なおぞうの日記(2002.10月〜12月)
昨日から新学期が始まった。今期からはほとんどが臨床科目で、附属病院の近くにある臨床講堂で講義が行われることがほとんどなのだが、建物が古く、座席は狭く、映画館に座っているようである。
社会予防医学のF教授がはりきって実習を週4コマも入れてくれたおかげで、月から金まで4コマびっしり、これで追試があったら本当に地獄である。
病理学は不合格者が少なかったため、無事、学科・プレパラートとも合格したが、まだまだ不安である。
おまけに年明けからは自主研究があり、どこの教室でやらせてもらうか、選択にも頭を痛め、ぐったりのなおぞうであった。
2002年10月7日 (曇り時々晴れ)
秋も深まり、早朝に自宅を出るときはちょっと薄暗い。しばらくすると、すぐに寒くなるんだよなぁ。
1限目は医学英語。毎週、医学関係のテーマを扱った英語のビデオを見て、その後、小テストをやり、外国人講師の解説を受けるという授業。
外国人講師は、いわゆる英語屋でなく、自然科学の研究者みたいなので、話している内容はしっかりしていて、結構面白い。しかし、ビデオが難しくて、あまり聴き取れず、50分の放映時間が苦痛である。
2限目は救急医学。窒息すると3分ほどで酸素がなくなり、間もなく心室細動(だったっけ?)から心停止に陥るそうな。
窒息は怖い。
午後は、社会医学実習で、わが班は、医学部長のインタビュー。再来年度から、卒業後2年間必修化される研修の問題点や、その他諸々、非常に参考になった。
医学部長の教育に対する熱意が感じられて嬉しかった。
薬理学の結果が出る。レポートや発表であれだけ学生を苦しめておいて、さらに50人近くが落とされていた。
ここまで厳しくする教育的必然性がどこにあるのだろう。(怒)
過年度生の人もかなり落ちており、全く気の毒である。
なおぞうは運良く通っていたが、他人事ではない。
寄生虫といい、薬理学といい、決して学生がサボっているわけではないのに、あまりに傍若無人な落とし方である。
他の大学でもそうなのかしらん。授業アンケートをとったところで、単位をつける前では、学生の本当の声など聞けるはずもない。
勉強するのが馬鹿馬鹿しくもなってくる。
このところ、朝の冷え込みが厳しくなり、少々風邪気味でのどが痛い。
昨日は4時ごろ銭湯に行き、夕方一眠りして体を休めたのであるが、月曜日のインタビューの感想を書いたり、何だかんだ夜更かしして、かえって疲れてしまった。
ちょっとしんどかったが、がんばって1限から出る。
1限目の精神医学、教養の授業のようなぱっとしない授業だぞ。
症例の紹介とかやってくれれば良いのに、やれやれ。精神科志望の学生は結構多いのだが、逆に精神科を避ける学生もいるのか、出席率は早くも半分程度。
2限目の第3内科は、筋電図、脳波、てんかん、頭痛まで盛りだくさんで、とても時間が足りやしない。昨日の第2内科の授業もそうだが、自分で勉強しなければ、とてもじゃないが不足である。
午後には、やはり密度の濃い消化器外科・麻酔科の授業を受け、今日もぐったりお疲れのなおぞうであった。
放課後、法医学の発表を見る。昨年は40人ほど落ちていたらしいが、今年はみんながんばっていたのか10人ちょっとしか落ちておらず、なおぞうもセーフ。
これで残るは遺伝学と環境・疫学だけになった。今まで全勝だから上出来といえよう。7割近くの人はなんらかの追試をかかえているのだから。
それでも、社会予防医学でくだらない論文調査をやらなきゃならないし、シケプリも作らなきゃならないし、それなりに忙しいなおぞうであった。
昨日の晩は、寒冷前線が通過したためものすごい雷雨で、図書館で社会予防医学実習のための調べ物をやむを得ずしていたなおぞう、雷雨の中を自転車で突っ走り、びしょ濡れになって帰宅した。
朝早く起床して、さらに医学雑誌のコピーを読んだら疲れたぞ。気分転換に自転車をこいでA温泉の共同浴場に行く。ネットで調べた地図を頼りに、新しい所を開拓、看板も何も出ていないが、確かに浴場があった。少々狭く、洗い場も3人分しかないが、大人200円だから、安い。
今日は午前中講義2コマ、午後は社会予防医学実習で、与えられたテーマについて、どれくらい勉強したか報告。
論文は集まってきたのだが、構想がまとまらず、図書館でさらに論文検索。今日もくたくたのなおぞうであった。
臨床科目を自学自習する暇もなく、どこかおかしい大学のカリキュラムであった。
朝かなり寒くなってきた。自転車のハンドルを持つ手が冷たくなる。
今日は午後休講で午前中の二コマだけ。喘息と骨粗しょう症の話で、病気の概念を一通りつかむことができた。
午後は家に帰って昼寝。夕方ひさしぶりにPに行き、2000円で単発を当て、粘ったが、その後も単発2回であえなく飲まれ。
冷たい風が身にしみるなおぞうであった。
寒い。おまけに講義室の暖房が故障していて、みんな、セーターの上にコートを着ていて、完全に冬の状態である。
それでもかったるい講義は眠くなるもので、4限の検査医学は寝てしまったなおぞうであった。
胃の調子も悪くなるし、何もせず、ゴロゴロと本でも読むかなあ。
今日は天気があまり良くないおかげで、寒さが和らいだ。しかし、気力が出ず、授業にやっとのことで出る。
小児の心奇形、大腸の炎症疾患、水胞と膿胞、細胞診、まあ、いずれにしろ、出れば出たなりのことはあるのかもしれぬ。
このところ、鬱状態だから、せめて授業だけはかろうじて出ようと思うなおぞうであった。
朝、なかなか起きれず、気力を振り絞って(大げさ)授業にでる。
精神科は今日は摂食障害(拒食症)。幼児期の発達課題の中では、親の躾にしたがって不快に耐えることと、親に甘えて快を得ることの、アンビバレントな状況に耐えることが重要だそうだ。
いわゆる「良い子」で育ってきた子は、親に甘えることが不得手で罪悪感を持っており、それが太ることの罪悪感と重なって拒食症になるとか。
Noと言えない日本人が多いと言われるが、アンビバレントな状況に耐えられない未熟者が多いということかしらん。ちょっと面白い講義であった。
午後の皮膚科、メラノーマを中心に皮膚癌の講義。早期の診断はかなりむずかしいんだなあ。
ある程度進行して転移してしまうと、どうにもならないらしい。
色白の人は、日焼けしてもちょっと赤くなるだけで、うらやましいとか言う人がいるが、日にあたるとすぐに黒くなる肌の方が、メラニン色素を作って紫外線から皮膚の細胞を守る能力があるのだから、よっぽど優れている。
黒は美しい。色黒のなおぞうは、しみじみそう思うのであった。
2002年12月13日(晴れ)
寒い。何もやる気がしない。部屋に引きこもって、池波正太郎の「剣客商売」シリーズをだらだらと読むなおぞうであった。
10月末ころから、ずっと胃の調子が悪く、先日、内視鏡検査を受けた。
「胃炎だけだとおもいますけどねぇ」と言われつつも、三カ所生検され、今日が検査の結果を聞きに行く診察日である。
なおぞう、ときどき胃炎を患い、内視鏡検査も今までに4回ほど受けたことがあるのだが、ここ5年近くブランクがある。
胃炎だろうとは思ってみるものの、やっぱり不安である。こういう時に限って、予約時間より遙かに待たされるんだよなあ。
おまけに、診察室からの他の患者と医師との声が漏れ聞こえ、中には手術を言いわたされている人もいて、いやが上にも不安をあおる。
あれこれ考えてもしょうがないので、獅子文六(古い)の三文小説を読もうとするが、身が入らない(笑)。
「悟りというものは平気で死ぬことだと思っていたが、どんな時にも平気で生きていることだとわかった。」とかなんとかいうような子規の言葉が思い浮かぶが、その境地に達するのはいつのことであろうか。
待ちくたびれてようやく診察を受ける。胃が荒れているだけとのことで大安心。
ガンの早期発見のためには、毎年、忙しくてやむを得ない場合は2年に一度は内視鏡を受けた方がいいとのお言葉。
まあ、胃の定期検診をうけたと思えばいいか。今後は気をつけよう。
久しぶりに日記をつける元気が出たなおぞうであった。