予習



気持ちがいつもの懊悩から空腹へとそれて
やっと外に出られたときにはもう涼しかった
ごった返すスーパーマーケットで
ゴーヤと豚肉をカゴに放り込みレジに立ち並ぶ
ごめんなぁ
もたもた銭を出しながらレジ打ちと話すおばあ
AKBの握手会じゃあるまいし
ありったけの小銭を駆使して時間を稼ぐ
五十円が見つかれば
先程支払った十円五枚を片付ける
まどろっこしい事極まりないその
かけがえないわずかな時間に
このおばあは一日の会話を終えるのかもしれん
だが
はやくしろ
はやくしろ
俺達の人生を短くするな
いらいらさせられる
さみしさを予習させられて
無言で立ち並ぶ俺達は最早その
さみしさとやらに打ち負かされたくて
はやくしろ
はやくしろ
だが
手早くレジを済ませた俺は
物を詰めるより先に携帯をいじる
黒いスウェットの女達をすり抜けて
自転車にまたがった
すると
帰るしかなかった





人とすれ違うのが怖いので
お腹が減るまで家を出なかった
やっとジーパンを履いて外に出ると夕方になっていた
食べ物を買いにスーパーマーケットに行った
ゴーヤチャンプルが楽なので豚肉とゴーヤをカゴに入れた
レジに並んだ
私が並んだ列の前のほうでおばあさんがもたもたしていた
待たされているのでいらいらした
お金を払うだけなのに
小銭を出したり引っ込めたりして
レジ打ちと話していた
AKBの握手会に似ていると思った
もしかすると
おばあさんは今日はもう誰とも話さないのかもしれないと思った
いつかあんな風になるかもしれないと思った
私はいつも全然しゃべらずに黙って帰っているけれど
全然そんな気にもならないので
そうするしかないし
結局黙って家に帰るんだなあと考えながら自転車に乗っていた






最近なんか増えたな。こういう感じ。みんななんで袋に詰めないで携帯見てるのかわからんけど、書いてたら分かる気もしたけど、やだなー。マナーもあるけど、人生もあるみたいのが悔しいというか。マナーとってたら負けというか、むしろ負けたいよね。空気とかマナーとかいう激流の中で引っかかりたい気持ち、それがあるのにスルーっといけてしまう時がなんかさみしいみたいなことをもっとうまく表したいというか、また書くと思う


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