身近な漢字について    (中島 節) 
                         -2016. 9. 1-


 文芸春秋九月号で、藤原正彦氏は「「雨」という言葉に五月雨,小糠雨、時雨、、、と四百もの語彙があり、日本人は情景によって 使い分けてきた」と述べています。確かに表現力では漢字の本家中国以上かもしれない。事実、思想、文化、文明、教育、社会、進歩、 流行、構造、規則などは中国へ輸出された単語です。また鉄道、電信、電話、電報、郵便などは日本人が造語したと言われています。

 身近な漢字、先ず「木」を取り上げてみます。木の字形は立木です。そして木を含め木を構成素としている漢字は、木から欝まで 468語と驚くほど多数の漢字が角川書房「新字源」に収録されています。またうっとうしいことに欝には鬱という別字も。確かに 日本の風土は多種類の樹木の生育に適していますから、木を表示する漢字の多いのは当然でしょう。

 そこで立ち木を表す象形文字[木]ですが、上部の横棒は枝、左右のはねは根を表しています。また漢字は何偏を使って造られているか、 「新字源」を利用し調べてみました。多い順に挙げますと、1位は立心偏の付いた文字(快、慣、悩etc.)で507語、2位は人偏のついた (仇、仏、体etc.)と草冠の付いた茨、荘、薬などでそれぞれ490語。4位は木偏の付いた漢字468語、5は虫偏の付いた258 文字です。この後に、糸(249語)、言(245語)、金(97語)、魚(52語)、鳥(51語)などが続きます。

   では皆さんお元気で! 辞書引きで、残暑の一時を忘れてみては如何ですか。


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