33の作品 第二章 〜戦友〜 第1話
- 108 名前:33
[sage] 投稿日:2006/06/06(火) 23:12:22
- 久しぶりです。出張から帰りますたので張ります。
このエピソードはRPGで言う街での装備ショッピングに当たるので、
はっきり言ってつまらないが、ここで予めお詫びしたいと思います。では。
― 独立戦闘連隊 ―
最小限の人数で独立作戦能力を持つ分隊で構成された作戦単位。
分隊の編成は冒険者パーティーと似たようなものであり、
一つの分隊に索敵(シーフ1〜2人)、攻撃(戦士2〜4人)、支援(魔法使い2人)、医療(僧侶1人)、
それぞれの人員が編入されている。潜入、陽動、かく乱、市街戦など、
臨機応変が必要な任務に特化したゲリラ部隊のような存在だ。
諜報部隊と違って制式装備がなく、隊員は手当をもらって好きな武器防具を購入する。
あの任務から三日後、テレンス、レナ、おれ及び雑魚Cの入隊手続きが終わって、
おれ達は連隊の本部「フォート・モナズ」から出てきた。
紅葉が眩しい晴れ渡る秋の午後。
テレンス「装備品は自前でいいから、おれは手当で飲みにでもいくよ。お前も一緒にどうだ
...とは言いたいが、まず装備品を買わないといかんな。レナと一緒に買いに行くといい。」
と、雑魚Cを飲みに連れて行くテレンスだった。
なんて気が利くやつなんだ。こいつが上司で良かった。
「そうだな、約束のこともあるし、行くか。」
「や...約束って...あの...」
「忘れたというのか。」
「い、いいえ...」
「ならいい。まず武器職人の工場へ行こう。」
- 109 名前:33
[sage] 投稿日:2006/06/06(火) 23:18:17
- 普通の武器店じゃなく職人のところへ行くのには原因がある。
おれは悠久の空間で修行していた時、ある武器のデザインを考案し、
召喚して使ってみたところかなり気に入ったので、それを職人に作ってもらおうと考えた。
デザインを口で説明し、簡単な図面も書いてみた。
「ふーん、なかなか面白い設計よの。じゃが、打撃に使う時柄の部分にかかる力はちと大きすぎやしないか。」
「刃と同じ材料で作ればいいじゃないかな。
例えばダマスカススチールみたいな強靭でしなえるソードスチールなら大丈夫だろう。」
「...この設計で全体ソードスチール作りとなると、重さが半端じゃないぞ...
費用はもっと半端じゃないがの。曹長の武器手当じゃ到底無理じゃ。」
「重さは気にしなくていい。ソードスチールが駄目なら、柄部分を銅などの合金で作るのはどうだ。」
「ふーん、この質量の砒素銅なら鋼鉄の武器とぶつかっても勝てるはずじゃ。
しかし、20キロ近くになるぞ。とても振り回せるとは思えん。」
「だから重さは気にしなくていい。それだと料金はどうなんだ。」
結局、手当の半分以上を持っていかれた。安くて動きやすいスケールメイルも注文した。
チェーンメイルの方はより安くて軽いが、
打撃に弱いのとエストックなどの武器で貫かれやすいから割愛した。
残った軍資金で型落ちの旧式重石弓と24本のボルトを購入した。
レナは見た目以上に力持ちらしく、メイスとハーフプレートを選んだ。
おれの注文が出来上がる前に、サービスとして職人の弟子が作ったスクラップ予定の大剣を貸してもらった。
- 110 名前:33
[sage] 投稿日:2006/06/06(火) 23:19:55
- 「結構時間くったな。これから晩飯でも食いに行こうか。」
前にイスミナが紹介したレストランへゆっくりと歩いていく。
隙を見ておれはレナの手を掴んで、そのまま手を繋いだ。
「前の約束の話なんだけど、もしいやなら別に守らなくてもいいよ。」
「別にいやとかじゃ...」
「じゃキスしたいんだ、レナちゃんは。」
「誰が。」
ずっと緊張気味のレナはここでやっと愉快そうに笑い出した。
「したいか、したくないか、どっちなんだ?」
「そんなの答えられないよ。」
「じゃ試しにもう一回しよっと...」
今回はただ軽くレナの唇に自分の唇を一瞬重ねた。
「フリートライアル終了でございます。続きは有料サービスとなりますので、どうぞご贔屓にっ。」
「ははは、なにそれ。」
こうしておれはレナと、独立連隊入隊訓練の前のささやかな安堵の一時を過ごした。
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