散髪屋



いつもスポーツ刈りだった
僕は無言で座った
おっちゃんがもわーっと言いながら
口を開くと
透明な
唾液の膜があった
散髪屋の肘掛けの先っちょには
灰皿がついていて
どうやったか知らないが
おっちゃんは灰皿のふたを開け
その膜を移植した
髪を切ってる間
灰皿の上には
透明なドーム状の唾液があって
僕はそれを喜んだ







トップページに戻る