33の作品 第一章 〜栄光の門〜 第2話

 

40 名前:33 [sage] 投稿日:2006/05/14(日) 23:04:12
ティアンム中将「まず部下の失礼を詫びる。すまなかったな。」 
「で、おれにどうしろとおっしゃりますか将軍閣下。」 
「気持ちは分かるが、とりあえず話を聞いてくれ。」 

そこで、もう一回悠久の空間の説明をされた。 
今度の説明はビキニ女のよりは詳しい。特に召喚できる資料についてだ。 
「剣術」「魔法」など大雑把なカテゴリーの資料なら召喚しやすいが、 
より絞った範囲の資料だと探し出すのが難しい。 要するに検索エンジンみたいなもんだ。 

「とは言っても、私自身は空間に入った経験がない。中にいると時間感覚が薄くなるから、 
異世界からの不老な人間でなければ、気がつくと何十年も年を取ったという事態になりかねない。 
これは空間に入ってみた者から聞いた証言だ。しかも入った人間の感性によって空間の在りようが違う。 
従って他の経験者による助言もそれほど役に立たない。 
ま、危険があるとは言え、空間での修行は君にとってプラスになるはずだ。」 

「僭越ながら二つ聞きたいことがございます将軍閣下。」 
「その嫌味にしか聞こえない敬語はいいから、何かね。」 
「なぜ今まで会ってきた人間は皆一目でおれが異世界から来たことが分かってしまうのだ。 
そして、できれば敬遠される原因も知りたい。」 

「オーラだ。この世界の全ての生物は魔法のマナと共に生きているが、 
君はマナがないところから飛んできたから、オーラは周りのマナを貪るように飲み込み続ける。 
まだここに来て1日も経ってないから分からないかもしれないが、 
君の身体能力はここに来て飛躍的に上昇している。例えれば水だけ飲んで生きていた人間が、 
初めて食料を摂取し体力を付けたようなものだ。 

「敬遠される原因...簡単に言えば、『微笑む悪魔』として恐れられた、 
神聖タチバック帝国軍の前任大元帥は我が王国を裏切った「異変をもたらす者」だからだ。 
しかし「異変をもたらす者」の活躍は我が王国及び同盟国に莫大な利益をもたらしているのも確かだ。 
故に異世界人に抱かれる感情は複雑なものだ。いきなり監禁する幕僚本部の方針には賛成しかねるが。 

41 名前:33 [sage] 投稿日:2006/05/14(日) 23:46:16
ティアンム中将「さて、話の時間はもう終わりだ。心の準備はいいかね?」 
「まだでございます、と申し上げても意味ないかと存じますが。」 
「敬語はもういいと言ったはずだ。まだならもうしばらく軟禁しようか。」 
「準備万全でございます将軍閣下。」 
「だから敬語はやめろ。」 

悠久の空間への入り口はやはりあの図書館の一室にある。 
魔方陣みたいなところに立たされて、図書館で見た老人(魔法大学図書館館長)が怪しい呪文を唱えた後、 
おれの周りの景色が一瞬で変わった。床も、天井もない...いや、もう空間の概念すらなくなった。 
あるのはただ無数の魔方陣。このままだと落ち着かないので、おれは物質の召喚を試みた。 

おれは途方もなく大きい洋館にいる。もちろん召喚したものだが。 
とりあえず安楽椅子に座り、資料を召喚して読みふける。資料から武術の知識を学び、 
即席に道場を召喚して実演してみる。気功、魔法を練習する。基礎体力訓練を死ぬほど繰り返す。 
モンスターとの実戦訓練何千回こなす。 

...空間から出たのは、二週間後。つまり空間で40年に近い時間を過ごした。 
王国有史以来の最長記録らしい。自分の強さを磨く以外、軍事学、政治、話術、王国の歴史まで 
猛勉強した。得意不得意もある故、学問の面ではそれほどすごいレベルには達していないが。 

おれの実力を試すため、出てきて1時間にも満たない休憩の後、 
御前試合をすることになった。一回目は、捕らえられたモンスターとの対戦。 
相手はスライムキング、キマイラ、カトプレパス、エイビス各一匹。 
さしずめスク○ニモンスターコラボだな。 

43 名前:33 [sage] 投稿日:2006/05/15(月) 00:40:36
試合開始との合図と同時に、おれは飛行タイプモンスターエイビスに向かって力一杯跳んだ。 
気功と筋肉の力を融合した移動術・「軽功」と呼ばれる中国武技。 
目にも留まらぬ速さでエイビスに近づき、試合前に選らんだ両手剣が一閃した。 
綺麗にエイビスの首を切断。そのまま落下しカトプレパスに接近。これも計算通りだ。 
石化攻撃する余裕すら与えず、一撃のもとにカトプレパスを倒す。 
スライムキングも容易く斬殺。 

最後にキマイラだが、三つの頭からそれぞれ強力なブレスを吐き出す強敵だ。 
ここで自分で考案した戦闘術を発動させた。 
魔法「ヘイスト」で動きを加速させ、敵の攻撃の隙間を掻い潜り、 
超高速な斬撃に気功の力を注ぎ込む。名付けて「気功剣みだれうち」。 
キマイラ、撃破。 

(なんという強さだ。従順な手駒にできればいいが) 
エルラン将軍は二回目の試合が始まる前に闘技場を出て行き、 
幕僚本部で機密会議を開いた。 

二回目の試合は、神聖タチバック帝国軍の捕虜が相手だ。 

45 名前:33 [sage] 投稿日:2006/05/15(月) 01:15:37
(なんでか何回も書き込むボタンをクリックしてもなかなか書き込めない) 
(リアルタイムで書いているが、途中で別のことで何回も中断するからペースが遅い) 

相手の帝国兵はラウンドシールドとブロードソードという伝統的な武装だ。 
構え方からでも、手練であることが伺える。 
おれは両手剣を正眼に構え、まず様子を見ることにした。 
リーチを活かした待ちうけも両手剣の有効な戦術の一つだ。 
しかし相手は間合いを保ちつつ、なかなか攻めてこない。 

何十年もひきこもれるおれだが、こういう刺すか刺されるかという殺伐した雰囲気ではかなり短気なんだ。 
耐え切れずにおれは走り出した。敵に向かって無造作に大剣を振り下ろす。 
さすがというべきか、相手はすかさず盾を大剣の進路に翳し、カウンターの一撃を返すべく踏み込んできた。 

「ガキイイイイーーン」 
「ぐわ!?」 

常人の切り込みなら完璧に防げたはずの見事な盾の運び方だったが、 
信じられぬほどの時間で腕力と気功を鍛えたおれの一撃は、 
相手を盾ごとぶっとばした。骨を砕いた手応えがあった。 

帝国兵、戦闘不能。 

「ここまでだ。よくやったな。」 
国王オナヌイ四世は拍手しながら試合終了を告げた。 

ティアンム中将:「陛下、是非この男を我が軍機処へのご配属を」 
「うむ、よかろう」 

こうしておれは軍機処諜報部隊への配属が決まった。 

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