ドラえもん のび太の宇宙開拓史

評価:☆☆☆☆☆☆☆☆☆

大長編のテーマとして出会いと別れ
友情があると思うのですが、
宇宙開拓史にもそのテーマはふんだんに盛り込まれております。
終盤のび太たちの危機に颯爽と現れるジャイアンの姿に
何度泣かされたことか。



『スターウォーズ新たなる希望』へのオマージュ
と思われるOP。


ひょんなことから宇宙開拓民の少年ロップル
(と猫のチャミー)の宇宙船と
のび太の部屋が次元を超えて繋がってしまう



 超有名な紙にA点とB点を書くワープの説明。
映画『イベントホライゾン』でも同様の説明が。


 のび太たちはロップルとともにコーヤコーヤ星へ。
そこは未開拓だが広大な土地があまりある惑星だった。
 時間を忘れ二日間も遊びほうけるのび太たち。
 あわてて地球に戻るのび太たちだが...



コーヤコーヤと地球の時間の流れは違うらしい。

ドラの土下座がびみょうに可愛い。



ともかくコーヤコーヤに行けば土地も時間も気にせず
たっぷり遊べると気づいたのび太。
さっそくジャイアンたちも誘ってやる。
ふだんあんだけ殴られてるのにさすが大長編のび太。
友達への気遣いは忘れない。


いまにもからだに羽がはえて、
とびあがりそうなジャイアン。
ランランラン。


平和なひとときも束の間、
ヤクザ企業・ガルタイト鉱業に因縁をつけられてしまう。
問答無用で銃撃を受け、命からがら逃げ出すのび太たち。

※ちなみにロップルのお父さんは事故死にみせかけて
ガルタイトに殺されたんだそうです。



飛んで逃げるいかのように見えつつ、
実はほんとに飛んでいたりする。
コーヤコーヤは地球よりも重力小さいため、
地球人は通常以上の身体能力を発揮できるのだ!
(ココ重要)

盗っ人ジョージも似たような設定でしたっけ。


ともかくこれが原因でジャイアンたちとはケンカ別れ。



これに懲りないのび太とドラはコーヤコーヤへ。
ロップルたちと買物の途中、ふたたびヤクザにからまれてしまう。

今度はほんきで殺しにかかるヤクザたちに対しのび太は...



おもちゃの銃(弾はプラスチック)で撃退!
ちなみにのび太は実は銃撃の名手だった!
(これも重要)

それはともかく、なにこの
陰影と集中線による異常なまでの緊迫感。

このあとやっと自分たちがスーパーマンになっていることに気づき、
これでもかとヤクザたちをボコボコに。

あまりの非現実っぷりに「夢ではないか」というのび太だが、



金ない言ってる割にはいろいろ買ってるドラ。
荷物持ち用荷物』とか。


さて、
この後もあの手この手で嫌がらせしてくるガルタイトだが、
力に目覚めたのび太たちによってことごとく撃退されてしまう。

コーヤコーヤではスーパーマンなのび太だが、
地球に戻れば
『犬に噛まれる』→『ドブに落ちる』
       →『車に泥をはねられる』→『ママに怒られる』

の四連コンボのだめっぷり。
なかば現実逃避チックにコーヤコーヤに足を運ぶのび太。
そこではロップルたちとの友情が確実に
育まれていくのであった。






さて、
とにもかくにも開拓民をコーヤコーヤから
追い出したいガルタイト鉱業、
とうとう本社から凄腕エージェント、
ギラーミン
を召喚。



じゃなくて



現れるなりいきなりコーヤコーヤを破壊するとか
抜かすむちゃくちゃっぷり。

さっそく『コア破壊装置』なるものを取り付ける
ギラーミン。
ついでに開拓民のひとりを拉致ってきて
地球とコーヤコーヤの接点である
ロップルの宇宙船の秘密を聞き出す。
そして宇宙船のドアに爆弾をしかける
用意周到っぷり。

そのころのび太はママに一切の外出を禁じられていた。

コーヤコーヤはコア破壊装置の影響で
火山の噴火など地殻変動に見舞われる。
異常事態にスーパーマンの再来を祈る開拓民たち。

なにか胸騒ぎがするのび太は外出禁止を破り
コーヤコーヤへ行くことを決心するのだが...



当然のごとく宇宙船、大爆発

絶望に打ちひしがれるロップルだが
単身ガルタイト鉱業への潜入を決意する。
気がきでないチャミー(猫)は
宇宙船の残骸へ...そして...





ちなみにぱんつ丸見えなのはしずちゃん。
のび太のママに頼まれてのび太の見張りにきていたところ。

チャミーからリップルの危機を聞いたのび太たちはいてもたってもいられず
ママのいいつけ何のその、コーヤコーヤへ向かう!

そして、ことの一部始終をみていたしずちゃんは...



この息を切らして全速力、ってのが
やさしいしずちゃんっぽいなぁと思うんですが。

さて、
なんとか鉱山に潜入したロップルだが、あっさり見つかり
あわやのところに駆けつけたのび太、ドラ、チャミー。



そうだそうだ、なにが友だちだ。
やっぱ大長編のび太はかっこいいなぁ。
この表情、そしてにぎりしめたこぶしもいい感じ。

いや、かっこいいのはのび太だけじゃないぞ。
ここから正義超人ばりの怒涛の友情パワーが
炸裂していきますよ。


しずちゃんが全速力で向かったのは
ジャイアンとスネ夫のもと。
話を聞いたジャイアンは「どうしようもないバカだ!
と言いつつも、走り出す。
鼻息が「しょうがねぇな」って感じで
ケンカしてたとか、そういうのはどうでも良いんだなぁ。

ちなみに手にもったバット重要。



いいえお母さん、
これからみんなでヤクザの事務所に殴りこむんです。




雲霞のごとく押し寄せるガルタイトの警備艇を
空気砲でバカバカと一網打尽にするのび太たちだが、
そこへボス艦の登場。



この戦艦、FCドラえもんの開拓篇のボスだったり。



恒例の。もちろんこのあとは「あれでもない、これでもない」
たとえ出ていたのがヒラリマントでも、このドラの表情では
かなり駄目っぽい。
片足あげてるのもポイント。

それにしてもこの一コマのギャグをラストのドンデン返しに
つなげていくのがF先生の神業。

ゲームでは空気砲、あるいは強力うちわ「風神」で撃破できるが
原作では太刀打ちできず、
あわやひき潰されそうになるのび太たち。
しかしそこへどこからか飛んできた無数の巨大な岩が
ボス艦をボコボコとぶち抜いていく。



画面中央のぶーちゃんは開拓民のブブ
ギラーミンに拉致られてペラペラと白状しちゃったのが彼。
まぁ、彼なりに責任を感じてはいたらしい。




「やっぱり」のあとの「・・・・・、」がいっそう引き立ててますな。
(そもそもF先生は「・・・・」の使いどころがかなりうまい。)
よくみるとのび太とドラ抱き合ってるし。


ボス艦を撃沈し、コア破壊装置を止めに走るのび太たちだが、
その前にギラーミンが立ちはだかる。
ギラーミンはのび太に決闘を申し込む。



先に倒れたのはのび太だったが、
勝ったのもまたのび太。
恐怖と緊張で思わず気を失ってしまっただけだった。

と。そんなことをしてる間にコア破壊のタイムリミットが
過ぎてしまう。


しかし爆発するどころか破壊装置は動きを止めてしまう。
様子を見に行くドラ。



てんぱったドラの駄目さ加減が
救いのオチにつながるという逆転の発想。

このあと密かにガルタイトを内偵していた警察が
ぞくぞくとコーヤコーヤに押し寄せ、
ヤクザ一党は見事にお縄頂戴。
そして大団円へ。

大長編の特徴として、タイムパトロール(今回は警察)が
とつぜん現れて、さくっと事件を解決してしまう
パターンが非常に多いですな。
のび太の恐竜2006ではこの辺が上手にアレンジされてました。




超空間のつながりが無くなるときが来た。
別れを惜しむのび太たち、ロップルたち。



大長編で出会う異世界の親友たちとは
物語の終わりにしたがい別れが訪れる。

情けは人のためにならず、というか
(「こんなときにこなくてなにが友だちだ」のせりふがまさに
それなんですが、)



はじめてロップルたちと出会い、宇宙船を修理して
一度別れるのですが、そのときのあっさり感というか
ひじょうに淡白な感じが、このラストとの対比になっていて
一期一会的なラストがなんとも寂しげで感動的なんですなぁ
一度目のお別れ

ちなみに一期一会という意味では
「鉄人兵団」が顕著ですかな。


このあとコーヤコーヤへの出入り口は完全に閉ざされ、
二度とつながることはなかった。



締めくくりの一コマ。
恐竜の「夕やけがきれいだね。」でもそうだったんですが
この腕をうしろに組んで、達観した表情で空を見上げる姿
原作でのドラの道具を悪用して因果応報でボロ雑巾に
なる情けない姿
とはまさに対照的。

微妙なパースがのび太を少年にしては巨大感というか
人間としての大きさを表しているような気がします。