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                 手作りメディア
絵ばなしビデオのできるまで

  • 絵本の選択(絵本えらび)
     絵ばなしビデオは、絵本を元にするわけですから、作り始めの時は、絵本の絵が、できるだけテレビ画面の長方形におさまるような本を選ぶのが賢明なやり方です。画像処理に時間をかけるより、ビデオ作り作業の全体の流れをつかむ方が大切だからです。作業になれてきたら、子どもたちの心を動かすような絵本を自由に選んでください。


  • 画像の取り込み(絵取り)
     絵本の画像は、イメージスキャナーで取り込みます。デジタルカメラでも取り込むことができますが、画質が、どうしても大味になってしまいます。また、ビデオカメラなどを使って、次第にズームアップしていく動画として取り込んだりすると、おもしろい作品ができあがります。取り込んだ画像は、任意の画像フォルダを作り、表紙から順番に、01.jpg 02.jpg 03.jpg…等と、ファイルに番号を付けて保存しておきます。


  • 画像・背景の修正(絵なおし)
    1. 画像の整形(型どり)
       はじめに、イメージスキャナーやデジカメで取り込んだ生画像をテレビ画面の形にに収まるように、画像処理ソフトの切り抜きツールを使って、横縦比4:3の長方形に切り抜きますが、作業b.に書いてあるような2つの生画像をつぎ合わせて一枚の画像を作る場合は、継ぎ合わせの作業の後で型どりをします。


    2. 画像のつぎ合わせ(絵つぎ)
       2ページにまたがった絵を1ページずつに分けて取り込んだ場合は、コピーや貼り付けツールを使って、その2枚をつぎ合わせ、1枚の画像に仕上げます。


    3. 折り目消し(線けし)
       2ページにまたがった絵を一回だけのスキャナー取りで済ませようとすると、どうしても、画像の真ん中に絵本の折り目の暗い境界線が入り込んでしまいます。そこで、画像処理ソフトのスタンプツールやコピーツールを使って、折り目の陰をまわりと同じ様な画面にして消していきす。


    4. 文字消し(字けし)
       絵本にある文字を、まわりの背景を貼り付けることによって消します。単色の背景の場合は、筆ツールや消しゴムツールで簡単に消すことができますが、雲や木の枝などの背景の上に文字が印刷されている場合は、文字消しに手間と時間がかかります。レンズツールなどで文字の部分を拡大させてから、周囲の背景を少しずつ分けて貼り付け、ていねいに消していきます。


    5. 汚れ・破れ・落書き消し(落とし)
       古くなった絵本は、落書きで汚されたり、破れ目やきずがあったり、色がさめたりしているページがあります。落書きや破れ目やセロテープの後などは、スタンプツールなどで簡単に消すことができます。年月がたって変色した画像は、色や明るさ等の自動補正ツールを使って、新鮮な色合いにかえていきます。



     
  • オーディオの読み込み(音入れ)
    1. ナレーション作り(語り)
       絵ばなしビデオの特長は、親しい人の「読み聞かせ」にあります。学校の先生やお母さんとか、近所のお兄さんやお姉さんが、話しかけるような口調でナレーションを入れるということが大切です。子どもたちが、語り手のまわりを取り囲んでお話を聞いているというようなシーンを思い浮かべて、読み聞かせの音作り作業を進めていくといいと思います。


    2. BGMについて(音楽)
       物語のイメージを盛り上げるために、絵と共に効果音楽を入れます。入れる場所は、物語の長さや内容にもよりますが、はじめのタイトルがフェイドインしてくる所と終わりのタイトルがフェイドアウトしていく所が無難です。物語の途中に音楽を入れすぎると、かえってうるさくなって、効果が半減します。


    3. パソコンへの入力と保存(保存)
       ナレーションやBGM等のオーディオをパソコンへ取り込む方法には、マイクのプラグを直接パソコンのマイクの入力口(マイクIN)に差し込み、パソコンにインストールされているサウンドソフトで音響処理をした後、WAVEファイルにして保存する方法と、あらかじめテープレコーダー等で録音した後で、音響の入力口(ラインIN)を通してサウンドソフトに送り込み、音響処理をした後でファイル化する方法と、大きく分けると2つあります。



  • ビデオ編集(編集)
     こうして保存してきた画像ファイルを物語の順序通りに並べ、ナレーションやBGMを入れて一つのビデオ作品にまとめ上げるのが編集の仕事です。


    1. ビデオ編集をする前に
       絵ばなしビデオを編集する時は、ナレーションと画像を合わせながら作業を進めていきます。絵本には、各絵ごとに語りの文がついています。その画像と対応したナレーションを入れながらストーリーを追って終わりまでいきます。ですから、1シーンの語りの時間的な長さに応じて、同じシーンの静止画を引き延ばす作業をしなければなりません。ということは、1つの作業画面の中に画像ファイルを時間の進行通りに並べて置ける横長のスペースと、それに平行してオーディオファイルを置く場所があること、それに加えて、映像と音声がリアルタイムでモニターできることなどの条件がそろわないと、快適な編集作業ができないというわけです。
       ですから、絵ばなしビデオ作りを始める前に、扱うパソコンの性能やメモリー・ハードディスクの容量、それに加えて、キャプチャーカードの有無・ビデオ編集ソフトの機能等を、事前によく調べておく必要があります。もっとも、最近売り出されているテレビが映るパソコンなら、メモリーやハードディスクの容量にしても、ビデオ編集をこなせるだけの十分な能力を備えているようです。パソコンショップのビデオ編集コーナーに行けば、いくつかの種類の編集ソフトが並んでいるので、購入するのでしたら、前もって、ソフトの機能をよく調べてから入手することです。 Adobeのプレミアやユーリード社のメディアスタジオプロ最新バージョン等は、上記の条件を備えているので、絵話ビデオ作りに常用できます。


    2. ファイルの読み込みとタイトル作り(読み込み)
       ビデオ編集ソフトを起動したら、まず、画像ファイルと音声ファイルを読み込みます。フォルダごと呼び込めれば、ご機嫌です。はじめのタイトルは、編集ソフトに付属しているメニューを起動させて作ってもいいのですが、私は、絵本の表紙をはじめのタイトルに使っています。絵本の作者や出版社は、必ず入れるようにしています。終わりのタイトルは、「終わり」とか「おしまい」とかの文字を入れて作り、映像合成のツールを使って、最後の画面に挿入し、背景をフェイドアウトさせて文字だけの画像にして終わらせます。


    3. 画像の配列(絵ならべ)
       いよいよ、編集のメインである画像並べ作業に入ります。まず、編集ソフトに付属しているカウントダウンマークやカラーバーを取り出して、ビデオファイルを並べるビデオスペースの先頭に置きます。次に、ナレーションの入れてあるWaveファイルをオーディオ用の編集スペースに入れます。先頭に置いたカウントダウンマークなどにもオーディオファイルが付いているので、その後に、10秒ぐらいの間をおいて置きます。というのは、カウントダウンマークの後、真っ暗な画面からタイトル画面をフェイドインさせるので、その間、10秒程度の時間が必要だからです。この10秒間は、後からBGMをフェイドインさせて入れます。次にタイトル画面を画像スペースに入れますが、静止画像は伸縮自由なので、長さは気にせずにカウントダウンマークの後に接続させて置きます。その後、タイトル画面の長さを決めます。画面の終わる場所は、「ビデオ絵ばなし 佐野洋子作 百万回生きたねこ」などというタイトル読みの少し後の所にしますが、この位置は、音声をモニターで聞いたり、オーディオファイルの音声波形を見たりして確かめます。終わる場所が決まったら、タイトル画像ファイルを決まった場所までひき延ばし、最初のページの絵の入っている画像ファイルを下ろしてきて、その後に継ぎたします。次に、最初のページのナレーションを聞いて、そのナレーションが終わる場所をタイムラインにある目盛りなどで確かめ、初めのページの画像ファイルを決められた場所まで引き延ばします。
       以上のような作業を繰り返しておこない、最終のページまでいきます。画像ファイルが最後までつなぎ終わったら、前のシーンと後のシーンを効果的につなげるための道具となるトランジションのツールを挿入しておきます。


    4. フェードイン・フェードアウトの設定とBGM入れ(効果いれ)
       次に、編集の作業での時にふれておいたフェードイン・フェードアウト効果の設定とそれに合わせたBGM入れの作業をします。子どもたちをイメージの世界に誘い込み、効果的な終わらせる作品に仕上げるために欠かせない仕事です。最近のビデオ編集ソフトは、マウス一つで、パソコンのディスプレーを見ながら、画像に明暗効果を加えたり、音声の高低をコントロールできるようになっています。マニュアルをよく読んで実行してください。
       余談になりますが、音声信号にノイズゲートという効果をかけると、ナレーション以外の雑音がなくなり、まるで、放送局のスタジオで録音したような状態になるので、便利な世の中になったものだと思います。もし、お使いのビデオソフトに音響処理の機能が付いていない場合は、前もってサウンドソフトで、フェイドインやノイズゲート等の音響処理を施した後のファイルを読み込んで、ビデオ編集に使う方法もあるので、試してみてください。


    5. レンダリングとビデオファイル作り(まとめ)
       最後に、今まで編集してきたものをまとめて、作品の出来具合をモニターするためのプレビューファイルを作ります。これをレンダリングといいます。そして、できあがった画面を見て、修正したい所があれば、編集し直します。再編集の後、プレビューファイルをデジタルビデオデッキ(ビデオカメラ)に書き出したり、ビデオファイルを作る作業をします。できあがったビデオ作品を試写するときは、編集者の胸が高鳴ります。


     
  • 絵ばなしビデオ作品の公開
     手をかけて仕上げた作品を子どもたちをはじめ、多くの人に公開するには、作品データをその公開に応じたメディアに書き込まなければなりません。
     家庭で鑑賞する場合は、絵話データの信号をVHSテープにうつし、ビデオデッキを使ってテレビで見せたりできます。デジタルビデオカメラがあれば、DVテープをカメラのデッキに入れて、アナログ端子を使ってテレビに送り込み、より美しい映像で見せたりもできます。
     学校で利用する場合は、データをVHSテープに書き込み、それをビデオデッキに入れて、校内テレビで放映することもできるし、プロジェクターを利用して、体育館のスクリーンに映す出すこともできます。また、教室の道徳の授業で使うこともできます。
     コミセンやホール等で公開する場合は、アナログテープだけでなく、DVDディスクに焼き込み、DVDデッキの映像をスクリーンに映して鑑賞させることも考えられます。


    1. VHSテープへのダビング(テープ落とし)
       VHSへのテープ落としとは、パソコンにあるデジタル信号をアナログ信号に変換して、VHSテープにダビングすることです。いちばん簡単な方法は、パソコンとデジタルビデオカメラをIEEE1394ケーブル(iリンク)でつなぎ、カメラ側のアナログ出力端子とビデオデッキ側の入力端子を黄赤白の三色信号ケーブルでつないで、手操作でダビングすることです。要するに、ビデオカメラを信号変換器として利用するのです。オーソドックスの方法は、パソコンの背面に備えられているビデオカードのアナログ出力用の3色の端子(コンポジット端子)やS端子からビデオデッキの入力端子へつないでダビングすることですが、パソコンにビデオカードが付いていない場合とか、ついていても、何かの不都合で機能していない場合は、ソニー(DVMC-DA2)やカノープス(AD-VC100)等から出されているAV信号変換器を間に入れてつなぎ、ダビングすることです。


    2. DVDディスクへの書き込み(焼き込み)
       最近はDVDプレヤーが、各家庭にも普及し、コンピュータも書き込み型のDVDドライブが用意されるようになってきたためか、DVDへの人気が上昇中です。映像ファイルをMPEG2ファイルに変換してからオーサリングという作業も加えなければならないので、何となく面倒な感じがしますが、書き込み可能なDVDドライブさえついていれば、ソフトに指示されたとおり作業するだけで、意外と簡単にDVDディスクに書き込めます。
       絵ばなしビデオのデータをDVDディスクに焼き込んでしまえば、DVDプレヤーさえあれば、手軽にノイズのない鮮明な映像が鑑賞できるので、これからのメディアとして注目できます。ぜひ、チャレンジしてみてください。



  • 絵ばなしビデオと著作権
     絵本というのは著作物ですから、絵本をビデオ化するに当たっての要注意事項があります。それは、著作者の権利を守るための著作権法を侵害してはならないということです。他人の著作物を著作者の許諾を得ずにコピーして、営利行為の対象にしたり、インターネットに流したりするのは、禁止されています。
     絵話ビデオ作りもコピー行為の延長と解釈されるので、作品の使用にあたっては、著作権法第30条の例外規定として許されている「家庭内」でのコピー行為、及び、著作権法第35条の例外規定として許されている「教育機関」でのコピー行為の範囲を逸脱してはならないということです。
     要は、学校や地域や家庭で絵話ビデオを見せる場合、そのビデオは、原則的に言えば、上映する本人が制作したものであること(指示に従って制作してくれる人に依頼することは可能です)や、そのビデオを営利目的に使用しないということ等の約束をきちんと守ることです。

    • 1…著作権法 第30条(私的使用のための複製)
       著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
      1. 公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合
      2.  技術的保護手段の回避(技術的保護手段に用いられている信号の除去又は改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第120条の2第1号及び第2号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合
      2.私的使用を目的として、デジタル方式の録音又は録画の機能を有する機器(放送の業務のための特別の性能その他の私的使用に通常供されない特別の性能を有するもの及び録音機能付きの電話機その他の本来の機能に附属する機能として録音又は録画の機能を有するものを除く。)であつて政令で定めるものにより、当該機器によるデジタル方式の録音又は録画の用に供される記録媒体であつて政令で定めるものに録音又は録画を行う者は、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない

    • 2…著作権法 第35条(学校その他の教育機関における複製)
       学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
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