美醜
筆記体のカタカナでスタイルと書く
僕たちは目を合わせない
あまりしゃべらない
目が合うと
焦る
とりあえずで口が開くと
わやくちゃになって
ふたりで何の約束をしたのか
何を取り付けたのかさえ
定かではなくなる
僕たちは連絡が来なくて
もじもじするのが好きだ
不安にさいなまれて
前日のあちらからの電話に飛びつくのが好きだ
美術館のチケットが
ちょうど二枚ほうりこまれて
さ来月には行こうと思っていて
でも明日でも大丈夫
来月にしようか
いつでも大丈夫
とは死んでも言わない
さ来月が来月になり来月の真ん中の日曜日になって
追い詰められる
追い詰める
これが嫌いで僕たちは長い家出をしたのだ
正確に言うと家の中にいたから
出のほうだけをして
自動的に
僕たちは世界からはじき出されたことになる
それなのに
またやる
これは人類の法則か
君は老いていくだけの老女か
僕は偶然ちょうどいいところにいるのか
リードして欲しいようでもあるし
もうこのままでいいようでもあるし
お互い三十超えてるし
初恋のように
いつまでも
こんなことをするのが無様であると自覚しながら
してこなかった罰
美醜の太陽
見上げるか
俯くか
それしか
してこなかったので
ちょうどいいと
おもーう
ひらいたことがない場所も
そんなに魅力を感じないのに
狂ったようにする予感がある
二人は重い
私達は迷惑かけないように
平行線を行ってしまうのか
開いたら開いたで
普通に過ぎるのを
君はまだ知らないのか
僕はこじ開けるのこじのとこ
狂ったようにして
手漕ぎトロッコで
スポーツ・カーを追い越すのだ
美醜の太陽より先に
ふたりで汗をかくのだ
君を
夢から剥がしたあと
自然に笑っていてくれればいいなあ
連れて行く
ビジョンが不安なのだ
素人のお宅にAV女優が行くのだ
僕は兄のように
君は母のように
細かいところを指摘しながら
優越感ごっこをしながらも
きっとうまくやれるだろう
後ろの自転車など気にせずに
道を占拠しよう
それは権利
僕たちはずうずうしいカップルになりたい
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