<集中力グ〜ンとアップ>
人が生涯のうちに活用する脳細胞は、全体の約10〜20%といわれている。
あとの部分はまったく潜在能力として残されている。それをうまく引き出そうとい うのが能力開発研究所の試み。その第一弾として催されたのは、名古屋駅前 の中小企業センターで開かれた「集中力を高める速読講習会」なるもの。「ホン マかいな?」と疑い半分に潜り込んでみた。
<簡単な訓練でOK>
人が普通に文字を追って、1分間に読みながら理解する平均値は400〜50
0文字ぐらいとされている。これはちょうど文庫本1ページの約4分の3にあた る。よく読書をする人でも1000字、そして1500字が音読方法での限界だとい われている。そのため、特別の訓練をしない限り、どんなに読むのが速い人で も、1分間に文庫本を3ページと読めない計算になる。
ところが、能力開発研究所のプログラムに従って訓練すると、どんな人でも1
ヶ月後には倍以上の1000字、そして3ヶ月もたてば確実に2000〜3000字 は理解しながら読みこなせるようになるという。さらに、5000〜6000字、1万 字を超える人も中にはいるという。
「こんなバカな!」。1万字といえば、文庫本で約17ページ、まったく信じられ
ない話だ。しかし、「こりゃあり得るなあ」と思ったのは、この日講師として来場し ていた杉山修氏の指導に従い、簡単な訓練を受けた後だ。
その訓練とは、まず数字の書かれた紙の裏に、中央に黒点を記したもう1枚
の紙を合わせ、その黒点がちょうど“8”のヘソにくるように重ねて、背筋を伸ば しアゴを引き、目をカット見開いてそのヘソを40秒間見つめるのだ。
40秒たったら数字の書かれた紙を外すと、黒字を中心に9つの数字が見事
に浮かび上がる。こうした固定点凝視訓練の次に、眼球訓練(左右移動、上下 移動、対角線移動など)を行い、仕上げはリズム訓練。これはすでに本の文字 を意識したもので、右上の枠にくくられた固まりをパッ、パッ、パッと本を読むよう にして見ていく。
この訓練の後に、本の文字をまず6文字の固まり、次に10文字の固まり、そ
して14文字、42文字のグループとして目でとらえていくのだ。14文字をひと固 まりとしてとらえられるようになれば、1分間に1000文字、42文字なら同じく1 分間で3000字は読める計算になる。
さすがに記者は、この訓練がにわか仕込みのために、訓練前後で300字ぐら
いの差しか効果はなかったが、それでも行にして7行は速く読めるようになり、 驚かされた。いずれこの訓練を積み上げて、集中力がセルフコントロールでき れば、速読に限らず、いろんな面でその効果を発揮できるのでは、と正直に思 った。これでデスクに「原稿、原稿!」と追い回されずに、早く原稿が書けるよう になっていれば申し分ないのだが・・・。
|