33の作品 第一章 〜栄光の門〜 第4話
- 64 名前:33
[sage] 投稿日:2006/05/16(火) 22:26:32
- 偵察任務は順調に進んでいた。
セックール王国の西南と南はタチバックの国境に接しており、
今回の任務は南方のタチバック前線基地及び周辺兵站の偵察だ。
敵地での任務だが、臆病なエーモン隊長と機敏なテレンス副隊長の絶妙なコンビのおかげで、
二週間の潜入を通して発見されることがなかった。
そろそろ今日は引き上げる日だ。最後の兵站の偵察も終わり、
南方前線における敵の補給線の実情もほぼ把握できた。
ただ、引き上げる前に最後の仕事がある。
敵の部隊と一戦を交わし、実力をデータと照らし合わせることは
威力偵察ミッションに含まれている。
駐基地第8補給大隊ラクダ小隊が運搬する物資の消滅の作戦が立てられた。
作戦は成功だったが、問題はその後に発生した。
ラクダ小隊を撃退し、物資の奪取、破壊も作戦通り上手くいった。
しかし、選定した襲撃ポイントの近くにある洞窟はカモフラージュされた砦の出入口だった。
駐在している独立戦闘連隊が出撃してきた。
砦の位置を報告できれば立派な軍功だ − 生きて帰られればの話だが。
- 65 名前:33
[sage] 投稿日:2006/05/16(火) 22:35:20
- (今回は書き溜めたのでさっさと貼るお)
逃げずに敵陣へ切り込んでいったおれだが、
12人倒したところで投げナイフが肩に当たり負傷した。
だがFFで言うとHPが5桁になっているおれにとってはどうでもいい傷だ。
気がつくと周りには先陣の敵兵の死体以外、レナしかいなくなった。
「レナ!ここは衛生兵の出る幕じゃない。さっさと離脱しろ!」
「でも、他の隊員とはぐれた以上、ここは一緒に逃げて!」
「二人で逃げたら囲まれて終わりだろう。レナは今回のミッションの記録係だ。
極端な話ただレナ一人だけ生き延びても任務は成功だ。殿はおれ一人で十分だ。」
「いいえ、衛生兵たるものは負傷した同僚を見捨てるわけにはいき...」
言い終わる前に、おれはキスでレナの言葉を遮った。
もちろんそれと同時にちょっとオパーイ揉んだが、アーマー越しなのでありがたみが薄い。
「敵は一旦引いたが、主力はすぐにくる。今度会う時にさっきの続きをするから、
それまでには死ねないさ。さあ、逃げるんだ。」
「...わかった。必ず生きて帰ってきてください。」
- 66 名前:33
[sage] 投稿日:2006/05/16(火) 22:39:00
- レナが逃げてからしばらくすると敵の主力も湧いてきた。
30分間持てば十分な時間稼ぎだろう。
別の戦闘術を試してみるか。
「はぁ〜〜〜」バスタードソードにマナを練りこむ。
補助魔法以外に、魔法剣もおれの持ち魔法なのだ。
しかも普通よりずっと大量な魔力を注ぎ込んだ特大サンダガ剣だ。
名付けて『電気ウナギの夢』
直撃食らえればショック死。盾や武器で防いでも電気が金属に伝わって感電する。
普通兵のこいつらなら一撃を耐え抜くこともできない。
だが20人ぐらい倒したとこで、対抗魔法をかけた敵兵数人が寄せてきた。
さっきの戦闘でさらに傷が増えた上に魔法剣士が相手だと少々やばいな。
「かっこつけに命を張るのはどうかと思うがな。」
テレンスの余裕たっぷりな声と同時に、投げナイフが何本も飛んできて、
近くの敵兵に見事に命中した。
その隙におれは閃光弾を使った。
「帰ったら上司にこう報告しろ:ガイアからの33様に隊員うん十人も倒されました、とな。」
捨てセリフを後にし、おれはテレンスと共に死に物狂いで逃げ出した。
「怪我人のくせに威勢がいいな。助けたのは余計な世話だったかな。」
「かっこいいタイミングを見計らって登場するのもどうかと思うぞ。」
- 67 名前:33
[sage] 投稿日:2006/05/16(火) 22:44:30
- 任務は成功に終わった。小隊は死者3人、負傷者はおれを含め5人出した。
秘密基地の発見という意外の収穫もあったが、小隊の戦力は半減した。
エーモン隊長は真っ先に逃げ出したので軍法会議ものだと思ったが、
なぜか降格処分で平隊員になっただけだった。
そして生き残ったおれらの処遇は...
「エーモン隊は小隊としての戦力を保持できないレベルに弱体化したため、解散とする。
エーモン・エーモンソン隊員、雑魚A(無傷)隊員と雑魚B(軽傷)隊員は別の小隊に編入す。
テレンス・ホーエングラム少尉、第3独立戦闘連隊の中隊長に就任。中尉に昇進。
33隊員、第3独立戦闘連隊のホーエングラム中隊副隊長に就任。
階級は曹長に昇進。職務上の必要により少尉待遇に叙す。
レナ・クッマー隊員、第3独立戦闘連隊のホーエングラム中隊医療士官に就任。曹長に昇進。
雑魚C(軽傷)隊員、第3独立戦闘連隊のホーエングラム中隊分隊長に就任。軍曹に昇進。
雑魚D隊員、雑魚E隊員、雑魚F隊員は重傷のため復元まで療養。
エーモン隊に関する辞令と同時にもう一通の辞令が幕僚本部から発せられた。
イスミナ・ヴォン・ヤーデ少尉の第3独立戦闘連隊作戦参謀就任の辞令だ。
第4話 完
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