ジオジオ

 

ある春の日、とても気持ちのいい朝。あおむしのジオジオは生まれました。

 

目に写るものが全て輝いてきらきらして見えました。

 

山も、川も、空も、太陽も、

木々も、花も、星も、風も、

いつも優しく微笑んでくれるから、

ジオジオも微笑んで答えます。

いつもみんなと一緒でとっても幸せでした。

 

そんなある日、1匹のカブトムシが、ジオジオのところにやって来ました。

 生まれて、初めて見る姿。強くてがんじょうなつの。

 「あなたは、だあれ?」

 

「おれは、この森のカブトムシだ!

 きみには、つのが無いけど、どうやって身を守るの?気の毒だねえ。」

 

かっこいいー。

さっそくジオジオは、木の枝を、つののように頭につけてまねてみます。

 

頭がおもいよー。

ひやー、たすけてー。

 

大好きなキャベツをかじろうとしても、

 あれ、つのが邪魔で、うまく食べられない。

 グー、おなかへったよー。

 

じゃまだなー。

とそこへ、コガネムシがやってきて。

 「ぼくは、コガネムシ。あなたはだあれ?」

 

 「ぼくは、かぶとジオだよ。きみとっても綺麗だね。」

 

ジオジオは、綺麗なコガネムシが、とっても羨ましくてなりません。

そこで、花びらで身を飾りました。

 

しかし、風が吹くと、空高く舞い飛ばされます。

 ひゃー!

 

せっかくの羽がボロボロ・・・

と、そこへ、なんて素敵な音楽でしょう。

 「ぼくは、キリギリス。キミはだあれ?」

 

 「ぼくは、かぶとこがねジオだよ。」

 

キリギリスをまねて、歌いだすと。

 「うるさいケロ!きには誰だ?」カエルでした。

 

 「ぼくは、かぶとこがねきりぎりジオだよ。」

 その手袋いいね。泳げるの?

 

カエルの手をまねて、葉っぱを手につけて、泳いでみました。

ぼくは、かぶとこがねきりぎりけろジオだ。

 アップ、アップ、おぼれるー!

 助けてー!

 

止めた!

プンプン

ジオジオは怒って身に付けてるもの全てをとっぱらいました。

 

あれれ、

しわしわ、

かちかち、

ひゃー

ジオジオの体は硬くさなぎになりました。

 

ジオジオは夢をみます。

なんであんなバカなことに時間をつかったのだろうと。

ねむーねむー。

 

食べられなくて、やせてしまって、大きくなれなかった。

頭が重くて枝にぶらさがれなかった。

遠くに飛ばされた。

溺れた。

後悔。

動けるうちに、必要なことをするべきだった。

 

と、その瞬間。

パカっ。

さなぎが割れて。

 

れれ?

ジオジオの目に写ったのは、美しい蝶になった自分の姿と美しい風景でした。

みんなが一つにつながって、笑っている。

 

自分は自分なのだ。