6月13日(金曜日)

午後3時30分。分娩室に入る。

分娩台に乗る。足にカバーをかけられる。べたべた貼っていた湿布を笑われる。
「はがしますねー」
わたしはヒーコラヒーコラしてたのに看護婦さんたちは冷静でおだやか。

点滴をはずす。テキパキテキパキ準備をしてくれているものの、早くしないかなーと思う私。

すぅー。うおおおおおー。あああああー。
部屋にいたときよりも楽になった気がする(あくまでも気持ちが)。

早く終わらせたい。

早く産みたい。

なによりもこの痛みから開放されたい。

「何センチかなー?」
と、先生。
「もう部屋にもどりたくな・・・い」「産ませて〜」「まだ〜ですか?」
ハラホロヒエ〜状態の私。先生はそんな私を見て笑う。

「んー、9センチ」
だめ?(10センチに開くまで産めないのである)

「部屋にもどらなくてもいいよ」

やった(産める?)

「1時間後に様子を見て10センチになったら始めましょう」
分娩台に乗っかってる足は閉じられ、横になれるよう、足元に台がつけられ、横に寝かされる。

がーん・・・・・・・。
涙がちょちょぎれる。

まだ・・・・ですか・・・。
この期に及んでまだ、とは。

腰が痛い。おしりがむずむずする。

あああああ。いきんでしまう。

「まだよー」

「無理ですー!」

少し看護婦さんは考えて、「・・・いきんでもいいわよ」

ああああああ。おううううう。

早く早く1時間たってくれ。たのむー。
神様!仏様!たすけてぇぇえ。


すぅー。うおおおおおー。あああああー。


午後4時30分。

再び足元の台がはずされ、子宮口を確認する。
「・・・10センチよ」

やったー。もう少しで産める!終わる!

テキパキ準備を始める看護婦さん。

おっしゃー。

「陣痛が来たら、2回深呼吸して、3回目に深く息吸って、止めて、ふんばって。
 声は出さないで。口は閉じて。力をふんばることだけに使うのよ。
 目は開けて。こっち(おなかのあたり)見て。」

はいぃぃぃ〜

「きましたぁぁ、すぅー、はぁー、すぅー、!!!!

「こっちのほうにふんばって(おしりのあたりをつつかれる)」

「・・・、すぅー、はぁー、すぅー、!!!!!」


・・・何回も。何回も。きばる。きばる。
足が震えてる。つってる。
腕がぷるぷる。
全身に力をこめる。
おなかの筋肉がビクビクいってる。
体中の毛穴から汗が吹き出る。

やっと水分をとる許可が出てパックのお茶をストローで飲ませてくれる。
のどカラカラ。

「・・・、すぅー、はぁー、すぅー、!!!!!」

まだ?まだ?まだ?

私はたまらず、「いつ産むんですかああああ。」と聞く。

看護婦さんは“え?”という顔をした。
「何言ってるの。産むのはお母さんよ。あなたががんばらないと」
・・・私はかなりアホな質問をしたらしい。

ベイビーはなかなか下に降りてきてくれない。
しかも頭がでかくてつっかえているみたい。

「・・・、すぅ〜、はぁ〜、すぅ〜、!!!!!」

先生が私の子宮の中に手を入れて手探りで赤ん坊を確認している(今思うと“ひょえー”って感じだけど陣痛の痛みに比べたらたいしたことないって。ちなみにあそこ切るのも痛くない。それどころじゃない。)

なにか機械が用意された(あとから吸引分娩のだと知った)。

「・・・、すぅ〜、はぁ〜、すぅ〜、!!!!!」

・・・でも出てこず。

「・・・、すぅ〜、はぁ〜、すぅ〜、!!!!!」

出てきてー。

「上から押して。」

え?
看護婦さん、私のおなかの上に乗っかる。

え?

「・・・、すぅ〜、はぁ〜、すぅ〜、!!!!!」

看護婦さん私のおなかをギューギュー、と押す。
死ぬぅ!!!!!


たのむー!べいびー!
早く会いたい!


痛い!痛い!痛い!

「ぎゃああああああああああああああああああああああああ」
私はたまらず叫んでしまった。

なんか出てきた。熱い。痛い。
「もう一息」

へ?

「はっはっはっは、って息して」