アメリカは合衆国か合州国か    (中島 節) 
                         -2017. 4. 1-


 興味をかき立てられる問題なので、今読んでいる「ことばの四季報」稲垣吉彦から、引用してみます。 本多勝一氏は「アメリカ合州衆国」と書く。理由はきわめて単純なことで「the United States of America を、そのまま訳せばこうなるから」だという。加藤英俊氏もいう。「とにかく、 民族的に、世界のあらゆる民族がなんとなくよせあつまってでき上がった国なのだ。本来は「合州国」で あるのを、いつの間にか日本人が「合衆国」というふうに書きかえてしまったのも、大いに無理からぬことなのである。」

 この、「アメリカ合衆国はなぜ合州国と書かれなかったか」について、斎藤毅氏は次のように推論している。

 「合衆国」は日本製の訳語でなく、英米の対清交渉にあたった中国語の達人である通訳官によってつくられ、 日本に伝えられた。その意味は「独立して自治権をもった各邦が一致協力して経営する国家」という合成語で あって「合」同せられた「衆国」(協力、共同、和親)する「国」という合成語であって「合」同せられた「衆国」 (諸国)というのではない。日本では、最初は「王なくして治められる国」といい、また「寄合持の国」といい、 また古い中国語に由来して日本でつくられた「共和国」の名称を付与したが、やがて幕府の外交関係者によって置き 代えられて「合衆国」になったと推定される。しかも「合衆国」は、各自治邦の代表者から成る間接民主政治をも 含んでいたゆえに、当然、the United States の直訳とも見なされた。


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