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祈祷所の脇にある社殿
剣ヶ峰の鳥居から見た御来光
一の池外輪山の向こうに沈む夕日
一日の業務を終えた神主さん
頂上から眺める感動的な御来光
祈祷所(お鉢巡りは建物の左を進んで行く)

石段の脇には境内拡張工事の際に
寄付をした人の名前を刻んだ石碑が
建っている
朝日を浴びる石段と頂上山荘
御嶽神社の御札は各種サイズあり
83段の石段の直下にある頂上山荘
御嶽神社奥社社務所にはおみくじもある
剣ヶ峰山荘の外観(左奥は頂上山荘)
頂上である剣ヶ峰付近には下から順番に剣ヶ峰山荘、御嶽神社奥社社務所、頂上山荘、祈祷所という4つの施設が集まっています。

剣ヶ峰山荘は王滝口の山小屋で、頂上山荘は黒沢口の山小屋になります。どちらも宿泊・休憩、登山バッヂなどのお土産の購入が可能です。

また、
御嶽神社奥社社務所では御朱印や御札、登山記念グッズの授与・販売を行なっています。

頂上山荘と御嶽神社奥社社務所では焼印もやっています。

そして、
83段の心臓破りの急な石段を登り切った場所にある祈祷所では、御札の授与の他、常駐する神主さんによるお祓いを受けることが出来ます。なお、トイレですが、剣ヶ峰山荘の正面を突っ切った先に2つの公衆トイレがあります。使用後はお気持ちとして100円を入れていただけると幸いです。
剣ヶ峰に続く石段
足元には大小の岩石が転がる
最後の急な上り坂
大御神火祭の斎場はY字の分岐点となっており、右手へ行くと黒沢口二の池方面への近道となります。剣ヶ峰を目指す場合はそのまま急な斜面を直進して下さい。

ここから頂上までは400メートル、15〜20分の距離ですが、大小の岩石が転がっている上、勾配もキツイので大変です。

また、登山ルートからは外れていますが、
剣ヶ峰山荘に到着する少し手前(左手に張ってあるロープの外側)に摩利支天の像を刻んだ大岩が佇んでいます。

護摩木が焚き上げられる
2011年に行なわれた大御神火祭の様子
登山道の左手にある摩利支天が刻まれた大岩
中央に立っているのが御嶽大神像
円球部分に名前の由来が刻まれている
平らで歩きやすい八丁ダルミを過ぎると、左手にクルクルと豚の尻尾を巻いたような像が見えてきますが、これはまごころの塔と言います。

御嶽教によって昭和49年7月に建立されたもので「登山者の安全を計るため塔上に避雷針を取り付けた」ことから、そのような名前が付けられました。今日では硫黄によって変色してしまいましたが、建設当時は黄金に輝いていたそうです。

そんなまごことの搭と対峙するかのようにして6体の神像が建つ場所が大御神火祭斎場です。毎年8月7日夜から翌8日の未明に掛けて壮大な火祭りが敢行されます。

なお、6体ある銅像のうち、一番長身の御嶽大神像は御嶽教の開教90周年を記念して1972(昭和47)年に建立されたものです。

八丁ダルミを進む白衣の信者さん(右は御嶽神社奥社本宮)
まごころの搭から剣ヶ峰を望む
噴煙を上げる噴気孔
八丁ダルミから王滝頂上を振り返る

■ 0〜10ppm    ・・・卵が腐ったような臭気を感じる
■ 50ppm       ・・・目に刺激を受ける
■ 100ppm      ・・・鼻、喉が刺激され、嗅覚が麻痺する
■ 350ppm      ・・・・4時間程度で生命に危険が生じる
■ 700ppm      ・・・15分程度で意識不明に陥る
■ 1000ppm     ・・・1分以内に死亡する

頑丈な石垣に守られた御嶽神社奥社本宮を出ると、しばらくは平坦な道が続きますが、これが八丁ダルミです。

八丁とは約872メートルのことですが、御嶽山の八丁ダルミはせいぜい
2〜300メートルと言ったところではないでしょうか。但し、この場所は御嶽山でも有数の風の強い場所です。

御嶽山では西から東へ(進行方向、左から右へ)向かって吹く風が主流ですが、
前線の通過中台風が接近している時などは命の危険を感じるほどですので、くれぐれも無理はなさらないで下さい。

そして、この付近から急に
硫黄の臭いが鼻に付くかと思いますが、これは八丁ダルミの左手に今でも水蒸気を吹き上げている噴気孔があるためです。2007年には硫化水素ガスの濃度が20ppm以上を観測すると「ピーピー」という警報音が鳴る警報器が設置されました。

硫化水素ガスの濃度については以下の通りですが、八丁ダルミ西側は昭和54年の噴火以降、
立ち入り禁止エリアに指定されてますので、一般の登山者の皆様は近付かないようご注意下さい。


御嶽神社奥社本宮の額
寄贈された額
御嶽神社奥社本宮にある石の鳥居
狛犬越しに剣ヶ峰を望む
御嶽神社奥社本宮の社殿
御嶽神社の石碑
そして、そこには御嶽神社頂上奥社本宮が鎮座しており、御札や焼印を扱う社務所があります。この地点の標高は2936メートルです。
十合目の石碑
十合目とは即ち頂上を示す言葉であるが、その石碑が王滝頂上山荘から御嶽神社へと向かう短い石段の脇に建っています。ちょうど、御嶽神社の石の鳥居の根元にあるため、気付く方も多いと思いますが、実質、ここが王滝登山道の頂上、つまり「王滝頂上」に当たります。
正真正銘、これが奥の院
夕暮れ時の個人の霊神場
ここはまだ奥の院ではありません!!

王滝頂上山荘に到着すると、宿泊、食事、トイレ、各種オリジナルグッズの購入が可能となります。トイレは小屋の裏手にあります。

さらに、ここから
奥の院までは約20分の距離です。

奥の院とは読んで字の如く、尾根の先端に木製鳥居と祠が祀られており、
無人の施設です。

道中、
日の門月の門があり、前者を潜ると幸福になると言う話があります。

九合目避難小屋から奥の院へ向かうルートとの合流地点に個人の霊神碑(神像)が祀られており、そこを奥の院だと勘違いする方も多いですが、本当の奥の院はそこから更に10分ほど進んだ場所にありますので、お間違えなようご注意下さい。

なお、王滝頂上山荘では2004年頃まで
焼印をやっていましたが、今ではやっておりません。小判型の愛らしい焼印がもう見られないかと思うと少し淋しい気がします。
ここから剣ヶ峰まで残り592メートル!!
堂々とした王滝頂上山荘の建物
足場が悪い登山道が続く
これはネットから拾ってきた空撮写真ですが、百聞は一見に如かずの諺通り、王滝頂上付近の様子が手に取るように分かります。

この写真には
九合目避難小屋は写っていませんが、急勾配な登山道が一直線に王滝頂上山荘へと続いている様子が見て取れます。この付近は登山道の状況も悪く、黒色をした軽い火山岩が足元に散らばっており、滑りやすくなっています。[

また、晴れていれば一口水あたりから白く輝く巨大な王滝頂上山荘の建物が見えてきますが、歩けど歩けどその距離は縮まらず、蜃気楼を見ているような感覚に陥るかも知れませんが、辛抱強く登山を続けて下さい。
王滝頂上付近の様子 (ネットより転載)
九合目避難小屋を出ると、いよいよラストスパートとなりますが、その前にまずは下記の写真をご覧下さい。
【王滝口】・・・王滝頂上山荘→御嶽神社→八丁ダルミ→まごころの搭→剣ヶ峰へ


一口水を過ぎると急登が続くようになります。足場の悪いガレ場に石段と木段が連続し、胸突き八丁といった感じがします。一口水から九合目避難小屋までの間は、王滝口登山道で最もキツイ場面だと思います。

その証拠に、私はこのルートを数十往復しているにも関わらず、この付近の写真を一枚も撮影していないのです。おそらく、あまりに大変でリュックからカメラを取り出すゆとりすら無かったのだと思います。

急壁を越えると
中央不動があり、そこから遠くない距離に九合目避難小屋があります。

注意して頂きたいのは、九合目避難小屋がある地点は
Y字路になっており、頂上を目指す場合は右手へ進んで下さい。避難小屋の手前を左手へ折れると奥の院へ行ってしまいます。

2年に1度くらいこのルートで迷って連絡をしてくるお客様がいます。

なお、九合目避難小屋と八合目避難小屋はほぼ同じサイズで、トイレはありません。

7月上旬は雪渓に埋もれていること
が多い
岩間を伝って流れ落ちる湧水
6月下旬、一口水付近を登る筆者
一口水(ひとくちみず)とは、読んで字の如く、岩場から清水が滴る水場であり、九合目にある王滝頂上山荘まで保水所が全く無い王滝口登山道の中では貴重な存在と言えます。

岩の裂け目から少しずつ零れ落ちる天然水は玉露のような甘みがありますが、ここ御嶽山でも近年では
土壌汚染の懸念から、「清水を飲むのは注意が必要」との認識が広がっております。

かつて剣ヶ峰の山小屋で働いていた頃は数年間に亘り、この一口水で疲労した身体と喉を潤してきましたが、別状ありませんでした。色々な情報が錯綜する世の中で何が正しいかと言うのは一概には申せませんが、各自が納得の行く判断をして安全な登山を心がけて頂けたら幸いです。

なお、一口水がある渓谷は王滝口登山道で最後まで雪渓が残る場所として有名です。

八合目避難小屋を過ぎると、次に現れるのは富士見石という場所です。ここは読んで字の如く、「日本一の富士山が見える場所」という意味で、晴れた日の午前中には東方に台形(左右に角が突き出した)富士山を肉眼で確認することが出来ます。

八合目避難小屋以降、これと言って特徴的なポイントが無い道程に於いて貴重な休憩ポイントと言えるでしょう。

富士見石を過ぎると険しい登山が続きますが、次に現れるポイントは
一口水になります。

ここまで来ると随分と視界が良くなる
御嶽山から見た富士山は台形に見える
富士見石(左)と登山道(右)
八合目避難小屋は風向きに配慮して出入口は一ヶ所のみで、トイレなどの施設は一切ありません。5〜6人が入れば一杯になるような小さな施設ですが、王滝口では9合目・王滝頂上山荘に辿り着くまでの間、この八合目避難小屋と九合目避難小屋以外に休憩施設はありません。

田の原から1000メートルの高低差(
歩行距離は3キロ)を一気に駆け上がる登山道の弱点は、この脆弱な休憩施設とトイレ不足ではないかと痛感する次第です。
森林限界を過ぎるとハイマツが多くなる
8合目付近にも御嶽信仰の遺物が残る
避難小屋は風向きを考慮して作ら
れているが、トイレは無い。
8合目石室=避難小屋の石碑
金剛童子から先、厳しい登山が続く・・・
登山時間の目安は一合間=一時間とされています。故に、7合目・田の原から8合目までは計算上、一時間で到着するはずです。しかしながら、実際の歩行距離は1キロ以上あり、なかなか辿り着きません。

個人的な感想としては、森林限界を迎える金剛童子が八合目でも良いんじゃないかと思うのですが、実際の
八合目避難小屋はそこから更に15分ほど登った場所にあります。
【王滝口】・・・八合目避難小屋→富士身石→一口水→九合目避難小屋まで


この場所は森林限界です。高木が生育できない環境であるため視界が急に開け、眼下にはこれまで歩んで来た道程と田の原(三笠山)の絶景が広がっており、これまでの疲労も一気に吹き飛ぶのを覚えます。

一方、天候が悪い場合はそれまで森林に囲まれていて感じることが無かった強風に恐怖を感じることでしょう。

森林限界より先は高山独特の厳しさが待ち構えています。

悪天候の場合、十分な装備が無ければこれ以上先へ進むのは困難であり、勇気ある撤退も視野に入れ今後の行動を選択するべきです。

ビュービューと吹き荒れる風を受けて、キャンセルの電話&相談があるのもここ金剛童子であることが多いのですが、この先、風が強まることはあっても天気が好転する見込みは限りなく低いので、ご自身の体力と登山経験に基づいて正しい判断をなさって下さい。

その上で宿泊をキャンセルすることになったのであれば、誰もあなたを責めることはありません。

「山は逃げないから、また今度来てよ」

長野県山岳救助隊副隊長を引退後、一緒に山小屋で働いていたIさんがよく言っていた言葉です。


ただ、晴れている時は最高の休憩ポイントなんですよ!!
これは「意波羅天宮」です。
金剛童子に祀られた神像
いくつもの祠が目の前に現れる
眼下に三笠山が一望出来る
金剛童子の祠には神像が祀られている
金剛童子の説明文
金剛童子は王滝口登山道における一つのハイライトと言える場所です。

整備が行き届いた登山道。これより先、金剛
童子を目指す。
あかっぱげのザレ沢。7月には雪が残ることも。
大江権現からあかっぱげまでの間は、石畳の道と木段の連続です。シーズン中、何万人もの登山者が往来するため、岩の表面はツルツルに磨かれ、雨の日などは滑りやすくて危険です。段差も比較的高いので、十分に注意して登下山なさって下さい。

さて、右手の視界が急に拓けて赤色の砂地が出現したら、そこが
あかっぱげです。

この付近は2004年頃に大規模な登山道改修が行なわれたため、非常にキレイです。ただ、木段の幅が登山者の歩調にマッチしていないため、少し歩き辛いのが難点です。

大江権現を過ぎると急に傾斜が強くなる
大江権現の鐘
大江権現の木製鳥居は人力で運ばれたと言う
女人禁制の説明文と巨大な霊神碑
田の原大黒天に奉納された五円玉(裏面)
遥拝所を過ぎると砂利道は緩い登りとなり、その後、幅の広い木段が出現します。登山者の歩幅に合っていないため、非常に登り難く感じるでしょう。私もこの場所と後述する「あかっぱげ」周辺の木段が苦手ですが、それを登り切ると大江大権現の祠に到着します。

なお、明治9年頃まで御嶽山では大江権現より上は女人禁制でした。

大江権現から先は木立が生い茂り、道幅も狭く、
本格的な登山の様相を見せ始めます。

お供えされた玉子パックと清酒
遥かに御嶽山を望む
そして、登山道の入口から600メートルほど進んだ右手に、今度は遥拝所が姿を現します。ここには國常立尊、大己貴命、少彦名命の3神と御嶽大神、御嶽山大黒天が祀られています。

足腰の弱くなった信者さんや頂上まで登拝することが叶わない方々が、この場で御嶽山を拝み、御札を授かって行かれます。

また、遥拝所には金剛杖に押す
焼印トイレがあります。


※なお、それぞれの神様の詳細は以下の通りです。

國常立尊(くにとこたちのみこと)・・・天地開闢の初め、天地と共に成り出で坐し、常久に無限の力を現じ、不断に万物の生を養い、造化育成を司る、天地の大元霊。

大己貴命(おおなむちのみこと)
・・・慈悲円満にして、耕作豊穣を護り、子宝を授け、縁結びを司る福徳の大神。

少彦名命(すくなひこなのみこと)・・・
智恵、才能を授け、長寿を護り、病難を癒し、禁厭を司る霊妙神。
田の原大黒天に奉納された五円玉(表面)
田の原大黒天の社殿
晴れていれば正面に御嶽山の雄姿が見える
鳥居を潜ってすぐ右手にある神像
立派な鳥居を潜ると、車が一台通れるほどの幅の登山道(砂利道)が一直線に伸びています。鳥居を潜ってすぐ右手には台座に置かれた神像があり、ここで登山の安全を祈願する登山者の方も多いです。

平坦な砂利道を130メートルほど進むと右手に
田の原大黒天の社殿が見えてきます。奉納された巨大な五円玉が印象的です。

田の原大自然公園の地図
立派な鳥居を潜って登山開始!!
王滝口登山道の入口に建つ石碑
王滝口は別名・田の原(たのはら)と呼ばれています。JR木曽福島駅から車で1時間半、スキー場のゲレンデの間を縫うように走るS字カーブを越えた先に田の原はあります。

御嶽山の7合目に当たる田の原の標高は2100メートル。そのため、夏でも空気は冷たく、バスや車から降りた瞬間、びっくりすることでしょう。

田の原には宿泊・食堂・土産物センターを兼ねた
田の原観光センターの他に、御嶽神社7合目社務所無料駐車場&24時間使える公衆トイレがあります。また、周辺は田の原大自然公園として整備されており、デッキロードが縦横に走っています。
【王滝口】・・・田の原→遥拝所→大江権現→あかっぱげ→金剛童子まで


【御嶽山の登山道について】 

岐阜県と長野県に跨る巨大な独立峰である御嶽山には以下の通り、5つの登山道があります。

王滝口(長野県)
黒沢口(長野県)
開田口(長野県)
飛騨口(岐阜県)
※別に小坂口、または濁河口と言う場合もあり。
日和田口(岐阜県)


これらの登山口を使って、夏山シーズンには全国各地から数万人もの登山者が標高3067mの剣ヶ峰頂上を目指す訳ですが、
上記の登山道を利用する登山者の割合は、王滝口>黒沢口>>>>飛騨口>>>>>>>>>>>日和田口>>開田口といった具合になります。

このようになる理由としては

◎王滝口・・・無料駐車場があり、車内で仮眠した後、登山を開始することが出来る。
◎黒沢口・・・ロープウェイがあり、便利。

×開田口・・・3合目のキャンプ場から熊笹が茂るアプローチの長い道をひたすら歩くことになる。
○飛騨口・・・アプローチが長く、剣ヶ峰まで遠い。但し、近年は五の池小屋に一泊して頂上を目指す登山者が増えています。
×日和田口・・・以前まであったスキー場のゴンドラが運行を停止した。

という原因が考えられます。


従って現在では王滝口と黒沢口の2つの登山道が一般的になっており、ガイドブックなどでも紹介されることが多いようです。二の池本館にも
「王滝口と黒沢口、どちらが良いですか?」という問い合わせの電話がよく掛かって来ます。

そこで今回はこの2つの登山道を徹底的に比較して見ようと思います。

【徹底比較】 御嶽山の登山道 ! ! 

〜「王滝口」vs「黒沢口」〜

上空から見た御嶽山 (ネットより転載)