静かに座る、準急の



工場の夜勤開け
僕らは
作りすぎた
サンドイッチを
朝食代わりに安く買って帰る
事しかできない

枚方家具団地から出る
始発のバス
終点は樟葉駅
準急に乗り込む

ちゃんと
朝の
準備をした人たちが
静かに座る
準急の
窓際
僕らは
使いまわした制服のにおい

ビニール手袋と
制服の間から
卵サラダが染みて
今日は
ひじのあたりが
少し
湿っている

差し掛かる
淀川
だと思っている
長い川
輝き

気ちがいじみた速さで
替わる
ぬくい陽射しと遮る鉄の
交互の奥
のどかに変わっていくアングルに
遠い
平和を
見てしまうものだから
力なく
今にも
飛び立ちそうな
僕らの
瞳孔は
物騒に鼓動する

不意に
膝から落ちて
慌てて立て直す
少し
戦う
誰かと
戦いたい
思いきり
首を旋回させ
探したい
敵を

静かに座る
準急の







夜勤明けはやばい。 膝から落ちる。 京阪は淀川を渡らない。 「田地に沈め、湖の」的な語感は好きだが、 これは分かりやすい好きさ加減なので、 もっと気持ちよく読める、きれいな文体になりたいと、つねづね思う。


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