首脳をかたどったかぶりものや衣装を着て大通り公園でパフォーマンスを行った=札幌市(矢島康弘撮影)
立花宏・日本経団連参与
択捉島の博物館では、先住民族のアイヌの生活やと北方四島などを占領した旧ソ連の栄光は展示してあっても、「日本の統治」に関する展示は完全に無視されていた=7月2日、
択捉島・紗那(酒井充撮影)
北方四島の経済を支える「ギドロストイ社」の水産加工場には、「クリール(北方四島)はロシアの領土」と書かれた看板が掲げられていた=7月2日、択捉島・オーヨ湾(酒井充撮影)
古釜布湾に沈む夕日と座礁船=1日、国後島・古釜布港(酒井充撮影)
国後島南西部の海岸からは、オホーツク海越しに知床の山々が明瞭に見えた。携帯電話も通じた=1日(酒井充撮影)
国後島・古釜布港に放置された廃船。最近は鉄不足の中国向けに回収が進んでいるともいわれる=1日(酒井充撮影)
昨年10月に大やけどを負って札幌に緊急輸送されたニキータ君(2)。いまではすっかり元気になり、ビザなし交流訪問団を出迎えた=1日、国後島・古釜布港
昨年12月にロシア国境警備隊によって拿捕された日本の漁船。船体に書かれた「第三十一吉定丸」との漢字がはっきり見てとれる(右)=2日、択捉島・内岡港(酒井充撮影)
日本人とロシア人の墓が混在する墓地で、ビザなし交流訪問団と一緒に草刈りをするロシア人の子供=3日、択捉島・紗那(酒井充撮影)
ビザなし交流訪問団とのミニ運動会(パン食い競争)に興じるロシア人の子供たち
=3日、択捉島・紗那(酒井充撮影)
戦前に建設された旧紗那郵便局。ここ数年で天井が落ち、手入れがされないまま放置されている=2日、択捉島・紗那(酒井充撮影)
択捉島を離れる際、現地ロシア人との別れを惜しむ元国後島民の松村智さん=3日、択捉島・内岡港(酒井充撮影)
北朝鮮による拉致被害者の早期帰国の実現のために「青い風船の会」などが都内をデモ行進した=5日、東京・渋谷区(小野淳一撮影)
国際メディアセンター「ゼロエミッションハウス」でアシモにお茶を振る舞われる福田首相夫妻
国際メディアセンターで「トヨタ・パーソナルモビリティ i-REAL」に試乗する福田首相
国際メディアセンターを訪れエコカーで移動する福田首相夫妻
国際メデジアセンターを訪れ、人間型ロボット「ASIMO(アシモ)」の歓迎を受ける
国際メディアセンターを訪れ、2足歩行ロボット「ASIMO」(アシモ)に手を振る福田首相と貴代子夫人=6日午後、北海道留寿都村(代表撮影)
首脳会談を前に、ブッシュ米大統領(左)と握手する福田首相=6日午後、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
北海道洞爺湖サミットのため新千歳空港に到着した福田首相と貴代子夫人=6日午前10時46分
首脳会談を前に、ブッシュ米大統領と握手する福田首相=6日午後、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
北海道洞爺湖サミットのため新千歳空港に到着した福田首相と貴代子夫人=6日午前10時46分
北海道・新千歳空港に到着したブッシュ米大統領とローラ夫人=6日午後1時30分
新千歳空港に到着、小学生から花束を受け取り笑顔のブッシュ米大統領とローラ夫人
=6日午後1時31分(代表撮影)
政局について語る小泉純一郎元首相=3日午後、東京・日本橋室町のマンダリンオリエンタル東京(飯田英男撮影)
拉致問題対策本部広報分科会の会合であいさつする中山恭子首相補佐官(左から2人目)ら=1日午後、首相官邸
青い風船を手に街頭を行進する、拉致被害者家族会の増元照明事務局長(右から2人目)ら=5日午後、東京都渋谷区
拉致被害者の早期帰国を願う「ブルーリボン」と同じ色の青い風船を手に街頭を行進する参加者=5日午前、東京都渋谷区
福田康夫首相とブッシュ米大統領
記者の質問に答える福田康夫首相=6日午前、首相公邸
【官房長官会見】テロ予告「全くない」(7日午前)
2008.7.7 12:19
記者会見する町村信孝官房長官=7日午前11時、首相官邸(酒巻俊介撮影)
町村信孝官房長官は7日午前の記者会見で、主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)に関連して警戒されるテロについて、発生の予告などは「全くない」と述べた。
【サミット】
「特にはございませんが、今、(福田康夫)総理は日英首脳会談の最中というようでございます。今日のお昼からアフリカのみなさんを交えてのワーキングランチから正式のG8(主要8カ国)の会合が始まるということであります。私からは以上であります」
−−G8が今日から開幕だが、改めてどのような成果を期待するか。また昨日、日米首脳会談もあり、温室効果ガスの2050年までに半減させることについてのやりとりもあったが、前回のハイリゲンダムサミット(ドイツ)より踏み込んだ合意ができる見通しか
「明日、明後日のことですから、この時点で見通しを述べることの意味はあまりないと思いますから、結果をお待ちをいただければと、こう思います。今回のサミットの意義、改めて申し上げるまでもなく年に1回、世界の主要国のみなさんがひざをつきあわせて率直な話をするという、いわばサミットの建学の精神といいましょうか。そういう意味合いのある重要な会議であろうかと思います。昨今は特に沖縄サミットから、森(喜朗)総理の時からですけど、アフリカのみなさん方をアウトリーチ(拡大会合)で呼ぶというようなことも始まりましたし。また、中国、インド等の新興主要経済国等々も参加をされるということで大変に22カ国という史上最大規模のG8サミットおよびその周辺の関連する国々の集まりということでございます。議題は4つということになっています。ひとつひとつを言うまでもないと思いますが、特に昨今は食糧価格とかエネルギー価格の急上昇といった新しい問題も出ておりますし、世界経済の不安定性もあるという中でございますから、地球変動問題、地球環境の問題等を含めてですね、主要国が一定の合意に達し、メッセージを出していただけることを期待しております。環境問題については明日、G8の会合がありまして、さらに明後日、MEM(主要排出国会合)の会合もあるわけでございます。そういう中で一定の方向付けができること。特にハイリゲンダム(サミット)よりは一歩前進した形での合意が達成されることを期待をいたしております」
官邸に入った福田康夫・首相 =四日午前9時54分、首相官邸(酒巻俊介撮影)
閣議に臨む(左から)冬柴鉄三・国交相、福田康夫・首相、高村正彦・外相=4日午前9時58分、首相官邸(酒巻俊介撮影)
京都「正論」懇話会で講演する京都大学の中西輝政教授=京都市中京区(撮影・柿平博文)
京都「正論」懇話会で講演する京都大学の中西輝政教授=3日、京都市中京区(撮影・柿平博文)
京都「正論」懇話会で講演する京都大学の中西輝政教授=3日、京都市中京区(撮影・柿平博文)
自民党の加藤紘一元幹事長
記者会見する町村官房長官=3日午前、首相官邸
【正論】洞爺湖サミット 北大名誉教授、拓殖大学客員教授・木村汎
2008.7.3 03:44
■露新政権に希望的観測は禁物
日本人は初物(はつもの)好きのようである。北海道洞爺湖サミット(G8)に来日するロシアの新大統領メドベージェフに対して、目下、講演やインタビューの注文が殺到しているという。
これは、日本人の知的好奇心が旺盛なことをしめしている。そのような好奇心が線香花火に終わらないことを望みたい。新大統領は当分の間プーチン首相の厳格なる監督や「庇護(ひご)」下におかれ、独自色など出しうるはずがない。仮に新機軸を打ち出すとしたら、それは少なくとも1〜2年後のことだろう。その時こそ、メドベージェフを追いかけ回すことに意味が生れる。
実際、メドベージェフ大統領は、洞爺湖訪問前後に函館に立ち寄ることすら断った。超「多忙」が、その理由。その本音は、現ロシアの外交優先順位表において米国、ヨーロッパ、中国などと比べて、日本の地位がそれほど高くないことにあろう。
思いだすのは、2つの異なる先例である。ゴルバチョフ・ソ連大統領は公式訪日時に長崎、京都にまで足を延ばし、自分の眼で日本の社会や文化に触れようとした。他方、プーチン大統領は、柔道愛好家との触れ込みにもかかわらず、首脳会談後そそくさと離日した。メドベージェフ新大統領は、今度の訪日に当たって、どうやらゴルバチョフ方式ではなく、プーチン方式を踏襲する模様である。
≪「リベラルさ」は選挙用≫
日本人がメドベージェフを追いかける動機の一つは、新大統領がプーチン前大統領とは異なる内外路線をとるかもしれないとの期待があるからだろう。無い物ねだりに等しい幻想である。
たしかに、新大統領は、前大統領に比べ2つの点で異なっている。
まず、出自、世代、経歴、派閥などにかんして。プーチンが労働者の家に生まれたのに対して、メドベージェフは両親そろって大学教授の家庭に育った。前者(55歳)に比べ、後者(42歳)は一回り以上も若い。前大統領がKGB(ソ連期の秘密警察)勤務歴16年の典型的な「シロビキ」(武闘派)に属するのに対して、現大統領は大学講師出身の「シビリキ」(民間派)である。
次に、思想や主張にかんしても、両人は異なっているようにみえる。プーチンのスローガンは、「強い国家」「垂直的支配」「法の独裁」であった。それに対して、メドベージェフのそれは、「法の支配」「法的虚無主義との闘い」「汚職の撲滅」等々、「リベラル」な響きのものが多い。
しかし、芸術家や学者はいざ知らず、政治家にとって重要なのは、彼(または彼女)の出身、発言などよりも、現実の行動、とりわけその結果である。大統領就任前後のメドベージェフの「リベラル」な発言は、どうやら選挙戦や就任直後のイメージ造りが主目的の綺麗(きれい)事のようである。彼が現実に行っていることは、口頭で述べていることと背馳(はいち)する。ガスプロム会長としての「サハリン2」プロジェクトからの外資の事実上の締め出し、大統領就任後のブリティッシュ・ペトロリアム(BP)バッシング(いじめ)の黙認など、このことを証明する例は数多い。
≪プーチン人事を丸呑み≫
メドベージェフがプーチンとは一味異なる政治的理念の持ち主であると仮定しよう。そのばあいでも、彼がそれを実現しうる手立てを持っていなければ、肝心要(かなめ)の理想も絵に描いた餅(もち)に終わる。そのような手段とは、権力基盤、経済力、人脈など。なかでも、人的手段が最重要である。
ところが、メドベージェフ・プーチン双頭体制が5月12日に行った最初の人事を見よ。一言でいうと、それはプーチン人事以外の何物でもなかった。まず、同首相が作成した人事提案をメドベージェフ大統領はほぼ丸呑(の)みした。次に、内閣ばかりでなく大統領府のメンバーも、プーチン側近が占めることとなった。前大統領の部下たちによって「サンドイッチのように」(オリガ・クリスタノフスカヤ談)挟まれて身動きのとれない状態のメドベージェフ大統領に新機軸を打ち出すよう望むのは、酷だろう。
プーチン自身も、エリツィン元大統領による人事の縛りから解放されるまでに、4年近くの歳月を必要とした。プーチンは、エリツィンに比べはるかに若く健康、エネルギッシュな「シロビキ」。メドベージェフ新大統領がそのようなプーチンの呪縛(じゅばく)から解放され、独自色を発揮するのは、少なくとも当分の間期待薄といえよう。
我々としては「慌てる乞食は貰いが少ない」と自戒すべきだ。(きむら ひろし)
【洞爺湖サミットに寄せて】元首相・中曽根康弘 国益にかける首相の覚悟
2008.7.3 03:24
今、日本は正念場を迎えている。目前に迫った主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)で、議長国としてリーダーシップを発揮できるかどうかに、国の浮沈がかかっているといっても過言ではない。鍵を握るのは福田康夫首相の覚悟だ。
目を世界に転じれば、危機的状況は明らかだ。中でも警戒すべきはBRICs(ブリックス)、すなわちブラジル(B)、ロシア(R)、インド(I)、中国(C)の台頭であろう。一方で日本は経済大国としての存在感を急速に弱めつつある。個人GDP(国内総生産)では2年前から経済協力開発機構(OECD)加盟国中18番目に落ち込んでいる。
このような情勢が何をもたらすかは、米国の大統領選からも一目瞭然(りょうぜん)といえる。共和党のマケイン候補は親日的な姿勢を崩さないが、民主党のオバマ候補は中国寄りの外交姿勢をのぞかせている。サミットで日本が確たる存在感を示さなければ、米国が、そして世界が、日本を見限ることだってあり得ない話ではない。
逆に言えばサミットは威信を取り戻す絶好のチャンスである。
そもそもサミットとは何か。私は、国際政治のオリンピックであると考えている。年に1回、先進国のトップリーダーが一堂に会し、国の威信と政治力のすべてを総動員した激しい駆け引きを繰り広げる。参加することに意義がある式のかかわり方は許されない。国益をかけ、政治上のメダルを獲(と)りにいかなければならない。殊(こと)に開催国はメダル獲得が義務付けられる。
そのために首相の覚悟が必要なのだ。覚悟とは、その時々の世論やマスコミ論調に流されず、自ら国益と信じる方針を政治生命をかけてでも貫き通す不退転の決意だ。議長国がまとめる主要8カ国(G8)の共同声明に何を盛り込めるか、サミットは結果がすべてである。
洞爺湖サミットは、参加国がG8のほか、BRICsやアフリカ諸国がアウトリーチ(拡大)会合に加わり、計22カ国の首脳が顔をそろえる過去最大規模のものとなる。気候変動、食料価格高騰、アフリカ支援、世界経済など地球規模の課題は多い。
注目の温室効果ガス削減は、大量排出国である米中印各国を説得し、数値目標を設定しなければならない。日本以上に数値目標化を求める欧州各国との折り合いをどうつけるかも課題だ。
各国の思惑が完全に一致することなどあり得ない。議長である福田首相には、落としどころを見極め、強引に話をまとめて共同声明に盛り込むべく、決然たる指導力を発揮することが求められる。
北朝鮮による拉致は人道、人権の問題でもあるから、決議文か議長総括で大きく取り上げる必要がある。北朝鮮の核廃絶問題に関する6カ国協議もG8として支援しなければならない。
ロシアとの間には北方領土問題も存在する。支援問題でG8と途上国の会合は定例化すべきだ。
福田首相の姿勢は「お友達外交」と揶揄(やゆ)されることが多い。しかしこの言葉自体に、私はあまり否定的な響きを感じない。首脳が集まる会合で主導権を発揮するには、議長に好感を持つ味方を多数つくることは必須だからだ。(なかそね やすひろ)
北海道洞爺湖サミット(7〜9日) G8首脳迎える地元
2008.7.2 08:52
■準備万端、経済効果に期待
サミットの舞台となる「ザ・ウィンザーホテル洞爺」はじめ洞爺湖町とその周辺では、これまでにない数の各国首脳を迎えるため、その準備に全力を挙げている。9日までの期間中、G8首脳会合に加え、新興経済国との会合や主要排出国首脳会合、アフリカ開発拡大会合などが開かれるため、世界各国の政府関係者や報道陣が人口約1万人の洞爺湖町に集まる。町内では高速通信用ケーブルや電線の敷設工事が急ピッチで進められ、町役場は英語やドイツ語、フランス語、ロシア語など通訳ボランティア約250人を確保した。
警備は、北海道警を中心に2万人規模であたる。開幕を待たずに、すでに会場ホテルに通じる道路では警察官が検問を行っている。ホテル内でも、私服警察官が警戒にあたっている。
一方、会場近くの噴火湾を管轄する第1管区海上保安本部(小樽市)は、サミット期間中、全船舶の荷物検査を行う方針だ。このため、毎年この時期に行われる町の主力産業である噴火湾の毛ガニ漁は、サミット開催期間の操業を避けるため、5日間前倒しして6月11日に始まった。水産加工会社「カワマタ」の川又範計社長は「サミット会場の近くの毛ガニということで有名になって、例年より1、2割注文が増えた」とサミット特需にホクホクの様子だ。
また、洞爺湖町役場では、6月中旬から町内25カ所の取水場やポンプ場で、20〜30人の職員を巡回・監視の業務にあたらせている。7月4日からは町職員が主要な公共施設で夜間の泊まり込みを行う予定だ。
北海道経済連合会の試算によると、サミット誘致に伴う経済効果は379億円。平成19年には、洞爺湖町内のホテル、旅館への宿泊客が8年ぶりに70万人を突破した。今年に入ってからは「サミット関係者がホテルを占領している」と誤解され、客足が鈍っているが、町職員の一人は「サミット後にバブルが来ると信じている」と笑顔で話していた。
【正論】洞爺湖サミット 京都大学大学院教授・中西寛
2008.7.2 03:23
■結束のパフォーマンス問われる
7日からの北海道洞爺湖サミット(G8)は日本がホスト国となる5回目のサミットである。そして国際政治にとっても、日本外交にとっても、日本で開催されるこれまでで最も重要なサミットといっても過言ではない。
それは国際政治経済体制が大きな変わり目にあるからである。今の状況はサミットが開始された1970年代中ごろに多少似ているが、事態ははるかに複雑化している。
当時も今も共通するのは世界経済が資源価格の高騰と先進資本主義国の不況に悩まされていることである。さらに圧倒的な国力で世界を引っ張っていたアメリカの力が後退している印象がある点も類似している。
こうした状況に対処するために1975年にフランスが呼びかけ、西側先進国が相互の経済政策を調整し、世界経済の難局に当たって一致した姿勢を示すために始められたのがサミットであり、この仕組みが一定の効果を持ったために毎年開催されるようになって、90年代に民主主義市場経済の国になった(と思われた)ロシアを加えて今日のG8サミットとなっているのである。
しかし現在の国際政治経済状況は70年代よりもはるかに複雑になっている。かつては石油輸出国機構(OPEC)など一次産品生産国と先進工業国などの消費国という構図がかなり明確であった。しかも当時は東西冷戦という国際政治の基本構造が存在したために、西側諸国の結束は容易だったし、産油国も共産主義の脅威に対しては西側先進国と手を結ぶ必要性を認識する国が多かった。
≪モザイク状況への対応≫
今日では、中国、インドなど新興経済国の経済成長に伴う資源、食糧需要の増大が一次産品高騰の構造的な原因となっている。さらに、西側金融機関が運用するマネーが一次産品相場に流入して価格の変動を大きくしているだけでなく、新興経済国や産油国の政府系ファンドの影響力も増大している。
また、市場経済を重視するアメリカと、地球温暖化対策などから市場に一定の秩序を導入したいヨーロッパ連合(EU)との間では経済観をめぐる摩擦も存在する。現在の世界経済は混沌としたモザイク状況である。
しかし、あえて国際政治の基本構造を見いだそうとするなら、先進国と途上国という2グループの関係がさまざまな問題の根底にあるということは言える。両者の協力が事態の更なる悪化をくいとめる必要条件である。こうした状況を反映して、今回のサミットにはG8諸国とEUという正式参加者だけでなく、中国、インドをはじめとするアジア、ラテン・アメリカ、アフリカなど各国の史上最多の首脳が招待されている。
議題としても環境・地球温暖化対策、開発・アフリカ支援、一次産品価格の高騰やサブプライム問題などの世界経済問題、核不拡散やテロなどの政治問題など、いずれも先進国と途上国の関係がテーマになる問題である。
≪「何を」より「どのように」≫
ただ、洞爺湖サミットでこれら諸問題に劇的な解決策が示されるとは期待しない方がよい。すでにサミットに向けた多数の準備会合や関連したテーマに関する国際会合、たとえば5月末に横浜で開催されたアフリカ開発に関する会合(第4回TICAD)などで具体策は詰められており、サミットの場で期待できる具体的成果はこれらの会合の延長線上を大きく超えるものとはならないであろう。
だからといって首脳会合に意味がない訳ではない。サミットという場は、実際に世界の主だった国の首脳が集まることによって、世界がどのように運営されているかを目に見える形で世界に示すという政治効果をもっているのである。「何を決めるか」よりも「どのように決めるか」の方に意義があると言ってもよいだろう。
その点で今回の首脳会合で日本外交にとって重要なのは、安易なG8拡大論を回避し、まずG8としての結束を示すことである。もちろん、将来は中国、インドなどにも責任ある大国として行動してもらわねば困る。将来に向けた枠組みとして、たとえばブッシュ政権が地球温暖化対策として打ち出しサミット最終日に声明を出す予定の、先進国、主要途上国からなる主要経済国会合(MEM)のような枠組みを育てていくことを考えるべきである。こういった二枚腰の姿勢が現時点では世界にとって効果的なあり方であり、そうした構想でサミットをまとめることが日本の利益にもかなうのである。(なかにし ひろし)
閣議に臨む福田首相=1日午前、首相官邸
閣議に臨む(左から)冬柴国交相、福田首相、高村外相、町村官房長官=1日午前、首相官邸
東京・渋谷にオープンした自衛隊の広報施設「自衛館」でテープカットする自衛官=1日午前
政府、アイヌ有識者懇を設置 来夏めどに報告書
2008.7.1 12:00
北海道では1日から「先住民族サミット」が開催=1日午前、北海道平取町
政府は1日、先月6日に衆参両院で採択された「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を受け、「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」を設置した。アイヌ民族の生活状況や差別などの実態把握、今後の政策を検討し、来年夏をめどに報告書をまとめる。
有識者懇談会は官房長官の諮問機関で8月上旬に初会合を開く。これに合わせて内閣官房にアイヌ政策推進室を設置した。懇談会はこれまでのアイヌ政策の評価や、諸外国の先住民政策についても検討する。
メンバーは次の通り。安藤仁介世界人権問題研究センター所長▽加藤忠北海道ウタリ協会理事長▽佐々木利和国立民族学博物館教授▽佐藤幸治京大名誉教授▽高橋はるみ北海道知事▽常本照樹北大アイヌ・先住民研究センター長▽遠山敦子新国立劇場運営財団理事長▽山内昌之東大教授。
【正論】帝京大学教授・志方俊之 防衛改革案で見えてきたもの
中山恭子・首相補佐官
スーダンPKO派遣を「表明」 首相が国連事務総長と会談
2008.6.30 20:49
会談のため席に着く国連の潘基文事務総長(左)と福田首相=30日夕、首相官邸
福田康夫首相は30日、来日中の潘基文国連事務総長と首相官邸で会談し、スーダン南部に展開する国連スーダン派遣団(UNMIS)に司令部要員として陸上自衛官を派遣する方針を伝えた。日本の国連安全保障理事会常任理事国入りに向け、安保理改革のリーダーシップをとるよう求め、事務総長は「国連加盟国の対話を促進したい」と応じた。
会談で事務総長は、北朝鮮の核計画の申告と寧辺の核施設の無能力化に関し「前向きな進展だ」と評価し、6カ国協議の進展に期待を表明した。日本人拉致問題については「人道上の懸念があることは承知している。真剣な対話を期待している」と述べた。これに対し首相は「核申告はステップの1つで検証し、早期に核放棄させるべく努力していきたい。とくに拉致問題の解決に努力する考えだ」と述べ、事務総長の協力を求めた。
首相はまた、「平和協力国家」としての包括的な取り組みの一環として、自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法の制定を引き続き検討する考えを表明した。マレーシアの国連平和維持活動(PKO)訓練センターに100万ドル規模の支援を行うことも伝えた。
これに先立ち、事務総長は高村正彦外相とも外務省飯倉公館で会談し、温室効果ガス削減について「中期目標を持つ必要がある」と述べ、2020〜30年までの具体的な数値目標を打ち出すよう求めた。
麻生氏ら雑所得で存在感 ポスト福田、印税増やす
2008.6.30 20:35
麻生太郎氏
平成19年分の国会議員所得報告書では、ポスト福田候補に挙げられる自民党の麻生太郎前幹事長や小池百合子元防衛相が、著書の印税などで「雑所得」を大幅に伸ばし存在感を示した。民主党では、年金記録不備問題で政府追及の先頭に立った長妻昭衆院議員が、引っ張りだこのテレビ出演料などで雑所得を大きく増やしたのが目立った。
麻生氏は昨年の参院選前に出版した著書「とてつもない日本」の印税やテレビ出演料などで前年に比べ4・6倍、1116万円の雑所得を計上。46万円だった18年からは実に24・3倍。雑所得ランキングも3年で212位、63位、4位とうなぎ上りだ。
小池氏も昨年8月の防衛相退任後に出版した、前事務次官との暗闘をめぐる著書「女子の本懐」が話題を呼び、印税や講演料などの雑所得は前年の5・7倍の1653万円に。順位も46位から2位に躍り出た。
一方、民主党の長妻氏の雑所得は、テレビ出演料を中心に前年の1・5倍の410万円で、順位は56位から15位に上がった。
河野洋平衆院議長は約4028万円と所得を大幅に減らした。事務所によると、神奈川県平塚市内の建物の取り壊しに伴い賃貸収入がなくなったことなどが要因という。
町村官房長官(左から2番目)
会談前に握手する潘基文国連事務総長(左)と高村外相=30日午前、外務省飯倉公館
首相官邸の歓迎式典で、子どもたちの歓迎を受ける潘基文国連事務総長(左端)=30日午前
在日米陸軍司令官の交代式に臨むフランシス・ワーシンスキー新司令官(右から2人目)
=30日午前、神奈川県の米陸軍キャンプ座間
サミットの取材拠点 「国際メディアセンター」公開
2008.6.29 21:02
国際メディアセンターの「環境ショーケース」に設置されているデジタル地球儀「触れる地球」。1900年ごろの平均気温から3度上昇した所は赤く、さらに3度上昇したところは黄色く表示される=29日午後、北海道留寿都村
主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)で、世界各国の報道陣の取材拠点となる「国際メディアセンター(IMC)」(北海道留寿都(るすつ)村)の内部施設がほぼ完成し29日、報道陣に公開された。
IMCはサミット会場となる洞爺湖畔のホテルから27キロ離れた「ルスツリゾート」の敷地内に建設され、冬の間に積もった約7000トンの雪を貯蔵して冷房に利用するなど随所に環境に配慮したつくりとなっている。
地上2階建ての建物には、世界各国の新聞記者やテレビ、ラジオ局などのスタッフらが情報を発信するブースや机が備えられた。建物の壁面は緑化され、植物の鉢を置いた「環境ウォール」が設置されるなど、今回のサミットの最重要テーマが環境であることを強く印象づけている。
センター入り口の「環境ショーケース」には、家庭用燃料電池システムや省エネ新素材など日本の環境技術を紹介するコーナーが設置された。
国際メディアセンターの外観。外壁は植物の鉢が並ぶ「環境ウォール」となっている
=6月29日、北海道留寿都村(撮影・加納洋人)
国際メディアセンターの入り口にに設置された「環境ショーケース」。日本の環境技術が紹介されている=6月29日、北海道留寿都村(撮影・加納洋人)
国際メディアセンターの記者らの発信拠点。コピー機やテレビモニターが設置されており、記者らは、ここからサミットのニュースを世界に発信する=6月29日、北海道留寿都村(撮影・加納洋人)
国際メディアセンターに置かれた産経新聞のブース。記者らは、ここからサミットのニュースを発信する=6月29日、北海道留寿都村(撮影・加納洋人)
北方領土返還要求根室市民大会で気勢を上げる参加者=29日正午すぎ、北海道根室市
G8外相会合の記念撮影で話をする(左から)ミリバンド英外相、ライス米国務長官、高村外相、フランスのクシュネール外相、イタリアのフラッティーニ外相、スロベニアのルーペル外相=26日午後6時1分、京都市上京区の京都迎賓館(代表撮影)
【昭和正論座】早大講師・ 武藤光朗 昭和48年7月19日掲載
2008.6.29 10:03
武藤光朗・早大講師
■荒廃の学内に自由への志向
≪レポートに虚無的な暗さ≫
この春の「学年末試験」に提出された四百人余りの受講生のレポートを読んで感じたことだが、現代のまじめで感受性に富んだ学生たちの心の奥底には、どこか虚無的なところのある暗さが隠されているのではないか。
たかが試験のレポートで人の心の奥底がわかってたまるかといわれれば、それまでである。また、文章を書く場合につきまとって離れない知的虚栄心もはたらくだろうから、おそらくその分も割引いて考えなければならないのであろう。
だが、それにしても、現代のマスプロ大学の中で試験のレポートというものは、ひとりひとりの学生から教師にむかって個人的に語りかける僅(わず)かな機会のひとつだと思う。特に私が担当している「社会思想」のような学科の場合には、書いた人間の内面性がレポートの文面に多少とも滲(にじ)み出ているものである。
それに教師の自宅に郵送されてくるレポートについては「信書の秘密」が法によって保障されているから、そこには言論の自由がある。一般に当節の日本の大学の構内では学生が左翼的・反体制的言論に真っ向から反対する言論を公然と表現することを憚(はばか)るような雰囲気があるが、レポートを書く時、学生はそういう抑圧的な雰囲気に囚(とら)われる必要はないはずである。
今年は、受講した学生各自が現在もっとも切実な関心をもつ社会思想上の問題について書いてもらった。そういう問題について書かれたレポートの内容が、各人各様になることは当然である。だが、そこには共通の特徴もいくつか散見される。その中で、私が特に印象づけられたのは、冒頭に述べたような、どこか虚無的なところのある暗さである。
≪反体制的ムードの影響も≫
この暗さはどこから来るのだろうか。
多くのレポートが大学の現状への失望を表明していた。大学の構内で殺人がおこなわれ、暴力への恐怖が日常化しているような状況の中で、自分は講義を聞いたり、本を読んだりしているだけでいいのか。こういう状況の中で、言葉や観念はそもそもどういう意味をもつのか。そうかといって、暴力に反抗して行動を起こそうとすれば、自分の行動を暴力化しなければならないが、それは自己矛盾である。いったいどうすればいいのか。……こういった焦躁(しょうそう)と不安が、そこには滲み出ていた。
全員帰国実現を訴え 拉致問題講演会で横田夫妻
2008.6.28 20:06
山形県鶴岡市の集会で、拉致問題の解決を訴える横田滋さんと早紀江さん夫妻=28日午後
米国が北朝鮮に対するテロ支援国家指定の解除を決めた中、拉致(らち)問題講演会が28日、山形県鶴岡市の中央公民館で開かれ、北朝鮮による拉致被害者家族会の横田滋さん(75)、早紀江さん(72)夫妻が拉致被害者の全員帰国の実現を訴えた。
滋さんは「北が拉致問題について再調査すると約束したからといって、進展とはいえない」と指摘。早紀江さんは「今、日本が1番強く出なければならないとき。政府は今年こそ救い出すという気持ちで交渉にあたっていただきたい」と訴えた。
会場には入れきれないほどの聴衆がつめかけ、横田夫妻の求めに応じ、次々と拉致被害者の帰国を求める署名に応じていた。講演会では、政府に北朝鮮に対する追加制裁の発動などを求める大会決議もされた。
会談を終え、記者会見するライス米国務長官(左)と高村外相=27日午後6時5分、京都市上京区の京都迎賓館(代表撮影)
「こども環境サミット札幌」開幕 11カ国、102人の小中学生集う
2008.6.27 17:49
「こども環境サミット札幌」に参加した小中学生ら。3日間の日程で世界11カ国の子供らが地球環境問題について話し合う=6月27日、札幌市東区のモエレ沼公園
7月7日の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の開幕を前に、日本を含む世界11カ国の小中学生102人が参加した「こども環境サミット札幌」が27日、札幌市東区のモエレ沼公園で始まった。
札幌市を中心とする実行委員会が、環境問題が主要議題のひとつとなる洞爺湖サミットを機会に、子供たちに地球環境の未来について考えてもらおうと主催した。
日本と、米国、中国、ロシア、韓国、インドなど計11カ国の小学5年生から中学3年生までの計 102人が参加、3日間の日程で、「地球の未来へ、いま、僕たち・私たちにできること」をテーマに地球温暖化問題などを話し合う。
初日の27日は、開会式の後、登山家の野口健氏(34)が子供たちを前に基調講演を行った。
野口氏は、エベレストや富士山で登山者がゴミを捨てる一方、地球温暖化で氷河がどんどん溶けていることを紹介。自身がエベレストの清掃登山に取り組み、環境が改善された経験を話し、子供たちに「地球環境について考えてみよう」と呼びかけた。
講演を聞いた米国人の女子中学生、ケイトリン・デイさん(13)は「これまで地球環境問題が何かよく分からなかったが、その重要性を知ることができた。世界のいろんな国から子供たちが来ているので、何がアピールできるかいっしょに考えてみたい」と話していた。
子供たちはワークショップで、自国のゴミ問題や自動車の排ガス問題などの実情を紹介、環境問題について話し合いを重ね、最終日の29日に「こども環境サミット札幌・メッセージ」を世界に向け、発信する。
「こども環境サミット札幌」に参加した米国と日本の小中学生ら=6月27日、札幌市東区のモエレ沼公園
年金記録問題の関係閣僚会議であいさつする福田首相(左から2人目)。左端は舛添厚労相=27日午前、首相官邸
G8外相会談 ワーキング・ディナーに出席した後、会見をする山田啓二京都府知事(左から2人目)、村田純一サミット外相会合京都支援推進協議会会長、門川大作京都市長(右)=26日午後6時40分、京都市左京区の京都国際会館(前川純一郎撮影)
京都迎賓館で行われたG8外相会合での歓迎行事=京都市上京区
G8外相会合の記念写真に納まるライス米国務長官(左から5人目)高村外相(左から6人目)と各国外相ら=26日午後、京都市上京区の京都迎賓館(代表撮影)
イタリアのフラティニ外相(左端)と会談する高村外相(右端)=26日午後、京都市上京区(代表撮影)
会談前にカナダのエマーソン外相(左)と握手する高村外相=26日午後、京都市上京区(代表撮影)
到着し出迎えを受けるライス米国務長官=26日午前11時37分、大阪空港(撮影:門井聡)
G8外相会合に出席のため、大阪空港に到着し専用機を降りるライス米国務長官
=26日午前11時37分(撮影:門井聡)
到着し専用機を降りるライス米国務長官=26日午前11時36分、大阪空港(撮影:門井聡)
かすむ「拉致」 福田政権打つ手なし 北朝鮮のテロ指定国家解除へ
2008.6.26 20:08
中国外務省で記者会見する武大偉外務次官=26日午後、北京市内(共同)
北朝鮮が26日に核計画を申告し、米政府は直ちにテロ支援国家指定を解除すると発表したことで、日本としては日本人拉致問題解決への有力なカードを失い、大きな痛手となった。町村信孝官房長官は26日夜、首相官邸でハドリー米大統領補佐官と電話で会談し、北朝鮮のテロ支援国家指定解除について「日本国民はショックを受けている」と伝えた。自民党内には、北朝鮮政策で「圧力」より「対話」を重視する福田康夫首相の外交姿勢に、拉致問題解決が遠のくとの悲観論も頭をもたげ始めている。(今堀守通)
首相は26日夕、首相官邸で「指定解除は日朝交渉を進めるテコを失うことにならないか」とする記者団の質問に「まったくそういうようには考えていない」と強調した。また、「(日米が)緊密に連絡を取り合うことが非核化実現に必要だし、核問題も解決できる道が開ける」とも述べ、米国の協力も得ながら先の日朝実務者協議で合意した「再調査」を早急に実施に移していく考えだ。
25日夜、ブッシュ米大統領は首相公邸にいた首相に電話し、「自分は拉致問題を決して忘れない。日本の懸念は十分理解しており、日本と引き続き緊密に協力していきたい」と語ったものの、拉致問題の前進が何ら担保されないまま、指定解除の手続きが始まるのは事実だ。大統領の任期も半年しかなく、政府関係者は「ライス国務長官は北朝鮮の核問題前進を『成果』だと強調する方針に変更はないだろう」と語る。
「交渉がなければ(拉致問題は)、解決しないだろう」と語る首相。だが、自民党首脳は「米国は勝手なことをする。クリントン政権の失敗を繰り返そうとしている。米国にきちんと言わないといけない」と首相の姿勢に不快感を示した。
26日、北朝鮮の核計画申告が注目される中、平壌市内の街頭に掲げられている大きな宣伝ポスター(共同)
平壌市内を走るトロリーバスで職場から帰宅する人たち=26日(共同)
平壌市内の交差点で交通整理に当たる女性警察官=26日(共同)
北京の北朝鮮大使館の掲示板に張られている金正日総書記父子の写真などを見る人=26日午後(共同)
北京市内の中国外務省で記者会見する武大偉外務次官=26日午後(共同)
G8外相会議始まる アフガン支援で共同声明
2008.6.26 18:58
会談を前に握手する高村正彦外相(右)とミリバンド英外相=26日午後3時39分、京都市上京区のホテル(代表撮影)
主要国(G8)外相会合が26日夜、京都市の京都迎賓館で2日間の日程で開幕し、アフガニスタンの復興支援や北朝鮮、イランの核問題などをめぐる議論をスタートさせた。高村正彦外相が27日に発表する議長声明では、北朝鮮に対する強いメッセージを盛り込む予定だ。
26日はアフガン復興が主なテーマとなり、テロが続発しているパキスタンとの国境地帯近への支援を強化するとともに、隣国にアフガン安定のために建設的な役割を果たすよう求める共同声明を発表。現地でのG8による調整の仕組みを構築することを確認する。
高村氏は会合で、総額20億ドル(約2160億円)に上る日本のアフガン支援の実績を説明し、インド洋での海上自衛隊艦船の給油活動による貢献も強調する。
これに先立ち、高村氏はカナダのエマソン外相、フラッティーニ伊外相、ミリバンド英外相とそれぞれ個別に会談し、2国間関係などを協議した。
高村氏はフラッティーニ氏に対し、「北朝鮮の核問題だけでなく、拉致問題を解決していくことも重要だ」と指摘したが、他の2人との会談では拉致問題は話題に上らなかった。
会談を前に握手する高村正彦外相(右)とミリバンド英外相=26日午後3時39分、京都市上京区のホテル(代表撮影)
会談前にカナダのエマーソン外相(左)と握手する高村外相=26日午後、京都市上京区(代表撮影)
イタリアのフラティニ外相(左端)と会談する高村外相(右端)=26日午後、京都市上京区(代表撮影)
【官房長官会見】「検討していないが、さまざまな議論 基礎年金国庫負担率引き上げ延期」(26日午前)
2008.6.26 12:51
記者会見する町村官房長官=26日午前、首相官邸
町村信孝官房長官は26日午前の記者会見で、平成21年度の基礎年金国庫負担率引き上げの先送りについて、「検討していない。この問題は、予算編成の過程で大きな問題だから、さまざまな議論が行われることになるとは思うが、今の時点で政府が具体に検討していることはない」と述べた。会見の詳細は以下の通り。
【北朝鮮】
−−北朝鮮による核開発計画の申告がきょう行われる見通しだが、今回の申告が北朝鮮の非核化に向けてどのような意義を持つのか
「きのうも申し上げましたけれども、第1段階を終えて、今、第2段階の出口にさしかかっているという状況で、申告は核物質、核施設、核計画を記載することが目的なんだろうと、こう思っております。それがどれだけ完璧(かんぺき)なものであるのか、どうなのかということはやはり、検証しなければならないんだろうと、こう思います。そういう意味で、最終目標であります核兵器の放棄に向けたステップとして大変重要なものであろうし、日本も6者会合の責任ある一員としてですね、しっかりとその作業に加わっていきたいと考えております」
−−最終的な廃棄が目標だが、そのためには北朝鮮から何らかの担保を取る必要があると考えるか
「担保ってどういうものですか?」
「男女共同参画社会づくり功労者」の表彰式で、福田首相(左)から表彰されるソフトボール女子日本代表チームを率いた宇津木妙子元監督=26日午前、首相官邸
「男女共同参画社会づくり功労者」の表彰式に臨む福田首相ら=26日午前、首相官邸
平成20年男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰を受ける伏見妙子さん(旧姓宇津木、元ソフトボール女子日本代表チーム監督)=26日午前11時49分、首相官邸
G8外相会合控え京都厳戒態勢 パークアンドライドは利用低調
2008.6.26 11:51
主要8カ国(G8)外相会合が26日夕、京都市で始まる。7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)での政治課題について2日間の日程で討議する。会合を控えた同市内は、中心市街地で交通規制が敷かれ、交通検問も行われるなど厳戒態勢に入った。渋滞緩和のため、郊外の鉄道駅近くに駐車場を設けて中心部へのマイカー乗り入れを抑制する「パークアンドライド」も始まったが、渋滞の発生もなく、駐車場の利用も低調だった。
市内中心部の御池通や堀川通などの幹線通りでは「検問」と書かれた看板を掲げた警察車両が待機。京都市周辺の主要駅では、不審物が置かれることを警戒し、コインロッカーとごみ箱の使用が一斉に中止された。
一方、府や市は、普段はマイカーで通勤している人に電車の利用を促すため、市郊外の駅周辺にあるスーパーの駐車場や公営駐車場の14カ所で、計3000台分を確保。そのうちの一つ、300台分の駐車スペースを用意した同府宇治市の「イトーヨーカドー六地蔵店」では、この日午前9時までに車11台が駐車し、市営地下鉄や京阪電鉄に乗り換えて出勤する通勤客の姿が見られた。
駐車場を利用した京都市伏見区の美術館スタッフの女性(53)は「今日は地下鉄で通勤しようと思って利用した。満車だったらどうしようと思っていたが、空いていたのでラッキーでした」と話していた。
G8外相会合を控え厳戒態勢に入った=26日午前11時4分、京都市中京区(撮影・柿平博文)
G8外相会合を控え厳戒態勢に入った=26日午前11時4分、京都市中京区(撮影・柿平博文)
G8外相会合を控え厳戒態勢に入った=26日午前11時4分、京都市中京区(撮影・柿平博文)
【正論】ノンフィクション作家・上坂冬子 漁船隠蔽また無視された外務省
2008.6.26 03:45
≪国営企業へ譲渡の驚き≫
電話を受けたとき私は、「ヒエッ」と妙な声をあげたのを覚えている。
日本のカニかご漁船が北海道・根室のノサップ岬から2キロ足らずの海上で、国境線を越えたからといってロシアの警備艇に撃たれ、35歳の漁師が殺害されたのはほぼ2年前のことだ。
4人の乗員のうち残る3人は国後島に拘留され船長は48日後に、すべてこちらが悪かったと認める書類にサインを強制されて、船は没収されたまま身一つで釈放されている。
私としては当然、のちに漁船は日本に返還されるものと思い込んでいた。没収された漁船には計器がついており、国境線を越えたかどうかの一つの根拠を示す重要な役を担っていたからだ。
ところが産経新聞外信部からの電話によれば、その漁船がすでにロシアの国営企業に譲渡されていたというのである(6月24日付)。
「ヒエッ」
と声をあげるのは当然ではないか。
私はとっさに証拠隠滅を図ってのことだろうと判断した。証拠の計器は廃棄されてしまったにちがいない。日本で新品を買えば4000万円ほどだというその船体は、いま国後島を離れてサハリン(樺太)の港に係留されている。
この事件について私は『これでは愛国心が持てない』(文春新書)という一冊にまとめたが、いまこそこの思いを新たにした。
≪「証拠隠滅」が狙いか≫
そもそもロシアは日本の漁船が国境線を越えたというが、日露両国の間でまだ国境線は決まっていない。日本としては話し合いによって国境線を決め、ロシアとの平和条約を結ぶべく交渉中だ。35歳の漁師は確たる証拠もないまま殺害されたことになる。しかもロシアが一方的に主張する国境線を楯にとって。
新聞によれば、日本政府は物的証拠として漁船の引き渡しを求め続けてきたというのだが、計器が外されていれば証拠としての価値などあるはずもない。
いったい、ロシアという国は一切の国際法にわれ関せずという国なのか、それとも日本だけがこれほどまでに無視されているのか。というよりも日本の外交能力は、ここまで無視されるほど弱体なのであろうか。
ついでにいうなら船長は罪を認めたのだから罰金を、ということで根室に着いてから日本円で214万円を支払うことを条件として釈放された。さらに余計な一言をつけ加えるなら、余裕を見込んで250万円用意した罰金をロシア側はそのまま受け取って、釣り銭がなかったと船長はのべている。いずれにしろ、漁船譲渡の話はロシア側から踏んだり蹴(け)ったりの扱いを受けて無抵抗な日本の姿をさらに浮かび上がらせたというほかない。百歩ゆずってロシアが勝手に決めた国境線なるものを日本の漁師が無断で越えたとしても、だからといって殺害されるいわれはないのだ。
現に昨年4月、ロシアの漁船がゴムボートでロシア側のいう国境線を越えてノサップ岬までビールを買いにきた事件があった。“国境線”を越えたという点では条件は同じはずだが、日本側は特に咎(とが)めることもなくロシアの漁師を無事に帰している。
≪防衛省も監督官庁に≫
もちろん、ロシアから殺害した漁師への謝罪金が支払われたとは報じられていない。漁師には日本の労災が下りた。日本側としては、かろうじて漁師を国境侵犯扱いせず“まとも”に労働に従事していたときに殺害されたという判断を下したことになる。
このあいまいな国境問題に日本側はどうやってケジメをつけるつもりであろうか。また漁船の引き渡しを求めながら無視された国の尊厳を、どう取り戻すつもりか。
ロシア側は相手国の国民を銃撃できる立場にある沿岸警備艇を用意して“国境線”を守っているのに、日本は海上保安庁(海の警察)だけでよいのであろうか。具体的な巡視は海保、交渉ごとは外務省だけで事足りるのであろうか。監督官庁として外務省のほかに防衛省が入っていないのが、国民の一人として私には不安でならない。
洞爺湖サミットが近い。
伝えられるところによると、メドベージェフ大統領はプーチン時代とはちがうカラーを出すべく努力中とか。
日本としても新大統領との会談で、これまでの惰性を一新し日露外交の新時代へのきっかけとすべく、いわれもなく返還拒否の状態となっている漁船の問題を、北方領土問題とからめて徹底的に追及すべきだ。
チャンスを逃すな。(かみさか ふゆこ)
日米電話会談 ブッシュ大統領「拉致は決して忘れない」
2008.6.25 22:57
平壌駅前の目抜き通りに掲げられた反米宣伝のポスター。北米大陸と米兵をたたく拳が描かれている=25日、平壌市内(共同)
福田康夫首相は25日夜、ブッシュ米大統領と電話で会談し、北朝鮮問題について意見交換した。ブッシュ大統領は日本人拉致問題について「決して忘れない。日本の懸念は十分理解しており、日本と引き続き緊密に協力していきたい」と、昨年11月の日米首脳会談での発言を改めて述べ、拉致問題を重視する方針に変わりはないことを強調した。福田首相は「拉致問題を含む諸懸案の解決に向け日朝間の協議でも最大限努力しているが、引き続き米国の協力をお願いしたい」と述べた。
首相はまた、26日にも予定されている北朝鮮の核計画申告に関連し、「北朝鮮による核の放棄に向けた6カ国協議のプロセスを前進させることが重要だ」と指摘した。
電話会談は約20分間行われた。米国が北朝鮮に対するテロ支援指定国家解除を米議会に通告する方針を示していることに、日本国内に解除への反発の声が強いことを踏まえ、首相側が24日から申し入れていた。大統領とは、主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)に合わせて、7月6日に会談する予定だ。
電話会談に先立ち、首相は25日、自民党青年局の井上信治局長、柴山昌彦次長と首相官邸で面談した。この中で、首相は米国の北朝鮮のテロ支援国家指定解除方針について「拉致問題の解決も大切だが、核問題の申告による進展も大切だ。両方、総合的に大切にしていく。北朝鮮問題の解決に向け努力する」と述べた。
平壌市内の横断歩道で、車両の通過を待つ女子学生ら=25日(共同)
平壌市内の路上の自転車屋台で、食べ物を買い求める人たち=25日(共同)
日米電話会談 ブッシュ大統領「拉致は決して忘れない 2008.6.25 22:57
228自治体などの補償金の免除繰上償還を認める 総務省
2008.7.9 10:16
総務省は9日、地方自治体などの旧簡易生命保険資金と公営企業金融公庫資金からの借り入れについて、平成20年度に申し出のあった228団体の補償金の免除繰上償還を認めた。
申請があったのは岩手、滋賀の2県と220市町村、6一部事務組合。旧簡易生命保険資金が177団体で約170億円、公営企業金融公庫資金が297団体で、19年度と合わせて約2260億円の免除繰上償還が認められた。
免除繰上償還は自治体財政の健全化策の一つで、地方債の借り換えや一括償還の際に必要な将来の利子相当分(補償金)の支払いを免除する特例措置。19年度から21年度までの3年間で5兆円程度を国が実施する。
サルコジ大統領がジョギング サミット会場近くで
2008.7.9 09:55
洞爺湖サミット会場近くのゴルフ場で9日朝、ジョギングをするフランスのサルコジ大統領。福田との会談時間はないのにね…(AP)
開催中の北海道洞爺湖サミットに出席しているフランスのサルコジ大統領は9日朝、会場近くのゴルフ場で日課のジョギングを行った。サルコジ大統領をめぐっては、今回のサミット期間中に想定されていた日仏首脳会談が“キャンセル”になっており、「ジョギングする時間はあるのにねえ…」という声も聞こえてきそうだ。
サルコジ大統領はTシャツに短パン姿で、護衛役の数人を従えてゴルフ場内を走った。カメラに気づいたのか、ちらりと目をやるシーンもあった。
サルコジ大統領をめぐっては、日本側が福田康夫首相との首脳会談を想定していたが、8日、見送りが決まった。「日本側が断ることはありえない」(外務省筋)といい、仏側が消極的だったためという。
サルコジ大統領に関しては、妻で元スーパーモデルのカーラ・ブルーニさんが同行も“ドタキャン”。大統領自身も「日本嫌い」という評判がある。
9日朝、ジョギングをするフランス・サルコジ大統領(AP)
9日朝、ジョギングをするフランス・サルコジ大統領(AP)
洞爺湖サミット会場近くのゴルフ場で9日朝、ジョギングをするフランスのサルコジ大統領。北海道の新鮮な空気はお気に召しただろうか(AP)
【正論】拓殖大学学長・渡辺利夫 「集団的自衛権」の解釈変更を
2008.7.9 03:02
≪日米同盟の脆弱性露呈≫
日米同盟は日本の安全保障の「基軸」である。しかしNATO(北大西洋条約機構)などに比べると相互防衛条約としての性格は弱い。相互に不信と猜疑(さいぎ)が生まれれば毀損(きそん)されかねない脆弱(ぜいじゃく)性が日米同盟にはある。日米が相互に守るのは日本の施政下にある地域に限定され、何より集団的自衛権に関する日本の解釈が日米同盟を損ねる危険な可能性を秘めている。
米ソ冷戦時代にあっては日本に存在する米軍基地の戦略的重要性は決定的であり、片務的な条約であっても存在理由は十分にあった。しかし冷戦崩壊とともに日米が共同して防衛すべき対象が不鮮明となり、日米条約の在り方について過去の解釈を踏襲していては危うい。
集団的自衛権についての日本政府の解釈は「わが国は独立国として集団的自衛権を保有するが、それを行使することは自衛の限度を超え、したがって憲法上許されない」というものである。“保有するが行使できない”などというのは誰がどう考えたって奇妙な論理である。そういう論理が許されるような「太平楽」な安全保障環境が長くつづいたというだけのことである。
集団的自衛権は国連憲章51条で諸国家に固有の権利として認められ、日米安保条約の前文でも日米双方が集団的自衛権を保有する旨が明記されている。日本国憲法第9条はもとより、国内法のどこをどう探してみても集団的自衛権を禁止する文言などない。
≪期待にたがわぬ安保懇≫
北朝鮮が6カ国協議の議長国・中国に核申告をしたという事実を受けて米国は北朝鮮をテロ支援国家指定国から解除するという挙に出た。申告がプルトニウムを中心とし、日本が最も知りたい核兵器保有の数や場所などを含まないと知った上での指定解除である。日本の米国に対する不信の高まりは避けられないが、米国の方にも集団的自衛権行使に踏み切れずにいる日本への不信が根強い。
集団的自衛権に関する法的制約はないのにもかかわらず、“行使できない”ということはありえない。これは法理的解釈というより政策的解釈である。そうであれば政策的解釈を変えればいいのだが、その勇気が日本の政治家や官僚にはないのである。
安倍政権下のことである。「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保懇)の設置が内閣総理大臣決裁として発表された。指名されたメンバーのリストを眺めて、日本もついにまっとうな方向に歩みを始めたかと快哉(かいさい)を叫んだ。
検討さるべきテーマとして首相から示されたのは、(1)日米が公海で共同行動している際に米艦船が攻撃された場合、わが国自衛隊の艦船が何もしないという状況が生じていいのか(2)米国に向かう蓋然(がいぜん)性が高いミサイルをわが国がレーダーで捕捉した場合、自衛隊がこれを迎撃しないといったことが許されるか(3)PKO(国連平和維持活動)において他国の部隊や隊員が攻撃された場合、わが国自衛隊が武器をもって駆けつけ友軍を助けないでいいか(4)補給、輸送、医療などそれ自体は武力行為ではない「後方支援」を武力行使と「一体化」したものとみなしてこれを拒否していいか、であった。
≪「お蔵入り」は許されず≫
安保懇は平成19年5月18日に第1回会議が開催され、第5回の会議が8月30日に終わり、それ以降は会議はまったく開かれなくなった。政権交代がその原因なのかと気をもまされたが、結局はこの6月24日に最終報告書が首相に提出された。
結論は期待を裏切らぬ明快なものであった。集団的自衛権の行使ならびに国連憲章にもとづく集団的安全保障措置への参加は日本国憲法の「法理」にまったく抵触しない。かつ法的解釈は安全保障環境の変化に応じて変更さるべきは当然であり、集団的自衛権の行使は憲法改正を要しないことを明示した。
その上で先の4つの検討事項について(1)と(2)には個別自衛権ではなく集団的自衛権として解釈を変更すべきこと、(3)と(4)は集団的自衛権には当たらず、国際平和維持のためにむしろ積極的にこれを行うべきこと、というのがその論旨であった。
個別的自衛権の「姑息(こそく)」な解釈変更は安全保障の法的基盤の全体を崩しかねないという。「集団的自衛権の対象となるべき事項を個別自衛権の適用範囲を拡張して説明しようとすることは、国際法では認められない」と明言する。
政府の審議会や懇談会というのは、とかく政府の方針の「追認」の域を出ない。久方ぶりに気概に満ちた報告書に接したとの感が強い。支持基盤の弱い福田政権がこれを「お蔵入り」させてしまうことだけを私は恐れる。(わたなべ としお)
★洞爺湖便り★ブッシュ夫人が乗り合いバスを拒否
2008.7.8 18:10
真狩村のゆり園を訪れた首脳夫人ら。福田首相夫人の貴代子さん(中央)とローラ米大統領夫人が談笑した=北海道真狩村、2008年7月8日午後0時05分
北海道洞爺湖サミットに参加している主要8カ国(G8)首脳の5夫人は8日、真狩村内のレストランで昼食会を開くなど、サミット会場のザ・ウィンザーホテル洞爺の外で配偶者プログラムをこなした。だが、政府関係者によると、移動の際にブッシュ米大統領のローラ夫人だけが、日本政府の用意したバスに乗らず乗用車を利用した。政府関係者は「なぜ共同行動をとらないのか理解に苦しむ」と話している。
政府は首脳の配偶者プログラムについて、エコと警備の観点から1台のバスで夫人たちが一緒に移動する手はずにしていたが、サミット開幕前に「某国首脳夫人」の1人が「他の夫人と一緒のバスに乗りたくない」と日本側に申し出ていた。その後、サルコジ仏大統領のカーラ・ブルーニ夫人が参加をドタキャンした経緯などがあり、その“わがまま妻”が米大統領夫人であるかどうかは不明。
真狩村のゆり園を訪れ、福田夫人とともに記念撮影する首脳夫人ら=北海道真狩村、8日午後0時10分
関係者に作法を習い、お茶をたてる各国首脳夫人=7日午後、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺(出力・中鉢)
北海道・新千歳空港に到着したブッシュ米大統領とローラ夫人=6日午後1時30分
新千歳空港に到着、小学生から花束を受け取り笑顔のブッシュ米大統領とローラ夫人
=6日午後1時31分(代表撮影)
反サミット団体によるデモ行進=北海道豊浦町、7日午前8時すぎ(鈴木健児撮影)
反サミット団体によるデモ行進=北海道豊浦町、7日午前8時15分(鈴木健児撮影)
反サミット団体によるデモ行進=北海道豊浦町、7日午前8時15分(鈴木健児撮影)
国際メディアセンターには多くの外国人記者が集まり、明日の開幕に備えていた
=北海道留寿都、6日午後(鈴木健児撮影)
【洞爺湖サミット】「拡大論」で丁々発止 3対1で現状維持派優勢
2008.7.8 18:02
主要国首脳会議の2日目、経済討議に入る各国首脳ら=午前10時11分
8日の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の首脳会合では、正式参加国を主要8カ国(G8)から拡大するかいなかをめぐり、丁々発止のやりとりが繰り広げられた。ある首脳が拡大論を唱えたのに対し、3首脳が現状の枠組み維持を主張した。
G8の枠組みをめぐっては、フランスのサルコジ大統領はG8に中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカの新興経済国5カ国を加えた「G13」に拡大することを持論とし、日本や米国は反対している。
サミット拡大に関する討議は午前中の世界経済をテーマとした会合で行われた。口火を切ったのは拡大論者の首脳で、「(食糧価格高騰や貿易自由化など)もろもろの問題の解決はG8以外の諸国の協力が必要だ。21世紀の現実に適合した形でのサミットが必要だ」と述べ、新興経済国の参加容認を求めた。
これに対し、3人の首脳が発言を求め、「価値を共有する国の間の会合が重要だ」「より多数の国が参加すれば、突っ込んだ議論をするのは困難になる」などと反論した。ただ、この日の会合で結論は出ず、論議は来年、イタリア・マッダレーナ島で開催される次回サミットに持ち越される方向だ。
四川大地震で応援に駆けつけた国際緊急援助隊メンバーらと握手をし感謝の意を伝える胡錦濤中国国家主席=8日午前9時32分、札幌市豊平区(矢島康弘撮影)
【洞爺湖サミット】胡主席が日本援助隊にお礼「貢献、永遠に心に刻む」
2008.7.8 12:40
四川大地震で現地に派遣された日本の国際緊急援助隊メンバーと面会する中国の胡錦濤国家主席(右奥)=8日午前、札幌市内のホテル
主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)拡大会合出席のため、来日した中国の胡錦濤国家主席は8日、札幌市内のホテルで、5月に発生した中国・四川大地震の際、日本政府が派遣した国際緊急援助隊の隊員ら16人と面会し、「中国人民は皆様の貢献を永遠に心に刻みます」と感謝の意を示した。
緊急援助隊からは、現地で活動した救助チームの小泉崇団長ら9人と医療チームの田尻和宏団長ら7人が出席。隊員らは、出迎えた胡主席と握手を交わした後、大地震の際の緊急援助隊の活動の様子を紹介するビデオを胡主席とともに鑑賞した。
ビデオは中国側が作製したもので、「愛に国境はない」「日本政府と国民に感謝します」などのテロップのもと、隊員らの現地での活動の様子を約8分にわたり紹介。地震の被害で両足を失いかけた中国人女性が日本の医療チームの手当で、切断しないですんだエピソードなどを映し出した。
胡主席は「皆様の活動は中国人民に対する友情の現れ、中国政府を代表して、日本政府と日本国民に対し感謝する」と発言し、日中の戦略的互恵関係を進めるためにも、防災面での協力が大切であることを強調した。その後、胡主席は隊員らに、現地での隊員の活動の様子を映したアルバムなどを手渡した。
四川大地震で現地に派遣された日本の国際緊急援助隊メンバーと記念写真に納まる中国の胡錦濤国家主席=8日午前、札幌市内のホテル
★洞爺湖便り★首脳夫人、特設市場を見学 地元食材の仏料理も堪能
2008.7.8 12:35
特設市場「北のまるしぇ」を見学する各国首脳夫人。左端は福田首相夫人の貴代子さん
=8日午前、北海道真狩村
北海道洞爺湖サミットに参加した各国首脳の夫人らは8日、洞爺湖の北約20キロにある真狩村を訪れ、取れたての新鮮な野菜や魚介類を販売する特設の市場「北のまるしぇ」を見学した。
北のまるしぇは、フランスのマルシェ(市場)を手本にした対面式の市場で、地元の人が素材の持ち味や栽培法などを説明しながら量り売りするスタイル。夫人たちは泥が付いたままの男爵芋や、ユリ根など地元の新鮮な野菜のほか、魚介、乳製品などの特産品に見入って買い物気分を味わった。
一行はその後、隣接する「レストラン・マッカリーナ」で福田康夫首相の貴代子夫人が主催する昼食会へ。羊蹄山を望む山小屋風の店内で、留寿都村産のアスパラガスなど野菜を中心に使ったフランス料理を楽しんだ。
真狩村のゆり園を訪れた首脳夫人ら=北海道真狩村、8日(AP)
【洞爺湖サミット】G8首脳早くも署名
2008.7.8 11:18
国際メディアセンターで公開された、各国首脳らのサイン=8日午前10時7分、北海道留寿都村(撮影:門井聡)
北海道洞爺湖サミット2日目の8日朝、世界中の記者が集まる国際メディアセンター(IMC、留寿村)の入り口に福田康夫首相、ジョージ・ブッシュ大統領ら主要8カ国首脳と欧州連合委員長の計9人の直筆署名が張り出された。
青い地球の写真と「Our One Home(私たちの家はひとつ)」の文字の下に並ぶこの署名は、7日夕の七夕関連行事などの後、夕食会が始まる前に各国首脳が行った。日本政府によると「寄せ書きのようなもの」ということで、ここでは政治的駆け引きは必要なかったようだ。
国際メディアセンターで公開された、各国首脳らのサイン=8日午前9時57分、北海道留寿都村(撮影:門井聡)
【洞爺湖サミット】きょう日露首脳会談 首相「身長差」に自信も領土交渉は…?
2008.7.8 10:26
7日、北海道洞爺湖サミットの会場で、夫人を交えて談笑する福田首相(右)とメドベージェフ露大統領(左)=AP
福田康夫首相は8日夕、北海道洞爺湖サミット会場のザ・ウィンザーホテル洞爺で、ロシアのメドベージェフ大統領と会談する。政府関係者によると、首相は4月下旬に訪露し、大統領就任直前のメドベージェフ氏と会談した直後、その印象について「自分より背が低い」と周辺に優越感たっぷりで語っていたという。身長差では自信を深めている首相だが、さて、袋小路に入っている領土交渉では優位に立てるのか−。
旧ソ連時代を含めてロシア首脳として初めて北方領土の“地元”北海道に降り立ったメドベージェフ大統領(42)は、「大男」のイメージが強いロシア人にしては極めて小柄だ。そのためか身長は公表していないが、約162センチと判明している。
ちなみに、プーチン前大統領(首相)も決して大柄ではなく、身長は「国家機密」扱いだ。しかし外務省幹部によれば、プーチン氏が平成12年9月に初めて公式訪日した際、講道館から柔道着を贈呈されることになり、日本外務省の事前に照会にクレムリンが170センチと伝えてきたという。
これに対し福田首相(72)の身長は171センチ(首相官邸ホームページ)。ロシアで「強い指導者」ともてはやされたプーチン氏はもとより、30歳も若いメドベージェフ氏にも身の丈ではリードしており、「背が低い」発言はいかにも嫌みが好きな首相らしい。
7日、北海道洞爺湖サミットの会場で談笑する福田首相(右)とメドベージェフ露大統領(AP)
七夕飾りの前で写真撮影に応じる(左から)ベルルスコーニ伊首相、メドべージェフ露大統領、メルケル独首相、ブラウン英首相、福田康夫首相、ブッシュ米大統領、ハーパー・カナダ首相、サルコジ仏大統領、バローゾEU委員長。この日の撮影では、メドベージェフ氏の方が背が高くみえるのだが・・・=7日午後7時21分、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺で(代表撮影)
「食品偽装、消費者庁が司令塔に」岸田担当相に聞く
2008.7.7 21:59
岸田文雄・消費者行政推進担当相=東京・霞ヶ関(小松洋撮影)
来年度に設置される見通しの「消費者庁」の制度設計にかかわった岸田文雄消費者行政推進担当相が産経新聞の取材に応じ、中国製ウナギなどの食品偽装に対し、農水省の検査を受け、今後は消費者庁が司令塔として偽装根絶に向けて対応する考えを示した。消費者相談の窓口充実のカギを握る地方の消費生活センターについては、来年度から国による直接的な財政支援を行う考えを明らかにした。(酒井充)
一元的に対応
各省庁に分散している消費者行政を消費者庁が一元的に執行するのだから、法律の隙間(すきま)に陥っていた事案に対応する新法とあわせ、これまで問題視された課題に対応する。
飛騨牛や中国製ウナギなどの食品偽装が相次いでいる。来年度以降は食品表示部分の行政は農水省から消費者庁に移管するので、当然しっかりとかかわっていく。
検査などは農水省の協力が必要で、農水相に委任するが、消費者庁は検査による情報を元に司令塔として対応し、消費者の声がしっかりと反映される対応を実現する。
首相の思い強く
福田康夫首相は消費者問題に大変強い思いがある。行政を消費者、生活者が主役とするものに変えると強調し、具体的に行政のあり方の見直しを指示した。
作業に携わり、消費者問題が幅広い分野にかかわっていることを痛感した。首相の思いと法律や組織の実態とを調和させるのに苦労した。閣僚折衝では「消費者行政部門と産業政策部門を切り離すと連携が弱まる」「実効性を本当に確保できるか」といった指摘を受けた。
★洞爺湖便り★首脳夫人を茶席でもてなし
2008.7.7 19:13
関係者に作法を習い、お茶をたてる各国首脳夫人=7日午後、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
北海道洞爺湖サミットが開幕した7日、福田康夫首相夫人の貴代子さんが各首脳夫人を茶でもてなした。夫人たちは十二単(ひとえ)の着付けも見学し、日本文化を堪能した。
ザ・ウィンザーホテル洞爺で行われた茶会には、貴代子さんやブッシュ米大統領夫人のローラさんら6首脳の夫人が参加。この日のために設置された茶室で、水色の着物に身を包んだ貴代子さん自ら茶を振る舞った。
裏千家の関係者に作法を習いながら、茶を口にした夫人たちは笑顔で会話を交わしながら、茶道具についての貴代子さんの説明にも熱心に耳を傾けていた。
茶会の前に夫人たちは、十二単の着付けを見学。服飾研究家の市田ひろみさんから「千年変わらないロイヤルファミリーの衣装です」と解説を受けながら、夫人たちは色とりどりの着物を次々に重ねていく様子に見入っていた。
茶会に参加したブッシュ米大統領夫人のローラさん=7日午後、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
各国首脳夫人に茶道具の説明をする、福田首相夫人の貴代子さん(左端)
=7日午後、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
茶道具を囲む各国首脳夫人ら。左から6人目は福田首相夫人の貴代子さん=7日午後、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
十二単の着付けを見学する各首脳夫人=7日午後、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
福田首相、英独首脳と会談 原油、食糧価格高騰への取り組みでも意見交換
2008.7.7 13:20
ドイツのメルケル首相(右手前から3人目)と会談する福田首相(左端)=7日午前、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
福田康夫首相は7日午前、主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の会場であるザ・ウィンザーホテル洞爺で、ブラウン英首相、ドイツのメルケル首相と相次いで個別に会談し、地球温暖化問題について、温室効果ガスを2050年までに半減させる長期目標について、G8で合意に向けて連携することでそれぞれ一致した。また、ムガベ政権による野党弾圧に国際的非難が集まるジンバブエ問題について、同日午後のアフリカ開発拡大会合で積極的に取り上げる方針を確認した。
日英首脳会談でブラウン首相は「ここ数カ月、世界経済は原油価格、エネルギー価格、信用収縮などの困難に直面している」と指摘し、とりわけ原油価格の高騰についてはバイオ燃料が原因の1つとの見解を示した。日英首脳は、発展途上国に対する農業支援を強化することでも一致した。
英独首脳との会談は、いずれも福田首相が6月上旬に訪欧した際の初顔合わせ以来、2度目。同日午後から名実ともに開幕する洞爺湖サミットを直前に、主要議題について最終的な調整を行った。
日英首脳会談を前に握手するブラウン英首相(左)と福田首相=7日午前、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺(代表撮影)
日英首脳会談に臨むブラウン英首相(右から2人目)と福田首相(左端)=7日午前、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺(代表撮影)
北海道・新千歳空港に到着したドイツのメルケル首相(代表撮影)
新千歳空港で日本人少女らの出迎えを受け、花束を手渡されるメルケル独首相(AP)
ドイツのメルケル首相(右手前から3人目)と会談する福田首相(左端)=7日午前、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
【洞爺湖サミット】温暖化対策を確認一致へ 福田首相、英独首脳と相次いで会談
2008.7.7 10:07
新千歳空港に到着したメルケル・ドイツ首相=7日午前8時52分(彦野公太朗撮影)
福田康夫首相は7日午前、北海道洞爺湖サミットの会場であるザ・ウィンザーホテル洞爺で、英国のブラウン首相、ドイツのメルケル首相と相次いで個別に会談、英独首脳とそれぞれ、地球温暖化問題で主要8カ国(G8)による一致した対策を目指すことを改めて確認する見通しだ。原油、食糧価格の高騰を受けた取り組みに関しても意見交換するとみられる。
英独首脳との会談は、いずれも福田首相が6月上旬に訪欧した際の初顔合わせ以来、2度目。同日午後から名実ともに開幕する洞爺湖サミットを直前に、主要議題について最終的な調整を行うことになる。
地球温暖化問題では、温室効果ガスを2050年までに半減させる長期目標について、G8で合意を目指して連携することを申し合わせる。依然として慎重姿勢を崩さない米国への対応についても話し合われる見通しだ。また、発展途上国の食糧増産やバイオ燃料抑制、食糧輸出禁止の緩和などについても協議するとみられる。
新千歳空港に到着したブラウン英首相(左)=7日午前7時53分(代表撮影)
ジンバブエ問題、G8で連携確認 日カナダ首脳会談
2008.7.6 22:25
日・カナダ首脳会談を前に笑顔で握手するカナダのハーパー首相(左)と福田康夫首相
(6日午後6時5分、北海道洞爺湖町で)=代表撮影
福田康夫首相は6日、カナダのハーパー首相とザ・ウィンザーホテル洞爺で会談し、ジンバブエのムガベ政権による野党弾圧が国際的非難を集めている問題について、8日の主要8カ国(G8)首脳会合で一致した対応を目指すことで合意した。首相はまた、アフリカ開発や平和構築分野で両国の協力を促進したいと表明し、ハーパー首相も同意した。両首脳は、北海道洞爺湖サミット閉幕後の10日に東京で改めて首脳会談を開く予定。
サミット前夜の洞爺湖町
2008.7.6 22:07
国際メディアセンターには多くの外国人記者が集まり、明日の開幕に備えていた=北海道留寿都、6日午後(鈴木健児撮影)
主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)を翌日に控えた6日、各国首脳が続々と洞爺湖入りし、報道陣の取材拠点となる「国際メディアセンター」(留寿都村)にも海外メディアが陣取り、本格的な活動をスタートさせた。一時は警備が厳しいと客足が遠のいていた洞爺湖町も政府関係者などでにぎやかさが戻ってきた。町はこのにぎわいをサミット終了後も継続したいと「アフターサミット」に勝負をかける。大舞台の前夜を追った。
■海外メディアの目
国内外のメディア5000人が登録している国際メディアセンター。5日のオープン当初は590席ある共用スペースもがらんとしていたが、日米首脳会談が行われた6日夕にはほとんど埋まっていた。
エチオピアのフォーチュン紙のマイケル・チェバド編集長は「サミットがなければ北海道に来る機会はなかった。日本のホスピタリティーもすばらしい」と満足げだ。一方、ロシアの経済誌「プロファイル・マガジン」のスェルラマ・ババエバ記者は「英語を話せるスタッフが少ないし、警備が厳しすぎる。関心があるのは国際経済とメドベージェフ大統領」と切り捨てた。イタリアの日刊紙の記者は「ジンバブエ、地球温暖化、食糧危機を報じるつもりだ。日本には関心がない」と辛口だった。
国際メディアセンターには多くの外国人記者が集まり、明日の開幕に備えていた=北海道留寿都、6日午後(鈴木健児撮影)
国際メディアセンターには多くの外国人記者が集まり、明日の開幕に備えていた=北海道留寿都、6日午後(鈴木健児撮影)
国際メディアセンターには多くの外国人記者が集まり、明日の開幕に備えていた=北海道留寿都、6日午後(鈴木健児撮影)
日米首脳会談 北の拉致・核問題解決で緊密連携
2008.7.6 20:27
日米首脳会談後の記者会見で、横田めぐみさんについて書かれた本を手に拉致問題に言及する米国のブッシュ大統領(左)。右は福田康夫首相 =6日午後5時21分、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺(代表撮影)
福田康夫首相は6日、主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の舞台となるザ・ウィンザーホテル洞爺で、ブッシュ米大統領と会談した。両首脳は、北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向け緊密に連携していくことで一致し、核・ミサイル開発問題でも協力する方針を確認した。地球温暖化対策では、首相が温室効果ガス削減に関する長期目標の設定に協力を要請した。ブッシュ大統領は会談後の共同記者会見で、何らかの形での建設的なステートメント(報告)を検討していると説明した。
今回の会談は、6月下旬の北朝鮮による核計画の申告と米国のテロ支援国家指定解除手続きの着手後、両首脳の初めての顔合わせとなった。
会談で首相は、拉致被害者の横田めぐみさんに関する英訳の書籍を大統領に手渡し、拉致問題解決に向けた協力を要請した。ブッシュ大統領は会談後の共同記者会見で、「日本国民が拉致問題が無視されないことを切望していると理解している。米国は日本を見捨てない」と明言した。また、「テロ支援国家指定解除によって制裁が解除されるわけではない」とも語った。
温暖化対策では、主要8カ国(G8)の首脳会合での合意に向け両国が協力することを確認した。ただ、大統領は会見で「私は現実主義者だ。中国やインドが同じ目標を共有しなければ問題解決はできない」と述べ、米欧日の先進国だけに温室効果ガスの削減義務を課されることに改めて懸念を表明した。
このほか、原油価格や食糧価格の高騰問題について迅速な対応が必要であるとの認識で一致した。大統領は会見で「強いドルを信じている」とも述べ、原油価格高騰などの原因と指摘されているドル安の是正を図る意向を示した。
日米首脳会談後の共同記者会見で記者の質問に答えるブッシュ米大統領(左)と福田首相
=6日午後5時30分、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺(代表撮影)
日米首脳会談後の共同記者会見を終え、ブッシュ米大統領(左)と握手する福田首相
=6日午後5時43分、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺(代表撮影)
首相、アシモとの“会談”はギクシャク
2008.7.6 19:07
国際メディアセンター入り口で人間型ロボット「ASIMO(アシモ)」の館内説明に聞き入る福田康夫首相(左)と貴代子夫人
福田康夫首相は6日、北海道洞爺湖サミットの取材拠点となる留寿都(るすつ)村の国際メディアセンター(IMC)を訪れ、太陽電池など日本の先進環境技術が展示されている「環境ショーケース」などを視察した。
首相が貴代子夫人を伴ってIMCに入ると、歩み寄ってきた2足歩行ロボット「ASIMO(アシモ)」がお出迎え。首相は握手を求めたが、プログラムに入っていないためか、無視されて苦笑いを浮かべる場面もあった。
その後、アシモがデジタル地球儀「触れる地球」が設置されたスペースに首相を案内する際、アシモが急速度で走り出したため、首相は一瞬置いてけぼりの状態に。普段の首相は歩くのが速いことで知られているが、最先端ロボットのスピードには後れをとってしまったようだ。
国際メディアセンター「ゼロエミッションハウス」でアシモにお茶を振る舞われる福田首相夫妻
国際メディアセンターで「トヨタ・パーソナルモビリティ i-REAL」に試乗する福田首相
国際メディアセンターで、雪を利用した館内冷房システムの説明を受ける福田首相夫妻。ガラスの下に雪室がある
国際メディアセンターを訪れエコカーで移動する福田首相夫妻
国際メデジアセンターを訪れ、人間型ロボット「ASIMO(アシモ)」の歓迎を受ける福田首相と貴代子夫人=6日午後1時26分、北海道留寿都村、代表撮影
国際メディアセンターを訪れ、2足歩行ロボット「ASIMO」(アシモ)に手を振る福田首相と貴代子夫人=6日午後、北海道留寿都村(代表撮影)
福田首相 北京五輪開会式出席を正式表明
2008.7.6 18:08
首脳会談を前に、ブッシュ米大統領(左)と握手する福田首相=6日午後、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
福田康夫首相は6日、ブッシュ米大統領との会談後の共同記者会見で、8月8日の北京五輪開会式に出席することを正式に表明した。首相は出席理由について「日本の選手を激励したい。スポーツと政治をからめる必要はない。中国という隣人が健全で明るい国になってほしい」と述べた。
海外開催の五輪開会式に日本の首相が出席するのは、1988年のソウル五輪の竹下登首相(当時)以来、20年ぶりとなる。首相は北京五輪開会式に出席する際の移動手段として、通例の政府専用機ではなく、小型で経済効率のよい航空自衛隊のU4多用途支援機の使用をすることを計画している。
首脳会談を前に、ブッシュ米大統領と握手する福田首相=6日午後、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
首脳会談を前に、ブッシュ米大統領(左)と握手する福田首相=6日午後、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
【北海道洞爺湖サミット】各国首脳が続々と到着
2008.7.6 15:39
北海道洞爺湖サミットのため新千歳空港に到着した福田首相と貴代子夫人=6日午前10時46分
7日開幕の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)に参加する各国首脳は6日、会場となるザ・ウィンザーホテル洞爺に相次いで入った。
議長の福田康夫首相が同日午前に“一番乗り”した後、ブッシュ米大統領が午後、新千歳空港を経由してヘリコプターでホテルに到着した。主要8カ国(G8)首脳ではこのほか、カナダのハーパー首相、イタリアのベルルスコーニ首相、ロシアのメドベージェフ大統領が相次いで現地入り。英国のブラウン首相、フランスのサルコジ大統領、ドイツのメルケル首相は7日朝に到着し、サミットの拡大会合に臨む。
【洞爺湖サミット】温室効果ガス国別数値目標は盛り込めず 首脳宣言発表
2008.7.9 13:44
主要経済国会合(MEM)に臨む左から福田首相、一人とばして李韓大統領、ハーパー加首相、バローゾ欧州委員会委員長=2008年7月9日午前10時30分、北海道洞爺湖町の「ザ・ウィンザーホテル洞爺」(外務省提供)
主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)は最終日の9日、主要8カ国(G8)や中国、インドなど計16カ国と欧州連合(EU)が地球温暖化問題を話し合う主要排出国会議(MEM)の初の首脳会合を開き、首脳宣言を発表した。先進国が温室効果ガスの国別総量削減目標をつくることを明記した一方、焦点だった排出削減数値目標を盛り込むことは合意できなかった。サミットは同日午後、福田康夫首相が記者会見し、3日間の成果を議長総括として発表、閉幕する。
米国の提唱で昨年9月に発足したMEM会合は、これまで4回の会合を開いている。サミット開催にあわせたMEM首脳会合では福田首相が議長を務めた。
「2050年に世界の排出量を半減させる」長期目標を世界と共有するとの8日のサミットでの合意を受け、主要国はMEMで目標への合意を呼びかけた。
しかし、先進国の率先行動を求める途上国との溝は埋まらず、首脳宣言は「公平性を考慮し、長期目標を設定することが望ましいと確信する」などの表現にとどまった。そのうえで、京都議定書に続く国際的な次期枠組みについて、先進国が「国別総量削減目標を設定、可能な限り速やかに排出増に歯止めをかける」と記述。途上国は「今のまま対策を取らない場合の排出量より、排出を減らすことを目指して適切な対策を追求する」とした。
新興経済国首脳とG8首脳による拡大会合=9日午前、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
拡大会合ワーキング・セッションに臨む各首脳=2008年7月9日午前8時46分、北海道洞爺湖町の「ザ・ウィンザーホテル洞爺」(外務省提供)
新興経済国首脳とG8首脳による拡大会合。奥はあいさつを交わす米国のブッシュ大統領(左)と中国の胡錦濤国家主席=9日午前、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
サミット閉幕へ 途上国、排出削減で先進国に80〜95%削減要求
2008.7.9 11:34
新興経済国首脳とG8首脳による拡大会合。奥はあいさつを交わす米国のブッシュ大統領(左)と中国の胡錦濤国家主席=9日午前、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)は9日午前、中国やインドなど新興8カ国首脳を加えた主要排出国会合(MEM)を開いた。途上国側は温室効果ガスの80〜95%削減を求めており、2013年以降の国際的な取り組み「ポスト京都議定書」に向けてどこまで先進国側との協調が図られるかが焦点となる。サミットは同日午後、福田康夫首相が議長総括を発表し、閉幕する。
計16カ国が参加するMEM首脳会合では、G8の議論を踏まえ、長期目標やガス排出量の抑制などについて協議。MEMのガス排出量は世界全体の8割を占めるため、G8側は50年までに世界全体のガス排出を半減させる長期目標への参加を促す。
ただ、新興5カ国は8日に独自の会合を開き、先進国が50年までに、ガス排出量を1990年比で80〜95%削減するよう求める政治宣言を打ち出すなど、新興国や途上国に積極的な温暖化対策を求める先進国を強く牽制している。
午後には、原油価格を含む世界経済や食料価格の高騰、アフリカ支援などについてG8で問題意識の共有を図り、G8の枠組みを超えた取り組みの強化を進める。福田首相は過去最多の22カ国が参加した洞爺湖サミットの成果を議長総括にとりまとめる。
MEMに先立ち行われた中国、インド、メキシコ、ブラジル、南アフリカの新興5カ国とG8との拡大会合では、食糧増産に向けて協調することで一致した。5カ国との会合は昨年のハイリゲンダムサミットで提案され、開発、エネルギー、投資、イノベーションの経済4分野の対話を進めてきた。
経済交流が拡大するなか、投資環境の改善や知的財産権保護への取り組みなどで一致し、世界の安定した経済成長に向けて協調していくことを確認した。
新興経済国首脳とG8首脳による拡大会合=9日午前、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
主要経済国会合(MEM)に臨む左から福田首相、一人とばして李韓大統領、ハーパー加首相、バローゾ欧州委員会委員長=2008年7月9日午前10時30分、北海道洞爺湖町の「ザ・ウィンザーホテル洞爺」(外務省提供)
拡大会合ワーキング・セッションに臨む各首脳=2008年7月9日午前8時46分、北海道洞爺湖町の「ザ・ウィンザーホテル洞爺」(外務省提供)
【官房長官会見(2)】「1つのステップとして意味ある 北核計画申告」(25日午後)
2008.6.25 20:58
記者会見する町村官房長官=25日午前、首相官邸
【3大臣会合】
−−先ほど、石破茂防衛相と高村正彦外相と3大臣会合が開かれていたが、そこでどのような議論をしていたのか。結論は出たのか
「3大臣会議の会議内容は、いつも一切申し上げておりません」
【北朝鮮】
−−北朝鮮の核開発計画の申告だが、明日のようだが、改めて今回の申告をどう考えているか。また、米国のヒル国務次官補が申告の中には、核兵器が含まれていないということを明らかにしているが、それについてはどのように考えているか
「報道ベースですけれども、ヒル国務次官補が核兵器は次の段階、第3段階で取り上げられると。そしてこの第2段階の申告はすべての核物質、核施設、核計画を記載することが目的であると述べているようであります。この核兵器と核計画は、どっちが概念として広いのか狭いのかとか、どういう定義になるのかとか、この辺は率直にいって必ずしも私にはよく分かっておりません。いずれにいたしましても、北朝鮮が完全な申告を行うということが、何よりも重要でありますし、そして北朝鮮の核計画の全容が明らかになることが大事であるし、そして最終的には、この6者会合が始められた当初の、一番最初の目的であります核兵器の北朝鮮の持っていると言っている核兵器の完全な放棄ということが行われなければ、この6者協議の目的は達成されたことにならない。それに向けていかに着実に進んでいくのかということが重要だと考えております」
【官房長官会見(1)】「二度とないようにする 居酒屋タクシー」(25日午後)
2008.6.25 20:54
記者会見で中央省庁職員の深夜帰宅時の「居酒屋タクシー」問題について話す町村信孝官房長官=25日午後4時10分、首相官邸(酒巻俊介撮影)
町村信孝官房長官は25日午後の記者会見で、深夜帰宅のタクシー運転手からビールや現金などを受け取っていた国家公務員が27府省庁、機関の計1402人に上ったとする調査結果を発表し、「今後こうしたことが二度とないように、タクシーの適正な利用について各府省の職員に対して徹底をしていきたい」と述べた。会見の詳細は以下の通り。会見の詳細は以下の通り。
【居酒屋タクシー】
「一点だけ私のほうから申し上げますが、公務員が公費でタクシーに乗った際にビール券、ビール等の提供を受けた問題でございますが、これまで各府省でいろいろ事実調査をやってまいりまして、本日までに各府省の調査結果がまとまったものですから、ご報告をいたします。お手元の資料が配布されておりますね。詳細はこれをごらんいただきたいと思いますけれども、ビール等の提供を受けていたものは、各府省合計で1402人。うち、現金を受け取っていたものは3人。現金といっても極めて少額の現金から、かなりの多額の現金があるようであります。ビール券等の金権を受け取っていたものが55人、ビールやお茶等の物品のみを受け取っていた者が1344人。お手元の資料の通りであります。これは、あの、多寡を問わず、多い少ないを問わず、職務の公正性について国民の疑惑、不信を招く行為を慎むべき立場にあります国家公務員としては不適切であるということで、誠に遺憾なことであります。これらの職員につきましては法令違反の有無を詳しく検証しまして、国家公務員倫理審査会、本日開かれまして、その承認を得まして、33人に対して国家公務員法に基づく懲戒処分、それから118人に対して訓告、厳重注意等の措置を行うことといたしております。処分の内容の詳細などは各府省の担当、そして、内閣総務官室にご確認をいただきたいと思います。いずれにしても、今回、法令に違反する行為につきまして厳正に対処することとしたわけでございますけれども、今後こうしたことが2度とないように、タクシーの適正な利用について各府省の職員に対して徹底をしてまいりたいと考えております。私の方からは以上であります」
記者会見で中央省庁職員の深夜帰宅時の「居酒屋タクシー」問題について話す町村信孝官房長官=25日午後4時9分、首相官邸(酒巻俊介撮影)
事務局長に清家慶大教授起用へ 公務員改革推進本部
2008.6.25 20:18
清家篤慶応大教授
政府は25日、7月上旬に発足させる公務員制度改革推進本部の事務局長に、清家篤慶大教授(54)を起用する方針を固めた。週内にも決定する。清家氏は労働経済学専攻だが、行政改革推進本部専門調査会の座長代理を務めるなど公務員制度にも精通しているため、適任と判断した。民間人を登用することで、公務員改革に対する積極的な姿勢を示す狙いがある。
福田康夫首相は24日、改革推進本部の事務局人事について、渡辺喜美行政改革担当相が主張する公募制導入を退け、自ら人選する考えを打ち出した。しかし「各省庁の職員を寄せ集めの人事はしない」として、民間人の起用も含めて人選する考えを示していた。
改革推進本部は先の通常国会で自民、民主、公明3党の修正合意を受けて成立した、国家公務員制度改革基本法に基づいて設置される。
【正論】ノンフィクション作家(ドイツ在住) クライン孝子
2008.6.24 03:21
■自民議連の移民誘致プラン反対
≪「日本」の溶解の懸念≫
中川秀直元幹事長はじめ自民党議員有志が、将来の日本が移民と共生する「日本型移民国家」を目指して「外国人材交流推進議員連盟」を立ち上げたのは昨年末のこと。今回そのグランドデザインがまとまり、政策提言として福田首相に提出されたという。
それによると、外国人の定住推進策として「移民基本法」を立案し、「移民庁」を設置する。その上で、不当な低賃金労働にメスをいれるなど外国人の受け入れ態勢を整備し、外国人研修・技能実習制度の抜本的な見直しを図るという。さらに一歩踏み込んで、地方自治体における外国人住民基本台帳制度の導入や在日外国人に対する行政サービスの充実、外国人の法的地位の安定を図る大幅な永住許可要件の緩和を図るなど、今後50年間で日本の総人口の10%(約1000万人)の移民を誘致する数値目標を掲げ、「多民族共生国家」への道筋をつけるという。
理由は、一つは少子化による人口減少に歯止めを掛けること、二つは人材確保体制の強化にあるという。
だが待てよ。この壮大なプランだが、一見聞こえはいいものの、習慣も文化も言葉も異なる他民族の国内誘致だけに、一体、筋書き通りにスムーズにことは運ぶのだろうか。一歩間違えば、なし崩しに日本古来の伝統文化や習俗・習慣の破壊に繋(つな)がり、最終的には「日本溶解」の危機にさらされかねない。
それだけではない。第二次世界大戦後の日本は曲がりなりにも、民主主義国家として発展を続け、他国にあるような対立型とは一味違う日本特有の融和を基調とする「あ・うん」型国家体制並びに治安体制を築き上げてきた国である。移民促進はその「日本」を根底から揺るがすことになりはしないだろうか。
≪ドイツは「負の遺産」に≫
私が住むドイツが移民国家としてスタートしたのはかれこれ半世紀前のことである。第二次世界大戦後、荒廃した欧州の復興および救済の立て直しに米国が進めた「マーシャルプラン」の恩恵に浴し、わずか10年足らずで見事に「奇跡の復興」を果たした。
以後、日本と同様右肩上がりの高度経済成長にあって、労働力不足を補うため、1950年代にはイタリアやスペインなど南欧やユーゴスラビア、旧東独から多くの出稼ぎ労働者を誘致し、1961年ベルリンの壁構築による旧東独との国交断絶後は、主としてトルコから、出稼ぎという名の移民を続々と受け入れてきた。その結果、今やドイツは米国、ロシアに次ぐ世界第3位の移民大国である。
ちなみに2005年、ドイツの移民者総計は1000万人余り、総人口の12〜13%を占める。しかし残念ながら、彼らの多くはひたすら独自の文化を持ち込むのに熱心で、ドイツのアイデンティティーをかたくなに拒む。
そればかりか、2001年の9・11(米中枢同時テロ)後、テロリストの一味がドイツを拠点に、テロ活動の主導的役割を果たしたこともあり、「負の遺産」を抱え込むに至った。このためドイツでは従来の寛大な無制限移民策にブレーキをかけ、国籍取得条件を緩和(継続滞在8年)する代わりに、来る9月1日よりドイツ語やドイツの憲法に当たる「基本法」、歴史や政治、社会の仕組み、文化など基礎知識のテストを導入し義務付け、既に一部の州では実施に踏み切り始めた。
≪治安・安全保障の問題に≫
それなのに、何と日本は、こうしたドイツなど移民大国が抱える諸問題には目をつむり、時代に逆行するかのように遮二無二「移民立国」構築に邁進(まいしん)すると言う。
彼らはそのリスクがいかに大なるものか、考えたことがあるのだろうか、とさえ思えてくる。何よりも、移民推進で避けて通れないのは、国家の根幹にかかわる治安および安全保障にあり、場合によっては反国家的活動が懸念されることも考えざるを得ない。
ドイツと異なり、諜報(ちょうほう)・防諜(ぼうちょう)機関はむろん「スパイ防止法」さえ整備されていない日本にいきなり「移民立国」では、まるで目隠しをして綱渡りをするような危険を伴う。
私など、もしかするとこの「移民立国」とは、ここ数年浮いては消え、消えては浮かびあがる「外国人地方参政権付与」法案と妙に連動していて、この法案への世間の風当たりを避ける肩代わり案として、急遽(きゅうきょ)提案されたのではないか、と勘操ってしまう。
ちなみに私は今年でドイツ在住40年になるが、「日本国籍」ゆえにドイツにおける選挙権の行使を許されていない。それでこそ国家体制の固持であり、「国家存続」の根性というものである。
早まって後悔しても後の祭りである。即刻白紙に戻し、今一度慎重に検討してもらいたい。
「ねじれ国会」で見せた福田首相の“素顔”は
2008.6.23 22:06
記者会見中、メモを取り出す福田康夫・首相 =23日午後5時47分、首相官邸(酒巻俊介撮影)
通常国会が21日に終わり、福田康夫首相は「ねじれ国会」の苦しみからひととき解放された。新テロ対策特別措置法や道路特定財源関連の法案で3度も衆院で再議決を使ったほか、日銀総裁人事での混迷、戦後初の参院での首相問責決議と異例ずくめだった国会。「番記者」の前で首相がみせたのは「飄々」という前評判にはおさまらない、いくつもの顔だった。(中西昭仁、山本慎一)
■晴れ晴れ
通常国会閉会の前日の20日。夕方の記者団との「ぶら下がり」取材で「正直申して、首相就任以来、わずか2日間を除いて、ほとんど国会でした」と、晴れ晴れしい笑顔をみせた。
この日は特別、表情がすがすがしい。
自民党代議士会でも、こんな発言で出席者を一瞬動揺させた。
「あんまり長くないですけど…」
『辞任』か? 会場はざわめいたが、首相は数秒間置いて「夏休みはあまり長くないかもしれない」。臨時国会の8月召集を予告するのに、冗談を言うほどの余裕をみせた。
■興奮収まらず
あまり表情を変えない首相だが、怒りが爆発したこともあった。
新テロ対策特別措置法が衆院での再議決を使って成立した1月11日。「話し合い路線」に応じない民主党への嫌みがこもった。
「本当に丁寧に、丁寧に(民主党に)説明してきました。それを暴挙といわれると、何が暴挙でないのかという感じもしないでもないですけどね」
日銀総裁人事も腹に据えかねた。2度も民主党に候補者を不同意にされ、4月9日の党首討論では「(副総裁候補も含め)もう4人も否定したんです。権力の乱用というんです。人事権の乱用というんです」。
異例づくめの国会。会見を終えた福田首相=23日午後、首相官邸
「沖縄全戦没者追悼式」で献花する福田首相=23日正午すぎ、沖縄県糸満市の平和祈念公園(代表撮影)
【福田首相記者会見詳報(1)(23日)】「与野党の話し合い何よりも重要」
2008.6.23 18:51
記者会見する福田康夫・首相=23日午後5時50分、首相官邸(酒巻俊介撮影)
福田康夫首相は23日午後、首相官邸で記者会見し、消費税率の引き上げについて「2、3年とか長い単位で考えている。もう少し先の段階だ」と述べ、今後の景気動向や歳出削減などを見極めて慎重に判断していく考えを示した。会見の詳細は以下の通り。
「まず先日の岩手・宮城内陸地震で亡くなられた方々にご冥福と被害に遭遇されたみなさんにお見舞い申し上げます。私も現地を見てきました。山肌が大きな爪痕がついております。そういう岩が各所にみられました。引き続き被災者の方々への支援と復旧、そしてまた二次災害の防止に万全を期したいと思っています。一昨日、通常国会は閉会しました。ねじれ国会でありましたが、公務員制度改革法が与野党の同意によって修正で成立したというように、与野党が協力すれば大きな力が発揮できることが明らかになった。しかし、全体としてみれば内閣提出法案については80本の法案を提出したが、8割程度の63本が成立したにとどまりました。児童福祉法など国民生活に密接に関連する法律を含めた17の法律が成立に至らなかったということは残念であります。また参議院では税制法案をめぐって3月中は審議が行われず、2カ月たっても参議院は意思決定がなされなかったという異常事態も経験しました。世の中の環境の変化が激しい中で、物事を決まるまで時間がかかるという問題の大きさを認識しました156日間です。」
「大規模な米軍駐留 不必要なものに」 河野衆院議長 沖縄戦没者追悼の辞
2008.6.23 17:47
追悼式で黙祷する(右から)福田首相、河野衆院議長、江田参院議長=23日、沖縄県糸満市の平和祈念公園
沖縄県糸満市で沖縄全戦没者追悼式に参列した河野洋平衆院議長は23日、追悼の辞で「国家の指導部が戦争の適切な早期終結を図れなかったことが、沖縄の大きな犠牲を生んだ」と述べた。
「軍が沖縄の住民の安全を第一に考えていたわけではない、という疑念からも目をそらしてはならない」と、旧日本軍の責任にも言及した。
また「東アジアに平和な外交環境をつくり出し安全保障情勢を変えることで、少なくとも今のような大規模な米軍の駐留を不必要なものにしていくべきだ」と述べ、沖縄の基地負担軽減の必要性を指摘した。
河野氏は平成18年と19年の終戦記念日に開かれた全国戦没者追悼式でも、戦争を主導した指導部の責任や、旧日本軍の一部による非人道的行為に触れている。
福田首相、沖縄全戦没者追悼式に参列 「平和協力国家の責任果たす」
2008.6.23 13:27
「沖縄全戦没者追悼式」を終え、記者の質問に答える福田首相=23日午後、沖縄県糸満市の平和祈念公園
福田康夫首相は「沖縄慰霊の日」の23日、沖縄県糸満市の平和祈念公園で開かれた「沖縄全戦没者追悼式」に参列した。首相は挨拶(あいさつ)で「沖縄戦では20万人もの方々の命が奪われた。県民の筆舌に尽くしがたい苦難に胸ふさがる気持ちを禁じ得ない。戦没者の方々の思いを平和の尊さの礎として大切に引き継いでいく」と追悼の意を表した。
そのうえで「わが国は再び戦争の惨禍を繰り返してはならない。世界の平和と発展に貢献する『平和協力国家』として、国際社会とで責任ある役割を果たしていく」と述べた。沖縄の在日米軍再編問題については「県民の負担軽減に向けて地元の切実な声に耳を傾け、全力を挙げて取り組む」と強調した。
また「沖縄振興計画に基づいて活力ある自立型経済を構築し、豊かな県民生活を実現すべく全力を尽くす」と語った。
首相はこの後、記者団に対し「63年前のいろいろなことを想像した。沖縄は苦難の時を過ごされた。日本人としては忘れてはいけない。歴史の事実を伝える責務がある」と述べた。
国交事務次官に春田氏
2008.6.23 13:06
春田謙氏
冬柴鉄三国土交通相は23日、旧建設省出身の峰久幸義国土交通事務次官が退任し、後任に旧運輸省出身の春田謙国土交通審議官を昇格させる人事を固めた。春田氏の後任には宿利正史官房長を充てる。7月4日付で発令する見込み。
省庁再編後の国交次官は9人目。春田氏は旧運輸省系としては4人目の次官になる。
◇春田 謙氏(はるた・けん)東大卒。昭和47年運輸省。官房長を経て平成18年7月から国土交通審議官。59歳。東京都出身。
沖縄で戦後63年の追悼式 基地問題解決を知事強調
2008.6.23 12:55
「沖縄全戦没者追悼式」で黙とうする人たち=23日正午、沖縄県糸満市の平和祈念公園
沖縄戦終結から63年の「慰霊の日」を迎えた沖縄で23日、福田康夫首相や河野洋平、江田五月衆参両院議長らが出席して沖縄全戦没者追悼式が営まれた。
最後の激戦地となった沖縄県糸満市摩文仁にある平和祈念公園で、参列者は正午に黙とうし、祭壇に献花。福田首相は軍民合わせて20万人以上が犠牲となった地上戦の惨禍に触れ「豊かな県民生活の実現と基地負担の軽減に向け、地元の切実な声に耳を傾けながら全力で取り組む」とあいさつした。
仲井真弘多知事は哀悼の意と不戦の誓いを掲げた平和宣言を読み上げ「目に見える形で県民の負担を軽減するよう、基地の整理縮小や日米地位協定の見直しを県民一丸となって日米両政府に強く訴え続ける」と強調した。
「沖縄全戦没者追悼式」で献花する福田首相=23日正午すぎ、沖縄県糸満市の平和祈念公園(代表撮影)
献花のため国立沖縄戦没者墓苑を訪れた、福田首相(前列右)と仲井真沖縄県知事(同左)=23日午前、沖縄県糸満市の平和祈念公園
「慰霊の日」を迎え、「平和の火」がともる平和祈念公園を訪れた家族連れ=23日午前、沖縄県糸満市
「慰霊の日」を迎え、「平和の礎」に祈りをささげる遺族ら=23日午前、沖縄県糸満市の平和祈念公園
「平和の礎」に刻まれた家族の名前に赤ちゃんを触れさせる遺族=23日午前、沖縄県糸満市の平和祈念公園
【官房長官会見】米軍基地移転「沖縄の意向をできるだけ実現」(23日午前)
2008.6.23 12:16
記者会見する町村官房長官=23日午前、首相官邸
町村信孝官房長官は23日午前の記者会見で、福田内閣の沖縄の米軍基地移転問題について「誠実に普天間協議会等々の場を通じて沖縄の意向をできるだけ実現できるように、そして普天間という大変危険な場所にあるものを(県内)北部に移転をするということで、環境アセスメントも進んでいる。沖縄のみなさん方に対する対応は政府として一貫してやっている」と述べた。会見の詳細は以下の通り。
【総理日程】
「総理は本日は、平成20年沖縄全戦没者追悼式出席のため、沖縄に行っておられます。きょうは5時半から記者会見が行われる予定でございます」
【地球温暖化対策】
−−ソウルで開かれていた温室効果ガスの主要排出国会合(MEM)だが、徹夜の協議が行われたということだ。結局、長期、中期とも具体的な数値目標の明記は見送られたが、この評価は。来月のサミット(主要国首脳会議)、MEMでは非常に見通しが厳しいのかなと思うがそのへんはいかがか
「まあ、16カ国ですかね。みなさま方が真剣に議論した結果、これも最終的には来年の12月に向けての1つのプロセスとして、意味があるんだろうと、こう思っております。案文を各国、それぞれ持ち帰って報告をするということでございまして、その案文の中身を私も聞いておりませんし、現時点ではその内容は言わないという、お互い合意してきているようでありますから、まあ、その内容について、ちょっと申し上げることは差し控えたいと思いますけれども、いずれにしてもG8(主要8カ国)サミット、そして引き続き開かれますMEMで今回のソウルの結果を踏まえながら、さらに前進を図るべく努力をしてまいりたいと考えております」
福田首相、沖縄全戦没者追悼式に参列へ
2008.6.23 08:41
献花のため国立沖縄戦没者墓苑を訪れた、福田首相(前列右)と仲井真沖縄県知事(同左)=23日午前、沖縄県糸満市の平和祈念公園
福田康夫首相は「沖縄慰霊の日」の23日午前、沖縄県に空路入り、同県糸満市の平和祈念公園で正午から開かれる「沖縄全戦没者追悼式」に参列する。6月23日は大東亜戦争(太平洋戦争)末期の沖縄戦で旧日本軍の組織的戦闘が終結した日とされており、沖縄県は犠牲者を悼む「慰霊の日」と定めている。
追悼式で出席者は戦没者の冥福(めいふく)を祈るために黙祷(もくとう)をささげ、仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事が平和宣言を読み上げる。この後、首相があいさつし、普天間飛行場のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設問題や、沖縄戦での住民の「集団自決」をめぐる教科書検定問題について言及するとみられている。
「慰霊の日」を迎え、「平和の礎」に祈りをささげる遺族=23日午前、沖縄県糸満市の平和祈念公園
ピリピリ「洞爺湖」 サミットへカウントダウン 「沖縄」から警備要員倍増 要人警護に1200人集結 思わぬ“敵”にも腐心
2008.6.22 23:06
サミット会場となる「ホテル・ウィンザー洞爺」に通じる山道で検問にあたる警察官=13日、北海道洞爺湖町
来月7日からの主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)まで2週間余りとなり、会場となる「ザ・ウィンザーホテル洞爺」のある洞爺湖町は厳戒態勢に入った。日本の地方で主要8カ国(G8)の首脳を迎えるのは、8年前の九州沖縄サミットに続き2回目だが、「沖縄に比べると警備が格段に難しい」(警備関係者)のが悩みの種。要人警護にあたる警察官は前回の倍以上となる1200人が投入されている。ピリピリムード一色の洞爺湖周辺のもようを追った。(杉本康士)
北海道の空の玄関口、新千歳空港から車で約1時間、緑に囲まれた洞爺湖が目に飛び込んでくる。
「サミットの警戒中です。免許証を見せてください」
会場最寄りの道央自動車道・虻田洞爺湖インターチェンジをレンタカーで抜けると、最初に出迎えを受けたのは検問にあたる警察官だった。会場ホテルに通じる山道では2カ所で検問が行われ、洞爺湖周辺の温泉街でもいたるところで警察官が警戒にあたっている。
同町で水産加工業を営む中年の男性は「サミットが近づいて変わったこと? 警察官が増えたことぐらいかな」と話す。
洞爺湖サミットでは、北海道警に加え、警視庁や大阪府警など全国各地の応援を受けて総勢2万人規模の警備態勢が敷かれる。九州沖縄サミットでも約2万2000人態勢だったが、前回との最大の違いは要人警護態勢を増強したことだ。
民主・小沢代表 マニフェスト大筋で変更なし
2008.6.22 18:45
盛岡市の民主党県連で記者会見する小沢代表=22日
民主党の小沢一郎代表は22日、盛岡市内の党岩手県連で記者会見し、次期衆院選に向けたマニフェスト(政権公約)の策定について、「夏場のうちに、粗々のことを担当者に考えてもらい、秋に作業を始められるようになればいい」と述べ、9月に想定される代表選後にとりまとめるべきとの考えを示した。中身についても「昨年の参院選とそんなに違う話が出たらおかしい。(政策課題の)本質は何も違っていない」と強調。消費税増税反対、税率据え置きを引き続き盛り込む考えを強調した。
【先週の政界名場面】東シナガス田共同開発合意を発表
2008.6.22 11:56
東シナ海のガス田共同開発で日中両政府が合意し、記者会見する高村外相(右)と甘利経産相=18日午後、外務省
18日午後、外務省で東シナガス田共同開発で日中両国政府が合意し、記者会見する高村正彦外相(右)と甘利明経済産業相。中国から一定の譲歩を引き出した格好だが、出資比率や残るガス田で共同開発の合意ができるかなど、今後の課題は山積だ。
【先週の政界名場面】拉致被害者家族会、救う会が政府に申し入れ
2008.6.22 11:56
拉致被害者家族会、救う会を前にあいさつする町村信孝・官房長官(右)=17日午後1時38分、首相官邸(酒巻俊介撮影)
17日午後、首相官邸を訪れ、町村信孝官房長官(右)に、対北朝鮮の一部制裁解除は慎重にするよう求めた拉致被害者家族会と救う会。制裁解除をめぐっては、自民党内でも賛否両論が出て対立が激化しており、今後の行方が注目される。
福田さん、ホッキョクグマとツーショットのわけは…?
2008.6.20 23:04
自民党が発表した2種類の政治活動用ポスターをアピールする野田聖子・党広報局長=20日午後、自民党本部(瀧誠四郎撮影)
自民党は20日、福田康夫首相(党総裁)の就任後第2弾となる政治活動用のポスターを発表した。
7月の北海道洞爺湖サミットを前に「環境」をテーマに2種類作製した。キャッチコピーは「環境は、日本がリードする」と「世界の環境、みんなで守ろう」。1種類は地球温暖化防止の象徴としてホッキョクグマを起用し、ノーネクタイ姿の首相とのツーショットで環境問題に取り組む姿勢をアピールしている。
空自の“自虐ポスター” 情報漏洩防止に効果!?
2008.6.20 14:15
「評判を呼んでいる自虐ネタ満載の週刊秘密保全」
「私が情報を漏らしました 元自衛官が実名告白」…衝撃的な“見出し”が並ぶ「週刊秘密保全」の広告。実はこれ、航空自衛隊が隊員に情報の漏洩(ろうえい)や流出の防止を呼びかける秘密保全がテーマの啓発ポスターなのだ。週刊誌の車内つり広告をまねたユニークな発想と、“自虐的”な見出しが空自内で話題となっている。全国の部隊で掲示されているが、その効果は!?
“見出し”に見立てた標語には「家族にも内緒で毎晩ファイル共有ソフト」「WINNYにハマった懲戒免職までの日々」「どんだけ〜!公私の区別がつかない隊員達 平気で秘密文章をコピー、仕事を家に持ち帰る上官」などと続く。
また、実名告白した元自衛官の顔写真をモザイクをかけて登場させている。
極めつけは、空自トップの田母神俊雄航空幕僚長が会見で使って物議を醸した「そんなの関係ねぇ」を使った「そんなの関係ねぇでは済まされない あなたのパソコン緊急点検ポイント100」。
このポスターを正式採用した空自に対し、陸上自衛隊などからは「われわれの組織では考えられない」との声も。
ポスターを企画した航空幕僚監部調査課によると、昨年9月に空自全部隊に応募を呼びかけたところ、約500作品が集まった。その中から厳正な審査で5点が採用となったが、「週刊秘密保全」は最高の評価だったという。5点のポスターは6月から全国の部隊で掲示されている。
自民党が発表した2種類の政治活動用ポスターをアピールする野田聖子・党広報局長。=20日午後、自民党本部(瀧誠四郎撮影)
通常国会、事実上閉幕 廃止法案は継続審議
2008.6.20 13:24
江田五月参院議長(右)にあいさつに訪れ握手を交わす福田康夫首相=20日午前11時36分、国会(酒巻俊介撮影)
第169通常国会は20日、21日の会期末を前に衆参両院が閉会中審査の手続きを行い、事実上閉幕した。11日に参院が福田康夫首相への問責決議を可決したことを受けて審議拒否していた民主、社民、国民新の野党3党も閉会中審査手続きには出席した。
衆参ねじれにより、今国会での内閣提出法案の成立率は78・8%にとどまり、昨年通常国会の91・8%を大きく下回った。与野党攻防は8月下旬に召集される臨時国会に舞台を移す。
自民党の伊吹文明幹事長は20日午前の記者会見で「今国会では苦い教訓も得た。次国会は与野党互いに謙虚に政治そのものが見放されないように対応したい」と振り返った。
衆院は20日午後の本会議で前回国会からの継続分を含め内閣提出19法案や、野党4党が提出した後期高齢者医療制度廃止法案など議員立法42本を継続審議にした。参院は20日午前の本会議で、政府提出の防衛省設置法改正案や児童福祉法改正案など取り扱っていた25法案すべてを廃案にした。
今国会では、揮発油(ガソリン)税の暫定税率をめぐり、召集直後から大荒れとなり、歳入関連法の成立の遅れにより、4月から1カ月間にわたり揮発油税の暫定税率が切れる事態となった。自民、公明両党は2度にわたり憲法59条に基づく衆院再議決を行い、3分の2以上の賛成多数で可決、成立させた。
一方、与野党が政策協議で歩み寄る場面も多く、改正石綿健康被害救済法やハンセン病問題基本法、宇宙基本法など議員立法により17件が成立した。
今国会は1月18日に召集され、会期は156日間となった。先の臨時国会が召集直前の1月15日まで128日間開かれたことを勘案すると計284日間のロングラン国会となった。
日・東南アジア諸国連合(ASEAN)経済連携協定など2条約は、参院送付後30日が経過する21日午前0時に憲法61条の規定により自然承認される。
町村信孝官房長官(左)と握手を交わす江田五月参院議長=20日午前11時36分、国会(酒巻俊介撮影)
【福田日誌】9日
2008.7.10 02:44
【午前】8時47分から9時45分、主要8カ国(G8)、新興5カ国各首脳との拡大会合。46分から10時1分、韓国の李明博大統領。13分から27分、主要排出国会議(MEM)首脳会合参加者を出迎え。37分からMEM首脳会合開始。
【午後】0時21分、MEM首脳会合終了。25分から26分、G8、新興8カ国、国際機関各首脳との記念撮影。44分から2時40分、G8、新興8カ国、国際機関各首脳とのワーキングランチ。43分、ザ・ウィンザーホテル洞爺発。3時8分、北海道留寿都村の国際メディアセンター着。30分から55分、G8議長記者会見。57分、同所発。4時30分、ザ・ウィンザーホテル洞爺着。5時から44分、中国の胡錦濤国家主席と首脳会談。54分から6時30分、インドのシン首相と首脳会談。35分から57分、メキシコのカルデロン大統領と首脳会談。7時2分から29分、ブラジルのルラ大統領と首脳会談。35分から53分、インドネシアのユドヨノ大統領と首脳会談。55分から8時18分、オーストラリアのラッド首相と首脳会談。31分、ザ・ウィンザーホテル洞爺発。10時5分、新千歳空港着。27分、政府専用機で同空港発。11時35分、羽田空港着。50分、同空港発。
【10日午前】0時10分、公邸着。
【櫻井よしこ 福田首相に申す】日本の地位沈めた言動
2008.7.10 02:43
主要国首脳会議は社交の場ではない。華やかさと友情の演出のなかで、「お友達のいやがること」も問題提起して、国益を懸けて闘う場である。福田康夫首相は、洞爺湖サミットを、国際社会での地位低下が著しい日本国の威信回復の場ととらえ、大いに奮闘しなければならなかった。だが、首相の言動は日本の地位をさらに沈下させたにすぎない。
それにしても、今回の福田外交は一体、何なのか。北方四島の所属する北海道を初めてロシア大統領が訪れたのだ。G8の首脳が一堂に会する全体会議で、なぜ、現在も続くロシアによる領土の不法占拠を議題にしないのか。
日露2国間の約1時間の協議で、首相はメドベージェフ大統領を“ドミトリー”とファーストネームで呼んだそうだ。その“ドミトリー”と“ヤスオ”の合意は、領土交渉を加速する「決意」だった。
決意したからには、「法律家のメドベージェフ氏は真剣に取り組むはずだ」と、外務省幹部が「手放しに評価」したそうだ。そうした助言に福田首相は納得しているのであろう。だが、同大統領に領土問題について国際法に基づいたまともな判断を期待するのは、まともな政治家のすることだろうか。
メドベージェフ大統領は、武闘派のプーチン首相と異なって、比較的リベラルだと伝えられてきた。法の支配を尊び、汚職対策の強化などでロシアを法治国家に変身させると、氏は唱えてきた。だが氏の行動は、言葉とは裏腹だ。ガス独占企業、ガスプロムの会長として、大統領府長官として、あるいは第一副首相として、氏はロシアが犯してきた多くの信じ難い、自由や民主主義や法治国家への重大な挑戦を黙認してきた。
日本との関連でいえば、三井物産、三菱商事が9000億円を投資し、ロイヤル・ダッチ・シェルとともに、ロシア政府の許認可を得て開発に乗り出した大規模石油・天然ガス開発事業、「サハリン2」がある。同案件は今年の完成に向けて75%超の工事が完成済みだった。それが一昨年秋、突然、事業化の承認を取り消され、経営権をガスプロムに奪われた。
日印首脳会談 地球温暖化で協力確認
2008.7.9 21:27
会談を前にインドのシン首相(左)と握手する福田首相=9日午後、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺(代表撮影)
福田康夫首相は9日、北海道洞爺湖サミット会場でインドのシン首相と会談し、地球温暖化対策で緊密に協力していくことを確認した。福田首相はシン首相の年内訪日を要請、両首脳は日印経済連携協定(EPA)交渉を加速化させることで一致した。シン首相が米印原子力協定について「国際原子力機関(IAEA)に持ち込まれる場合は日本の支持をお願いしたい」と求めたのに対し、福田首相は「検討するが、わが国を含む国際社会の関心にも適切に対応することに期待する」と述べた。
【洞爺湖サミット】議長総括発表 温暖化対策で「長期目標採択にリーダーシップ」
2008.7.9 20:00
議長記者会見する福田首相=2008年7月9日午後3時32分、北海道留寿都村の国際メディアセンター(大井田裕撮影)
主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)で議長を務めた福田康夫首相は9日午後、北海道留寿都(るすつ)村の国際メディアセンターで記者会見し、温室効果ガス削減の長期目標に関するサミット合意について「違いを乗り越えて共通認識を示し、国連での交渉に弾みをつける貢献ができた」と評価した。北朝鮮問題への対応でも「拉致問題を含む日朝関係の進展の重要性について各国首脳から力強い支持と協力の表明があった」と成果を強調した。
会見で首相は「2050年に世界の温室効果ガス半減」との長期目標を「世界で共有する」としたサミット合意の意義について、長期目標設定に慎重だった米国を取り込んだ点を挙げた。明記を見送った温室効果ガス削減目標の基準年については「現状から50%削減であり、考え方に混乱があるということではない」と指摘した。
3日間の討議の成果を記した議長総括は、北朝鮮に対し「拉致問題の早期解決を含む安全保障ならびに人権、人道に関する懸念に対処するために速やかに行動するよう要請する」と明記。核放棄に向け、6カ国協議の加速化の重要性を強調した。拉致問題が議長総括に明記されるのは、仏エビアン・サミット以来、6回連続となる。
議長総括は、経済分野で「原料、食料価格の上昇、世界的なインフレ圧力の高まり、金融市場の安定性、保護主義との戦いに取り組む」と表明したほか、イランのウラン濃縮活動に「深刻な懸念」を示し、ミャンマー軍事政権には文民政府への平和的な移行を要求した。
首相は会見で、北朝鮮の核計画申告に関して「検証枠組みの構築が重要だ」と指摘。ジンバブエ情勢では「国連安全保障理事会で合意すれば制裁も含まれる」と述べた。
【洞爺湖サミット】G8ワーキング・セッション 前に談笑するブッシュ米大統領(左)と福田首相=2008年7月8日午前10時10分、北海道洞爺湖町の「ザ・ウィンザーホテル洞爺」
新興経済国首脳とG8首脳による拡大会合=9日午前、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺
主要経済国会合(MEM)に臨む左から福田首相、一人とばして李韓大統領、ハーパー加首相、バローゾ欧州委員会委員長=2008年7月9日午前10時30分、北海道洞爺湖町の「ザ・ウィンザーホテル洞爺」(外務省提供)
北海道洞爺湖サミットの記念撮影で勢揃いした各国首脳。(左から)メドベージェフ・ロシア大統領、ブッシュ米大統領、福田首相、サルコジ仏大統領、メルケル独首相=8日午後0時23分、北海道洞爺湖町(代表撮影)
サミットで、真狩村のゆり園を訪れた首脳夫人ら。楽しそうに話しをする福田首相夫人の貴代子さん(中央)とローラ米大統領夫人=北海道真狩村、2008年7月8日午後0時05分(鈴木健児撮影)
G8合意目標を発表する福田首相の生中継映像に注目する国際メディアセンターの記者ら
=8日午後2時48分、北海道留寿都村の国際メディアセンター
加藤氏「拉致被害者を北朝鮮に返すべきだった」と発言 家族会・救う会が抗議声明
2008.7.9 14:40
自民党の加藤紘一元幹事長
自民党の加藤紘一元幹事長が拉致被害者5人について「国家と国家の約束だから北朝鮮に返すべきだった」と発言したことをめぐり、拉致被害者家族会(飯塚繁雄代表)と「救う会」(藤野義昭会長)は9日、「拉致被害者や家族の思いや不安をまったく理解しようとしない加藤氏に強い憤りを覚える」と抗議声明を出した。
加藤氏は7日夜のBS番組で、小泉純一郎首相(当時)が訪朝した平成14年秋、拉致被害者5人が帰国した際、政府が5人を北朝鮮に返さないことを決めたことを「当時官房副長官だった安倍晋三前首相を中心に(拉致被害者を)返すべきでないと決めたことが日朝間で拉致問題を打開できない理由だ。返していれば『じゃあまた来てください』と何度も何度も交流していたと思う。そこが外交感覚の差だ」などと発言。金正日総書記が拉致問題を認め、謝罪したことについても「天皇陛下みたいな人物だ」と述べた。
「家族会」と「救う会」の抗議声明では「5人が北朝鮮に戻されていれば『自分の意思で戻った』と言わされたあげく『拉致問題は解決済み』という北朝鮮の主張に利用されたであろうことは少しでも外交感覚のある人には明らかだ」と指摘。「不見識極まりない発言だ。加藤氏の精神構造を強く疑わざるを得ない」と批判した。
第3回日朝実務者協議で新たに北朝鮮から提示された、横田めぐみさんの写真
横田夫妻ら拉致被害者家族がシーファー・駐日大使(右)と会談が行われた=2日午後4時30分、港区・米駐日大使公邸(大西正純撮影)
拉致被害者家族会、救う会を前にあいさつする町村信孝・官房長官(右)=17日午後1時38分、首相官邸(酒巻俊介撮影)
横田めぐみさんを主人公にした漫画『めぐみ』の英訳版
日米首脳会談 北の拉致・核問題解決で緊密連携
2008.7.6 20:27
日米首脳会談後の記者会見で、横田めぐみさんについて書かれた本を手に拉致問題に言及するブッシュ大統領(左)。右は福田康夫首相 =6日午後5時21分、北海道洞爺湖町のザ・ウィンザーホテル洞爺(代表撮影)
福田康夫首相は6日、主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の舞台となるザ・ウィンザーホテル洞爺で、ブッシュ米大統領と会談した。両首脳は、北朝鮮による日本人拉致問題の解決に向け緊密に連携していくことで一致し、核・ミサイル開発問題でも協力する方針を確認した。地球温暖化対策では、首相が温室効果ガス削減に関する長期目標の設定に協力を要請した。ブッシュ大統領は会談後の共同記者会見で、何らかの形での建設的なステートメント(報告)を検討していると説明した。
今回の会談は、6月下旬の北朝鮮による核計画の申告と米国のテロ支援国家指定解除手続きの着手後、両首脳の初めての顔合わせとなった。
会談で首相は、拉致被害者の横田めぐみさんに関する英訳の書籍を大統領に手渡し、拉致問題解決に向けた協力を要請した。ブッシュ大統領は会談後の共同記者会見で、「日本国民が拉致問題が無視されないことを切望していると理解している。米国は日本を見捨てない」と明言した。また、「テロ支援国家指定解除によって制裁が解除されるわけではない」とも語った。
温暖化対策では、主要8カ国(G8)の首脳会合での合意に向け両国が協力することを確認した。ただ、大統領は会見で「私は現実主義者だ。中国やインドが同じ目標を共有しなければ問題解決はできない」と述べ、米欧日の先進国だけに温室効果ガスの削減義務を課されることに改めて懸念を表明した。
このほか、原油価格や食糧価格の高騰問題について迅速な対応が必要であるとの認識で一致した。大統領は会見で「強いドルを信じている」とも述べ、原油価格高騰などの原因と指摘されているドル安の是正を図る意向を示した。
首相官邸の歓迎式典で、子どもたちの歓迎を受ける潘基文国連事務総長(左端)=30日午前
山形県鶴岡市の集会で、拉致問題の解決を訴える横田滋さんと早紀江さん夫妻=28日午後
「男女共同参画社会づくり功労者」の表彰式に臨む福田首相ら=26日午前、首相官邸
平壌市内の横断歩道で、車両の通過を待つ女子学生ら=25日(共同)
ブッシュ米大統領
政府、地方分権改革推進要綱を決定 首相強い意欲を表明
2008.6.20 10:39
地方分権改革推進本部の会合であいさつする福田康夫・首相(右から3人目)=20日午前9時33分、首相官邸
政府の地方分権改革推進本部(本部長・福田康夫首相)は20日午前、会合を開き、国から地方への権限移譲の対処方針「地方分権改革推進要綱」を決定した。地方分権改革推進委員会(委員長・丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)の第1次勧告を「最大限尊重する」とし37項目のうち28項目は勧告通り明記。農地転用の許可権限を含む9項目については自民党族議員らに配慮して「移譲」とは記さず、1次勧告から後退した内容となった。
福田首相は要綱決定を受けて、「今後推進要綱で具体的な仕組みを検討するとした事項についても委員会の勧告の内容に沿って制度設計が行われるように各閣僚が先頭に立ってほしい。引き続き委員会の審議を積極的に支援して内閣の最重要課題である地方分権改革をさらに推進していきたい」と述べ、地方分権改革に強い意欲を示した。
政府は要綱を「骨太の方針2008」に反映させる。また、分権委は今後、年内にまとめる2次勧告に向けて国の出先機関見直しに着手し、来春の3次勧告までに税財源の移譲などについても議論する。これらを受けて政府は「地方分権改革推進計画」を作成し、平成21年度中に新地方分権一括法案を国会に提出する方針だ。
要綱では、農地転用の許可権限について、農地保全を主張する農林水産省や自民党農林族議員の主張を取り入れて国の関与の必要性を残し、「農地の保全確保」との表現を加えた。勧告で示された「移譲」の表現はなく、「1次勧告の方向により検討」と示すにとどめた。
また、1級河川の管理について、分権委は都道府県内で完結する53水系と隣県に流域が及ぶ12水系のうち自治体が希望する水系の移譲を打ち出していたが、要綱では「原則として一つの都道府県内で完結する河川」とあいまいな表現となった。
地方分権改革推進本部の会合であいさつする丹羽宇一郎委員長(左)。右は福田康夫・首相=20日午前9時32分、首相官邸
拉致進展条件、改めて求める 日米韓首席代表会合
2008.6.19 23:19
日米韓3カ国の首席代表協議を前に握手を交わす、ヒル米国務次官補、韓国の金塾外交通商省平和交渉本部長、外務省の斎木アジア大洋州局長(左から)=19日午後、外務省
北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の日米韓3国の首席代表が19日夜、外務省で会談し、ライス米国務長官が北朝鮮の核申告に合わせてテロ支援国家指定解除の手続きに入る考えを表明したことも含め、今後の取り組みについて意見交換した。外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長は、拉致問題で具体的な進展がない限り、指定解除はすべきでないという日本政府の立場を改めて説明し、この問題で引き続き米国と緊密に連携していくことを確認した。
米国からはヒル国務次官補、韓国からは金塾朝鮮半島平和交渉本部長が出席。斎木氏は11、12両日に北京で開いた日朝実務者協議の結果を説明し、ヒル、金両氏は、早期に具体的進展が得られ、解決が図られることに期待を表明した。
また、停滞状態にある6カ国協議の現状についても意見交換した。さらに、3国が協力してどのような取り組みを行い、議長国の中国とどう連携していくかなどを話し合い、協議が重要な段階に立ち至ったとの認識で一致した。
ヒル氏は会合後、記者団に「拉致問題は日本政府にとって重要であるだけではなく、米政府にも関心がある問題だ。これからどう進展していくのか日本と緊密に連絡しながら見守りたい」と語った。金氏は「日本が(現状では実施しないとしている)北朝鮮へのエネルギー支援に、早急に対応できることを期待している」と述べた。
さらに、テロ支援国家指定解除の前提となる核申告に関し、ヒル氏は「はっきり申し上げるが、われわれの立場は初めから北朝鮮の完全なる非核化だ。核兵器の破棄も入っている」と指摘し、核兵器廃棄も必要条件の一つだと強調した。
日米韓三カ国会合を終え、報道陣の質問に答える韓国の金塾外交通商省平和交渉本部長、ヒル米国務次官補、外務省の斎木アジア大洋州局長(左から)=19日夜、外務省
福田首相、秋葉原で合掌 無差別殺傷事件で
2008.6.19 19:04
東京・秋葉原の無差別殺傷事件現場近くに設けられた献花台に手を合わせ、犠牲者の冥福を祈る福田首相=19日午後1時52分
福田康夫首相は19日午後、東京・秋葉原の無差別殺傷事件の現場を訪れた。ダークグレーのスーツに白っぽいネクタイ姿の首相は厳しい表情で車を降り、献花台の前で数秒間合掌し、犠牲者の冥福(めいふく)を祈った。
海自護衛艦、初訪中へ出発 広島・呉港から
2008.6.19 11:01
中国広東省に向け、広島県呉市の呉港を出発する海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」=19日午前8時56分
海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」(4650トン、指揮官・徳丸伸一海将補)が19日午前、中国広東省湛江市の湛江港に向けて広島県呉市の呉港を出発した。
昨年11月に中国海軍のミサイル駆逐艦が初来日したのを受けた日中防衛交流の一環。今月3日に訪問の予定だったが、四川大地震の影響で延期されていた。自衛隊部隊が訪中するのは初めて。
派遣されるのは、さざなみ乗員や呉音楽隊員ら約240人。毛布約300枚や非常用食料約2600食などを地震の見舞品として搭載、自衛隊の中国への支援物資輸送も初となる。
24日に湛江港入りし28日まで滞在。中国海軍幹部らを招いた艦上レセプションのほか、両国音楽隊の合同演奏会を市内で開く。
中国広東省に向け、呉港を出発する海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」=19日午前8時55分、広島県呉市
歳出削減?それとも消費税増税? 福田発言、自民に波紋
2008.6.18 20:09
首相官邸で記者の質問に答える福田首相=18日夜
政府の経済財政諮問会議で議論された「骨太の方針2008」素案や、福田康夫首相の消費税率引き上げをめぐる発言が、自民党に複雑な波紋を引き起こし始めた。歳出削減か、それとも消費税増税か−。最終的な方向性が見えない中、党内には不満感だけ広がっている。
「財政再建とともに自民党は確実に沈没してしまう」。骨太の方針08で、18日の党政調全体会議は紛糾した。出席者は「党主導で(歳出削減方針を)全面書き換えしないと党は生き残れない」と悲鳴を上げ、骨太の方針08が歳出削減を基本方針として掲げたことへ強い反発が集まった。谷垣禎一政調会長も会議で「何事も金なしでやるわけにはいかない」と、財源不足という現実に理解を求めるのが精いっぱいだった。
新たな医師確保策にみられるような予算の“別枠化”の動きに反応し、社会保障費アップを目指す「歳出増圧力」も強まった。この日の厚生労働部会は、社会保障費の毎年2200億円圧縮する従来の方針に批判が集中。「削減は(社会保障にとって)決していい方向ではない」(衛藤晟一部会長)と、削減そのものを見直すべきとの考えを改めて打ち出した。
首相の消費税発言も、賛否両論に揺れた。消費税増税を持論とする与謝野馨前官房長官は「極めて理にかなったことだ。国民に理解を求めながら、一歩ずつ進んでいく慎重な姿勢が必要だ」と評価したが、こうした声はまだ少数派。
中間線またぎ「翌檜」付近で共同開発 日中ガス田協議が最終合意
2008.6.18 19:43
ガス田の共同開発で日中両政府が合意し、東シナ海が描かれた地図を背景に記者会見する高村外相(右)と甘利経産相=18日午後、外務省
日中政府は18日、共同開発の海域などで対立してきた東シナ海のガス田問題で中国側と最終合意し、高村正彦外相、甘利明経済産業相が合意内容を発表した。日本が主張する排他的経済水域(EEZ)の境界線「日中中間線」をまたぎ、天然ガス田「翌檜(あすなろ)(中国名・龍井)」付近の海域で5対5の対等条件で共同開発を実施。中国が単独開発を進め、問題の発端となった「白樺(しらかば)(中国名・春暁)」では日本が資金を出資し、その比率に応じ一定の権益を受け取る。
両政府は共同プレス発表文で「東シナ海を平和・協力・友好の海とするため、(日中の)境界確定が実現するまでの過渡的措置」との立場を表明。根本問題の境界線確定を棚上げした上で「戦略的互恵関係」の成果を優先させた。
共同開発海域は翌檜の南側の海域に中間線を挟み、ほぼ正方形に設定。また、白樺では中国側がすでに開発に着手した場所に限定し、中国の法律に基づいて日本企業が開発事業に参加する。日本側の出資率は今後の協議で詰める。
「楠(くすのき)」(中国名・断橋)、「樫(かし)」(同・天外天)の両ガス田は共同開発の合意に至らず、継続協議とした。日本側は来年の通常国会での条約制定を目指しており、出資比率など具体的な共同開発の内容を詰めるため、早期に実務者による条約締結交渉に入る。
同問題は平成16年5月に中国側が日中中間線近くのガス田開発に着手したのが発端。日本側の抗議を受けて始まった日中協議で、日本側は中間線を、中国側は沖縄諸島のすぐ西側にまで広がる大陸棚の東端「沖縄トラフ」をそれぞれ日中境界線として主張し、対立が続いていた。
NGOの市民メディアセンター設置に協力 洞爺湖サミットに向け札幌市
2008.6.18 18:42
市民メディアセンターの設置場所として札幌市が貸し出した旧札幌天神山国際ハウス。今年閉鎖されたが、天神山緑地の中にあり、現在は市民が時折、散歩に訪れている=札幌市豊平区平岸
主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット、7月7〜9日)を前に、札幌市(上田文雄市長)は18日、非政府組織(NGO)の要請を受け、海外からの「市民記者」やフリージャーナリストらが情報発信する「市民メディアセンター」のために、市有施設を無償でNGOに貸す契約を結んだ。
契約は、市民メディアセンターの運営管理をNGOが行い、市は、具体的に施設を利用する団体や人物について報告を求めない内容となっている。治安当局は、サミットに反対する過激な反グローバリズム団体などのメンバーが市民記者に紛れて施設に入り込む恐れがあるとみて警戒を強めている。
市民メディアセンターが設置されるのは、札幌市豊平区にある市有施設「旧札幌天神山国際ハウス」。かつて海外の研究者などの宿泊施設として利用されていたが、今年4月に閉館している。
札幌市はNGOの「G8市民メディアセンター札幌実行委員会」(滝口一臣実行委員長)と17日付で、同施設の貸し付け契約を締結。18日に契約書を交わし、実行委員会の施設の使用が始まった。契約期間は7月11日までで、電気代や通信費などは実行委員会が負担するが、貸し付け料は無料。
サミット期間中、既存の新聞社やテレビ局などのマスメディアは、政府が北海道留寿都村に設置する「国際メディアセンター」を拠点に取材、報道する。
【正論】東京基督教大学教授・西岡力 制裁解除は「再調査」を見極めて
2008.6.18 03:01
≪大きなトリデ失う恐れ≫
11、12日の日朝協議で、北朝鮮は「拉致は解決ずみ」という立場を変更して再調査を約束し、それを受けてわが国は制裁一部解除を表明した。
被害者帰国が実現していない段階で、制裁一部解除を表明してしまったことは、やはり拙速だった。外務省関係者は、小さな餌を投げて北朝鮮に拉致問題を議題とすることを認めさせたという趣旨の説明をしている。しかし、米国が今回の動きを拉致問題の進展ととらえてテロ支援国指定解除を行う場合、われわれは大きな砦(とりで)を失うことになる。
当面の北朝鮮のねらいがテロ支援国指定解除にあることは、今回の協議でよど号ハイジャック犯人の引き渡しを提案してきたことや10日の北朝鮮外務省による「反テロ宣言」発表などで明白だ。米国国務省当局者も再調査表明を歓迎すると語っている。北朝鮮がすべての被害者帰国につながる再調査を行うかどうか見極めるまで、米国が指定解除をしないように、外務省は全精力を傾けて働きかける責任がある。
伊吹自民党幹事長は14日、「拉致問題の調査が不十分なまま、チャーター便の日本着陸を認めたり、万景峰号が入港することはやってはならないし、政府がやるとは思っていない」と正論を述べているが、制裁一部解除は、再調査の進展を見極めてから行うべきことは言うまでもない。
≪制裁による北の譲歩も…≫
しかし、北朝鮮が従来の立場を変更したこと自体は、この間のわが国と国際社会からの圧力の効果として一定の評価はできる。
金正日政権は国内の独裁統治のため最低年間5億から10億ドルの外貨を必要とし、麻薬・偽札・保険金詐欺など犯罪資金、武器輸出、朝鮮総連・韓国政府などからの送金などでようやく最低限の外貨を確保してきた。この外貨依存こそが、金正日独裁体制の弱点であり、平成17年秋以降、そこを狙って戦略的に実施された米国の金融制裁とわが国による厳格な法執行制裁は大きな効果をあげた。焦った金正日政権はミサイル実験、核実験と強硬策に出たが、より制裁が強まる結果を生んだだけだった。
そこで、彼らは米国に対して核問題で譲歩するから制裁を緩めてほしいとすり寄った。これが、昨年から米朝核協議が進展した背景だ。わが国は、昨年2月、拉致問題の進展がない限り、核廃棄作業の見返りであるエネルギー支援にも参加しないという毅然(きぜん)たる外交原則を立てた。米国には、拉致問題を無視してテロ支援国指定解除を行えば日米同盟を揺るがすと警告し続けた。その結果、米朝協議の場で米国代表が北朝鮮に拉致問題での譲歩を迫るという構図が実現し、北朝鮮は日本との協議を再開させたのだ。
しかし、北朝鮮は拉致問題での協議に応じるまでは譲歩しても、できれば実質的進展をさせず、ごまかしを続けたいはずだ。そのため、昨年秋ころより、与野党政治家や有力ジャーナリストに様々な働きかけを行っていた。それを受けて、国内の融和勢力は、拉致問題が進展しない理由を、2年前からわが国が北朝鮮に対して強硬策をとったためと主張しだした。与野党の融和派議員により日朝国交正常化推進議連まで組織された。大手新聞に意図的にウソ情報をリークし、関係者の足並みを乱そうとする政府部内の「内部の敵」さえ出てきた。
≪融和派の妄言を許すな≫
一部融和派関係者はめぐみさんたち多くの被害者はすでに「死んでいる」という妄言を口にしている。しかし、北朝鮮は死亡の証拠を一つも出せなかった。それどころか、遺骨や死亡診断書さえ偽造するという考えられない悪質な対応をしてきた。生きている被害者を死んだとして隠したのだ。そのウソの動機は何か。金正日の名誉防衛、工作機関の秘密保持などさまざま考えられる。しかし、政権そのものが揺らぐほどの危機、すなわち統治に最低限必要な外貨の枯渇と比べれば生存している被害者を帰すことは相対的に容易だろう。
現段階では、再調査の約束も米国向けポーズという要素が強いだろうから、北朝鮮の出方に楽観は禁物だ。金正日は、内外融和勢力が、核問題と日朝国交回復を優先し、被害者救出を棚上げにしてくれるという希望をいまだにすてていないのだろう。特に、対日工作担当者らは、そのシナリオが実現しなければ責任問題になるから必死で工作を仕掛けてきている。
金正日政権も苦しくこちらも苦しいさいごの胸突き八丁だ。あわてず、国内の親北融和勢力の影響力を排除し「すべての被害者を取り戻すまで圧力をかけ続ける」という方針を固守して、相手の出方を注意深く見るときだ。ぶれてはならない。(にしおか つとむ)
東シナ海のガス田、18日に合意内容発表 「白樺」の出資率は引き続き協議
2008.6.18 01:20
東シナ海の天然ガス田「白樺」(中国名・春暁)=05年9月、海上自衛隊のP3C哨戒機から
政府は18日、共同開発の海域などをめぐり、日中両国の主張が対立してきた東シナ海のガス田問題をめぐり、双方が合意に達したと発表する。甘利明経済産業相と高村正彦外相が同日夕、記者会見を開く。平成16年6月から続けられた日中協議が、ようやく一応の決着を見た形だ。ただ、まだ今後に委ねられた課題も残り、問題が全面解決したとはいえない。
合意内容は、日中の海岸線から等距離にある中間線付近にある4つのガス田のうち、最北部の「翌檜(中国名・龍井)付近で5対5の対等の共同開発を実施。
また、「白樺(中国名・春暁)」に関しては日本が資金を出資し、その比率に応じて一定の権益を得る。白樺への日本の出資率は未定で、今後、中国側の情報公開を受けて出資企業と調整しながら決める。
中間線の日本側海域では、共同開発を含め、これ以上中国側が進出することは認めず、あくまで中国側が現在開発を進めている中間線の中国側海域での開発に限り出資する。
「楠」(中国名・断橋)、「樫」(同・天外天)の両ガス田は共同開発の合意に至らなかったほか、中国側が一時提案していた尖閣諸島付近での共同開発に関しては、主権問題にかかわるため拒否した。
東シナ海の日中境界線については、日本側は中間線を、中国側は沖縄諸島のすぐ西側にまで広がる大陸棚の東端「沖縄トラフ」をそれぞれ主張。これまでの協議で、この主権問題にかかわる境界線の画定は棚上げし、中間線の日中両側にまたがる海域での共同開発に合意していた。
経済制裁一部解除「受け入れられない」 家族会、官房長官に要望
2008.6.17 21:03
日朝実務者協議を受け、町村官房長官(右端)に慎重な対応を申し入れる拉致被害者家族会の飯塚繁雄代表(右から2人目)ら=17日午後、首相官邸
日朝協議で北朝鮮側が安否不明の拉致被害者の再調査を行うとし、日本政府が経済制裁の一部解除を決めたことに、家族会などは17日、官邸で町村信孝官房長官と面会し、「一方的な圧力緩和で、到底受け入れられない」などとする申入書を手渡した。面会を終えた家族会の飯塚繁雄代表(70)は「官房長官から『簡単には解除しない』という話があったが、不安は完全に解消されていない。『再調査』を今時論議をしていることがおかしい。やるなら慎重にやらないといけない」と話した。
町村官房長官に面会後、記者の質問に答える拉致被害者家族会の飯塚繁雄代表ら=17日午後、首相官邸
宇宙開発戦略本部を設置 宇宙開発担当相に岸田氏
2008.6.17 18:21
宇宙開発担当相に任命された岸田文雄科学技術担当相
福田康夫首相は17日、偵察衛星の運用など宇宙に関する政策を総合的に推進する新設の宇宙開発担当相に、岸田文雄科学技術担当相を任命(兼任)した。
宇宙開発担当相の新設は5月に成立した宇宙基本法に明記されていた。政府は今後、自衛権の範囲内で宇宙の軍事利用にも道を開く同法に基づき、内閣に首相を本部長とする「宇宙開発戦略本部」を設置し、宇宙開発基本計画を策定する。
岸田氏はすでに沖縄・北方、科学技術政策、国民生活、規制改革、消費者行政推進の5分野を担当している。
「消費税引き上げは不可避」 福田首相が外国プレスに明言
2008.6.17 17:28
主要国の通信社代表と会見する福田首相=17日午後、東京都内のホテル
福田康夫首相は17日午後、主要国の通信社代表と会見し、消費税率の引き上げについて「5%でやってきたことで財政赤字を背負っているとも言える。決断しなければならない大事な時期だ」と述べ、引き上げは避けられないとの認識を示した。
また首相は今月11、12日にわたって北京で行われた日朝公式実務者協議で北朝鮮が表明した日本人拉致問題に関する再調査や、よど号乗っ取り犯関係者6人の身柄引き渡しへの協力について「時間がかかるのでは約束したことにならない。時間的制約は常識的な範囲だ」と述べ、早期に実現させる意向を示した。
首相は衆院の解散総選挙の時期について、「大きな課題がたくさんある。一つ一つを丁寧にやっていく。当面、解散している暇はない」と述べた。
首相は宮崎勤死刑囚ら3人の死刑が執行されたことに関連し、死刑制度廃止論について「まだ日本国内では少数派だ」と述べる一方、自衛隊の海外派遣を随時可能にする「恒久法」の制定について、当面は困難だとの認識を示し、個別法で対応していかざるを得ないとの考えを明らかにした。
【集う】ジェラルド・カーティス米コロンビア大教授 出版記念会
2008.6.17 08:49
■9日、東京都千代田区の日本プレスセンター
流暢(りゅうちょう)な日本語を駆使して日本政治を鋭く分析するジェラルド・カーティス米コロンビア大教授が昭和39年、日本語を学ぶために訪日してから45年。その長年にわたる体験的日本論をつづった著書「政治と秋刀魚(さんま)」(日経BP刊、1680円)の出版記念会には、政財界の大物から文化人、マスコミ人まで約200人が詰めかけた。
カーティス氏が「日本について考えてきたことを分かりやすく正直に書いた」と振り返ると、あいさつに立った小泉純一郎元首相が「(落語の)『目黒の秋刀魚』を知っていなければ、この本は書けない」とその博学を褒めちぎり、会場内を沸かせた。
そして福田康夫首相が「この中には、いつもいがみ合っている人もいる」と笑いを誘ったように、その場には民主党の菅直人代表代行や共産党の不破哲三前議長、社民党の辻元清美氏のほか、公明党の太田昭宏代表ら政界から多彩な顔ぶれが集まった。また、俳優の津川雅彦氏や住友商事の宮原賢次相談役らも駆け付け、人脈の広さを改めてみせつけた。
カーティス氏が研究者として世に出たきっかけは昭和40年代初め、博士論文を書くために大分県の選挙区に密着し、これが「代議士の誕生」という本に結実した。この取材を仲介した中曽根康弘元首相も「カーティスさんはわれわれにとって大事な先生です」と持ち上げた。
もとは音楽で身をたてようと音楽大学に入学したが、限界を感じてコロンビア大学に転じて国際政治を専攻し、たまたま出会った教授が日本研究を勧めてくれたという。ジャズピアノはプロ級の腕前を誇るなど、人間味のある語り口はその奥深さから来るのかもしれない。
そしてカーティス氏は会場を見渡しながら「日本人は悲観的過ぎる。もっと頑張って」と呼びかけ、元気をなくしかけた日本と日本人にエールを送った。(藤沢志穂子)
【正論】東アジア新潮流 中国軍事専門家・平松茂雄
2008.6.17 03:26
■尖閣海域の「異変」を注視せよ
2001年4月1日、中国の海南島東南海域上空で、米軍の偵察機と中国軍の戦闘機が接触し、戦闘機が墜落してパイロットが死亡する事故が起きた。この事故について、どのような経緯で衝突が起きたのかに関心が集まり、戦闘機の挑発的な行動に問題があり、公海上空を飛行していたのだから、偵察機に落ち度はないとの見方が、米国ばかりか、わが国の報道や専門家の間でも大勢を占めた。
当時筆者は公海上空を飛んでいた米軍の偵察機に落ち度はないが、事故が起きた空域と海域の軍事的重要性から、起こるべくして起きた出来事であり、中国軍戦闘機の責任を非難して片付く問題ではないとの見方をした。
ではその軍事的重要性とは何か。海南島は南シナ海西北に位置し、中国の海軍基地と空軍基地があり、島の東南に位置する西沙諸島にも海空軍基地がある。西沙諸島の東から南にかけての南シナ海海域には、バシー海峡とマラッカ海峡を結ぶシーレーンが通っており、また海南島から東に進めば、バシー海峡を通って西太平洋に出る。
南シナ海と西太平洋をにらむ中国にとって、海南島と西沙諸島は戦略的に重要なカナメの位置にあり、その周辺海域は中国軍の「聖域」である。接触事故はその「聖域」で起きた。米軍機の偵察とそれを阻止する中国軍戦闘機の緊急発進が日常的に実施されているが、この時期に、海南島周辺海域で、特別に偵察する必要のある事態が進行していたのか、それとも中国軍側に米軍偵察機に「挑発的」な行動をとらせるような事態があったのか。
≪露見した海南島の秘密基地≫
局外者には分かる術(すべ)もないが、当時筆者は米軍偵察機の目的は、海南島周辺海域における中国海軍潜水艦、とくに原子力潜水艦の活動、潜水艦発射ミサイルなどの訓練、あるいはその活動の拠点となっている海南島その他の軍事基地の偵察だろうと推定した。
それから数年を経て、ごく最近、欧米で海南島の海軍基地の実態ににわかに関心が高まっている。なかでも原子力潜水艦が潜水したまま出港し帰港できる巨大な地下基地が建設されたことに注目が集まっている。本紙でも報じられたから、読者のなかにはその写真を見た者もいるだろう。
建国以来60年間、中国が最も重点を注いできた軍事領域は、核弾頭とそれを搭載して米国に到達する信頼性の高い弾道ミサイルの開発であった。数年前の2回の有人宇宙船打ち上げは、中国がワシントンやニューヨークに到達する精度の高い弾道ミサイルの完成に近づいていることを明示した。中国が台湾を「軍事統一」する際、米国が軍事介入すれば、ワシントンやニューヨークを核攻撃すると威嚇して米国の介入を阻止するのが目的である。
だが米国を確実に威嚇するには、核弾頭を搭載した原子力潜水艦を太平洋に展開することだ。中国軍は原子力潜水艦と水中発射弾道ミサイルの開発に必死で、ごく最近も四川大地震の対処に追われている最中にもミサイル発射実験が実施された。完成すれば、原子力潜水艦は南シナ海に常時展開して、わが国のシーレーンを脅かすばかりか、海南島からバシー海峡を通って太平洋に進出することになる。
≪重要な台湾の位置と役割≫
このように論じてくるならば、台湾が極めて重要な位置にあることが分かる。だがその台湾との間には、わが国の領土である尖閣諸島の「領有権」に関して、これまでに何回もトラブルが起きている。
ごく最近も、今月10日、尖閣諸島領海に侵入した台湾の漁船が、海上保安庁の巡視船と接触して転覆沈没する事故が起きた。台湾は巡視船数隻を派遣し、外務省ばかりか馬英九新総統が「台湾の領土である」ことを主張し、行政院長(首相)にいたっては、「開戦の可能性を排除しない」と強硬な姿勢を示した。
台湾は尖閣諸島ばかりでなく、東シナ海の排他的経済水域・大陸棚に対しても権利を主張しており、04年中国による春暁ガス田の開発が着手されたとき、巡視船を派遣したことがある。
わが国と台湾の間には、緊密な友好協力関係が成り立っているが、尖閣諸島・東シナ海の排他的経済水域・大陸棚に関しては妥協する余地がないばかりか、この問題では、台湾と中国は立場と利益が一致していて、共同歩調を取る可能性がある。
どこの国でも、領土や資源の問題は民族感情を刺激する。台湾も例外でない。わが国はそのことを十分認識して、これからの東アジア情勢に対処する必要がある。(ひらまつ しげお)
米国務省「日本部長」にラッセル氏
2008.6.17 01:19
ダニエル R.ラッセル氏
日米関係筋は16日、米国務省の対日外交の要となる日本部長にダニエル・ラッセル駐大阪・神戸米国総領事(54)を充てる人事が固まったことを明らかにした。7月初めに正式発表される見通し。ラッセル氏は1985年から87年まで東京の米国大使館でマンスフィールド大使の補佐官を務めるなど、豊富な日本勤務の経験を持つ知日派。また、89年から92年までニューヨークの国連本部米国代表部に勤務したほか、99年から2002年まで駐キプロス首席公使、02年から05年まで駐オランダ首席公使を務めた。
【産経・FNN世論調査】たばこ増税、半数近くが賛成
2008.6.16 19:37
たばこ税を増税して1箱1000円にする動きについても、意見を聞いたところ、賛成が5割近くで、反対を8.4ポイント上回った。
調査では1箱1000円近くにする増税に「賛成」は49.6%、「反対」が41.2%。たばこを「吸う」と答えた人は24.1%、「吸わない」は75.5%だった。1箱1000円への増税については、「喫煙者」は「反対」が72.6%で、「賛成」の22.0を大幅に上回った。一方、「非喫煙者」は「賛成」が58.3%と半数を超えたが、「反対」も31.3%だった。
福田康夫首相
新潟県知事が中山補佐官と北朝鮮問題で会談
2008.6.16 13:01
中山恭子首相補佐官と会談後、記者の質問に答える泉田裕彦新潟県知事=16日午前、首相官邸
新潟県の泉田裕彦知事は16日午前、首相官邸に中山恭子首相補佐官(拉致問題担当)を訪ね、日朝実務者協議を受けて政府が対北朝鮮への制裁措置の一部解除を決めたことについて、「拉致被害者についての再調査は、拉致問題の解決につながる枠組みにしてほしい。制裁解除は枠組みをしっかり作ってから判断してほしい」と要望した。
中山補佐官は会談後、記者団に「拉致被害者の帰国のために具体的な行動を取るための再調査だ」と指摘し、その上で「その方向で調査が行われ、実際に明らかになることが(制裁解除の)実施には必要だ」と述べた。北朝鮮の対応次第では、制裁措置解除を見送ることも検討すべきだとの考えを示したものだ。
排出量取引の導入時期明記せず 政府有識者懇が地球温暖化防止で提言
2008.6.16 10:31
地球温暖化問題に関する懇談会座長の奥田碩内閣特別顧問(左)から提言を受け取る福田首相=16日午前、首相官邸
政府は16日午前、首相官邸で「地球温暖化問題に関する懇談会」を開き、座長の奥田碩内閣特別顧問(トヨタ自動車相談役)が7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)に向けた提言を福田康夫首相に提出した。首相が今秋の試行的実施を表明した温室効果ガスの排出量取引については、「試行的実施を通じ、わが国の実情を踏まえたものとして検討が続けられなければならない」とするにとどめ、導入時期を明記しなかった。
福田首相も会議に出席し、「この提言を低炭素社会作りの行動指針にすることで、大いに活用していきたい。各省で取り組んでいく」と述べた。
地球温暖化問題に関する懇談会であいさつする福田首相。左は座長の奥田碩内閣特別顧問
=16日午前、首相官邸
「世界支配を許さない」 洞爺湖でサミット反対デモ
2008.6.15 18:39
北海道洞爺湖サミットに反対するプレートを掲げ、デモ行進する参加者=15日午後、北海道洞爺湖町
来月7日から主要国(G8)首脳会議(北海道洞爺湖サミット)が開催される洞爺湖町で15日午後、サミットに反対する市民団体などによるデモ行進が行われ、参加者は「G8の世界支配を許さないぞ」などとシュプレヒコールを上げた。
「反G8サミット北海道(アイヌモシリ)連絡会」の主催。同会はサミット期間中に会場近くで集会などを行えるよう、伊達市内に約2000人がキャンプできる場所を確保しており、行進前には洞爺湖町内で地元住民に対する説明会も行った。
北海道洞爺湖サミットの会場「ザ・ウィンザーホテル洞爺」(中央上)に向かい、気勢を上げるサミット反対デモの参加者=15日午後、北海道洞爺湖町
「朝鮮総連は悪魔」「収容所は人間の動物園」…脱北女性会見詳報
2008.6.15 16:26
朝鮮総連を提訴した後会見で、涙を流し悔しい思いを話す脱北者の千葉優美子さん(高正美)=13日午前11時33分、大阪市北区の大阪司法記者クラブ
「地上の楽園」と偽りの宣伝にだまされて北朝鮮に渡り、肉体的、精神的苦痛を受けた脱北者、千葉優美子さん(47)。13日に帰還事業を支援した在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に損害賠償を求めて提訴した千葉さんと代理人の藤森克美弁護士による、大阪司法記者クラブで行われた会見のやり取りを詳報する。
−−提訴に踏み切った思いは
千葉さん「日本に戻って約3年になりますが、家族や私の命を助けてくれたことに感謝しています。北朝鮮にいるときは、両親に北朝鮮のことを聞き、どうなってしまうのかといつもおびえ、朝鮮総連が許せないという思いでした。自分たちも人間なのに、人をだまして連れてきて組織的に誘拐したのではないかと。その責任はどうやってとってくれるのか、毎日考えていました。こうして訴えられるようになるまで何十年もかかった。もう半世紀近くたっているが、収容所にいるときも本当に恐しくて、あしたは生きていられるかといつも不安で毎日必死で生きております」
「私1人の問題ではなく、今も収容所の中で必死で生き延びようとしている人がいる。すでに北朝鮮で亡くなっている人もいますが、天国から見守っていてほしいです。朝鮮総連は人権と自由を無差別に奪った悪魔みたいな団体。だからこそこんな大きな問題になった。日本語がよくできなくて…。みなさまのご理解よろしくお願いします」
朝鮮総連を提訴した後会見で、涙を流し悔しい思いを話す脱北者の千葉優美子さん(高正美)=3日午前11時34分・大阪市北区の大阪司法記者クラブ
朝鮮総連を提訴した後会見で、涙を流し悔しい思いを話す脱北者の千葉優美子さん(高正美)=13日午前11時28分、大阪市北区の大阪司法記者クラブ(撮影・鳥越瑞絵)
朝鮮総連を提訴した後会見で、涙を流し悔しい思いを話す脱北者の千葉優美子さん(高正美)=13日午前11時28分・大阪市北区の大阪司法記者クラブ(撮影・鳥越瑞絵)
【先週の政界名場面】内閣信任決議案の投票で照れ笑いの福田首相
2008.6.15 12:02
木札を忘れ、照れ笑いしながらあらためて投票に向かった福田首相=12日午後1時42分、国会・衆院本会議場(酒巻俊介撮影)
12日午後、衆院本会議で行われた内閣信任決議案の投票で、記名投票の木札を忘れ、照れ笑いしながら改めて投票に向かった福田康夫首相。前日の参院本会議での問責決議に対抗するための信任決議だったが、この与野党攻防には、永田町内からも「茶番」という批判の声が漏れた。
【先週の政界名場面】たばこ税の大幅増税に動き出した超党派議連
2008.6.15 11:59
たばこ税の大幅増税に向けての超党派の議連であいさつする中川秀直・自民党元幹事長(左)。右は前原誠司・民主党副代表=10日午後2時7分、東京・永田町の参院議員会館(酒巻俊介撮影)
10日午後、東京・永田町の参院議員会館で開かれたたばこ税の大幅増税に向けての超党派議連であいさつする自民党の中川秀直元幹事長(左)。右は民主党の前原誠司副代表。財政状況悪化の中、たばこ1箱1000円時代は来るのか。愛煙家にとっては大いに気になるところだ。
【先週の政界名場面】史上初めて首相問責決議案可決
2008.6.15 11:52
参院本会議で福田首相に対する問責決議の投票をする議員=11日午後5時6分
11日午後の参院本会議で、史上初めてとなる首相問責決議案が野党などの賛成多数で可決された。しかし、福田康夫首相は問責決議には法的拘束力はないとして、衆院解散や総辞職には応じず、無視を決め込んだ。会期末での問責決議案可決には「野党側のパフォーマンス」との批判もあるが、内閣支持率は低迷し続けており、これがどういう効果をもたらすか。
【人】外務省女性専門職、初の大使 明石美代子さん「女性の自信につながればいい」
2008.6.14 21:29
いわゆる「キャリア」ではなく、語学や特定の国・地域の専門家として外務省に勤める専門職の女性としては初めて大使に抜擢(ばつてき)された。バルト三国のひとつ、リトアニアに今年1月に新設された日本大使館。そこに15日から勤務する。
「できるだけ後に続く人たち、とりわけ女性の自信につながればいい。自分を信じ、やるべきことをやっていけば必ず認められ、結果がついてくる」
これまでの37年間の外交官生活で思い出深いのは、計8年間を過ごしたオランダとのかかわりだという。特に1996年、政府の平和友好交流計画の一環として招聘(しようへい)されたオランダの戦争体験者らに約2週間付き添い、長崎の出島などオランダと縁の深い土地を訪ねたときのことが印象に残っている。
日本との戦争で、自分たちにとっては生まれ故郷でもあった植民地・インドネシアを失ったオランダ人たちの表情は当初、硬かった。それが日を追うごとに明るくなり、広島・平和記念資料館では、「日本人も大変悲惨な戦争の被害者だったと分かった」と語るまでに。彼らとは今でも連絡を取り合っている。
今度の赴任地は、外務省の命令に反してまで迫害されていたユダヤ人たちに査証(ビザ)を発給し、「日本のシンドラー」といわれた杉原千畝・駐リトアニア領事代理のゆかりの地。だが、現在、日本人は53人しか住んでおらず、日本の存在感はまだ大きいとは言えない。
「できるだけ多くの人に会い、『日本の大使、ここにあり』と分かってもらいたい。欧州で関心の高い柔剣道も活用し、文化交流を広げたい」
大使就任を一番喜んでくれた勤務医の夫(63)は日本に残し、当面は単身赴任で新生活を始める。 (阿比留瑠比)
◇ ◇ ◇
昭和21年、山口県生まれ。61歳。慶大卒業後、46年に外務省入省。在オランダ日本大使館勤務、在デンマーク日本大使館参事官などを経て、今年1月に大使館が開設されたリトアニア初代大使に。好きな言葉は「継続は力なり」。
【岩手・宮城内陸地震】夜間も捜索継続を指示 福田首相
2008.6.14 20:26
地震による断水のため給水車から水をくむ人たち=14日午後6時47分、宮城県栗原市
14日に発生した岩手・宮城内陸地震を受け、政府は同日夜も内閣府で関係省庁の連絡会議を開くなど、被災状況の把握や今後の対応の検討を重ねた。
福田康夫首相は同日夕、現地で対応にあたる泉信也防災担当相に対し、夜間も行方不明者の捜索や被害の確認作業を継続するよう指示した。15日は冬柴鉄三国土交通相を派遣する。今後の復旧・復興をにらみ、首相自身の現地視察や被災地の激甚災害指定なども検討していく方針だ。
政府は岩手・宮城内陸地震の発生から7分後の午前8時50分、首相官邸の危機管理センターに伊藤哲朗内閣危機管理監を長とする官邸対策室を設置。同時刻には福田康夫首相に第1報が伝わるなど、初動態勢は迅速にとられた。
官邸には地震発生から1時間以内に町村信孝官房長官や泉担当相らが駆けつけ、その後も増田寛也総務相や甘利明経済産業相が訪れた。
緊急消防援助隊や警察の緊急援助隊、自衛隊を機動的に派遣することを確認したうえで、昼前には泉防災相を団長とする総勢31人の政府調査団を、岩手県一関市と、政府の現地連絡室を置いた宮城県栗原市に派遣した。
一方、防衛省は午前8時50分に災害対策室を立ち上げ、石破茂防衛相も10時すぎに登庁。午後1時半から連絡会議を開き、災害派遣中の自衛隊の対応などを協議した。
自衛隊は岩手、宮城両県知事の派遣要請を受け、陸海空各部隊で計約360人、約90車両、23航空機を投入した。
首相は同日夕、記者団に「人命救助を最優先に全力を挙げる」と強調し、「自然災害死者ゼロを内閣として目指していたが、こういうことになり残念だ」とも語った。
日中韓外相会議 9月の首脳会談開催を確認
2008.6.14 20:06
日中韓外相会談の前に握手を交わす(左から)中国の楊潔箎(=簾の广を厂に、兼を虎に)外相、高村外相、韓国の柳明桓外交通商相=14日午後、外務省飯倉公館(代表撮影)
高村正彦外相は14日、東京都内の外務省飯倉公館で中国の楊潔箎(=簾の广を厂に、兼を虎に)外相、韓国の柳明桓外交通商相と日中韓外相会議を行い、9月をめどに日本で3国の首脳会談を開催することを確認した。また、核や拉致など北朝鮮をめぐる諸懸案について、3国が連携を強化していくことで一致した。
これに先立ち、高村外相は楊外相、柳外交通商相とそれぞれ個別に会談した。楊外相は、7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)に胡錦濤国家主席が出席することを正式に伝え、高村外相は歓迎を表明した。東シナ海のガス田共同開発問題については、細目を詰める作業を加速させることで一致した。
チベット問題に関しては、高村外相が「世界が中国の対応を注目している」と指摘したのに対し、楊外相は「中国の国内問題である。これからも、国際社会の理解を深めるよう適当な努力は行う」と述べた。また、7月中旬に局長級の日中人権対話を8年ぶりに再開することで合意した。
柳外交通商相は、11、12の両日行われた日本と北朝鮮との実務者協議に関連し、「拉致問題が日本国民の納得できる形で早く解決されることが重要だ」と語った。
楊外相は柳外交通商相とともに福田康夫首相を公邸に表敬し、四川大地震で日本の援助隊や医療チームによる支援を受けたことについて「中国政府と国民は日本政府と国民が差し伸べてくれた友情の手を決して忘れない」と語った。
【政治家の隠れ家はここだ】「小泉元首相が女優と結婚」情報の発信源となった店
2008.6.14 16:48
小泉元首相と奧菜恵(左)
■津やま(東京都港区赤坂)
赤坂の繁華街から横道にちょっと入った場所にある日本料理店。政治家や財界人をはじめとして、有名人の常連が多い。特に、政界では小泉純一郎元首相が通う店として知られている。料理のしめに出される鯛茶漬けの評判がいい。
5月27日夜、この店で会食したのは、民主党の鳩山由紀夫幹事長と高知県の橋本大二郎前知事。この2人は学習院初等科の同級生である。
橋本龍太郎元首相の弟である橋本大二郎氏はNHKキャスターとして活躍した後、平成3年から19年まで高知県知事を務めた。その後、次期衆院選で高知1区から出馬する意向を表明した。「既存の政党ではなく、有権者に新しい選択肢を示したい」として、無所属での出馬を目指しており、新党結成の可能性も取りざたされている。
会談では、5年の新党さきがけ結党や8年の旧民主党結党に参画した鳩山氏が、橋本氏の新党構想の相談にのった。鳩山氏は新党結成にかかる多額の費用などの苦労話を披露し、「新党は二度とやりたくない。お金がかかる」などと話し、橋本氏も新党結成は、そう簡単なことではないと認識したようだ。また、鳩山氏は、橋本氏が民主党推薦候補として出馬する気はないかと口説いたとも言われる。
ただ、民主党の高知1区にはすでに出馬予定の人物がおり、地元の民主党関係者の中には橋本氏に対する反発もある。このため、候補者調整は一筋縄ではいきそうにない。
女優、奥菜恵
政府調査団を被災地に派遣へ 岩手県震源の地震で
2008.6.14 11:06
地震被災地へ向けて飛び立つヘリに乗り込む国交省や警視庁の職員=14日午前11時34分、防衛省
町村信孝官房長官は14日午前、岩手県内陸南部を震源地とする地震を受け、首相官邸で緊急の記者会見を行い、泉信也防災担当相を長とする約30人の政府調査団を自衛隊ヘリを使って被災地に派遣することを表明した。調査団は昼前、同県一関市に向けて出発した。
首相官邸では、地震発生から7分後の午前8時50分、危機管理センター内に伊藤哲朗内閣危機管理監を中心とした官邸対策室を設置し、国土交通、防衛両省や警察庁などの関係者による緊急参集チームを招集した。同チームでは、県市町村と一体となって被害状況を早急に把握し、速やかな救出活動に努めることや、消防や警察、自衛隊による緊急援助隊を派遣することなどを確認した。
このほか、泉防災相のほか鳩山邦夫法相や増田寛也総務相らも相次ぎ入り、総務相は記者団に対し、岩手県と情報収集に努めていると述べた。
福田康夫首相は午前8時50分、首相公邸で秘書官らから地震発生の一報を聞き、被災状況の早期把握と迅速な行動、および被災者への救助に全力を挙げるよう指示した。首相周辺によると、午後の日中韓3カ国外相の表敬は予定通り受けることにしている。
外務省が家族会に説明 「再調査は以前の再調査と違う」
2008.6.13 23:32
落胆の表情を浮かべながら、会見に臨む拉致被害者家族会の増元照明事務局長(左から二番目)=13日午後、東京都港区・友愛会館(撮影・中井誠)
外務省の斎木昭隆・アジア大洋州局長は13日夜、日本と北朝鮮両政府の実務者協議の結果を、内閣府で拉致被害者「家族会」や支援組織「救う会」などのメンバーに説明した。斎木局長は席上、北朝鮮側が約束した日本人拉致問題の「再調査」について「今までの再調査とは違う。拉致被害者の帰国につながる調査にする」と伝えた。家族会代表で田口八重子さん=拉致当時(22)=の兄、飯塚繁雄さん(69)はこの後、都内で開いた会見で明らかにした。
拉致被害者家族への説明を終え、引き揚げる外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長(手前)。右後方は報道陣に囲まれる中山恭子首相補佐官=13日午後8時51分、東京・永田町
記者会見中、汗をぬぐう拉致被害者家族会の飯塚繁雄代表(右)。左は増元照明事務局長=13日午後10時1分、東京都港区
記者会見する拉致被害者有本恵子さんの母・嘉代子さん=13日午後9時56分、東京都港区
日朝協議の内容について説明を受けるため内閣府に到着した、拉致被害者有本恵子さんの父・明弘さんと母・嘉代子さん=13日午後6時55分、東京・永田町
日朝協議の内容について説明を受けた後、記者会見する拉致被害者家族会の飯塚繁雄代表(左)ら=13日午後9時21分、東京都港区
日朝協議の内容を拉致被害者家族に説明するため、内閣府に到着した外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長=13日午後6時58分、東京・永田町
甘すぎる日本の対応 制裁効果台無しの危険性 日朝協議
2008.6.13 22:34
記者の質問に答える福田首相=13日夜、首相官邸
政府が13日、日朝公式協議について「一定の前進だ」(町村信孝官房長官)と評価し、条件付きで北朝鮮籍船の入港を認めるなど対北朝鮮制裁措置の一部解除を表明したのは、福田政権がはっきりと「対話路線」に傾き始めたことを表している。これは、現時点では「小さな一歩を踏み出した」(高村正彦外相)だけでも、北朝鮮を追いつめてきた制裁措置の効果を、この先なし崩し的に台無しにしてしまう危険性もはらんでいる。(阿比留瑠比)
「北朝鮮の船に積むものは人道支援物資に限定するし、厳しくチェックする」
外務省幹部はこう説明するが、何が人道支援物資であるかの明確な定義がない以上、抜け道は残りそうだ。現に、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)は、本国と日本社会をつなぐ“動脈”である貨客船「万景峰92」について、「すでに数日前から、今回のことを見越して新潟港への入港手続き準備に入っている」(公安筋)という熱心さだ。
今年9月9日は建国60年の節目に当たるため、「北は何としてもそれまでに物流ルートを確保したかった」(政府関係者)とされる。万景峰92は長年にわたり、金正日総書記が側近や軍部に配るカネやモノを運んできた経緯もある。
万景峰92をめぐっては昨年8月、北朝鮮で水害被害が出た際に、朝鮮総連が日本政府に「自分たちが集めたカンパを本国に送りたい」として、人道支援のために万景峰92の入港許可を要請してきたことがある。
このときは、外務省などは入港を認める方向で検討していたが、安倍晋三首相(当時)がストップをかけた。「制裁に一つ穴を開けるとそこからなし崩しになる。どうしても人道支援が必要ならば、国連機関などを通じて実施すべきだ」との考えからだ。こうした踏ん張りが、「北朝鮮には随分効いていた」(拉致被害者家族会関係者)とみられるが、その安倍路線を明確に転換した形だ。
そもそも、今回の日朝協議で成果とされる拉致被害者の再調査にしても、よど号犯引き渡しへの協力にしても、具体的なことはまだ詰められていない。町村氏は「(横田めぐみさんのニセ遺骨を渡すような)同じような再調査を彼らがするとは思っていない」と述べるが、それが希望的観測ではないという保証はない。
記者の質問に答える福田首相=13日夜、首相官邸
拉致実行犯3容疑者逮捕へ 解決の糸口見えず
2008.6.13 21:57
日朝協議の内容について説明を受け、内閣府を後にする拉致被害者家族会の飯塚繁雄代表
=13日午後8時50分、東京・永田町
日朝実務者協議で、北朝鮮側が引き渡しに協力すると表明したよど号乗っ取り犯グループの対象者は、いずれも日本人拉致事件にも関与したとして、国際手配されている魚本公博(60)と、ハイジャック事件メンバーの妻である森順子(55)、若林佐喜子(53)の3容疑者。拉致事件の実行犯の逮捕は初となる。だが、被害者の有本恵子さん=拉致当時(23)=ら3人の安否は依然不明のままで、逮捕が消息確認につながるかは不透明だ。実行犯の逮捕だけで、「進展」と判断するのは早計といえそうだ。
魚本容疑者は、有本さん拉致事件で国際手配されている。昭和58年7月、リーダーの故田宮高麿・元赤軍派幹部や、メンバーの元妻(52)と共謀。ロンドン留学中の有本さんをデンマークのコペンハーゲンに誘い、朝鮮労働党の工作機関「対外連絡部」のキム・ユーチョル工作員に引き渡して拉致したとされる。
森、若林の両容疑者は55年、スペイン・マドリードで石岡亨さん=同(22)=と松木薫さん=同(26)=を旅行に誘い、ウィーンや旧ユーゴスラビアなどを経由して拉致した疑い。
欧州ルートの拉致は「代を継いだ日本革命」という北の教示に基づく犯行で、現地で結婚させ、子供を産ませるための日本人獲得工作として、よど号グループに与えられた使命だった。実行犯を北朝鮮工作員が誘導しているのも特徴だ。
警視庁公安部は3容疑者が北朝鮮を出国し次第、逮捕し、有本さんら3人の安否情報についても厳しく追及するが、事実関係を把握するのは容易ではない。
後によど号犯と合流した男性(53)が昨年6月、帰国し、旅券法違反容疑で公安部に逮捕されたが、男性は「3人を見たこともないし、消息を聞いたことがない」と供述するだけだった。
北朝鮮の報道文 日朝交渉
2008.6.13 21:47
記者会見する町村信孝・官房長官 =13日午後4時24分、首相官邸(酒巻俊介撮影)
北朝鮮が13日、朝鮮中央通信を通じて発表した日朝協議の結果に関する報道文の内容は次の通り。
日朝平壌宣言に従って不幸な過去を清算し、国交正常化を実現するための日朝政府間実務協議が2008年6月11、12の両日、北京で行われた。
双方は相互の関心事となっている懸案問題の解決に関する真摯(しんし)な協議を行い、次のようにすることとした。
▽北朝鮮は拉致問題の再調査を実施する。また、北朝鮮は『よど号』関係者問題の解決のために協力する用意を表明する。
▽日本は今回、現在取っている北朝鮮に対する制裁措置の部分解除として(1)人的往来の規制解除(2)チャーター便の規制解除(3)人道的支援関連物資輸送を目的とする北朝鮮国籍船舶の入港許可を行う。(共同)
大阪でのテレビ収録を終え、新大阪から東京へ向かう横田滋(右)、早紀江(左)さん夫妻
=13日午後6時03分、大阪市淀川区の新大阪駅
大阪でのテレビ収録を終え、新大阪から東京へ向かう横田滋(左)、早紀江(右)夫妻=13日午後6時4分、大阪市淀川区の新大阪駅(撮影・桐山弘太)
大阪でのテレビ収録を終え、新大阪から東京へ向かう横田早紀江さん=13日午後6時05分、大阪市淀川区の新大阪駅(撮影・桐山弘太)
「拉致再調査」「よど号犯引渡し」北朝鮮が約束 町村長官
2008.6.13 20:21
記者会見する町村信孝・官房長官=13日午後4時24分、首相官邸(酒巻俊介撮影)
町村信孝官房長官は13日午後の記者会見で、北京で行われた日本と北朝鮮の公式実務者協議で、北朝鮮が日本人拉致問題に関する再調査の実施や、日航機「よど号」乗っ取り犯関係者6人の身柄引き渡しへの協力などを約束したことを明らかにした。政府は「一定の前進」とみて、人道物資の搬送目的に限って貨客船「万景峰92」を含む北朝鮮籍船舶の入港を認めるなどの対北朝鮮経済制裁の一部を解除することを決めた。
福田首相は同日夜、日朝協議での北朝鮮の対応について、官邸で記者団に「話し合う姿勢がみえた。交渉プロセスの入り口に立ったと考えていい」と指摘。さらに、拉致問題への取り組みについては「政府の方針は変わっていない。拉致被害者全員の帰国を目指している」と強調した。
今回の日朝協議は11、12両日、北京で外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長らと北朝鮮の宋日昊・朝日国交正常化交渉担当大使らで行われた。この中で、日本側が拉致問題の真相究明と拉致被害者の早期帰国を求めたのに対し、北朝鮮は「拉致問題は解決済み」との従来の立場を示さず、被害者の帰国に向けた再調査を行う考えを表明した。
日航機「よど号」乗っ取り事件 1970年4月3日午後2時26分、長い監禁のあとやっと扉が開きタラップを降りる乗客
日航機「よど号」乗っ取り事件、最後におりる乗客(タラップ中央の右)と握手を交わす犯人の1人入り口にはグループの顔がみえる=1970年4月
日航機「よど号」乗っ取り事件、山村次官を乗せソウルを出発する「よど」平壌へ=1970年04月
日航機「よど号」乗っ取り事件、金浦空港を警戒する韓国空挺隊員=1970年4月
日航機「よど号」乗っ取り事件、金浦空港を警戒する韓国兵士=1970年4月
日航機「よど号」乗っ取り事件関連、空港警備にあたっている韓国兵士達は事件の載っている新聞が配られ集まってむさぼり読む=1970年4月
日航機「よど号」乗っ取り事件、空気の補給を受ける乗っ取り機=1970年4月
日朝協議の内容について説明を受けるため内閣府に到着した、拉致被害者家族会の増元照明事務局長(右)と照明さんの姉・るみ子さんの写真を持つ妻の俊子さん=13日午後6時47分、東京・永田町
記者会見する拉致被害者家族会のメンバー=13日午後9時14分、東京都港区
記者会見する有本恵子さんの父・明弘さん(右端)。右から2人目は拉致被害者家族会の飯塚繁雄代表=13日午後9時39分、東京都港区
記者の質問に答える福田康夫首相=13日午後7時16分、首相官邸(酒巻俊介撮影)
記者の質問に答える福田康夫首相=13日午後7時17分、首相官邸(酒巻俊介撮影)
会見に臨む拉致被害者家族会=13日午後、東京都港区・友愛会館(撮影・中井誠)
北朝鮮「よど号犯」引渡しに協力 日本は制裁一部解除 町村長官
2008.6.13 16:37
国会に入る福田首相=13日午前
町村信孝官房長官は13日午後の記者会見で、11、12の両日に行われた日朝実務者協議で、北朝鮮側から(1)拉致問題の解決に向けた再調査(2)北朝鮮にいるよど号犯引き渡しの協力−が提案されたことを明らかにした。拉致問題について「北朝鮮は未解決だという日本側の主張を受け入れ、拉致問題は解決済みとの立場を変更した。一定の前進として評価する」と述べた。
これに対し、日本側は「拉致問題解決に向けたプロセスが改めて動き始めた」として、平成18年7月のミサイル実験や同年10月の核実験を受けて実施してきた制裁措置の一部を解除する方針を明らかにした。
具体的には、人の往来を認め、チャーター便の入港を認めることを挙げた。また、日本からの人道支援物資の輸送を目的とした北朝鮮籍船舶の入港も認めるとしたが、「政府としては、北朝鮮に人道支援を行える状況にはないとの姿勢に変更はなく、現時点で人道物資供与は考えていない」とも述べた。
「日雇い派遣」原則禁止 臨時国会に改正案提出も
2008.6.13 15:02
舛添要一厚労相
低賃金などの問題が指摘される日雇い派遣について舛添要一厚生労働相は13日、「気持ちから言えばやめる方向で考えるべきではないか。かなり厳しい形で考え直すべきだ」と述べ、原則禁止の方向で検討する考えを表明した。夏以降の臨時国会に労働者派遣法改正案の提出を目指す考えも明らかにした。
舛添氏は「職が不安定ということは決して好ましいと思わない。労使の意見を聴いて対応したい」と指摘。同時通訳など専門的な職種を除いて、日雇い派遣の原則禁止を検討する意向を示した。厚労省の労働政策審議会の議論を経て、具体的な内容を詰める見通し。
一方、厚労省は東京・秋葉原の無差別殺傷事件の容疑者が派遣社員だったことに関連し、派遣労働者の適正な雇用管理など法令順守について、派遣会社や派遣先企業に徹底を図るよう都道府県労働局長へ指示を出した。
日朝協議を終え帰国した外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長=13日午後0時53分、成田空港
居酒屋タクシー対策!? 国交相がチケット禁止令
2008.6.13 11:08
鳩山法相が不在のため福田康夫・首相(中央)の右に座って談笑する冬柴鉄三・国交相(左)。居酒屋タクシー対策として、チケットの禁止令を出した=13日午前8時59分、国会(酒巻俊介撮影)
中央省庁の職員が深夜帰宅時に利用するタクシーの運転手から金品を受け取っていた問題で、冬柴鉄三国土交通相は13日の記者会見で、国交省本省職員のタクシーチケット利用を今後2カ月間試験的に中止することを明らかにした。深夜残業を抑制し、やむを得ない場合は職員が料金を立て替え、後で精算する。
国交省独自の対応。国会審議が事実上終了し、国会議員からの質問に対応する「国会待機」などの必要がなくなるためチケット使用中止の試行を決めたという。
中央省庁では、深夜にチケットを使用して帰宅する際にビールや現金などの提供を受けていたことが相次いで発覚。福田康夫首相は「国民から疑念を抱かれるようなことは一切、すべきでない」と批判していた。
消費者庁所管は30法令 推進会議、首相に報告書提出
2008.6.13 10:46
首相官邸で行われた「消費者行政推進会議」=13日午前
政府の消費者行政推進会議(座長・佐々木毅前東大総長)は13日午前、福田康夫首相が来年度の創設を表明している消費者庁の具体像を示した報告書をまとめ、首相に提出した。消費者庁は他省庁からの移管や共同所管(共管)を含め、30法令を所管する。首相は「ほんの入り口にたどり着いたということだ。思いを新たにしっかり取り組んでいきたい」と述べた。
報告書は、消費者庁を内閣府の外局とし、消費者行政担当相を常設。「消費者行政全般の司令塔」として位置づけ、他省庁や業者への強い勧告権を持たせることを盛り込んだ。
具体的には、賞味期限表示などを規制する日本農林規格(JAS)法(農水省所管)や食品衛生法(厚生労働省所管)といった関連法の企画立案部分の権限を消費者庁に集約。業者などへの検査権限に関する部分も移管し、表示基準の策定から執行まで一体的に担う。
また、緊急時の物価政策への関与も明示。内閣府所管の物価統制令などを移管する。
このほか、消費者からの苦情相談窓口を一元的に担い、悪徳業者などから違法収益剥奪(はくだつ)といった被害者救済の新法制定も検討する。
政府は報告書を受け、今後の法整備などのスケジュールを記した「消費者行政一元化基本計画」を今月中に策定し、経済財政改革の基本方針(骨太の方針2008)に反映させる。さらに消費者庁設置法案を秋に想定される臨時国会に提出し、成立を目指す。
日朝協議結果、きょう午後首相に報告
2008.6.13 10:13
初日の日朝実務者協議を終え、北朝鮮の宋日昊・朝日国交正常化交渉担当大使(左端)と握手する外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長=11日午後、北京市内の北朝鮮大使館(共同)
北京で行われた日本と北朝鮮の公式実務者協議で、日本側代表を務めた外務省の斎木昭隆・アジア大洋州局長は13日午後帰国し、福田康夫首相に協議の結果を報告する。
斎木局長は12日の協議終了後、記者団に「重要な問題についてつっこんだやりとりをした。真剣かつ建設的だった」と語り、日本人拉致問題などに関し、北朝鮮側が何らかの提案をしたことを示唆した。北朝鮮が具体的にどのような姿勢を示し、それを首相がどう判断するかが注目される。
政府は13日夜、内閣府で拉致被害者の家族らにも協議結果を報告する。
日本は11、12両日の協議で、拉致問題の全面解決や日航機「よど号」の乗っ取り犯グループの引き渡しを北朝鮮側に求めた。北朝鮮からは拉致問題を中心に「認識、立場について詳細な意見表明があった」(斎木氏)という。
空自のイラク派遣、来年7月まで延長 政府決定 海自も半年延長
2008.6.13 09:30
閣議に臨む福田首相=13日午前、国会
政府は13日の閣議で、イラク復興支援特別措置法に基づく航空自衛隊のイラク派遣に関し、来年7月31日まで1年間延長する基本計画の変更を決定した。
また、新テロ対策特別措置法に基づく海上自衛隊のインド洋派遣についても来年1月15日まで半年間の延長を決めた。
空自は平成15年3月からクウェートを拠点にイラクのバグダッド空港などに国連や多国籍軍の兵員や物資を輸送している。今年6月までの輸送回数は721回、輸送物資の重量は597トンだった。海自は今年2月の給油活動再開から5月末までに、パキスタンや米国など七カ国の艦船に21回、計約4000キロリットルの燃料を補給している。
【集う】最後の海軍兵学校連合クラス会全国大会(9日、東京都新宿区のグランドヒル市ケ谷)
2008.6.12 18:05
最後の「軍歌演習」する海軍兵学校の卒業生たち
旧海軍のエリートで海のジェントルマンを育てた海軍兵学校の卒業生が4年に1度集まる「海軍兵学校連合クラス会全国大会」が今回開いた第8回で、卒業生の高齢化のためその幕を閉じることとなった。
クラス会は実行委員長の菱川信太郎氏(海兵75期)が「戦陣に散華した人たちが望んだのは美しい国土と日本人の心であり、これを次代の人が受け継いでくれることを祈り、(連合クラス会を)解散したい」と開会の辞を述べ、海自横須賀音楽隊が伴奏する国歌斉唱に続き軍艦旗掲揚、「国の鎮め」吹奏に合わせた黙祷(=示へんに寿の旧字体)(もくとう)で厳かに始まった。
大会会長の本村哲郎氏(65期)は「先の大戦で痛恨の敗戦を喫したが、海軍最後の日に海軍大臣米内光政大将は主要幹部に海軍の再建、海軍技術の活用、美風を後世にと希望した。この大臣の希望に沿った努力が今日の繁栄に通じた」と戦後の復興に果たした海兵出身者の労をねぎらった。
来賓として純白の夏制服に4つ星の肩章をつけて出席した海上自衛隊の赤星慶治海幕長は「海自では長老だが、ここでは若いのでうれしい。みなさんの日本へのご貢献、ご奉仕に心から敬意を表す。最近事件や不祥事が多い海自だが、海軍のよき伝統を受け継いで国民の負託や信頼に応えられるよう努力したい」とあいさつした。
この日は62期から最後の78期までの430人が全国から集まり、期ごとにテーブルを囲み、思い出話や記念撮影に時を忘れた。海兵の昭和に入ってから昭和19年までの卒業生約5000人のうち、約2500人が戦死しているだけに各期の結束は強く、昭和48年から始まった同窓会にあたる連合クラス会は解散するが、同期会にあたる各期の会合は今後も続けられる。
最後の「軍歌演習」では「艦船勤務」「江田島健児の歌」「軍艦」を歩調を取りながら背筋を伸ばして一同が唱和、熱気が会場を包んだ。(大塚智彦)
調査捕鯨での冷静対応で一致 日豪首脳会談
2008.6.12 13:13
首脳会談を前に握手を交わすオーストラリアのラッド首相(左)と福田康夫・首相=12日午前10時58分、首相官邸(酒巻俊介撮影)
福田康夫首相は12日午前、首相官邸でオーストラリアのラッド首相と初の首脳会談を行い、オーストラリア国内で反対の声が強い日本の調査捕鯨について、両国関係が阻害されないよう冷静に議論し外交的解決を目指すことで一致した。地球温暖化対策での国際的枠組み作りへの連携や経済連携協定(EPA)合意に向けた交渉継続なども確認し、会談後に「共同ステートメント」を発表した。
調査捕鯨について、ラッド首相は会談後の共同記者会見で「友人同士の意見の不一致で、強力かつ前向きな2国間関係を阻害するような不一致ではない」と強調するとともに、「ある程度時間をかけ外交的に解決させていきたい」と述べた。
会談では、福田首相が「アジア・太平洋において重要な意義を持つ日豪関係を強固にすべく協力していきたい」と述べ、ラッド首相は「地球温暖化がテーマとなる7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)で福田首相に多大なるリーダーシップを発揮してほしい」と応じた。地球温暖化では、福田首相が産業、分野別に温室効果ガス削減可能量を積み上げる「セクター別アプローチ」を用いた目標算定について説明、ラッド首相は「有用な方法」と評価した。
このほか、11月上旬にオーストラリアで外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開催するなど安全保障分野でも協力強化を確認した。
初の日豪首脳会談 温暖化対策、安保で協力強化
2008.6.12 11:41
会談に臨むオーストラリアのラッド首相(左)と福田康夫・首相=12日午前10時58分、首相官邸(酒巻俊介撮影)
福田康夫首相とオーストラリアのラッド首相との初の首脳会談が12日午前、首相官邸で行われた。福田首相は冒頭、「アジア・太平洋において重要な意義を持つ日豪関係を強固にすべく協力していきたい」と述べた。ラッド首相は「気候変動がテーマとなる7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)で、福田首相に多大なるリーダーシップを発揮してほしい」と応じ、地球温暖化防止に向けた国際的枠組みの構築に向けて協力を強化していくことで一致した。
温室効果ガス削減について福田首相は、2050年までに国内の排出量を現状から60〜80%削減するなどとした日本の包括的な指針を紹介するとともに、産業、分野別に削減可能量を積み上げる「セクター別アプローチ」を用いた目標算定への支持を求める。
また、安全保障分野での協力や経済連携協定(EPA)交渉の推進なども確認したとみられる。このほか、オーストラリアは北朝鮮と国交があることから、北朝鮮情勢でも意見交換したもようだ。オーストラリア内で反対が強い日本の調査捕鯨についても双方の冷静な対応を確認したとみられる。
会談に臨むオーストラリアのラッド首相(左)と福田康夫・首相(右)=12日午前11時2分、首相官邸(酒巻俊介撮影)
財務相会合直前、厳戒態勢 大阪
2008.6.12 10:57
大阪国際会議場(奥)の前で検問する警察官=12日午前10時23分、大阪市北区(撮影・恵守乾)
北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)の財務相会合の開催を翌日に控えた12日、会場となる大阪国際会議場(大阪市北区)や関西国際空港周辺は、府警による通行車両の検問が念入りに行われるなど厳戒態勢に入った。
会議は13日夕にホテルでレセプションが開かれ、14日には会合のほか記念植樹、記者会見が行われる。12日から一部参加国の閣僚が大阪入りする予定。
府警は13、14の両日、1日最大6000人態勢で会場やターミナル周辺の警備、要人警護にあたり、会議をサポートするという。